JPH0322401Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、間隙あけて隣接する建造物の壁体間
に設けられる継手装置の構造に関するものであ
る。

継手は隣接する壁体のずれや間隙の変化を吸収
するために使用されており、従来より種々のタイ
プのものが提案されているが、いずれも構造が複
雑で取付け作業が煩雑であり、吸収範囲が小さい
問題点を有していた。

本考案はこのような問題点に鑑み、構造が簡単
で取付け作業を容易になし得るとともに、壁体相
互のずれや間隙の変化を大きく吸収することので
きる継手装置を提供することを目的として、その
構造に独自の工夫を凝らしたものである。

即ち、本考案に係る継手装置は、適宜間隔をお
いて隣接する壁体の一方の対向部分に、当該間隙
外にネジ止め部を延出させた支持体を前記ネジ止
め部でネジ止めし、この支持体に一端を係止した
カバープレート係止体と上記支持体との間に介在
させた引張スプリングで両者を連結して、前記カ
バープレート係止体の他端を他方の壁体に当接さ
せるとともに、当該カバープレート係止体にカバ
ープレートを被着して上記間隙を閉塞し、上記支
持体のネジ止め部に、カバープレートの受け部と
支持体止着用ネジの頭部の隠蔽部とを備えた補助
材を取付けて成ることを特徴とするものである。

以下、本考案を図示した実施例に基づいて説明
する。

第１図は、隣接する壁体１ａ，２ａが側壁と天
井壁である場合を示し、適宜の間隙３ａをおいて
直交状態となつている。

側壁用壁体１ａの天井壁対向側面ヘに取付けら
れる支持体４ａは、ネジ止め作業を容易にするた
めに間隙３ａ外に延出させた壁体１ａへのネジ止
め部２２と両壁体１ａ，２ａの間隙部分に介在す
る状態で、天井壁対向部分ヘから突出する引張ス
プリング取付け部６ａとを有しており、ネジ止め
部２２には一対の係止突状２３，２３が設けら
れ、止着用ネジ２４の頭部を隠す補助材２５を取
付けるようになつている。

カバープレート係止体７ａは溝状スプリング取
付け部８ａの一側に、天井用壁体２ａの下面トに
係止する脚片１２ａを備えた壁体重合片１０ａを
連設し、反対側には側壁用壁体１ａに係止するた
めの湾曲状鉤部２６を突出するとともに、カバー
プレート１８ａを取付けるための突部２７を設け
て成るものである。このカバープレート係止体７
ａは壁体１ａ，２ａの長手方向に対して短寸の部
材として形成され、一定のピツチをおいて取付け
られるものである。

第１図においては上記湾曲状鉤部２６を壁体１
ａに圧着係止するために、壁体１ａの対向部分ヘ
に格別の係止部２８が設けられるが、ここでは上
記支持体４ａが同じ対向部分ヘに取付けられるこ
とを利用して、この支持体４ａに係止部２８が設
けられるようにしている。従つて、支持体４ａは
前記ネジ止め部２２、引張スプリング取付け部６
ａ及び係止部２８を一体のものとして形成され
る。

係止部２８は突出した鉤状片の先端に上記湾曲
状鉤部２６に対応する円弧突部２９を備えたもの
として形成される。

なお、支持体４ａは長尺材として形成してもよ
く、一定のピツチで取付けられる短寸部材として
形成してもよい。

このような支持体４ａとカバープレート係止体
７ａを連結するには、溝状のスプリング取付け部
８ａと突出状の引張スプリング取付け部６ａの間
に介在する引張スプリング１５が用いられるが、
引張スプリング１５の取付けは、各引張スプリン
グ取付け部６ａ，８ａに貫通したネジ１６，１７
の軸部に引張スプリング１５の両端部をネジ込む
ことによつて行なわれる。この取付けによつて、
カバープレート係止体７ａは固定状態の支持体４
ａに対して強く引つ張られることになり、その湾
曲状鉤部２６を係止部２８に当接し、且つ脚片１
２ａを天井用壁体２ａの下面トに当接して、両壁
体１ａ，２ａ間にまたがつて取付けられる。

このように壁体１ａ，２ａ間にまたがつて取付
けられたカバープレート係止体７ａに対して、両
壁体間の間隙３ａを塞ぐカバープレート１８ａが
取付けられる。

カバープレート１８ａは、壁体１ａ，２ａに沿
う長尺材として形成されるものであつて、側壁側
の端部にカバープレート係止体７ａの突部２７と
の係合部２０ａを有すると共に、天井壁側の端部
に密封材１９を嵌着するための凹溝２０を有して
おり、当該凹溝２０には前記脚片１２ａの係止爪
１３に係止する係止突部２１が設けられている。

そして、突部２７と係合部２０ａ、および係止
爪１３と係止突部２１の相互係止によりカバープ
レート１８ａはカバープレート係止体７ａに一体
に被着され、カバープレート１８ａは引張スプリ
ング１５の働きにより両壁体１ａ，２ａにまたが
つた状態で引寄せ係止されるとともに、カバー体
Ａ１として両壁体１ａ，２ａの間隙３ａをその全
長にわたつて閉塞するのである。

さらに、ネジ止め部２２に露出しているネジ２
４の頭部を隠すために、係止突状２３，２３に長
尺の補助材２５が嵌着係止される。この補助材２
５の隠蔽部２５ａの両端にはタイト材３０，３１
が取付けられており、一方のタイト材３０はカバ
ープレート１８ａの受け部として該カバープレー
ト１８ａに密着し、他方のタイト材３１は壁体１
ａの側面に密着する。

上述のような継手装置において、壁体１ａ，２
ａにずれが生じた場合、カバープレート係止体７
ａが第２図のようにずれに応じて傾斜することに
なるが、カバープレート係止体７ａは引張スプリ
ング１５の作用によつて無理なくそのずれに追随
することができるとともに、常に引張スプリング
１５の張力が働いているので、カバー体Ａ１は壁
体１ａ，２ａに対して当接状態を保持することが
できる。

又、壁体１ａ，２ａの間隙３ａが変化した場
合、カバープレート係止体７ａの壁体重合片１０
ａに対して、一方の壁体２ａが相対的に移動でき
る状態にあるので、重合している範囲内での間隙
変化に対応することができるのであり、カバープ
レート１８ａは確実に間隙３ａを閉塞することが
できる。

以上のように、本考案に係わる継手装置は、適
宜間隔をおいて隣接する壁体の一方の対向部分
に、当該間隙外にネジ止め部を延出させた支持体
を前記ネジ止め部でネジ止めし、この支持体に一
端を係止したカバープレート係止体と上記支持体
との間に介在させた引張スプリングで両者を連結
して、前記カバープレート係止体の他端を他方の
壁体に当接させるとともに、当該カバープレート
係止体にカバープレートを被着して上記間隙を閉
塞し、上記支持体のネジ止め部に、カバープレー
トの受け部と支持体止着用ネジの頭部の隠蔽部と
を備えた補助材を取付けて成るものであるから、
その部品点数が少なく簡単な構造であり、取付け
作業を容易迅速に成し得る利点を有している。

又、カバープレートを被着したカバープレート
係止体の連結を引張スプリングで行つており、ス
プリングは伸縮、傾斜などの変化に対して自由に
順応することができるので、壁体相互の種々の動
きに対して無理なく追随することができるのであ
り、且つ大きな変化をも確実に吸収して常に間隙
を閉塞状態に保持することができる効果を有して
いる。

さらに、補助材により、カバープレート係止体
およびカバープレートの脱落を確実に防ぐことが
できるとともに、止着用ネジの頭部を隠して良好
な外観体裁を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例を示す横断面図、第２図は第
１図の実施例に係る継手装置の変化した状態を示
す横断面図である。 １ａ，２ａ……壁体、３ａ……間隙、４ａ……
支持体、６ａ……引張スプリング取付け部、７ａ
……カバープレート係止体、１５……引張スプリ
ング、１８ａ……カバープレート、２２……ネジ
止め部、２４……止着用ネジ、２５……補助材、
２５ａ……隠蔽部、３０……タイト材（受け部）、
ヘ……対向部分、Ａ１……カバー体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜間隔をおいて隣接する壁体の一方の対向部
   分に、当該間隙外にネジ止め部を延出させた支持
   体を前記ネジ止め部でネジ止めし、この支持体に
   一端を係止したカバープレート係止体と上記支持
   体との間に介在させた引張スプリングで両者を連
   結して、前記カバープレート係止体の他端を他方
   の壁体に当接させるとともに、当該カバープレー
   ト係止体にカバープレートを被着して上記間隙を
   閉塞し、上記支持体のネジ止め部に、カバープレ
   ートの受け部と支持体止着用ネジの頭部の隠蔽部
   とを備えた補助材を取付けて成ることを特徴とす
   る継手装置。