JPH0324910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、油圧ダンパー、特にこれのスプリン
グガイドの改良に関するものである。

（従来の技術） ダンパーケース内にピストンロツドを挿入し、
該ピストンロツドの一端にダンパーケース内周に
摺動自在に嵌合するピストンを結着するととも
に、同ピストンロツドの他端に結着されたアツパ
ーケースとダンパーケース外周部に結着されたア
ンダーケースとをスプリングガイドを介して嵌合
し、これらアツパーケースとアンダーケース間に
クツシヨンスプリングを介装して成る油圧ダンパ
ーにあつては、前記スプリングガイドは合成樹脂
等で一体成形されていた。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記の如くスプリングガイドが一体
成形物であれば、これがアツパーケースに対して
傾いて取付いている場合、或は油圧ダンパーがサ
イドフオースを受けた場合にはスプリングガイド
とアツパーケースとが片当たりを起こしてこれら
部材が偏摩耗し、その耐久性が低下したり、摺動
抵抗が増して車両の乗心地性が低下するという問
題が生ずる。

そこで、本考案の目的とする処は、スプリング
ガイドとアツパーケースとの均一な摺接を実現し
てこれら部材の偏摩耗を防止し、その耐久性向上
を図るとともに、摺動抵抗を軽減して車両の乗心
地性を高めることができる油圧ダンパーを提供す
るにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成すべく本考案は、スプリングガ
イドをクツシヨンスプリングの一端を受ける固定
部と、該固定部に対して傾動自在で、その一端が
アツパーケース外周に摺接する可動部とで構成し
た。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図は本考案に係る油圧ダンパーの半裁断面
図、第２図は同油圧ダンパーのスプリングガイド
部の拡大破断側面図である。

第１図に示す油圧ダンパー１において２はダン
パーケースであり、これのインナーチユーブ３内
には上方よりピストンロツド４が挿入され、該ピ
ストンロツド４の下端部にはインナーチユーブ３
内周に上下摺動自在に嵌合されたピストン５が結
着されている。

又、ピストンロツド４の上端部にはアツパーメ
タル６が結着されており、該アツパーメタル６の
下部外周には連結部材７が保持されており、連結
部材７の外周には円筒状を成すアツパーケース８
の上部が結着されている。そして、このアツパー
ケース８の下部内周にはダンパーケース２外周に
摺接するガイドブツシユ９及びオイルシール１０
が嵌装されている。

一方、ダンパーケース２の下部外周にはアンダ
ーケース１１が結着されており、該アンダーケー
ス１１の上部内周にはスプリングシート１２が保
持されいる。そして、このスプリングシート１２
の上面にはスプリングガイド１３の一端部がクツ
シヨンスプリング１４にて押圧保持されており、
該スプリングガイド１３の他端部（上端部）はア
ツパーケース８外周に摺接している。このスプリ
ングガイド１３は合成樹脂等で成形され、これは
第２図に詳細に示す如くスプリングシート１２上
にあつて、クツシヨンスプリング１４の一端を受
けるリング状の固定部１３ａと、該固定部１３ａ
とは分離して設けられ、これに対して傾動自在な
筒状の可動部１３ｂとで構成され、可動部１３ｂ
の上端部がアツパーケース８外周に摺接してい
る。尚、クツシヨンスプリング１４の上端はアツ
パーケース８の上部外周に嵌着されたスプリング
シート１５によつて受けられている。

而して、ピストンロツド４の上端部はアツパー
メタル６を介して車両車体側に、ダンパーケース
２の下端部はロアーメタル１６を介して車軸側に
それぞれ連結され、これらピストンロツド４とダ
ンパーケース２とは相対伸縮動する。

以上において、スプリングガイド１３はアツパ
ーケース８外周に摺接する可動部１３ｂを傾動自
在に構成したため、油圧ダンパー１がサイドフオ
ースを受けたような場合でもアツパーケース８外
周に常に均一に摺接する。この結果、スプリング
ガイド１３とアツパーケース８の偏摩耗が防止さ
れてこれら部材の耐久性が向上し、又、両部材間
に作用する摺動抵抗が軽減されて車両の乗心地性
が向上する。

（考案の効果） 以上の説明で明らかな如く本考案によれば、ス
プリングガイドをクツシヨンスプリングの一端を
受ける固定部と、該固定部に対して傾動自在な可
動部とで構成したため、これをアツパーケース外
周に常に均一に摺接せしめることができ、この結
果、スプリングガイドとアツパーケースとの偏摩
耗を防止してこれら部材の耐久性を高めることが
できるとともに、両部材間に作用する摺動抵抗を
軽減して車両の乗心地性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る油圧ダンパーの半裁断面
図、第２図は同油圧ダンパーのスプリングガイド
部の拡大破断側面図である。 尚、図面中、１は油圧ダンパー、２はダンパー
ケース、４はピストンロツド、５はピストン、８
はアツパーケース、１１はアンダーケース、１３
はスプリングガイド、１３ａは固定部、１３ｂは
可動部、１４はクツシヨンスプリングである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダンパーケース内にピストンロツドを挿入し、
   該ピストンロツドの一端にダンパーケース内周に
   摺動自在に嵌合するピストンを結着するととも
   に、同ピストンロツドの他端に結着されたアツパ
   ーケースとダンパーケース外周部に結着されたア
   ンダーケースとをスプリングガイドを介して嵌合
   し、これらアツパーケースとアンダーケース間に
   クツシヨンスプリングを介装して成る油圧ダンパ
   ーにおいて、前記スプリングガイドをクツシヨン
   スプリングの一端を受ける固定部と、この固定部
   に対して外れない程度の隙間を介して分離され且
   つその一端が前記アツパーケース外周に摺接する
   可動部とで構成したことを特徴とする油圧ダンパ
   ー。