JPH0323369B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、自動車が雪路面上を走行する際、ス
リツプを防止するためにタイヤに装着する合成樹
脂製の滑止め装置に関し、特にダブルタイヤに使
用される滑止め装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、タイヤの滑止め装置としては例えば鎖を
梯子状に連結したタイヤチエーンがあるが、これ
は走行中に断続した衝撃があつて好ましくない
上、特に乾燥路面での走行ではこの衝撃が大きく
て運転していられないという欠点があつた。この
ため合成樹脂で形成したタイヤ滑止帯をタイヤ外
周に被せて使用する合成樹脂製のタイヤ滑止め具
が近年開発されている。

［発明が解決しようとする問題点］ この種の合成樹脂製のタイヤ滑止め具には、ダ
ブルタイヤ用のものも研究されているが、ダブル
タイヤ用の滑止め具ではタイヤ滑止片の幅がどう
しても広くなるため、中央部が不安定となり、走
行中に滑止片の中央が路面とタイヤの間で大きく
動かされて大きな張力を受け、滑止片の耐久性が
悪化する問題があつた。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、上記の点にかんがみてされたもの
で、ダブルタイヤに装着した場合、タイヤ滑止片
をタイヤの周囲に確実に被せてほとんど動かない
ようにセツトすることができ、滑止片の耐久性を
向上させることができるタイヤの滑止め装置を提
供するものであり、以下のように構成される。す
なわち、本発明のタイヤの滑止め装置は第１図に
示すように、タイヤ１の外周任意角度の円弧面に
沿つて装着可能に合成樹脂で形成した可撓性のタ
イヤ滑止片３と、 該タイヤ滑止片３をタイヤ１の外周に対応して
複数枚帯状に連結するための第１連結具４と、 タイヤ滑止片３を複数枚連結したタイヤ滑止帯
５の両端を連結して無端状タイヤ滑止帯とするた
めの係脱可能な第２連結具６と、 無端状に連結してタイヤの外周を覆つた複数枚
のタイヤ滑止片３のタイヤ表側辺をタイヤ１の中
心方向に引張つて前記タイヤ滑止片３をタイヤ１
外周に密着させるための締付具８とのそれぞれを
備えたタイヤの滑止め装置において、 タイヤ滑止片３の中央長手方向裏側に連続して
中央連結条部３０が設けられ、その中央連結条部
の両端には孔３２を有し裏側に突出した耳部３１
が設けられ、タイヤ滑止片３が無端状タイヤ滑止
帯として連結された際、隣接する中央連結条部３
０の耳部３１を相互に連結する中央連結具３３を
設けて構成される。

［作用］ 本発明のタイヤの滑止め装置は、第１図に例示
するように、合成樹脂で成形した可撓性のタイヤ
滑止片３は、ダブルタイヤ用の幅広に形成されタ
イヤの外周を横断する方向に装着される。第２図
に例示するように前記タイヤ滑止片３の端には、
孔１６，１７が設けられており、第１連結具４が
前記孔１６，１７に挿着することにより前記タイ
ヤ滑止片３をタイヤ外周にそつて複数枚帯状に連
結する。また、第２連結具６は、前記タイヤ滑止
片３を複数枚連結したタイヤ滑止帯５（第１図）
の両端を連結して無端状タイヤ滑止帯とする。こ
れにより、タイヤ１に装着した無端状タイヤ滑止
帯は、前記タイヤ１の回転時にタイヤ１が滑るこ
とを防ぐ。次に締付具８は、無端状に連結して前
記タイヤ１の外周を覆つた複数の前記タイヤ１の
前記滑止片３のタイヤ表側辺を前記タイヤ１の中
心方向に引張つて前記タイヤ滑止片３をタイヤ外
周に密着させる。これによつて、前記締付具８
は、前記タイヤ１の回転時に無端状のタイヤ滑り
止め帯が移動することを防ぐ。中央連結部３０
は、前記タイヤ滑止片３の中央長手方向の裏側に
連結しており、前記中央連結条部３０の両端に
は、孔３２があり、前記タイヤ滑止片３の裏側に
は突出した耳部３１がある。中央連結具３３は、
前記タイヤ滑止片３が無端状タイヤ滑止帯として
連結するとき隣接の前記中央連結条部３０の前記
耳部３１を相互に連結する。これにより、前記中
央連結具３３は、ダブルタイヤの内側に入りこ
み、前記孔１５，１６，１７、前記耳部３１が路
面やタイヤに触れることを少くする。

以上のように本発明は、各構成要素が作用する
ことにより本発明の技術的課題が解決される。

［実施例］ 次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第２図はポリウレタン等の合成樹脂で成形した
可撓性のタイヤ滑止片３の平面図を示している。
このタイヤ滑止片３は、ダブルタイヤ用に幅広に
形成され、タイヤの外周を横断する方向つまりタ
イヤの幅（厚さ）方向に装着される４本のバンド
状滑止部１１を等間隔にＷ字状の連結片１２で連
結するように一体成形されている。さらに、タイ
ヤ滑止片３の中央長手方向裏側つまりバンド状滑
止部１１の横断方向中央に連続して中央連結条部
３０が設けられ、その中央連結条部３０には第４
図に示すように、両端に耳部３１が裏側に突出し
て設けられ、その耳部３１に後述の中央連結具３
３を引掛けるための孔３２が穿設される。このタ
イヤ滑止片３の装着時の外側つまり第２図下端部
には後述の締付具８を止めるための掛止部１３が
棒状に連続して設けられ、さらに、装着時の内側
つまり第２図上端部には棒状の短絡片１４が左端
に右側を向けて設けられる。

掛止部１３の両端の略円盤状の中央には、後述
の第１連結具４を通すための孔１５が設けられ、
短絡片１４の元部と先端部にも同様の孔１６と１
７が設けられる。各バンド状滑止部１１の上部を
連結する連結片１２の上部と短絡片１４の先端に
は短絡片１４を連結片１２に固定するために固定
金具１８を嵌挿するためのスリツト状の長孔１９
が穿設される。そして、固定金具１８（第５図）
は短絡片１４の先端の長孔１９と右側の連結片１
２の先端の長孔１９に嵌入され第５図のようにか
しめられて短絡片１４は連結片１２に固定され
る。第２図でもわかるように、短絡片１４は連結
片１２より短いため、それらの右端を固定した場
合、タイヤ滑止片３はタイヤ１の内側の一部を包
むように曲げられることになる。また、中間部の
連結片１２の長孔１９にも図示しない金具が嵌入
され、この金具により４箇所で短絡片１４と連結
片１２が固定される。

なお、４本のバンド状滑止部１１上には複数の
鋲２０が防滑のために打ち込まれる。

このように構成されたタイヤ滑止片３は、例え
ば４枚が帯状に連結されてタイヤ滑止帯５とな
り、その状態でダブルタイヤ１に装着される。

すなわち、先ず４枚のタイヤ滑止片３が横に連
結するように並べられ、第５図に示すように隣接
する掛止部１３の端部がＣ状の金具からなる第１
連結具４によつて連結され、同様に短絡片１４の
隣接する端部も第１連結具４を孔１７に通しかし
めることにより連結される。

このように形成されたタイヤ滑止帯５はダブル
タイヤ１の周囲に巻かれ、その開いた両端部の掛
止部１３同志が、第２連結具６を孔１５に通すこ
とによつて着脱可能に連結され、同様に短絡片１
４の端部同志がその孔１６，１７に第２連結具６
を通すことにより着脱可能に連結される。この状
態で、タイヤ滑止帯５の中央裏側に配設した中央
連結条部３０と耳部３１はダブルタイヤ１の間に
入り込み、さらに、隣接する中央連結条部３０の
両耳部３１の孔３２にフツク金具状の中央連結具
３３が通されてこの間が着脱可能に連結される。
そして、ダブルタイヤ１の外側（前面）に位置す
る円周状の掛止部１３に一定間隔で掛止された多
数のフツク金具２１に、第１図に示すように、環
状ゴムバンド等の締付具８が掛止部１３に沿つて
引つ掛けられる。この締付部８によりタイヤ滑止
帯５はダブルタイヤ１の外側に引張られ、タイヤ
の外周部にタイヤ滑止帯５を緩みなく確実に装着
される。

車両の走行中、ダブルタイヤ１の転動によつ
て、タイヤ滑止帯５の各バンド状滑止片１１はタ
イヤの回転力を、路面との間の大きな摩擦抵抗と
して受け、引つ張られたり捩られたりするが、中
央連結条部３０によつて全てのバンド状滑止部１
１の中央を円周方向に強固に連結しているため、
各バンド状滑止部１１は、その全幅の２分点で保
持されたことになりダブルタイヤ１の回転に際し
て生ずる滑止部１１の極度の変形は確実に防止さ
れ、ダブルタイヤ１におけるタイヤ滑止帯５の耐
久性を向上させることができる。また、各タイヤ
滑止片３の中央連結条部３０を連結している中央
連結具３３及び耳部３１はダブルタイヤ１つまり
２本のタイヤの間に入り込むため、路面に触れる
ことが少なく、その連結状態を安定して保持する
ことができる。

なお、タイヤの径が異なる場合には、第１連結
具４、第２連結具６、及び中央連結具３３の大き
さや長さを変えたものを使用してタイヤ滑止片３
を連結することにより、タイヤ滑止帯５の長さを
ある程度調整してタイヤ径に合せることができ
る。また、タイヤの厚さ（幅）が異なる場合、弾
性体の締付具８により或いはそれを引つ掛けるフ
ツク金具２１の長さを変えることにより、タイヤ
滑止帯５を緩みなく装着することができる。

なお、上記実施例では、バンド状滑止部をもつ
タイヤ滑止片を使用したが、複数の部分に連結片
を介して分割された滑止部をもつタイヤ滑止片で
あれば、本発明の適用は可能である。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明のタイヤの滑止め
装置によれば、タイヤ滑止片の中央長手方向裏側
に連続して中央連結条部を設け、その両端耳部を
隣接するタイヤ滑止片のそれと中央連結具により
相互に連結するように構成した。よつて、このよ
うなタイヤ滑止片を連結したタイヤ滑止帯をダブ
ルタイヤに装着した場合、タイヤ滑止片の中央が
不安定になることはなく、滑止片の耐久性を向上
させることができる。また、中央連結条部及びそ
れを連結する中央連結具がダブルタイヤの間に入
り込むため、これが路面やタイヤに触れることが
少なく、中央連結具の外れを防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示し、第１図は滑止め装
置の装着状態の斜視図、第２図はタイヤ滑止片の
平面図、第３図は同左側面図、第４図は第２図の
−断面図、第５図はタイヤ滑止帯の裏側斜視
図である。 １……ダブルタイヤ、３……タイヤ滑止片、４
……第１連結具、５……タイヤ滑止帯、６……第
２連結具、８……締付具、３０……中央連結条
部、３１……耳部、３２……孔、３３……中央連
結具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タイヤの外周任意角度の円弧面に沿つて装着
   可能に合成樹脂で形成した可撓性のタイヤ滑止片
   と、 該タイヤ滑止片をタイヤの外周に対応して複数
   枚帯状に連結するための第１連結具と、 タイヤ滑止片を複数枚連結したタイヤ滑止帯の
   両端を連結して無端状タイヤ滑止帯とするための
   係脱可能な第２連結具と、 無端状に連結してタイヤの外周を覆つた複数枚
   のタイヤ滑止片のタイヤ表側辺をタイヤの中心方
   向に引張つて前記タイヤ滑止片をタイヤ外周に密
   着させるための締付具とを備えたタイヤの滑止め
   装置において、 前記タイヤ滑止め片の中央長手方向裏側に連続
   して中央連結条部が設けられ、該中央連結条部の
   両端には孔を有し裏側に突出した耳部が設けら
   れ、該タイヤ滑止め片が無端状タイヤ滑止帯とし
   て連結された際、隣接する中央連結条部の耳部を
   相互に連結する中央連結具を設けたことを特徴と
   するタイヤの滑止め装置。