JPH0323302B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光学レンズ、ミラー等の回転対象の
曲面創成装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の回転対象の曲面創成装置、特に非球面レ
ンズの創成装置の被加工物及び加工工具の動作を
示す概念図を第１図に示す。回転スピンドルに取
り付けられ、被加工物１の接線方向にａ方向に回
転する加工具２は、被加工物１を加工するポイン
トに於て常に創成曲面３に対して垂直に位置する
様制御され、又、被加工物１は直交２軸の移動機
構により、加工工具２の加工ポイントに対して、
所定の曲面を創成する様制御され運動するととも
に、さらに、この移動機構上にてｂ方向に回転す
ることにより回転対象曲面が創成される。

しかしながら、上記のような構成では、加工工
具２の形状による誤差を抑える為、加工工具２を
被加工物１の創成曲面３に対し、垂直に位置する
様制御することが必要となり、制御内容及び機械
的構成が複雑になる。又加工工具２の摩耗により
創成形状誤差が生じるという欠点を有していた。

発明の目的 本発明は、上記従来の欠点を解消するものであ
り、装置の構成を簡素化するとともに、前記創成
形状誤差の発生を防止し超精密加工を可能とする
ものである。

発明の構成 本発明は、被加工物を回転させる被加工物回転
手段と、前記被加工物の回転軸に直交する回転軸
を有し、加工工具を取り付けて回転する、高速回
転可能な回転スピンドルと、前記被加工物に対し
前記加工工具を、その回転軸と直交する面内で相
対的に移動させる２軸の移動手段とを有し、前記
加工工具及び被加工物を回転させた状態におい
て、前記加工工具を、その外周面が所定の曲面断
面形状をたどるごとく前記被加工物に対し相対的
に移動させることにより前記被加工物を回転対称
の所定の断面形状に創成加工するものであり、装
置の構成が簡素化できると共に、創成曲面形状精
度が向上するという特有の効果を有する。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。

第２Ａ図は、本発明の実施例に於ける、被加工
物及び加工工具の動作を示す正面概念図であり、
第２Ｂ図は、同側面概念図である。４は回転スピ
ンドルに取り付けられ、ｃ方向に回転する加工工
具であり、被加工物５の半径方向、即ち加工工具
４の回転軸と直交する方向ｄ方向に運動する。被
加工物５は回転対象曲面を得る為、ｅ方向に回転
する。

第３図は本発明の実施例に於ける曲面創成装置
の正面図であり、第４図は同側面図である。４は
静圧空気軸等の高精度軸受をもつ回転スピンドル
６に取り付けられ60000rpm〜150000rpmの高速
回転するダイヤモンド砥石等の加工工具、７は回
転スピンドル６を保持しボールネジ或は静圧ネジ
等の駆動ネジ８とDCサーボモーター等の駆動モ
ーター９によつて上下方向ｆ方向に動作するスピ
ンドルホルダー部、５は光学ガラス等の被加工物
で、直空チヤツク部１０により、回転テーブル１
１に固定されている。１２は被加工物５を回転対
象曲面に創成する巻回転させる静圧空気軸受を用
いた被加工物回転スピンドル、１３は前記被加工
物回転スピンドル１２を載せ、これを加工工具４
の回転軸に対し直交する方向でかつ被加工物５の
半径方向ｇ方向に動作する静圧空気軸受等の高精
度軸受を有するスライドテーブル、１４は静圧空
気軸受ガイドバー、１５はスライドテーブル１３
を駆動する為のボールネジ或は静圧ネジ等の駆動
ネジであり、DCサーボモータ１６により駆動さ
れる。１７は本体ベースである。又１８は加工工
具４の回転運動半径を検出する静電容量型或は渦
電流型等の微小変位センサーであり、回転スピン
ドル６に取り付けられている。さらにスピンドル
７の動作方向ｆ、およびスライドテーブル１３の
動作方向ｇにそれぞれ１９，２０のレーザー干渉
測長器等の変位量検出センサーを設けており、ス
ピンドルホルダー部７の動作、スライドテーブル
１３の動作は１９，２０の変位量検出センサーか
らのデータで極めて精度良く0.1μmの分解能で閉
ループ制御される。なお、この曲面創成装置は図
示せぬ制御装置によつて、前記閉ループ動作制御
も含め制御されるようになつている。

以上のように構成された曲面創成装置について
以下、その動作を説明する。

まず、所定の曲面を創成するに当たり、高速回
転する加工工具４の回転運動半径を、微小変位セ
ンサー１８で測定し、このデーターをもとに、被
加工物５を所定の曲面形状に研削加工する如く、
加工工具４及び被加工物５をそれぞれｆ方向、ｇ
方向に動作させる為に、あらかじめ組み込まれた
プログラムに従つて動作制御データーをコンピユ
ーターで計算する。次に被加工物５を真空チヤツ
ク部１０により回転テーブル１１に固定する。被
加工物５の回転数、加工工具４の切り込み深さ、
曲面形状創成速度等、加工条件の設定を行ない加
工を開始すると、前記のあらかじめ計算された動
作制御データーに基づいて、被加工物５を所定の
曲面形状に創成加工する様、加工工具４及び被加
工物５は動作する。この時それぞれの動作量は１
９，２０の変位量検出センサーからのデータがフ
イードバツクされ開ープ制御される。さらに、被
加工物５は回転対象曲面に創成する為、所定の回
転数で被加工物回転スピンドル１２により回転さ
れる。

高速回転する加工工具４の回転運動半径は、加
工工具４の摩耗により変化し、これが創成される
曲面形状の誤差として表われる為、定期的に微小
変位センサー１８で測定し、動作制御データーを
修正する。

従つて前述したように加工工具４は、被加工物
５に対して相対的に、加工工具４の回転軸と直交
する方向にたどらせることが出来ること、又、高
速回転加工工具４の回転運動半径が検出され、こ
のデーターをもとに、加工工具４、被加工物５の
動作制御データーの補正されることから、制御要
素が簡素化でき創成曲面形状精度0.3μmが達成出
来た。

なお、本実施例においては、加工工具４は、ダ
イヤモンド砥石としたが、加工工具４は数本のバ
イントをマウントした多刃ホイール工具としても
良く、切削加工による曲面創成も可能である。

発明の効果 以上のように本発明は、加工工具を被加工物に
対して相対的に加工工具の回転軸と直交する方向
にたどらせることにより曲面形状を創成する様に
したこと、又、高速回転する加工工具の回転運動
半径を検出し、このデータにより所定の曲面形状
を創成する如くたどる動作制御データーが補正さ
れる機能を備えていることから、少ない制御要素
で、加工工具の形状の悪さ或は摩耗による創成曲
面形状精度への影響がなくなり、極めて精度の高
い曲面創成が出来、その実用的効果は大なるもの
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の曲面創成装置による加工工具の
正面図、第２Ａ図は本発明の一実施例における曲
面創成装置の加工工具の正面図、第２Ｂ図は同側
面図、第３図は本発明の一実施例に於ける曲面創
成装置の正面図、第４図は同側面図である。 １，５……被加工物、２，４……加工工具、６
……回転スピンドル、７……スピンドルホルダ
ー、８，１５……駆動ネジ、９，１６……駆動モ
ーター、１２……被加工物回転スピンドル、１８
……微小変位センサー、１９，２０……変位量検
出センサー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被加工物を回転させる被加工物回転手段と、
   前記被加工物の回転軸に直交する回転軸を有し、
   加工工具を取り付けて回転する、高速回転可能な
   回転スピンドルと、前記被加工物に対し前記加工
   工具を、その回転軸と直交する面内で相対的に移
   動させる２軸の移動手段とを有し、前記加工工具
   及び被加工物を回転させた状態において、前記加
   工工具を、その外周面が所定の曲面断面形状をた
   どるごとく前記被加工物に対し相対的に移動させ
   ることにより前記被加工物を回転対称の所定の断
   面形状に創成加工することを特徴とする曲面創成
   装置。 ２ 加工工具の回転運動半径を検出する微小変化
   センサーを前記加工工具の外周部近傍に配した特
   許請求の範囲第１項記載の曲面創成装置。