JPH0324529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、各種テープ、特に基布から突出する
ループまたはフツクからなる係合素子を有する面
フアスナーテープ等の長尺物のガイド装置に関す
るものである。

（従来の技術） 従来テープ等の長尺物を案内して移送する手段
として、例えば実公昭52−24212号公報に示され
るように、ガイド装置６０は反転し得る２組のガ
イド機構７０，７０ａを有し、このガイド機構７
０，７０ａは、それぞれ両端において回転板１
０，１１に固定された断面半円形レール９，９ａ
に左右方向変位自在に装架されたガイド板８，８
ａが配設され、このガイド板８，８ａは、その間
に中央を境界として左右側とでねじの向きが逆に
なつている雄ねじ部材１６，１６ａを抱いてこれ
とねじ係合し、雄ねじ部材１６，１６ａは、回転
板１０，１１を回転自在に貫通し、先端にウオー
ムホイール１９，１９ａが一体に装着され、それ
ぞれ回転板１０，１１に取付けられたパルスモー
ター２９，２９ａに連結したウオーム１８，１８
ａと噛合し、これによつてパルスモーター２９，
２９ａが正転又は逆転し、ガイド板８，８ａの間
隔を広め又は狭める。

そしてこの２組のガイド機構７０，７０ａは、
回転板１０，１１にそれぞれ軸１０１，１１１を
有し、フレーム１２，１３に回転自在であり、且
つ軸方向変位自在に貫通し、軸１０１は先端にウ
オームホイール２４が取付けられ、フレーム１２
に取付けられたパルスモーター３０に連結したウ
オーム１５と噛合し、回転を制御するリミツトス
イツチ２６，２７によつてパルスモーター３０の
正転又は逆転でガイド機構７０，７０ａと回転板
１０，１１で構成される構造体は180゜回転し止ま
るべく構成されている、また軸１１１は先端にウ
オームホイール２１がねじ係入され、フレーム１
３に取付けられたパルスモーター２２に連結した
ウオーム２３と噛合し、パルスモーター２２の正
転又は逆転でガイド機構７０，７０ａと回転板１
０，１１とで構成される構造体は左右に摺動すべ
く構成されている。

これによつて上方の一方のガイド機構７０ａが
ガイド板８ａにより走行中のシートを規制し、他
方のガイド機構７０は次のシートの予備設定を作
業員が与えると、一旦ガイド板８は両サイドに設
けられたリミツトスイツチ２８に当接するまで開
いた後に次のシートの幅に相当する位置に設定さ
れる、そして、作業員がパルスモーター３０に信
号を与え回転板１０，１１を回転させることによ
り他方側のガイド板８によりシートをガイドする
ものが知られている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、シートの幅の変更に際しては、
他方のガイド機構の予備設定を作業員が与え、こ
れによつてパルスモーターの正転又は逆転により
一旦ガイド板が両サイドまで開いた後、次のシー
ト幅に相当する位置に狭められて設定されるもの
であり、その機構が複雑であると共に、次のシー
ト幅を設定するのに毎回毎回作業員が予備設定操
作を行う必要があり、その作業が煩雑である。さ
らに予備設定の後に信号を与え回転板をパルスモ
ーターの正転又は逆転により回転させ他方側のガ
イド板によりシユートをガイドするものであり、
機構全体が大型化し、コスト高であり、さらに、
ガイド機構の予備設定でガイド板間の幅を設定
し、次いで信号を与え他のガイド機構に変更する
のにパルスモーターウオーム、ウオームホイール
により雄ねじ部材が回転しガイド板を移動させる
ので機構が複雑であると共に操作が面倒であり、
瞬時に操反してシート幅を変更する場合、追随す
る事が困難である。

本考案は、このような問題を改善した長尺物の
ガイド装置、すなわち、機構全体としてコンパク
トであり、機構が簡単な低コストの装置を提案す
ると共に、長尺物の幅員に応じて瞬時にしてその
幅員を変更でき、また、その操作も簡単であり、
長尺物を蛇行させることなく、各種の幅員を有す
る長尺物を容易に、且つ確実に移送するガイド装
置を提供することを目的とすることにある。

（問題を解決するための手段） 本考案は、前記の問題を解決し、目的を達成す
るために、本考案の長尺物を案内し移送する長尺
物のガイド装置は、基台４と、この基台４に回転
自在なターンテーブルＴと、このターンテーブル
Ｔの同一面上に、回転軸を中心として同心円状に
複数個並設された案内幅Ｗの異なる複数のガイド
部Ｇを、その案内幅Ｗ方向の中心が同一垂直面上
に配設すると共に、基台４とターンテーブルＴと
の間には定位置に設定しうる回り止め手段Ｓを備
えてなることからなり、この構成によつて課題を
解決したものである。

（作用） 本考案は、前記のように長尺物のガイド装置を
構成することによつて、長尺物はターンテーブル
の各幅員を有するガイド部に案内され、長尺物を
蛇行させずに確実に移送する。また、長尺物の幅
寸法が異なるものを案内する際は、ターンテーブ
ルを回転させることによつて瞬時に長尺物の幅寸
法に対応した幅を有するガイド部に変更し、回り
止め手段により定位置にターンテーブルを設定す
る、これに案内することにより同様に確実に移送
されるのである。

（実施例） 次に本考案の実施例を添付図面に基いて説明す
る。

第１図は本考案の長尺物のガイド装置の斜視図
を示し、第２図は第１図の−線における断面
図を示す。

第１図および第２図において、回転軸１を突出
させた円板状の側板２は、軸受３を介して基台４
に、回転軸１を挿通させて取着けられている。側
板２と一定間隔をへだてて同径の円板状の側板
２′は、両側板２，２′間にピン５を挿通すること
によつて、両側板２，２′の中心が回転軸１上に
なるように配設されており、これにより、回転軸
１上に回転自在なターンテーブルＴを形成してい
る。

ピン５は側板２，２′の同一面上に位置して回
転軸１を中心として同心円状に４箇所取着けられ
ており、ピン５にはカラー６が入れ子状に被覆さ
れている。カラー６には、所定間隔をへだてて一
対の鍔７，７が取付けられており、ピン５、カラ
ー６および鍔７，７によつて長尺物例えば面フア
スナーテープＦのガイド部Ｇを形成している。

４箇所のガイド部Ｇは、一対の鍔７，７間の間
隔がW₁，W₂，W₃，W₄のように案内幅Ｗが狭幅
から広幅までそれぞれ異なつている。

また、回転軸１には一端にハンドル８が取着け
られている。

回転軸１を突設している側板２には、基台４側
の側面に、スリーブ９が各ガイド部Ｇの半径方向
内方に取着けられている。そして各スリーブ９の
開放端はその周縁が内側に絞り込まれている。各
スリーブ９の中には、スプリング１０と球体１１
が順次嵌合されており、球体１１はスプリング１
０の弾発力で付勢されて基台４を押圧するよう
に、スリーブ９の開放端の絞り部により係止され
ながら外方に力が加えられている。

一方、基台４には、長尺物Ｆを案内するのに必
要なガイド部ＧがターンテーブルＴの最高位置に
なる所に、球体１１が係止してターンテーブルＴ
の回り止めをする係止凹部１２が形成されてい
る。即ちスリーブ９、スプリング１０、球体１１
および係止凹部１２によつてターンテーブルＴの
回り止め手段Ｓを構成している。

そして、各ガイド部Ｇは、案内幅Ｗの幅方向の
中心が同一垂直面上にあるように、鍔７，７が配
設され、長尺物Ｆを幅方向にずらせなくてもター
ンテーブルＴを回転し所望のガイド部Ｇを移送す
る長尺物Ｆに係合するだけでガイド部Ｇを長尺物
Ｆの幅員に応じて変更することができる。

第３図は、本考案の長尺物のガイド装置を組込
んだ面フアスナーＦのコーテイング装置である。

間隔をへだてて複数本並列した面フアスナーＦ
は、本考案のガイド装置Ａ上を通り、導入側ガイ
ドロールGRを経て、コーテイング槽Ｂに収容さ
れたコーテイング液Ｃに一部が浸漬した回転自在
の塗布ロールCR上に案内されて、塗布ロールCR
に当接しているドクターブレードＤによつて複数
本の面フアスナーＦ同士の間のコーテイング液Ｃ
をかき落しながら面フアスナーＦの裏面にコーテ
イング液Ｃが塗布され、ついで導出側ガイドロー
ルGR′を通つて次工程へ案内される。

本考案のガイド装置Ａは、上述したとおりの構
成を備えているので、第１図に示すように、幅寸
法W₃を有する面フアスナーＦに対応した鍔７，
７間の間隔W₃を有するガイド部Ｇを、ハンドル
８を回動することによつてターンテーブルＴの最
高位置に上昇させ、この位置で、鍔間隔W₃を有
するガイド部Ｇの半径方向内方に取着けられてい
る回り止め手段Ｓの球体１１と係止凹部１２が嵌
合し、定位置に設定される。

そして、幅寸法W₃を有する面フアスナーＦを
鍔７，７間に係合させることにより、面フアスナ
ーＦを移送する。

上述した面フアスナーＦと異なる幅寸法W₁，
W₂，W₄を有するものをガイド装置Ａに通すに
は、ハンドル８を回動し、所望の鍔間隔を有する
ガイド部ＧをターンテーブルＴにおいて最高位置
に設定することによつて達成される。

第４図は、本考案の他の実施例を示す長尺物の
ガイド装置の第２図と同様な一部断面側面図であ
る。

この装置は、並列した３つのガイド部を形成し
てある。その他の構成は第１実施例の装置と同一
であるので、詳細な説明は省略する。

第４図に示すように、幅寸法W₃を有する３本
の面フアスナーを案内する際、鍔間隔W₃を有す
るガイド部をターンテーブルＴにおいて最高位置
に設定して、両鍔間に面フアスナーを係合すれ
ば、隣接する面フアスナー同士が重なり合うこと
がない。従つて、特に第３図に示すような面フア
スナーのコーテイング装置にこのガイド装置を組
み込むと複数の面フアスナーの裏面を同時に確実
にコーテイングすることができるので有効であ
る。

なお、上述した長尺物のガイド装置は、ガイド
部に一対の鍔を設けているが、第５図に示すよう
に、断面円形の丸棒からなるガイド棒１３に長尺
物の幅寸法に対応した幅寸法を有する凹部１４を
設けたガイド部に形成しても同様の作用を奏す
る。

（考案の効果） 本考案は、上記のように、案内幅の異なる複数
のガイド部を回転自在なターンテーブルの同一面
上に回転軸を中心として同心円上に配設し、各ガ
イド部が、その案内幅方向の中心を同一垂直面上
に位置させるような構造にしたので、長尺物を左
右に蛇行させずに整然と容易に確実に移送するこ
とができる。

また、各種の幅員を有する長尺物を移送する場
合でも、長尺物に係合するガイド部を変更する際
に、長尺物を横方向にずらせなくても、ターンテ
ーブルを瞬時に回転させ、容易に所望のガイド部
に変更して長尺物の幅員に応じたガイド部を用い
て移送することができる。

また、ターンテーブルに、ガイド部を定位置に
設定しうる回り止め手段を設けてあるので、長尺
物に係合するガイド部を定位置に容易に位置合わ
せでき、安定した長尺物の移送が可能となる。

この様にしたので機構が簡単であり且つコンパ
クトであり、低コストにて製造できる。

更に、各ガイド部を同一面上に複数個並設すれ
ば、長尺物を複数本同時に移送することができる
と共に、隣接する長尺物同士が重なり合うことが
なく整然と移送することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す長尺物のガ
イド装置の斜視図、第２図は、第１図の−線
における断面図、第３図は、本考案の一実施例の
長尺物のガイド装置を組込んだ面フアスナーのコ
ーテイング装置の概略図、第４図は、本考案の他
の実施例を示す長尺物のガイド装置の一部断面側
面図、第５図は、本考案の更に他の実施例を示す
長尺物のガイド装置のガイド棒の部分断面図であ
る。 Ｆ……長尺物、Ａ……ガイド装置、Ｗ……案内
幅（長尺物の幅員）、Ｇ……ガイド部、Ｔ……タ
ーンテーブル、Ｓ……回り止め手段、１……回転
軸、２，２′……側板、３……軸受、４……基台、
５……ピン、６……カラー、７……鍔、８……ハ
ンドル、９……スリーブ、１０……スプリング、
１１……球体、１２……係止凹部、１３……ガイ
ド棒、１４……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺物Ｆを案内して移送する長尺物Ｆのガイド
   装置Ａであつて、基台４と、この基台４に回転自
   在なターンテーブルＴと、このターンテーブルＴ
   の同一面上に、回転軸１を中心として同心円状に
   複数個並設された案内幅Ｗの異なる複数のガイド
   部Ｇを、その案内幅Ｗ方向の中心が同一垂直面上
   に配設すると共に、基台４とターンテーブルＴと
   の間には定位置に設定しうる回り止め手段Ｓを備
   えてなることを特徴とする長尺物のガイド装置。