JPH0325669Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車などの車両用座席、詳しくは感
触を向上させるためにモールド加工した発泡体製
クツシヨン主体上に、該主体に対して柔軟性を有
する発泡体からなる平板状クツシヨン補助体を被
せてなる車両用座席のクツシヨン体に関する。

（従来の技術） この種の従来品を使用した車両用座席を第５図
に示す。図中１ａはモールド加工したウレタンフ
オームなどの発泡体製クツシヨン体で、１１ａ，
１１a′はその上面左右に有する隆起部、１２ａは
両隆起部１１ａ，１１a′間に有する平坦部を示
し、図中２ａは主体１ａ上に被せた平板状の発泡
体製（スラブ材）クツシヨン補助体、３ａは表皮
部材を夫々示す。

斯る従来品はクツシヨン補助体２ａをクツシヨ
ン主体１ａの凹凸状上面に接着又はその主体１ａ
を発泡成形する際、補助体２ａの弾性によつて、
第６図に示すように成形型４の内面になじまない
ため、第６図二点鎖線に示すように主体１ａを加
圧し乍ら補助体２ａに接着しても、主体１ａの隆
起部１１ａ，１１a′と平坦部１２ａとの間に隙間
イが生じ、座席の外観形状が出ない不具合があ
る。

そこで、第５図に示すようにボタン５を吊込紐
６によつて吊込むことにより、前記隙間イが生じ
ないようにしている。しかし、この吊り込み部以
外の個所には依然として隙間イが残るため、この
部分が浮き上がり、座席の外観を損ねていた。第
５図において図中７はフレーム、８はフレーム７
に張架したばね材である。

（目的） 本考案は前記平板状のクツシヨン補助体が凹凸
状の曲面を有するクツシヨン主体の上面に隙間な
く密着し所期の座席形状に形成できるようにする
ことを目的とするものである。

（構成） 本考案は上面の左右に隆起部を有し、この両隆
起部間に平坦部を有する発泡体製クツシヨン主体
における平坦部と隆起部との境界線に沿つて凹溝
を設け、一方、この主体の上面に接着される平板
状のクツシヨン補助体に切溝をルータ加工などに
よつて設け、この切溝によつてクツシヨン補助体
の屈曲性を向上せしめて、前記クツシヨン主体の
凹凸状曲面に沿つて密着できるようにしたもので
ある。従つて、この切溝はクツシヨン補助体にお
けるクツシヨン主体の隆起部と平坦部との境界線
に臨む位置に設けて、この部分からクツシヨン補
助体が折れ曲がり易いようにすると共に、クツシ
ヨン主体の凹溝に沿つてクツシヨン補助体の一部
が喰い込み、クツシヨン補助体を被覆する表皮部
材に装飾用の凹条が形成できるようにする。

（実施例） 第１図は本考案に係る車両用座席（自動車用シ
ートクツシヨン）Ａを示し、斯る座席Ａは第２図
に示すように、クツシヨン主体１（以下主体と略
す）上面にクツシヨン補助体（以下補助体を称
す）２が密着され、その密着された補助体２上に
表皮部材３が前記従来品と同様にボタン５の脚部
に取付けた吊込紐６の吊込みによつて被覆固定さ
れている。図中第５図と同一符号は同一部材を示
す。

そして、以上の主体１は従来品と同様に左右に
隆起部１１，１１′を有しその間に平坦部１２が、
また、前後に膨出部１３，１３′を設けたモール
ド成形による発泡体（例えばウレタンフオーム）
である。なお、図示する主体１はその上面におけ
る平坦部１２の周囲、即ち、平坦部１２と隆起部
１１，１１′膨出部１３，１３′との境界に沿つて
凹溝１４が切穿されており、この凹溝１４に前記
吊込紐６を挿通する吊込孔１５…が、間隔をあけ
て設けてある。この主体１上に、補助体２が接着
されている。

補助体２は前記主体１に対して柔軟性を有する
ウレタンフオームなどの発泡体（スラブ材）で、
その厚さは10mm〜30mm程度の平板状に形成されて
いる。そして、この平板状の補助体２における主
体１の平坦部１２と、隆起部１１，１１′、膨出
部１３，１３′との境界線に設けた凹溝１４に臨
む位置には切溝２１が設けてあり、この切溝２１
に沿つて補助体２が屈曲し易いようになつてい
る。また、この切溝２１内における前記主体１の
吊込孔１５に対応する位置には吊込紐６が挿通さ
れる通孔２２，２…が開孔されている。

この補助体２はその通孔２２，２２…が、主体
１の吊込孔１５，１５…と連通するように、主体
１の表面に一体に取付けられている。

第４図に示すものは補助体２を接着剤によつ
て、主体１表面に一体に接着する場合を示し、下
型４は主体１の上面形状と一致するように形成さ
れ、この下型４内にまず補助体２を収容する。こ
の補助体２は前述の如く、切溝２１が設けてある
ため、下型４になじみ易く下型４内壁に密着す
る。次にこの補助体２の接合面に、接着剤を塗布
したモールド成形後の主体１を、下型４内の補助
体２に加圧して接着すると、本考案に係るクツシ
ヨン体が得られる。

主体１に補助体２を一体に取付けて形成した以
上のクツシヨン体を使用して、従来と同様な方法
で座席を組立る。即ち、補助体２付きの主体１
を、ばね材８を張架したフレーム７上に載置し、
表皮部材３を被せると共に、その表皮部材３が補
助体２の表面に密着するように、表皮部材３の吊
込紐６を、補助体２の通孔２２、主体１の吊込孔
１５に挿通して、その吊込紐３をばね材８方向に
引き、吊込紐３の下端をばね材８に結着する。な
おこの吊込紐３の上端は表皮部材３上に頭部が露
出するボタン５の脚部に挿通されている。

表皮部材３の上部をボタン５付きの吊込紐３で
主体１に固定した後、その表皮部材３の端末をフ
レーム７等にホツグリングで固定することによ
り、座席Ａが得られる。

なお、前記表皮部材３は、吊込紐３による吊込
により、補助体２の切溝２１に対応する部分が、
主体１の凹溝に喰い込み第１図に示すように各ボ
タン５間に渉つて装飾用の凹条ａ，ａ…が形成さ
れるため、座席の表面の立体感が向上する。これ
は主体１上面に凹溝１４が設けてあり、この凹溝
１４に補助体２の切溝２１を設けてある部分が、
表皮部材３の吊込により入り込むためである。

（効果） 本考案によれば、クツシヨン主体の上面に設け
るクツシヨン補助体におけるクツシヨン主体の隆
起部と平坦部との境界線に臨む位置に、切溝が設
けてあるため、この切溝によつてクツシヨン補助
体の屈曲性が向上し、クツシヨン主体の上面に隙
間なく密着できる。従つて、座席が所期の外観形
状に組立られるため、従来品の座席に比べ、美感
が向上する。しかも、単に補助体に切溝を設ける
だけで良いので製造が簡単で低原価で提供でき
る。加えて、クツシヨン主体における隆起部と平
坦部との間に境界線に沿つて凹溝が、また、この
凹溝に対応するクツシヨン補助体に切溝が夫々設
けてあるため、この凹溝内に表皮部材の吊込みに
よつてクツシヨン主体の凹溝内にクツシヨン補助
体の切溝に対応する部分が喰い込み易く、このク
ツシヨン補助体の喰い込みによつて、座席の表面
に装飾用凹条が的確に形成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案品の斜視図、第２図は第１図に
おける−線に沿える断面図、第３図は要部の
分解斜視図、第４図は要部の成形状態を示す断面
図、第５図は従来品の断面図、第６図は従来品の
成形状態を示す断面図である。 図中１はクツシヨン主体、２はクツシヨン補助
体、３は表皮部材、２１はクツシヨン補助体の切
溝を夫々示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上面の左右に隆起部を有しこの両隆起部間に平
   坦部を設けると共にこの平坦部と前記隆起部との
   間の境界線に沿つて凹溝を設けてなる発泡体製ク
   ツシヨン主体と、 この主体の上面に一体に設け前記隆起部と平坦
   部との間の境界線に臨む位置に切溝を有する平板
   状発泡体製のクツシヨン補助体とからなり、 このクツシヨン補助体は前記クツシヨン主体の
   上面に一体に接着されてなる車両用座席のクツシ
   ヨン体。