JP2667363B2 - 遠心成形コンクリートライナの製造方法及び装置 - Google Patents
遠心成形コンクリートライナの製造方法及び装置Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、シールド工法や推進工
法に用いられる遠心成形コンクリートライナの製造方法
及びその装置に関する。
法に用いられる遠心成形コンクリートライナの製造方法
及びその装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】シールド工法や推進工法に用いられるコ
ンクリート製の円弧板状のコンクリートライナを遠心成
形により製造する技術がある。遠心成形によって製造さ
れたコンクリートライナは、コンクリ−トが緻密で強度
が大きく、寸法精度が高く、ライナ本体の水密性に富む
等の優れた特性を有している。このような特性をさらに
完全にするためには、コンクリートライナが隣接ライナ
と当接する当接面の水密性を向上させることが重要であ
る。
ンクリート製の円弧板状のコンクリートライナを遠心成
形により製造する技術がある。遠心成形によって製造さ
れたコンクリートライナは、コンクリ−トが緻密で強度
が大きく、寸法精度が高く、ライナ本体の水密性に富む
等の優れた特性を有している。このような特性をさらに
完全にするためには、コンクリートライナが隣接ライナ
と当接する当接面の水密性を向上させることが重要であ
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところが、円弧板状の
コンクリ−トライナを遠心成形したとき、ライナ周縁の
端面に設けた凸条や凹溝の形状が精度高く形成されなか
ったり、コンクリート面にいわゆる「豆はだ」を生じる
傾向があった。また、遠心成形ドラムの回転方向下流側
の型枠内面に当接する部分に回転・慣性によって微小間
隙が発生し、コンクリート面にいわゆる「みずみち」が
生ずる問題があった。この型枠内面に当接するライナ周
縁の端面は、隣接するコンクリートライナとの接合面と
なることから、ほぞ形状とすることが多く、場合によっ
てはこのほぞの部分が欠損するという問題が生ずる。こ
のため、コンクリートライナの生命とも言うべき水密性
が失われるおそれがあるという問題があった。
コンクリ−トライナを遠心成形したとき、ライナ周縁の
端面に設けた凸条や凹溝の形状が精度高く形成されなか
ったり、コンクリート面にいわゆる「豆はだ」を生じる
傾向があった。また、遠心成形ドラムの回転方向下流側
の型枠内面に当接する部分に回転・慣性によって微小間
隙が発生し、コンクリート面にいわゆる「みずみち」が
生ずる問題があった。この型枠内面に当接するライナ周
縁の端面は、隣接するコンクリートライナとの接合面と
なることから、ほぞ形状とすることが多く、場合によっ
てはこのほぞの部分が欠損するという問題が生ずる。こ
のため、コンクリートライナの生命とも言うべき水密性
が失われるおそれがあるという問題があった。
【０００４】本発明は従来のこのような問題点を解消
し、遠心成形コンクリートライナの周縁の端面に寸法精
度が高く密実な形状の凹凸を形成させることを目的とす
る。特に、円弧板状の遠心成形コンクリ−トライナのド
ラム回転方向下流側の型枠内面に当接する部分に「みず
みち」等を生じない、品質のすぐれた密実なコンクリ−
トを形成することを目的とする。
し、遠心成形コンクリートライナの周縁の端面に寸法精
度が高く密実な形状の凹凸を形成させることを目的とす
る。特に、円弧板状の遠心成形コンクリ−トライナのド
ラム回転方向下流側の型枠内面に当接する部分に「みず
みち」等を生じない、品質のすぐれた密実なコンクリ−
トを形成することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために開発されたもので、円弧状中空密閉型枠を
円弧状の側板の一端が高く他端が低い姿勢に保ち、該型
枠内に上方からコンクリートを投入し、振動を付与して
コンクリートの流下充満を促進すると共にコンクリート
を振動締固めした後、該型枠を遠心成形ドラム内に装着
し、遠心力を加えてコンクリートを圧密し、次いで型枠
を遠心成形ドラムから取外し、該型枠の円弧内面側の堰
板を取去り、コンクリートの円弧内面側を手入し、コン
クリート養生を行うことを特徴とする遠心成形コンクリ
ートライナの製造方法である。
成するために開発されたもので、円弧状中空密閉型枠を
円弧状の側板の一端が高く他端が低い姿勢に保ち、該型
枠内に上方からコンクリートを投入し、振動を付与して
コンクリートの流下充満を促進すると共にコンクリート
を振動締固めした後、該型枠を遠心成形ドラム内に装着
し、遠心力を加えてコンクリートを圧密し、次いで型枠
を遠心成形ドラムから取外し、該型枠の円弧内面側の堰
板を取去り、コンクリートの円弧内面側を手入し、コン
クリート養生を行うことを特徴とする遠心成形コンクリ
ートライナの製造方法である。
【０００６】この場合に、型枠のコンクリート投入側の
矩形側板を遠心成形ドラムの回転方向上流側に位置する
ように遠心成形ドラムに取付けるとコンクリートライナ
のすべての端面が精密に形成され、みずみち等を生ずる
ことが全くなく好ましい。上記本発明方法を好適に実施
することができる本発明の装置は、遠心成形ドラムとこ
のドラム内に着脱自在に固定する中空円弧状の複数の個
別ライナ型枠とから構成され、個別ライナ型枠はそれぞ
れ円弧外面板、円弧内面板、２枚の矩形側板及び２枚の
円弧状側板からなる密閉型枠とし、前記円弧内面板は型
枠内面周囲に一定高さの額縁状見切面を設けると共に一
方の矩形側板近傍に密閉可能なコンクリート投入開口を
設け、他方の矩形側板の近傍に空気抜きを設け、かつ円
弧内面板全体を着脱自在に形成したことを特徴とする遠
心成形コンクリートライナの製造装置である。
矩形側板を遠心成形ドラムの回転方向上流側に位置する
ように遠心成形ドラムに取付けるとコンクリートライナ
のすべての端面が精密に形成され、みずみち等を生ずる
ことが全くなく好ましい。上記本発明方法を好適に実施
することができる本発明の装置は、遠心成形ドラムとこ
のドラム内に着脱自在に固定する中空円弧状の複数の個
別ライナ型枠とから構成され、個別ライナ型枠はそれぞ
れ円弧外面板、円弧内面板、２枚の矩形側板及び２枚の
円弧状側板からなる密閉型枠とし、前記円弧内面板は型
枠内面周囲に一定高さの額縁状見切面を設けると共に一
方の矩形側板近傍に密閉可能なコンクリート投入開口を
設け、他方の矩形側板の近傍に空気抜きを設け、かつ円
弧内面板全体を着脱自在に形成したことを特徴とする遠
心成形コンクリートライナの製造装置である。
【０００７】さらに、本発明は、円弧状中空密閉型枠
を、円弧状側板を一端が高く他端が低い姿勢に支持して
加振する加振装置と、該加振装置上に移動して前記中空
密閉型枠にコンクリートを供給するコンクリート供給装
置とを備えたことを特徴とする遠心成形コンクリートラ
イナの製造装置である。この加振装置の加振力が３〜５
Ｇ（Ｇは重力の加速度）とすると好ましく、また、この
加振装置として複数台の不平衡荷重回転型の加振装置を
用い、その回転方向を、型枠の円弧状側板を右下がりに
見たとき、右回転となるようにすると、型枠内のコンク
リートの流下充填を促進するので好ましい。
を、円弧状側板を一端が高く他端が低い姿勢に支持して
加振する加振装置と、該加振装置上に移動して前記中空
密閉型枠にコンクリートを供給するコンクリート供給装
置とを備えたことを特徴とする遠心成形コンクリートラ
イナの製造装置である。この加振装置の加振力が３〜５
Ｇ（Ｇは重力の加速度）とすると好ましく、また、この
加振装置として複数台の不平衡荷重回転型の加振装置を
用い、その回転方向を、型枠の円弧状側板を右下がりに
見たとき、右回転となるようにすると、型枠内のコンク
リートの流下充填を促進するので好ましい。
【０００８】
【作用】本発明方法は、次の工程から構成され、その作
用は以下の通りである。 （ａ）それぞれの円弧状中空密閉型枠内にコンクリート
を充満し、それぞれ加振装置によって振動締固めを行
う。このとき円弧状密閉型枠の円弧状側板の一端が高く
他端が低い姿勢に型枠を保持して行う。このことによ
り、円弧状型枠の一方の矩形端面及び２つの円弧状側面
のコンクリートは型枠内面に密実に締固められた状態に
成形され、後工程の遠心力締固めにおいても、慣性力に
起因する「みずみち」が生じない。
用は以下の通りである。 （ａ）それぞれの円弧状中空密閉型枠内にコンクリート
を充満し、それぞれ加振装置によって振動締固めを行
う。このとき円弧状密閉型枠の円弧状側板の一端が高く
他端が低い姿勢に型枠を保持して行う。このことによ
り、円弧状型枠の一方の矩形端面及び２つの円弧状側面
のコンクリートは型枠内面に密実に締固められた状態に
成形され、後工程の遠心力締固めにおいても、慣性力に
起因する「みずみち」が生じない。
【０００９】（ｂ）コンクリートが未硬化の状態でそれ
ぞれの中空密閉型枠を遠心成形ドラム内に取付け、２０
〜２５Ｇ（Ｇは重力の加速度）の加速度の遠心力で締固
めを行う。このとき、上記振動締固めの際に上方に位置
していた矩形側板が遠心成形ドラムの回転方向上流側に
位置するように型枠を遠心成形ドラム内に取付ける。遠
心力により、コンクリートライナの円弧状外面側が圧密
され、内面側に水が絞り出される。また、回転方向上流
側の上記矩形端面が密実に成形される。これは、円弧板
状のコンクリ−トライナを遠心成形する際に、回転ドラ
ムの回転に対してコンクリートが慣性により遅れて回転
することに起因し、このため、コンクリ−トが回転方向
上流側に寄せられ、回転方向上流側端面のコンクリ−ト
が密実となることによる。上記（ａ）工程で他の３面が
密実に成形されているので、すべての端面が精密とな
る。円弧内面はコンクリートが円弧内面板から離れて隙
間を形成し、水がこの隙間に絞り出されてくる。
ぞれの中空密閉型枠を遠心成形ドラム内に取付け、２０
〜２５Ｇ（Ｇは重力の加速度）の加速度の遠心力で締固
めを行う。このとき、上記振動締固めの際に上方に位置
していた矩形側板が遠心成形ドラムの回転方向上流側に
位置するように型枠を遠心成形ドラム内に取付ける。遠
心力により、コンクリートライナの円弧状外面側が圧密
され、内面側に水が絞り出される。また、回転方向上流
側の上記矩形端面が密実に成形される。これは、円弧板
状のコンクリ−トライナを遠心成形する際に、回転ドラ
ムの回転に対してコンクリートが慣性により遅れて回転
することに起因し、このため、コンクリ−トが回転方向
上流側に寄せられ、回転方向上流側端面のコンクリ−ト
が密実となることによる。上記（ａ）工程で他の３面が
密実に成形されているので、すべての端面が精密とな
る。円弧内面はコンクリートが円弧内面板から離れて隙
間を形成し、水がこの隙間に絞り出されてくる。
【００１０】（ｃ）個々の型枠を遠心成形ドラムから取
外し、円弧内面板を取外し、コンクリートライナの円弧
内面を手入、仕上げし、次いでコンクリート養生を行
う。本発明の装置は、上記本発明方法を好適に実施する
ことができるもので、遠心成形ドラムと、この遠心成形
ドラム内に着脱可能な複数の個別の密閉中空型枠とから
構成されている。この密閉中空型枠は円弧外面板、円弧
内面板、２枚の円弧状側板及び２枚の矩形側板を組立て
た形状となっている。この組立は、製品コンクリートを
容易に脱型し取出すことができるように、取外し可能に
結合されている。型枠外面には遠心成形ドラムに強固に
取付ける取付機構が付されている。円弧内面板は上記脱
型機構とは別に単独で取外し可能になっている。また円
弧内面板には、一方の矩形側板近くに密閉可能なコンク
リート投入開口が設けられている。
外し、円弧内面板を取外し、コンクリートライナの円弧
内面を手入、仕上げし、次いでコンクリート養生を行
う。本発明の装置は、上記本発明方法を好適に実施する
ことができるもので、遠心成形ドラムと、この遠心成形
ドラム内に着脱可能な複数の個別の密閉中空型枠とから
構成されている。この密閉中空型枠は円弧外面板、円弧
内面板、２枚の円弧状側板及び２枚の矩形側板を組立て
た形状となっている。この組立は、製品コンクリートを
容易に脱型し取出すことができるように、取外し可能に
結合されている。型枠外面には遠心成形ドラムに強固に
取付ける取付機構が付されている。円弧内面板は上記脱
型機構とは別に単独で取外し可能になっている。また円
弧内面板には、一方の矩形側板近くに密閉可能なコンク
リート投入開口が設けられている。
【００１１】上記製造方法の（ａ）工程の実施に用いる
装置は、円弧状中空密閉型枠を、円弧状側板の一方が高
く他方が低い姿勢に支持して加振する加振装置と、この
加振装置上に移動して前記中空密閉型枠にコンクリート
を供給するコンクリート供給装置とを備えた製造装置で
あって、円弧状中空密閉型枠を遠心成形機に取付ける前
にコンクリートライナの端面を精密に成形する。
装置は、円弧状中空密閉型枠を、円弧状側板の一方が高
く他方が低い姿勢に支持して加振する加振装置と、この
加振装置上に移動して前記中空密閉型枠にコンクリート
を供給するコンクリート供給装置とを備えた製造装置で
あって、円弧状中空密閉型枠を遠心成形機に取付ける前
にコンクリートライナの端面を精密に成形する。
【００１２】
【実施例】図４に実施例のコンクリートライナ遠心成形
ドラムの正面図、図５にその内面の展開図を例示した。
回転ドラムのシェル２内に円弧状のコンクリートライナ
型枠１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄが取付けられている。図１
は遠心成形ドラムの正面図、図２は型枠１ａの側面図を
示した。円弧板状のコンクリートライナ製造用型枠１ａ
は底板１１、矩形側板１２、円弧状側板１３、円弧内面
板１４から構成された遍平円弧状の中空密閉箱状をな
し、遠心成形ドラムシェル２に取付部材１５によって着
脱自在に取付けられている。
ドラムの正面図、図５にその内面の展開図を例示した。
回転ドラムのシェル２内に円弧状のコンクリートライナ
型枠１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄが取付けられている。図１
は遠心成形ドラムの正面図、図２は型枠１ａの側面図を
示した。円弧板状のコンクリートライナ製造用型枠１ａ
は底板１１、矩形側板１２、円弧状側板１３、円弧内面
板１４から構成された遍平円弧状の中空密閉箱状をな
し、遠心成形ドラムシェル２に取付部材１５によって着
脱自在に取付けられている。
【００１３】円弧内面板１４は、取付具によって側板１
２，１３に着脱自在に取り付けるようになっており、コ
ンクリート投入開口１７を備えている（図２参照）。コ
ンクリート投入開口１７は蝶番構造で閉止板１６を開閉
し、密閉可能となっている。このコンクリート投入開口
１７は、一方の矩形側板の近傍に設けられ、この投入開
口１７を上にした姿勢に型枠１ａを保ち、型枠１ａ内に
コンクリートを充満充填できるようになっている。他端
側には、コンクリートの充填効率向上と充填の確認のた
めに空気抜き孔１９を設けている。コンクリート投入開
口１７や空気抜き孔１９の形状、開閉機構、密閉機構は
もちろん蝶番構造以外の閉止構造とすることができる。
２，１３に着脱自在に取り付けるようになっており、コ
ンクリート投入開口１７を備えている（図２参照）。コ
ンクリート投入開口１７は蝶番構造で閉止板１６を開閉
し、密閉可能となっている。このコンクリート投入開口
１７は、一方の矩形側板の近傍に設けられ、この投入開
口１７を上にした姿勢に型枠１ａを保ち、型枠１ａ内に
コンクリートを充満充填できるようになっている。他端
側には、コンクリートの充填効率向上と充填の確認のた
めに空気抜き孔１９を設けている。コンクリート投入開
口１７や空気抜き孔１９の形状、開閉機構、密閉機構は
もちろん蝶番構造以外の閉止構造とすることができる。
【００１４】図３に円弧内面板１４の（ａ）平面図、
（ｂ）側面図、（ｃ）正面図を示した。円弧内面板１４
の型枠内面側の周囲の側板１２、１３との当接面には、
一定高さの額縁状の突起２１が設けられ、その突起２１
の上面は側板１２、１３の天端に対して見切面２２が形
成されている。この見切面２２の高さは、型枠内に充満
しているコンクリートが遠心締固めを受けた後、外径側
へ圧密され内径側の面が円弧内面板１４から離れて生成
する空間の高さにほぼ一致する寸法となっている。遠心
成形の後、型枠１ａを遠心成形ドラムシェル２から取外
し、円弧内面板１４を取外した後、打設したコンクリー
トの面を手入するとき、側板１２、１３の上縁が仕上定
規となるようにしたものである。遠心成形ではコンクリ
ートは外周側に密実に圧密され、内周側には水が絞り出
され不整面となるので手入をし、その後高温蒸気養生す
るのである。
（ｂ）側面図、（ｃ）正面図を示した。円弧内面板１４
の型枠内面側の周囲の側板１２、１３との当接面には、
一定高さの額縁状の突起２１が設けられ、その突起２１
の上面は側板１２、１３の天端に対して見切面２２が形
成されている。この見切面２２の高さは、型枠内に充満
しているコンクリートが遠心締固めを受けた後、外径側
へ圧密され内径側の面が円弧内面板１４から離れて生成
する空間の高さにほぼ一致する寸法となっている。遠心
成形の後、型枠１ａを遠心成形ドラムシェル２から取外
し、円弧内面板１４を取外した後、打設したコンクリー
トの面を手入するとき、側板１２、１３の上縁が仕上定
規となるようにしたものである。遠心成形ではコンクリ
ートは外周側に密実に圧密され、内周側には水が絞り出
され不整面となるので手入をし、その後高温蒸気養生す
るのである。
【００１５】図６、７、８を参照して、型枠１ａ内にコ
ンクリートを打設し締め固めをする工程及びその装置に
ついて説明する。図に示すように、この工程では、加振
装置３０上に型枠１ａを載せ、コンクリート供給装置４
０からコンクリートを型枠１ａ内に供給し、振動締固め
する。加振装置３０は型枠１ａを載置する架台３１を備
えている。架台３１は一端をピン３２で支持され、端部
３８を上下動自在に支持されている。例えば昇降装置３
９のロープ先端に取付けられている。架台３１はバイブ
レータ３７を固着していると共に、支持フレーム３３、
３５上に可撓支持体３４、３６、例えばコイルスプリン
グ、空気ばね、ゴム等を介して支承されており、加振効
果を高めている。コンクリート供給装置４０はホッパ４
１、スクリューフィーダ４２を備え、柱４５によって加
振装置３０の上方に設けられている。ホッパ４１はフレ
ーム４４上に敷設されたレール上を車輪４３によって前
後進し、型枠１ａのコンクリート投入開口１７にコンク
リートを供給する。柱４５の下端には走行車輪４６を備
え、隣りの加振装置３０ａ上へ移動することができ、加
振装置３０，３０ａを交互に操業することができるよう
になっている。
ンクリートを打設し締め固めをする工程及びその装置に
ついて説明する。図に示すように、この工程では、加振
装置３０上に型枠１ａを載せ、コンクリート供給装置４
０からコンクリートを型枠１ａ内に供給し、振動締固め
する。加振装置３０は型枠１ａを載置する架台３１を備
えている。架台３１は一端をピン３２で支持され、端部
３８を上下動自在に支持されている。例えば昇降装置３
９のロープ先端に取付けられている。架台３１はバイブ
レータ３７を固着していると共に、支持フレーム３３、
３５上に可撓支持体３４、３６、例えばコイルスプリン
グ、空気ばね、ゴム等を介して支承されており、加振効
果を高めている。コンクリート供給装置４０はホッパ４
１、スクリューフィーダ４２を備え、柱４５によって加
振装置３０の上方に設けられている。ホッパ４１はフレ
ーム４４上に敷設されたレール上を車輪４３によって前
後進し、型枠１ａのコンクリート投入開口１７にコンク
リートを供給する。柱４５の下端には走行車輪４６を備
え、隣りの加振装置３０ａ上へ移動することができ、加
振装置３０，３０ａを交互に操業することができるよう
になっている。
【００１６】コンクリート供給装置４０が加振装置３０
上から待避している状態で、加振装置３０の架台３１は
図６中に仮想線（２点鎖線）で示したように、ほぼ水平
姿勢（架台３１’）になっている。クレーン等により型
枠１ａ’をこのほぼ水平姿勢の架台３１’上に載せ、昇
降装置３９を作動させて、架台３１’の端部３８’を端
部３８の位置まで下降させる。このとき架台３１はピン
３２を中心として回動し、可撓支持体３４，３６上に支
承される。コンクリート供給装置４０をこの加振装置３
０の上方に移動させ、型枠１ａの閉止板１６を開いて投
入開口１７からコンクリートを供給充填する。次いで閉
止板１６を閉め、バイブレータ３７を駆動してコンクリ
ートの投入の促進を図ると共に振動締固めを行う。この
とき型枠１ａの下端側及び側面は密実に締固めされる。
締固め後昇降装置３９により架台３１をほぼ水平に戻
し、型枠１ａをクレーン等により吊上げ、ドラム型枠の
位置へ運搬して遠心成形ドラム内に取付け、遠心成形工
程に移行する。
上から待避している状態で、加振装置３０の架台３１は
図６中に仮想線（２点鎖線）で示したように、ほぼ水平
姿勢（架台３１’）になっている。クレーン等により型
枠１ａ’をこのほぼ水平姿勢の架台３１’上に載せ、昇
降装置３９を作動させて、架台３１’の端部３８’を端
部３８の位置まで下降させる。このとき架台３１はピン
３２を中心として回動し、可撓支持体３４，３６上に支
承される。コンクリート供給装置４０をこの加振装置３
０の上方に移動させ、型枠１ａの閉止板１６を開いて投
入開口１７からコンクリートを供給充填する。次いで閉
止板１６を閉め、バイブレータ３７を駆動してコンクリ
ートの投入の促進を図ると共に振動締固めを行う。この
とき型枠１ａの下端側及び側面は密実に締固めされる。
締固め後昇降装置３９により架台３１をほぼ水平に戻
し、型枠１ａをクレーン等により吊上げ、ドラム型枠の
位置へ運搬して遠心成形ドラム内に取付け、遠心成形工
程に移行する。
【００１７】型枠１ａ内に打設されたコンクリートは、
図４に示すように、遠心成形ドラム１０の回転方向５０
に対して、矢印５１方向への慣性力をうけるので回転方
向５０の上流側の型枠側板１２に当接する部分が密にな
る。この側板１２の内面には、シール溝形成用の突起又
はほぞ溝等が設けられており、その部分のコンクリート
表面が精密に形成される。他の３つの端面は上記の通
り、コンクリート投入打込み直後に振動締固めされて精
密な端面を形成しているので、コンクリートライナのす
べての周縁端面が精密に仕上げられる。
図４に示すように、遠心成形ドラム１０の回転方向５０
に対して、矢印５１方向への慣性力をうけるので回転方
向５０の上流側の型枠側板１２に当接する部分が密にな
る。この側板１２の内面には、シール溝形成用の突起又
はほぞ溝等が設けられており、その部分のコンクリート
表面が精密に形成される。他の３つの端面は上記の通
り、コンクリート投入打込み直後に振動締固めされて精
密な端面を形成しているので、コンクリートライナのす
べての周縁端面が精密に仕上げられる。
【００１８】外径２．５ｍ、厚さ０．１５ｍ、軸方向長
さ１．２ｍの円周を不等分に５分割した円弧状のコンク
リートライナを本発明方法により製造した。図６に示す
ように、型枠１ａを組み立てて加振装置３０の架台３１
上に載せ、円弧状側板の一端が上方に他端が下方に位置
する姿勢とし、コンクリート投入開口１７からコンクリ
ートを供給し型枠内に充満させた。
さ１．２ｍの円周を不等分に５分割した円弧状のコンク
リートライナを本発明方法により製造した。図６に示す
ように、型枠１ａを組み立てて加振装置３０の架台３１
上に載せ、円弧状側板の一端が上方に他端が下方に位置
する姿勢とし、コンクリート投入開口１７からコンクリ
ートを供給し型枠内に充満させた。
【００１９】コンクリートの配合は次の通りである。 セメント量：３５０〜４５０ｋｇ／ｍ3 水セメント比：３０〜４０％ 粗骨材：１５ｍｍ砕石 ８００〜１０００ｋｇ／ｍ3 細骨材：皆野産砕砂 細骨材比：４０〜５５％ スランプ：３〜７ｃｍ 混和材：セラメント １５０〜２３０ｋｇ／ｍ3 減水剤：マイティ２００ ６〜１０ｋｇ／ｍ3 加振装置３０を運転し、振動締固めを行った。次いで型
枠を遠心成形ドラムに取付けて遠心成形を行った。
枠を遠心成形ドラムに取付けて遠心成形を行った。
【００２０】遠心成形工程は次の通りである。 低速（遠心力の加速度４Ｇ） １分 中速（遠心力の加速度８Ｇ） ３分 中速（遠心力の加速度１４Ｇ） ３分 高速（遠心力の加速度２０Ｇ〜２５Ｇ） １０分 次いで高温蒸気養生し、脱型した。製品コンクリートラ
イナのコンクリートを詳細に観察したところ全く欠陥が
発見されず、外面及び周囲面が極めて高精度に成形さ
れ、また美しい外観を呈していた。
イナのコンクリートを詳細に観察したところ全く欠陥が
発見されず、外面及び周囲面が極めて高精度に成形さ
れ、また美しい外観を呈していた。
【００２１】
【発明の効果】本発明によれば、円弧板状のコンクリー
トライナを遠心成形する場合に、ライナ周縁のコンクリ
ート面を精密な寸法に密実に成形することができ、品質
特性の高い、信頼性に富むコンクリートライナを製造す
ることができる。また、型枠内へのコンクリートの供給
は遠心成形ドラム内で行うのではなく、コンクリート供
給装置によって型枠内に確実に供給するので、型枠外に
こぼれるコンクリートがなくなる。従って、歩留りが向
上し、遠心成形ドラムの散乱コンクリート除去、掃除が
不要となり、保守が容易となる。
トライナを遠心成形する場合に、ライナ周縁のコンクリ
ート面を精密な寸法に密実に成形することができ、品質
特性の高い、信頼性に富むコンクリートライナを製造す
ることができる。また、型枠内へのコンクリートの供給
は遠心成形ドラム内で行うのではなく、コンクリート供
給装置によって型枠内に確実に供給するので、型枠外に
こぼれるコンクリートがなくなる。従って、歩留りが向
上し、遠心成形ドラムの散乱コンクリート除去、掃除が
不要となり、保守が容易となる。
【図１】実施例のコンクリートライナの遠心成形ドラム
へのライナ型枠取付を示す正面図である。
へのライナ型枠取付を示す正面図である。
【図２】実施例のコンクリートライナの型枠の側面図で
ある。
ある。
【図３】実施例の円弧内面板の（ａ）平面図、（ｂ）側
面図、（ｃ）正面図である。
面図、（ｃ）正面図である。
【図４】実施例のコンクリートライナの遠心成形ドラム
へのライナ型枠取付の正面図である。
へのライナ型枠取付の正面図である。
【図５】実施例のコンクリートライナの遠心成形ドラム
の展開図である。
の展開図である。
【図６】加振装置及びコンクリート供給装置の側面図で
ある。
ある。
【図７】加振装置及びコンクリート供給装置の正面図で
ある。
ある。
【図８】コンクリート供給装置の平面図である。
１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ 型枠 ２ ドラム
シェル １０ 遠心成形ドラム １１ 底板 １２ 矩形側板 １３ 円弧状
側板 １４ 内面板 １５ 取付部
材 １６ 閉止板 １７ 投入開
口 １８ 補強リブ １９ 空気抜
き孔 ２１ 突起 ２２ 見切面 ３０ 加振装置 ３１ 架台 ３２ ピン ３３、３５
支持フレーム ３４、３６ 可撓支持体 ３７ バイブ
レータ ３８ 端部 ３９ 昇降装
置 ４０ コンクリート供給装置 ４１ ホッパ ４２ スクリューフィーダ ４３ 車輪 ４４ フレーム ４５ 柱 ４６ 車輪
シェル １０ 遠心成形ドラム １１ 底板 １２ 矩形側板 １３ 円弧状
側板 １４ 内面板 １５ 取付部
材 １６ 閉止板 １７ 投入開
口 １８ 補強リブ １９ 空気抜
き孔 ２１ 突起 ２２ 見切面 ３０ 加振装置 ３１ 架台 ３２ ピン ３３、３５
支持フレーム ３４、３６ 可撓支持体 ３７ バイブ
レータ ３８ 端部 ３９ 昇降装
置 ４０ コンクリート供給装置 ４１ ホッパ ４２ スクリューフィーダ ４３ 車輪 ４４ フレーム ４５ 柱 ４６ 車輪
Claims (6)
- 【請求項１】 円弧状中空密閉型枠を円弧状の側板の一
端が高く他端が低い姿勢に保ち、該型枠内に上方からコ
ンクリートを投入し、振動を付与してコンクリートの流
下充填を促進すると共にコンクリートを振動締固めした
後、該型枠を遠心成形ドラム内に装着し、遠心力を加え
てコンクリートを圧密し、次いで型枠を遠心成形ドラム
から取外し、該型枠の円弧内面側の堰板を取去り、コン
クリートの円弧内面側を手入し、コンクリート養生を行
うことを特徴とする遠心成形コンクリートライナの製造
方法。 - 【請求項２】 前記型枠のコンクリート投入側の矩形側
板を遠心成形ドラムの回転方向上流側に位置するように
遠心成形ドラムに取付けることを特徴とする請求項１記
載の遠心成形コンクリートライナの製造方法。 - 【請求項３】 遠心成形ドラムと該ドラム内に着脱自在
に固定する中空円弧状の複数の個別ライナ型枠とから成
り、該個別ライナ型枠はそれぞれ円弧外面板、円弧内面
板、２枚の矩形側板及び２枚の円弧状側板からなる密閉
型枠とし、前記円弧内面板は型枠内面周囲に一定高さの
額縁状見切面を設けると共に一方の矩形側板近傍に密閉
可能なコンクリート投入開口を設け、他方の矩形側板近
傍に空気抜孔を設けたことを特徴とする遠心成形コンク
リートライナの製造装置。 - 【請求項４】 円弧状中空密閉型枠を、円弧状側板を一
端が高く他端が低い姿勢に支持して加振する加振装置
と、該加振装置上に移動して前記中空密閉型枠にコンク
リートを供給するコンクリート供給装置とを備えたこと
を特徴とする遠心成形コンクリートライナの製造装置。 - 【請求項５】 前記加振装置の加振力が重力の加速度の
３〜５倍であることを特徴とする請求項４記載の遠心コ
ンクリートライナの製造装置。 - 【請求項６】 前記加振装置は複数台の不平衡荷重回転
型加振装置とし、回転方向を前記円弧状側板右下り視で
右回転としたことを特徴とする請求項４記載の遠心成形
コンクリートライナの製造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6054157A JP2667363B2 (ja) | 1993-12-03 | 1994-03-24 | 遠心成形コンクリートライナの製造方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5-303930 | 1993-12-03 | ||
| JP30393093 | 1993-12-03 | ||
| JP6054157A JP2667363B2 (ja) | 1993-12-03 | 1994-03-24 | 遠心成形コンクリートライナの製造方法及び装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07205124A JPH07205124A (ja) | 1995-08-08 |
| JP2667363B2 true JP2667363B2 (ja) | 1997-10-27 |
Family
ID=26394897
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6054157A Expired - Fee Related JP2667363B2 (ja) | 1993-12-03 | 1994-03-24 | 遠心成形コンクリートライナの製造方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2667363B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105986825A (zh) * | 2015-02-06 | 2016-10-05 | 大连中南维拓资源与环境技术研究有限公司 | 拱形的地下盾构拼装混凝土预制方涵 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5133596B2 (ja) * | 2007-05-16 | 2013-01-30 | 栗本コンクリート工業株式会社 | コンクリートセグメントの遠心成形装置及び遠心成形方法 |
| CN112362443A (zh) * | 2020-12-04 | 2021-02-12 | 河南双建科技发展股份有限公司 | 一种离心混凝土抗折强度检测专用试模 |
| CN117183070B (zh) * | 2023-08-08 | 2024-03-19 | 中铁城建集团第一工程有限公司 | 一种建筑施工用预制件浇筑设备 |
-
1994
- 1994-03-24 JP JP6054157A patent/JP2667363B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| CN105986825A (zh) * | 2015-02-06 | 2016-10-05 | 大连中南维拓资源与环境技术研究有限公司 | 拱形的地下盾构拼装混凝土预制方涵 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07205124A (ja) | 1995-08-08 |
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Legal Events
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