JPH0323463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、建物のベランダ等に設けられる手
摺支柱の取付装置に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に建物のベランダ、屋上等の周縁部に取付
られる手摺は、水返し用のコンクリート基礎部に
比較的短い支柱を立設したアンカープレートを前
記支柱の上部がコンクリート基礎部より突出する
状態で所定間隔ごとに埋設固定し、該支柱の突出
部に手摺を構成する支柱の下端部を外嵌固定して
手摺をベランダ等に取り付けているが、近時支柱
を取付るコンクリート基礎部は「ALC」と呼ば
れる比較的強度の弱い軽量発泡コンクリートが非
常に多い。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のように軽量発泡コンクリートからなるコ
ンクリート基礎部に手摺支柱を取付けたとき、基
礎部が比較的強度が弱く、一つの支柱になんらか
の理由で大きな負荷が加わつたとき、当該部位が
破壊されて大きな事故に繋がるという危険性があ
り、そのため種々の補強工事が必要となるので施
工費用が嵩んだり、或いは支柱を伝わり雨水等が
浸入して支柱の基部が錆びて強度が劣化するなど
のおそれもある。

また、コンクリート基礎部へのアンカープレー
トの固着は、その位置が予め決められ固着後はそ
の位置が固定されるので、手摺自体の大きさとの
間に誤差が生じたとき、その補正ができず、場合
によつては再工事をする必要があるなど実用上多
くの問題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案はかゝる現状に鑑み、コンクリート製
基礎部への特別な工事を必要とせず、容易かつ簡
単に手摺支柱を取付ることができ、手摺支柱とコ
ンクリート基礎部への取付装置との間に多少の誤
差が生じても簡単な調整で取付ることのできる手
摺支柱の取付装置を提供せんとするもので、ベラ
ンダ等を構成するコンクリート製の基礎部の周縁
部に設けられる腰壁に断面みぞ型状の長尺部材か
らなるアンカーレールを被冠し、このアンカーレ
ール上に所定の間隔を存して長手方向に長孔を設
けた側板を両側に有し、かつその上面に手摺の支
柱内に挿着する支持材を前後方向に移動自在に取
付けた複数の支持部材を嵌合当接し、各支持部材
の一方の側板から他方の側板に、アンカーレール
および腰壁を貫通させてボルトを挿通し、前記長
孔で長手方向の取付位置を調整したのちナツトで
締付け、腰壁、アンカーレール及び支持部材を一
体的に固定すると共に、支持部材の上面に前記支
持材を嵌挿する透孔を設けた笠木を重合固着し、
笠木上面より突出した前記支持材に手摺支柱を外
嵌固定し、以て腰壁に手摺を立設することを特徴
とするものである。

〔作用〕

この考案の手摺支柱の取付装置は、ベランダ等
を構成するコンクリート製の基礎部１の周縁部に
立設される腰壁２の当接して被冠する長尺部材か
らなるアンカーレール６と、このアンカーレール
６上に係合保持する支持部材７とから構成される
もので、まず腰壁２上にアンカーレール６を当接
させて被冠する。このアンカーレール６は必要に
応じて接続金具（図示せず）を使用して所望の長
さに延長することができる。

ついで、手摺支柱４の取付間隔に合わせてアン
カーレール６上に支持部材７を嵌合載置すると共
に、該支持部材７の一方の側板７ｂに設けた長孔
８から他方の側板７ｂに前記長孔８に対応させて
形成した長孔８に向けてアンカー用のボルト１６
をアンカーレール６及び腰壁２を貫通して挿通せ
しめ、ナツト１７で締付けて腰壁２をアンカーレ
ール６及び支持部材７を一体的に固着するもので
あるが、例えば基礎部自体の仕上がり寸法等によ
つて支持部材７の取付位置に多少の誤差があると
きは、長孔８を利用してアンカーレール６の長手
方向、即ち左右方向に支持部材７を移動させてそ
の取付位置を調整する。

アンカーレール６を介して支持部材７を腰壁２
上に固定したのち、第１図、第５〜６図に示すよ
うに笠木３を支持部材７上に当接重合し、笠木３
上面に支持部材７に係合保持した支持材１２を突
出させる。

この支持材１２は、手摺支柱４の内径とほぼ同
径で、支持部材７の水平基板７ａ上に支持枠９を
介してボルト１１で移動自在に係合保持されてい
るので、ボルト１１の締付けを緩めて、支持枠９
に形成した長孔１０に沿つて前後方向（前記左右
方向に対し）に移動させ支持材１２の固定位置を
調整する。ついで、笠木３の上面から突出した支
持材１２に手摺支柱４を外嵌装着し、両者をボル
ト１８で一体的に連結固定し、各手摺支柱４，４
間に上下の横桟を取付け、かつ横桟間に多数の縦
桟５を固定したのち、上方の横桟上に笠木１９を
被冠固着して手摺とするものである。

〔実施例〕

以下、この考案を添付の図面に基づいて具体的
かつ詳細に説明する。

図はこの考案の手摺支柱の取付装置の好適な実
施例を示すもので、第２図は手摺の取付状態を示
す側面図であり、１は軽量発泡コンクリート
（ALC）製の基礎部で、その周縁部に沿つて水返
し用の腰壁２が一体的に立設されている。３はこ
の腰壁２の上部を覆うアルミニユウム製の笠木、
４は手摺支柱で、所定の間隔を存して腰壁２に取
付けられ、隣接する手摺支柱４，４は上下の横桟
により連設されると共に、上下の横桟間に多数の
縦桟５が列設されて手摺を構成するものである。

しかして、この考案の手摺支柱の取付装置は前
記腰壁２に当接被冠されるアンカーレール６と、
このアンカーレール６上に装着する支持部材７と
から構成され、アンカーレール６は断面みぞ型の
アニミニウム製の長尺部材からなり、通常１スパ
ン300mm程度の長さを有し、腰壁２に被冠した状
態で少なくとも腰壁２の前後の壁面の約1/2程度
をカバーすることが望ましい。

支持部材７は、前記アンカーレール６上に嵌合
させて取付けられるもので、第４図に示されるよ
うにアンカーレール６の上面と当接する水平基板
７ａの両側に長手方向、即ち左右方向に移動可能
とする長孔８を形成した側板７ｂ，７ｂを一体的
に連設した断面みぞ型のもので、この水平基板７
ａの上面中央部には前記側板７ｂに設けた長孔８
と直交する状態で断面みぞ型の支持枠９を溶着固
定している。この支持枠９の上面には長手方向に
沿つて長孔１０が透設され、支持枠９内にボルト
１１の頭部１１ａを挿入し、その軸部を前記長孔
１０より突出させた状態で水平基板７ａ上に固定
されるので、ボルト１１は長孔１０のストローク
分だけ前後方向に移動が可能となつている。

さらに、このボルト１１は手摺支柱４内に嵌入
される有底の中空支柱からなる支持材１２の底面
に設けられためねじと螺合して支持枠９上におい
て支持材１２を垂直状態に係合保持しているもの
である。

なお、図面において１３は手摺の笠木３に前記
支持部材７の支持材１２の形状に合わせて設けた
透孔３ａと、支持材１２との間に生じる隙間から
雨水等が笠木３内に浸入するのを防止するための
防水パツキン、１４は笠木３の固定金具、１５は
防水ゴムを示すものである。

〔考案の効果〕

以上述べたように、この考案の手摺支柱の取付
装置は、腰壁に沿つてアンカーレールを当接して
被冠し、このアンカーレール上に所定間隔毎に支
持部材を嵌合載置し、アンカー用のボルトを以て
腰壁にアンカーレールと支持部材を一体的に固着
し、支持部材に垂直状態に係合保持される支持材
に笠木を介して手摺支柱を嵌合して腰壁に手摺を
取付るものであるので、手摺支柱の一つに大きな
負荷が加わつてもその応力はアンカーレール全体
に分散され、例え軽量発泡製のコンクリートであ
つても充分な強度が維持されるものである。

また、支持部材はアンカーレールの左右長手方
向に所定の長さだけ移動でき、かつ手摺支柱と係
合する支持材も前後方向に移動させることができ
るので、多少支持部材の固定位置に誤差があつて
も容易かつ簡単に調整することができると共に、
取付が非常に簡単であるので、施工作業が容易で
あるなど実用上多大の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の手摺支柱の取付装置の要
部を示す断面図、第２図は手摺の取付状態を示す
側面図、第３図はアンカーレールと支持部材の関
係を示す一部切欠き斜視図、第４図は支持部材の
斜視図、第５図は要部の拡大断面図、第６図は笠
木と支持部材の支持材との関係を示す一部切欠き
斜視図である。 １……コンクリート製の基礎部、２……腰壁、
３……笠木、４……手摺支柱、６……アンカーレ
ール、７……支持部材、１２……支持材、１６…
…ボルト、１７……ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ベランダ等を構成するコンクリート製の基礎
   部の周縁部に設けられる腰壁に断面みぞ型状の
   長尺部材からなるアンカーレールを被冠し、こ
   のアンカーレール上に所定の間隔を存して長手
   方向に長孔を設けた側板を両側に有し、かつそ
   の上面に手摺支柱内に挿着する支持材を前後方
   向に移動自在に取付けた複数の支持部材を嵌合
   当接し、各支持部材の一方の側板から他方の側
   板に、アンカーレールおよび腰壁を貫通させて
   ボルトを挿通し、前記長孔で長手方向の取付位
   置を調整したのちナツトで締付け、腰壁、アン
   カーレール及び支持部材を一体的に固定すると
   共に、支持部材の上面に前記支持材を嵌挿する
   透孔を設けた笠木を重合固着し、笠木上面より
   突出した前記支持材に手摺支柱を外嵌固定し、
   以て腰壁に手摺を立設することを特徴とする手
   摺支柱の取付装置。 (2) 前記支持部材は、水平基板の上面に断面みぞ
   型の支持枠を有し、該支持枠内にボルトの頭部
   を移動自在に係合保持すると共に、ボルトの軸
   部を前記支持枠の上面に設けた長孔より突出せ
   しめ、支持枠上において前記ボルトに手摺支柱
   に挿入する支持材を螺着したことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の手摺支柱
   の取付装置。 (3) 前記支持材は、中空支柱からなることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項乃至第２
   項記載の手摺支柱の取付装置。