JP2539732B2 - 型枠内の生コンクリ―ト中の気泡除去装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、略四角形機枠内に型枠
移送装置及び振動装置、被蓋装置等を設け、予め生コン
クリートを充填し前記移送装置によって送られてきた型
枠を振動装置上に移送し、該型枠に被蓋した後振動と正
逆回転作用とを与えて型枠内の生コンクリートの気泡を
上方部に移動させて外部に放出させる型枠内の生コンク
リート中の気泡除去装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来生コンクリートを原料として成型物
を製作するには、それぞれの成型物の形状に応じた金属
製型枠を作り外型枠内に内型枠を出入自在に挿入し、上
面を開口し、両枠間の空間部は製品の種類に応じて幅員
を調整する。そして上方より生コンクリートを注入して
上部に蓋を施して垂直に立てて乾燥し、所定日数経過後
内外型枠を分解して製品を取り出している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたよ
うに生コンクリートを原料とした成型物を作るには極め
て簡単に型枠を利用して製作しうるものの、成型物に気
泡が介在しているので成型物に外力を受けるとヒビ割れ
を生ずるという問題点を有していた。

【０００４】また成型物を敷設する場合、成型物の気泡
が接続している場合は上方部より荷重がかかる気泡部分
より損傷を生ずるという問題点を有している。

【０００５】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、連続して処理しうるような移送装置にて移送さ
れ、内外型枠内には移送途中予め生コンクリートを充填
した後、機枠内に収納されると型枠に振動作用を与えつ
つ機枠が他の起動力により正逆回動作用により型枠内の
気泡を上方部に移動させつつ外部に放出させる型枠内の
生コンクリート中の気泡除去装置を得ることを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は機枠内に振動装置、移送装置および上方部に
電動式蓋の上下動装置を備え、移送装置によって移送の
途中予め生コンクリートを充填した型枠が振動装置上に
定着し、機枠の左右側縁の２辺に跨って先端部にストッ
パーを有する円弧状回動体を固着している。

【０００７】そして上記円弧状回動体下方に摺接して前
後に円輪を軸受にて軸支している。

【０００８】また円弧状回動体の間には複数の弧状駆動
輪を機枠の背面に固着し、軸受にて支えられた回転軸の
中心より左右に起動歯車、駆動歯車を固着し、起動歯車
はモーターの歯車にチェーンにより連絡し、駆動歯車は
弧状駆動輪に噛合する。

【０００９】さらに回転軸を等分に２分割して直線状に
軸受に同時同速にて回転自在に軸支し、また各軸に夫夫
各歯車、モーターを配設することもできる。

【００１０】

【作用】上記のように構成されている機枠内に予め生コ
ンクリートを充填させた型枠を移送装置により振動装置
上に固着し通電機構によって型枠の開口部に蓋を上方よ
り降下させて密閉固定する。

【００１１】生コンクリートを型枠内に注入する場合気
泡水分は砂利、砂のコンクリートより軽いため上昇し抜
けようとするけれども型枠そのものが、外型枠と内型枠
で構成され、内型枠で上面を塞いでいるため底部分に気
泡が残っている。

【００１２】そこで、振動装置に通電してバイブレーシ
ョンを型枠に与えると共に原動機を起動し、回転軸の起
動歯車を介して駆動歯車により駆動輪を回動すると左右
の円弧状回動体は円輪の摺接によって正逆回動するの
で、機枠と型枠は共に追従して振動しながら傾斜すると
き、底部分に溜っていた気泡は、順次上方部に上昇して
外部に放出される。

【００１３】生コンクリート中の気泡が外部に放出され
た型枠は移送装置により機外に搬出され、乾燥後枠を取
り外して製品を得る。

【００１４】

【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
１から図３において、全体が金属枠でできており、縦杆
１、１と横杆２、２より左右側方を開口した略四角形機
枠１９を構成し、該機枠１９内には外部の移送装置と関
連する型枠移送装置３と機枠１９の下面中心に振動装置
４とを設ける。振動装置４上に、移送の途中予め生コン
クリートを注入した型枠５が載置され、該型枠５の上面
を上板７と下板６との間にシリンダー８を介在した蓋板
にて密閉するようウインチ１２により垂下させた押圧杆
１０にて上板７を圧着する。

【００１５】背面側の縦杆１、１に連続している機枠１
９の左右側方の下側横杆２、２に跨って円弧状回動体
９、９を固着し、先端にはストッパー１１、１１を取り
つけ左右の円弧状回動体９、９の夫夫を前後の円輪１
２、１２に摺接させて回転自在に軸受１３、１３にて軸
支している。

【００１６】また機枠１９と共に円弧状回動体９、９を
回動させるために、左右の円弧状回動体９、９との間に
所定間隔をおいて、輪周上にギアを刻設した一対の弧状
駆動輪１４、１４を前記機枠１９の背面に固着してい
る。

【００１７】また動力の負荷を軽減すると共に正逆回動
を円滑かつ迅速に行うため２個に分割して水平線状に配
置した回転軸１５、１５と、これに対応する２個の原動
機１６、１６とを設け、前記各回転軸１５、１５には起
動歯車１７、１７、駆動歯車１８、１８等を１個宛固着
して、複数の軸受にて回転自在に軸支する。原動機１６
の歯車は起動歯車１７に、一方の原動機１６の歯車は起
動歯車１７に夫々チェーンを懸廻する。駆動歯車１８は
弧状駆動輪１４に、また駆動歯車１８は弧状駆動輪１４
に夫々噛合して円弧状回動体９、９と共に機枠１９及び
型枠５を振動しながら正逆回動するよう構成している。

【００１８】図４（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）（ｅ）は、
モーターの起動力によって円弧状回動体９、弧状駆動輪
１４の運動と共に機枠１９内の型枠５の正逆回動を示す
ものである。

【００１９】図５（ｆ）（ｇ）（ｈ）（ｉ）（ｊ）は生
コンクリート内の気泡が外部に放出する状態を示すもの
で、図５（ｆ）は、生コンクリートを充填した直後の状
態であって、底面に無数の気泡が存在する。図５（ｇ）
は、生コンクリートを４５°上側へ傾けさせたため、気
泡がそれと同時に上昇する。図５（ｈ）は、気泡が上端
に移動する。図５（ｉ）は、上端に移動した気泡が反対
側へ移動して外部へ抜け出ている。図５（ｊ）は完全に
生コンクリート内より気泡を取り除いた状態を示すもの
である。

【００２０】したがって後続の型枠は先行型枠内の生コ
ンクリートの操作終了後他の場所に搬送された後、機枠
内に送り込まれて同一操作を繰返しながら同一製品を製
造する。

【００２１】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下記載のような効果を奏する。

【００２２】本発明装置において略四角形の機枠内に振
動装置と移送装置と蓋とを電気的作動するよう構成し、
一型枠内での作業終了後は自動的に後続の型枠が機枠内
に移送されるようになっているので労力、時間などの節
約だけでなく作業能率が向上する。

【００２３】また本発明装置はモーターの起動力によっ
て起動及び駆動歯車で円弧状回動体及び弧状駆動輪と共
に機枠を正逆回動させながら型枠の傾斜角度の調整が容
易にできる。さらに、振動装置のバイブレーションによ
り型枠内の生コンクリート中の気泡を上方部に上昇させ
て外部に放出させるので生コンクリート自在が引締り高
速に強度のある製品例えばボックスカルバートの量産性
に富む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の型枠内の生コンクリート中の気泡除去
装置の正面図である。

【図２】本発明の型枠内の生コンクリート中の気泡除去
装置の斜視図である。

【図３】本発明の型枠内の生コンクリート中の気泡除去
装置の側面図である。

【図４】本発明の型枠内の生コンクリート中の気泡除去
装置の回動状態を示す図である。

【図５】型枠内の生コンクリート中の気泡の移動状態を
示す図である。

【符号の説明】

３ 型枠移送装置 ４ 振動装置 ５ 型枠 ９ 円弧状回動体 １１ ストッパー １２ 円輪 １３ 軸受 １４ 弧状駆動輪 １５ 回転軸 １６ 原動機 １７ 起動歯車 １８ 駆動歯車 １９ 機枠

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右側方を開口した略四角形機枠内の左
   右開口方向に沿うて、型枠移送装置と下面中心部に振動
   装置と、上方部に電動式上下動自在の蓋を設け、該機枠
   内の振動装置上に予め生コンクリートを充填した型枠を
   載置して上面より被蓋し、かつ機枠の左右両側縁の各二
   辺に跨って円弧状回動体を固着し、先端部にストッパー
   を取付け、前記回動体の下面前後に円輪を回転自在に摺
   接軸受し、さらに左右円弧状回動体の中間で機枠の背面
   に複数の弧状駆動輪を固着し、前記弧状駆動輪と円弧状
   回動体に対しこれに対応する起動歯車、駆動歯車を固着
   した回転軸を軸受に軸支し、起動歯車は原動機に、駆動
   歯車は弧状駆動輪と噛合して型枠に振動を与えつつ機枠
   と共に正逆回動させるよう構成した型枠内の生コンクリ
   ート中の気泡除去装置。