JPH0324264Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、フルモールド法における消失性模型
を鋳型箱の珪砂中に埋設するのに好適な装置に関
する。

（従来技術と問題点） 一般にフルモールド法においては、発泡ポリス
チレン等の発泡合成樹脂で作成した消失性模型
（以下、模型と略称する）を珪砂中に埋設するよ
うにしているが、特にその模型の形状が複雑な場
合には、珪砂を模型の隅々に隈なく移動させるこ
とは非常にむずかしく、模型と珪砂との間に空洞
が生じて不良鋳物を誘発させるなどの問題があつ
た。

（考案の目的） 本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、
模型の形状が複雑な場合でも模型と珪砂との間に
空洞が生じることなく模型を鋳型箱の珪砂中に埋
設することができる装置を提供することを目的と
する。

（考案の構成） 以下、本考案の構成について実施例の図面に基
づき詳細に説明する。基台１の上面の左右両側に
は固定フレーム２，２が立設され、各固定フレー
ム２の上面には、発振手段３を付設した支持台４
が２個の空気ばね５，５を介し弾性支持されて設
けられている。また、該支持台４，４の各々には
内側に向く支持軸６が軸受７，７を介して回転自
在に嵌着され、該支持軸６，６の先端間には縦断
面形状の回転フレーム８が架設されている。ま
た、該回転フレーム８は、左右両内面下方部につ
ば付ローラ９，９が前後方向へ並べられて軸着さ
れ、また、上端四隅付近に上向きのシリンダ１
１，１１が装着されている。該シリンダ１１，１
１のピストンロツド１１ａ，１１ａの上端には爪
１２，１２が固着されている。また、一方の支持
軸６には鎖歯車１３が固着されており、該鎖歯車
１３は、支持台４上に設置した減速機付モータ１
４の出力軸にローラチエン１５および鎖歯車１６
を介して連結されていて、回転フレーム８は減速
機付モータ１４の駆動により支持軸６，６を中心
にして垂直面内で低速回転するようになつてい
る。１７は底部を通気可能な構造とした鋳型箱、
１８は鋳型箱１７の上端開口部を閉鎖する蓋、１
９はサンドホツパ、２０はつば付ローラコンベア
である。

（考案の作用） 次にこのように構成した装置の作用について説
明する。空の鋳型箱１７をつば付ローラコンベア
２０から回転フレーム８をつば付ローラ９，９上
に移送した後、シリンダ１１，１１を収縮作動し
てつば付ローラ９，９上の鋳型箱１７をクランプ
し、続いて、サンドホツパ１９から鋳型箱１７に
珪砂Ｓを適当量投入した後、該珪砂Ｓ上に模型Ｍ
をセツトするとともに珪砂Ｓを再び鋳型箱１７内
に投入して模型Ｍを珪砂Ｓ中に埋没させる。次い
で、発振手段３，３を駆動して回転フレーム８、
鋳型箱１７等を振動させもつて鋳型箱１７内の珪
砂Ｓ、模型Ｍ等に振動を付与する。すると、当該
珪砂Ｓはある程度移動して模型Ｍと珪砂Ｓとの間
の空洞を埋める。次いで、発振手段３，３の駆動
を一時停止し、かつ、鋳型箱１７内に珪砂Ｓを補
給あるいは排出して珪砂Ｓの上面を鋳型箱１７の
それに一致させ、続いて、一度シリンダ１１，１
１を伸長作動して爪１２，１２を上昇させた後、
鋳型箱１７の上端開口部を蓋１８で閉鎖し、その
後、再びシリンダ１１，１１を収縮作動して鋳型
箱１７および蓋１８をクランプする。次いで、発
振手段３，３を再び駆動して鋳型箱１７内の珪砂
Ｓおよび模型Ｍに振動を付与しながら、減速機付
モータ１４を駆動して鋳型箱１７を回転させもつ
て模型Ｍおよび珪砂Ｓを反転させる。すると、珪
砂Ｓは回転により移動方向を変化せしめられてさ
らに移動され、模型Ｍの隅々にまで隈なく充填さ
れることとなる。かくして、模型Ｍと珪砂Ｓとの
間には空洞が生じない所望のフレモールド法用鋳
型が得られる。その後、発振手段３，３の駆動を
停止し、シリンダ１１，１１を伸長作動して鋳型
箱１７等のクランプ状態を解き、蓋１８を取り外
した後、鋳型箱１７をつば付ローラ９，９からつ
ば付ローラコンベア２０上に押し出し、注湯ステ
ーシヨンの吸引ボツクス（図示せず）上に移動さ
せる。次いで、模型Ｍの湯口上端部の珪砂Ｓを取
り除いて注湯可能な状態にした後、鋳型箱１７の
上端開口部を樹脂フイルムで閉鎖し、吸引ボツク
スを介して鋳型箱１７内を吸引減圧しながら溶湯
を注入し、溶湯の凝固後、鋳型箱１７内から珪砂
Ｓ、鋳物素材を排出する。

なお、上記の実施例ではつば付ローラ９，９を
介して鋳型箱１７を回転フレーム８上に搬入出す
るようにしてあるが、小型の鋳型箱１７を使用す
る場合にはつば付ローラ９，９を除去して鋳型箱
１７を手作業等により直接回転フレーム８上に搬
入出するようにしてもよい。また、発振手段３，
３は回転フレーム８に直接装着するようにしても
よい。

さらに、上記の実施例ではシリンダ１１で上下
動する爪１２により鋳型箱１７等を回転フレーム
８にクランプするように構成してあるが、この構
造のクランプ手段に限定されるものではなく、例
えば偏心回転軸で上下動する爪１２から成るクラ
ンプ手段によりクランプするようにしてもよい。

（考案の効果） 以上の説明からも明らかなように本考案は、鋳
型箱１７を載置する回転フレーム８を垂直面内で
低速回転可能かつ振動可能に設け、さらに、該回
転フレーム８には鋳型箱１７・蓋１８用のクラン
プ手段を装着したから、鋳型箱１７内に装入され
た珪砂Ｓおよび模型Ｍを垂直回転させるとともに
振動させて珪砂Ｓの移動方向を変化させることが
でき、したがつて、模型Ｍの形状が複雑な場合で
も、模型Ｍに対して珪砂Ｓを隅々にまで隈なく移
動させ、模型Ｍと珪砂Ｓとの間に空洞が生じるの
を防止できる優れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
断面正面図、第２図は第１図の左側面図である。 ８……回転フレーム、１１……シリンダ、１２
……爪、１７……鋳型箱、１８……蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦断面形状の回転フレーム８を垂直面内で低
   速回転可能に設けるとともに振動可能に構成し、
   該回転フレーム８に、蓋１８を載置した鋳型箱１
   ７をクランプするクランプ手段１１，１２を装着
   したことを特徴とするフルモールド法における消
   失性模型の埋設装置。