JPH03210146A

JPH03210146A - 機能性発酵乳及び機能性乳酸菌飲料の製法

Info

Publication number: JPH03210146A
Application number: JP2005435A
Authority: JP
Inventors: Haruhiko Yokoi; 横井　春比古; Takashi Watabe; 孝史渡部
Original assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date: 1990-01-13
Filing date: 1990-01-13
Publication date: 1991-09-13

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は抗腫瘍活性等の生理活性機能を有する発酵食品
である機能性発酵乳並びに乳酸菌飲料に関する。

〔従来の技術〕

発酵乳ケフィール（Ｋｅｆｉｒ）は、長寿者の多いこ２
で知られるソ連コーカサス地方の伝統的な発酵乳であり
、健康食品としてソ連、東欧諸国で盛んに製造されてい
る。ケフィールは、ケフィール粒と呼ばれるスタータを
用いて製造され、そのケフィール粒は乳酸菌や酵母が共
生した画境であって、莢膜多糖産生菌が生産する多糖（
ケフィラン）を支持体としている。この莢膜多糖産生菌
が生産する多糖ケフィランは、ケフィール粒から熱抽出
などにより得られる物質で、抗腫瘍活性などの優れた生
理活性を有することが知られている、例えば特開昭５２
−１２８２０７号、特公昭５６−４０９号、特公昭５６
−４１０号公報。

しかし、ケフィール粒は種々の微生物相から構成されて
おり、莢膜多糖ケフィランを生産する菌の分離は極めて
困難である。ロッシュ（Ｒｏｓｓｉ）等、小原、太田等
及び足立等によって、ケフィール粒から既に分離されて
いる。しかし、従来分離されている菌株は、いずれも培
地選択性が強く、例えば足立等が分離した菌株ラクトバ
チルス属ＩＴ−１を用いる特開昭６１−２５７１９７号
公報で開示されている方法では、ワインを必須成分とし
て含有する培地を使用しなければ多糖を製造することが
できないし、また、、更に、これら□ の菌株は継代培養時に多糖生産性が低下する。

〔発明が解決しようとする課題〕

抗腫瘍活性等の優れた生理活仔を有する莢膜多糖ケフィ
ランを食品として利用し、人の健康の保持に有用であり
、これを含有する健康食品特に発酵性飲料として一般の
人に安価にかつ大量に生産することは強く所望されてい
る。

しかし、従来の方法によってケフィランを含有する発酵
乳、乳酸菌飲料を製造するには、ケフィール粒をスター
タとして発酵させるか、またはケフィール粒からケフィ
ランを抽出して、別途他の乳酸菌で発酵させた発酵乳、
乳酸菌飲料等に添加する方法が採られる。しかし、ケフ
ィール粒をスタータとした場合は、ケフィール粒中には
莢膜多糖生産菌以外の多糖を生産できない種々の乳酸菌
、種々の酵母が混在しているため、ケフィランを含有す
る発酵乳、乳酸菌飲料を効率よく製造することは困難で
あるし、また品質の一定したこれらの製品を得ることは
できなかった。

また、他の乳酸菌で発酵させた発酵乳、乳酸菌飲料等に
ケフィランを添加する方法は、前項に述べたように、ケ
フィール粒からケフイランを抽出することが極めて困難
である点より見て、実用上困難であった。

本発明はケフィランを一定の品質で含有する生理活性機
能を有する発酵乳及び乳酸菌飲料を効率よ（製造する方
法を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者等は上記の目的を達成するため種々研究を重ね
た結果、本発明者等が先にケフィラン生産に際して培地
選択性が厳しくなく、しかも継代培養時でも多糖生産性
が低下しない新しい菌株の検索の結果、ケフィール粒か
ら分離された新菌株ラクトバチルスｓｐ、　ＫＰＢ−１
６７が上記性能を有することを見出し特願昭６３−１７
５６３７号として出願し、同菌株を工業技術院微生物工
業研究所に微工研菌寄第９８８６号として寄託した。こ
の新菌株を用いて常法により発酵乳及び乳酸菌飲料を製
造したところ、極めて効率よく品質の一定したケフィラ
ン含有発酵乳及び乳酸菌飲料を得ることを見出し本願発
明を完成した。

発明は獣乳又はその加工物を原料としラクトバチルスｓ
ｐ、ＫＰＢ〜１６７を発酵して発酵乳を製造する方法、
並びに獣乳ホエを原料としてラクトバチルスｓｐ、　Ｋ
ＰＢｉ６７を発酵して乳酸菌飲料を製造する方法である
。

本発明に使用するラクトバチルスｓｐ、ＫＰＢ〜１６７
（微工研菌寄第９８８６号）は、ケフィール粒から分離
されるラクトバチルス属に属する長桿菌の一種で、その
菌学的性質は次の通りである。

Ａ　菌の形態（１）細胞の大きさ＝１〜１．５×１５〜６０（μｍ）
（２）形　　　状：桿　　状（３）運　動　性：な　　しく４）胞子の有無：な　　しく５）ダラム染色二Ｍｂ　　　性培地に於ける生育状態ミルクホエー寒天培地に菌を塗抹し、３０　℃で１週間
嫌気培養（ガスパック法又はグローブボックス法）した
ときのコロニーの形態培地組成ミルクホエー　　　　　　　　　１００ｍＱラクトース
　　　　　　　　　　１ｇカザミノ酸　　　　　　　　　　０．５ｇＬ−システィ
ン塩酸塩　　　　　０．０５ｇ酢酸ナトリウム　　　　
　　　　０．５ｇツイーン８０　　　　　　　　　　　
０．１　ｇミネラルＢ　　　　　　　　　　　１顧寒　
　　　天　　　　　　　　　　　　　　　２ｇｐ）Ｉ　
　　　ｓ、ｓ＊１０％脱脂乳を乳酸でｐＨ４，６とし、３０分煮沸後
、沈澱を濾別した濾液。

傘＊ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートの商品
名＊＊＊組成：　ＭｇＳＯ４・７Ｈ２０４ｇＭｎＳＯ４・
４ＨｚＯ０，１５ｇＦｅＳＯ４・７Ｈ２０ｏ、１８ｇＮａＣ１０，１ｇ蒸留水　　　　　　　　１００　ｍＱコロニーの性状形状二円形　　色調：白　色大きさ；２〜４ｍｍ　　　透明度：半透明隆起：凸円状
　　硬度：粘稠周縁：円　滑　　構造：均質、露滴状表面：円　滑生理学的性質 ■　生育温度：３０℃（至適）、２０〜３５℃（生育範
囲） ■　生育ｐ１（：５．５〜６（至適）、５〜７．５（生
育範囲） ■　酸素に対する態度二通気嫌気性、好気下でも生育す
るが、ｃｏ２存在下の方が生育良好。

■　色素の生成：な　し ■　カタラーゼ：陰　性 ■　糖からの生成乳酸の旋光性：Ｄ（Ｌ）型■　糖類か
らの酸及びガスの生成：酸の生成　ガスの生成り（−）−アラビノースＤ（＋）−キシロース α−Ｌ−ラムノースＤ−リボースグルコースＤ−マンノースＤ（−）−フラクトースＤ−ガラクトースシュクロースマルトースセロビオースラクトーストレハロースメルビオースラフィノースメルチトースＤ−マンニトールＤ−ソルビトール（１９）エスクリン（２０）サリシン（２］）　　アミクダリン本菌株を用いて発酵乳及び乳酸菌飲料を製造するには、
発酵乳の製造においては通常に用いられている牛乳、山
羊乳等の獣乳又はその脱脂乳、脱脂粉乳等の獣乳加工品
を原料とし、これらの原料乳は適度の濃度に濃縮又は希
釈して調製した後、常法、例えば約９０℃で３０分位、
約９５℃で５分位又は更に高い温度で短時間殺菌し、そ
の後、無菌的に乳酸発酵に適した発酵温度に冷却し、種
菌としてラクトバチルスｓｐ、ＫＰＢ−１６７を接種し
て発酵を行う０種菌の接種濃度は原料乳の種類、濃度に
よって異なるが、例えば１〜２％程度接種する０発酵は
２０〜４５℃、好ましくは２５〜３０℃の温度で２０−
１００時間程度行うと、培地中に乳酸が充分生成して来
ると共に、原料乳が半固形状となり、更に特徴的な現象
は莢膜多糖生産菌の増殖に伴ってケフィランが蓄積して
くるため発酵乳が糸を引くような粘性をおびて来る。な
お、発酵中ケフィラン生産菌の生育を促進するため気相
部をＣＯ２ガスで置換する方が好ましい。また発酵中混
合状態を良好にするために撹拌を行う方が好ましい。発
酵終了後の発酵乳は、抗腫瘍活性等の生理活性を有する
ケフイランを含有し、粘性を有するためホエーの分離を
伴うことがないため常に均質化された性状を有する保健
効果を持つ機能性発酵乳である。

なお、本発酵乳の製造過程中、例えば発酵後に、フルー
ツの香りのする添加物、果汁等を加えて風味を付与した
り、発酵の際接種する種菌中に風味成分を生産する乳酸
菌等を適量加えて発酵させ風味を付与してもよい。

また、乳酸菌飲料の製造においては、乳酸菌飲料の製造
に通常に用いられている牛乳、山羊乳等の獣乳から得ら
れるホエー、チーズ、パター製造時に副産物として得ら
れるホエー、更には果汁、野菜ジュース等を原料として
使用し、必要あればラクトース、シュークロース、グル
コース等の糖類、栄養分を添加して種菌の生育を促進さ
せる。原料は前記発酵乳の場合と同様に常法により殺菌
し、後無菌的に乳酸発酵に適した温度に冷却し、種菌と
してラクトバチルスｓｐ、ＫＰＢ−１６７を接種して発
酵させる。種菌の接種量は原料によって異なるが、例え
ば１〜２％程度接種する。発酵温度は２０〜４５℃、好
ましくは２５〜３０℃で、２０〜１００時間程度発酵さ
せると、培地中に乳酸が生成すると共にケフィランが蓄
積して発酵液が粘性を示す。発酵中ケフィラン生産菌の
生育促進のために気相部をＣＯ２ガスで置換する方が好
ましい。また、発酵終了時に風味成分を添加したり、発
酵種菌中に風味成分を生産する乳酸菌等を適宜添加して
風味を付与することは発酵乳の場合と同様である。

このようにして得られた乳酸菌飲料は、抗腫瘍活性等の
保健効果を持つ機能乳酸菌飲料である。

なお、本発明に使用するラクトバチルスｓｐ。

ＫＰＢ−１６７は永年飲用されて来たケフィールのスタ
ータとして用いられていたケフィール粒から分離されて
いたものであり、この菌は毒性がなく安全であり、従っ
て本発明により得られた発酵乳、乳酸菌飲料も無毒性で
安全な飲料である。

〔実施例〕次に本発明の実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明
する。但し、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。

実施例１　機能性発酵乳の製造脱脂乳２００ｇを水１８００−に溶解した後、９５℃で
５分間加熱殺菌した６次に３０℃にこの液を冷却し、ラ
クトバチルスｓｐ、　ＫＰＢ−１６７の前培養液４０−
を接種し、３０℃で７２時間発酵した。

発酵は、菌接種後に気相部をＣＯ２ガスで置換して嫌気
的条件下で撹拌しつつ行い発酵乳を得た。ケフィランの
含量は２００〜３００■である。

本発酵経過中は発酵液を少量採取して、粘性及びホエー
の分離状況を観察し、発酵後は発酵乳を透明ガラス容器
に入れて約５℃の冷蔵庫中に保存し、保存期間中の粘性
及びホエー分離状況を観察した。その結果を第１表に示
す。なお、対照として、本実施例のラクトバチルスｓｐ
、　ＫＰＢ−１６７の代わりにラクトバチルスブルガリ
スを種菌として同様に発酵乳を製造し、同様の観察を行
った。その結果を第１表に示す。

第１表本表中の符号は強度を示し、その程度は＋＋＋＋）＋＋
＋）＋＋）＋〉−である。

以上の結果より、本発明のラクトバチルスｓｐ、ＫＰＢ
−１６７を種菌として用いて発酵乳を製造する場合は、
発酵と共に粘性が増加すると共に、ホエー分離は全く見
られず、更に冷蔵保存中も全く粘性の低下並びにホエー
分離は起こらなかった。そして、良好な味と風味を有し
、ケフィランと著量を含有していた。

実施例２　機能性乳酸菌飲料ミルクホエー２０００−を９５℃で５分間加熱殺菌した
後、３０℃まで冷却し、これに種菌のラクトバチルスｓ
ｐ、　ＫＰＢ−１６７の前培養液４０ｍｌ１を接種し、
気相部を００２ガスで置換し、嫌気的条件下で醗酵させ
た。発酵温度は３０℃とし、７２時間後に発酵を終了し
た。発酵終了後の発酵液は粘性を示した。発酵液の一部
を１０．００Ｏｒｐｍで１５分間遠心分離して得られる
上澄液に、同量の冷エタノールを添加して氷水中で静置
するとケフィランが沈澱し、ケフィランの含量は２００
〜３００ｍｇ／　Ｑであった。

かくして得られた発酵液はそのまま飲用に供してもよい
が、オレンジ果汁を１０％（Ｖ／Ｖ）添加し、オレンジ
風味のされやかな乳酸菌飲料を得た。

〔発明の効果〕

本発明は、抗腫瘍活性等の生理活性を有するケフィラン
を含有し保健効果を有し、しかもケフィランの増粘効果
によりホエー分離の起こらない、保存中も安定した均質
状態を保持する発酵乳並びに乳酸菌飲料を簡単な操作で
効率よく製造する極めて有用な方法である。

Claims

【特許請求の範囲】１、獣乳又はその加工物を原料とし、ラクトバチルスｓ
ｐ．ＫＰＢ−１６７（微工研菌寄第９８８６号）を発酵
させることを特徴とする機能性発酵乳の製法。２、獣乳ホエーを原料とし、ラクトバチルスｓｐ．ＫＰ
Ｂ−１６７（微工研菌寄第９８８６号）を発酵させるこ
とを特徴とする機能性乳酸菌飲料の製法。