JPH03207713A - 新規な硬化系およびそのための樹脂組成物 - Google Patents

新規な硬化系およびそのための樹脂組成物

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JPH03207713A
JPH03207713A JP149890A JP149890A JPH03207713A JP H03207713 A JPH03207713 A JP H03207713A JP 149890 A JP149890 A JP 149890A JP 149890 A JP149890 A JP 149890A JP H03207713 A JPH03207713 A JP H03207713A
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悟郎 岩村
Koji Kinoshita
宏司 木下
Asako Yonetani
米谷 麻子
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる硬化系ならびにそれ用の樹
脂組成物に関する。さらに詳細には、本発明はシロキシ
基、酸無水基およびエポキシ基と、金属キレート化合物
とが関与する硬化反応を通して硬化皮膜を形成しうるよ
うな、斬新な硬化系ならびにそのための樹脂組成物に関
する。
とりわけ、本発明は一分子中にシロキシ基、酸無水基お
よびエポキシ基の悉(を併せ有するビニル共重合体と、
あるいは、これら上記の反応性極性基(以下、官能基と
略称する。)のうちの2種の官能基を併せ有するビニル
共重合体および/または低分子化合物と、その余の官能
基のみを有するビニル共重合体および/または低分子化
合物との混合物と、さらには、上記官能基のうちの1種
のみを有するビニル共重合体および/または低分子化合
物のそれぞれ、3種の混合物と、有機金属キレート化合
物とが関与する硬化反応を通して硬化皮膜を形成すると
いう、斬新な硬化系ならびにそのための樹脂組成物に関
するものである。
[従来の技術] 近年、自動車産業において、アクリル樹脂とメラミン樹
脂との組み合わせは、ライン塗装における塗料の安定性
や塗膜性能の面から、主に用いられている。
また、オフライン塗装においては、アクリル樹脂とポリ
イソシアネート化合物との組み合わせになる塗料が、塗
膜外観や低温硬化性などの面から、主に、用いられてい
る。
しかしながら、今日、主流であるメラミン硬化系にあっ
ては、塗膜外観が、必ずしも、すぐれているとは言えな
く、しかも、メラミン樹脂に起因する耐酸性の弱さから
、曝露時における酸性雨による塗膜の劣化が見られるな
どの欠点がある。
また、ポリイソシアネート硬化系にあっても、まず、毒
性の問題があるし、加えて、ポットライフも短く、した
がって、連続的に大量に用いられるライン塗装には、不
向きなものである。
〔発明が解決しようとする課題] 勿論、上述した如き各種の問題点を解決するために、数
多くの提案もまた、為されてはいるけれども、非イソシ
アネート系で、かつ、非メラミン系であって、塗膜外観
にすぐれることは言うに及ばす、−波型として用いるこ
ともでき、加えて、自動車外板として用いることができ
る程度の耐酸性を有するという画期的な硬化系の被覆材
は、未だに、見い出されていないというのが現状である
そこで、本発明者らは塗膜の耐酸性が良好で、−波型で
、したがって、塗料の安定性にすぐれ、ひいては、ライ
ン塗装にも適した、しかも、毒性の問題からも全く解放
された、極めて有用なる被覆材を求めて、鋭意、研究に
着手した。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、−にか
かって、毒性の無い、保存安定性にすぐれた、しかも、
就中、低温硬化性や耐酸性などにもすぐれた塗膜を与え
ることのできる斬新な形の硬化系、そして、斬新な形の
被覆材を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
そのために、本発明者らは上述した如き発明が解決しよ
うとする課題に照準を合わせて、つまり、現状の認識と
、従来技術における種々の未解決課題の抜本的な解決と
当業界における切なる要望との上に立って、シロキシ基
、酸無水基およびエポキシ基と、金属キレート化合物と
の複合硬化系に係る、いわゆる非メラミン硬化系で、か
つ、非イソシアネート系の樹脂組成物を、あるいは、か
かる構成になる樹脂組成物に、さらに、シロキシ基の解
離用触媒をも配合して成る樹脂組成物を用いることによ
って、驚異的に、上述した諸要求性能を向上せしめうろ
こと、つまり、毒性が無(、保存安定性にも優れるし、
加えて、とりわけ、低温硬化性や耐酸性などにも優れる
皮膜が得られること、したがって、これらのいずれの樹
脂組成物も、極めて有用性の高いものであることを見い
出すに及んで、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明はシロキシ基、酸無水基およびエポキ
シ基と、有機金属キレート化合物との複合硬化を通して
硬化皮膜を形成するという斬新な形の硬化系を提供しよ
うとするものであり、さらに詳細には、一分子中にこれ
ら上記の官能基の悉くを併せ有するビニル共重合体と、
特定の有機金属キレート化合物とを含有することから成
る、一分子中にシロキシ基およびエポキシ基を併せ有す
るビニル共重合体と、酸無水基を有するビニル共重合体
および/または低分子化合物と、特定の有機金属キレー
ト化合物とを含有することから成る、シロキシ基含有低
分子化合物と、一分子中に酸無水基およびエポキシ基を
併せ有するビニル共重合体と、特定の有機金属キレート
化合物とを含有することから成る、あるいは、シロキシ
基含有ビニル共重合体と、酸無水物を有するビニル共重
合体および/または低分子化合物と、エポキシ基を有す
るビニル共重合体および/または低分子化合物と、特定
の有機金属キレート化合物とを含有することから成る、
それぞれの形の樹脂組成物を提供しようとするものであ
り、加えて、上述したそれぞれの樹脂組成物に、さらに
、シロキシ基の解離触媒をも配合させた形の樹脂組成物
を提供しようとするものである。
ここにおいて、前記した一分子中に、それぞれ、少なく
とも1個のシロキシ基、酸無水基およびエポキシ基を併
せ有するビニル共重合体とは、たとえばこれらのそれぞ
れの官能基を有する単量体類と、それらと共重合可能な
他の単量体類との共重合反応によって得られるようなも
のを指称する。
それらのうち、まず、シロキシ基含有単量体類とは、勿
論、かかる定義に従うものである限りは、いずれのもの
も適用しうるが、そのうちでも特に代表的なもののみを
例示するに留めれば、次のような式で示される側鎖を少
なくとも1個有するものである。
1 0− St −R,・ ・ ・ (I)3 具体的には、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリ
レート、トリメチルシロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、トリメチルシロキシブチル(メタ)アクリレート
、トリエチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、ト
リブチルシロキシプロピル(メタ)アクリレート、また
はトリフェニルシロキシアルキル(メタ)アクリレート
などが特に代表的なものとして挙げられる。
次に、酸無水基を含有する単量体類としては特に、無水
マレイン酸や無水イタコン酸などをはじめとし、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートのようなヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレートとトリメリット酸との
エステル化合物も用いることができる。
また、エポキシ基含有単量体類としては、特に、グリシ
ジル(メタ)クリレート、(メタ)アクリロイルオキシ
エチルグリシジルエーテルまたはアリルグリシジルエー
テルのようなグリシジルエーテル類を用いることができ
る。
上記した3つの種類の官能基をそれぞれに持ったビニル
単量体類と共重合可能な単量体類として特に代表的なも
ののみを例示するに留めれば、01〜C0なるアルキル
(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン
、ビニルトルエン、2−エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、または
アクリロニトリルなどをはじめ、単量体類の総重量に対
して1%以下でなら用いても、系の安定性に影響なく用
いられるものとしては、アシッド(メタ)クリロイルオ
キシエチルモノフォスフェート等の如き燐酸エステル基
含有単量体類、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレートの如きアミノ基含有単量体類などである。
また、テトラフルオロエチレンもしくはヘキサフルオロ
プロピレンの如き含フツ素ビニル単量体類あるいは、酢
酸ビニル、「ベオバー9またはベオバ10」 (オラン
ダ国シェル社製品)のような分岐脂肪酸のビニルエステ
ル類をも用いることができる。
これらの各単量体類を用いて、所定のビニル共重合体を
用いるには、公知慣用の重合方法に従って行なうことが
できるが、好ましくは、ラジカル溶液重合で行なうのが
簡便である。この場合に用いられる溶剤として、アルコ
ールのような水酸基を含有するものは、重合中に酸無水
基との開環反応を起こすことになるので好ましくないも
のである。この点を考慮すれば、特に限定されるもので
はな(、通常、塗料用溶剤として用いられるものは、例
外なく、用いることができる。
次に、一分子中に少なくとも1個のシロキシ基およびエ
ポキシ基を併有するビニル共重合体ならびに一分子中に
2個以上の酸無水基を含有するビニル共重合体としては
、たとえば前述したシロキシ基含有単量体類とエポキシ
基含有単量体類とを必須成分として、さらに、前述の共
重合可能な単量体類をも共重合することによって得られ
るものが挙げられる。同様にして、一分子中に2個以上
の酸無水基を含有するビニル共重合体もまた、たとえば
、酸無水基含有単量体類を必須成分とし、さらに、共重
合可能な単量体類をも用いて得られるものなどが挙げら
れる。
次に、酸無水基含有低分子化合物として特に代表的なも
ののみを例示するに留めれば、無水ピロメリット酸、無
水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコー
ルビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールト
リス(アンヒドロトリメリテート)などである。
また、一分子中に少なくとも2個以上のシロキシ基を含
有するビニル共重合体としては、特に、前述したシロキ
シ基含有単量体類と前述の共重合可能な単量体類とを、
常法により、共重合することにより得られるものを挙げ
ることができる。さらに、一分子中に一個以上の酸無水
基およびエポキシ基を併有するビニル単量体としては、
特に、前述した酸無水基含有単量体類と、前述のエポキ
シ基含有単量体類とを必須成分として、さらに、前述の
共重合可能な単量体類をも用いて、常法により、共重合
することにより得られるものを代表例として挙げること
ができる。
次に、一分子中に2個以上のエポキシ基を含有するビニ
ル共重合体としては、特に、前述したエポキシ基含有単
量体類を必須成分として、さらに、前述の共重合可能な
単量体を用いて、常法により、共重合することにより得
られるものを代表例として挙げることができる。
また、一分子中に2個以上のエポキシ基を含有する低分
子化合物として特に代表的なもののみを例示するに留め
れば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリコールジグリシジルエーテル
、1.6−ヘキサンシオールジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールAのジグリシジルエーテルもしくはグリセ
リンのトリグリシジルエーテルの如き多価アルコールの
ポリグリシジルエーテル類;フタル酸のジグリシジルエ
ステル、イソフタル酸のジグリシジルエステルもしくは
アジピン酸のジグリシジルエステルの如き多価カルボン
酸のポリグリシジルエステル類;またはビスフェノール
AないしはビスフェノールFのグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂もしくはヒダン
トイン環含有エポキシ樹脂の如き各種エポキシ樹脂など
のポリエポキシ化合物などである。
ところで、上掲された各種の、官能基含有ビニル共重合
体の数平均分子量としては、3.000〜50.000
なる範囲内が、好ましくは、s、ooo〜25.000
なる範囲内が適切である。
3.000未満である場合には、どうしても、硬化性が
劣るようになるし、一方、50.000を超える場合に
は、どうしても、塗装作業性が著しく劣るようになるの
で、いずれの場合も好ましくない。
他方、上掲された各種の、官能基含有低分子化合物の数
平均分子量としては、5.000以下であることが、官
能基濃度の点で、ひいては、硬化性の点でも望ましい。
さらにまた、前記した各種の有機金属キレート化合物に
ついて述べることにすると、まず6配位の有機アルミニ
ウムキレート化合物として特に代表的なもののみを例示
するに留めれば、一般式で示される有機アルミニウム化
合物を、後掲する如き各種のキレート化剤で処理せしめ
て得られるものなどである。
かかるキレート化剤として特に代表的なもののみを例示
するに留めれば、トリエタノールアミンもしくはジェタ
ノールアミンの如き低級アルカノールアミン類ニジアセ
トンアルコールの如きジケトン類;エチレングリコール
の如きグリコール類;酒石酸の如きオキシカルボン酸類
7ジカルボン酸類ないしはそれらのエステル類;または
アセト酢酸エステル類などであり、就中、低級アルカノ
ールアミン類、オキシカルボン酸類、またはジケトン類
などの使用が望ましい。
有機アルミニウムキレート化合物の具体例としては、ア
ルミニウムイソプロピレート、アルミニウム5ec−ブ
チレートまたはアルミニウムtert−ブチレートなど
が挙げられるし、アルミニウムトリス(エチルアセトア
セテート)、トリスエチルアセトアセタトアルミニウム
、トリス(n−プロピルアセドアセクト)アルミニウム
、トリス(is。
−プロピルアセドアセクト)アルミニウム、トリスサリ
チルアルデヒドアルミニウムまたはトリス(アセチルア
セトナート)アルミニウムなども挙げられる。
なお、かかる有機アルミニウムキレート化合物のうちで
も、アルミニウム原子に直接、水酸基やアルコキシ基な
どが結合しているようなものだけは、これらが配合され
た樹脂組成物の貯蔵安定性が悪くなる処から、好ましく
ないものであると言える。
次いで、当該有機金属キレート化合物のうち、8配合の
有機ジルコニウムキレート化合物として特に代表的なも
ののみを例示するに留めれば、−般式 %式%] するアルキル基などを表わすものとする。   ]で示
される有機ジルコニウム化合物をキレート化剤で処理せ
しめて得られるものなどである。
かかるキレート化剤として特に代表的なもののみを例示
するに留めれば、上述の有機アルミニウムキレート化合
物におけると同様のものである。
有機ジルコニウムキレート化合物の具体例としては、テ
トラキス(オキザリックアシド)ジルコニウム、テトラ
キス(アセチルアセトン)ジルコニウム、テトラキス(
n−プロピルアセドアセクト)ジルコニウム、またはテ
トラキス(サリチルアルデヒド)ジルコニウムなどが挙
げられるが、勿論、これらの化合物を単量体とした、部
分的な縮合物、好ましくは、2〜10量体もまた、用い
られる。
さらに、当該金属キレート化合物のうち、有機チタニウ
ムキレート化合物として特に代表的なもののみを例示す
るに留めれば、テトラメチルチタネート、テトラエチル
チタネート、テトラn−プロピルチタネート、テトライ
ソブロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、
またはテトラter t−ブチルチタネートなどの単量
体類をはじめ、部分的に縮合した形の、テトライソプロ
ピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、テトラ
イソブチルチタネートまたはテトラter t−ブチル
チタネートの2〜10量体などである。
以上に掲げられた諸成分を用いて、本発明の硬化系とし
ての樹脂組成物を調製するにさいしては、該樹脂組成物
を構成する、それぞれの共重合体および低分子化合物の
使用割合は、それぞれの共重合体および/または低分子
化合物中の官能基の当量比で決まる。すなわち、シロキ
シ基、エポキシ基および/または酸無水基の組成物中の
便用割合としては、シロキシ基の1当量に対して、酸無
水基の0.2〜1,2当量、エポキシ基の0.2〜3.
0当量となる割合が適切である。好ましくは、シロキシ
基の1当量に対して、酸無水基の0.5〜1.0当量、
エポキシ基の0.5〜2.5当量となる割合で配合され
る。シロキシ基の1当量に対して、酸無水基の0.2当
量未満の場合には架橋密度が、どうしても上がらないし
、一方、1.2当量を越えると、どうしても、耐水性が
低下することになり易く、また、シロキシ基の1当量に
対してエポキシ基が0.2当量未満の場合には、どうし
ても、架橋密度が上がらなくなるし、一方、3.0当量
を越えると、どうしても、充分な架橋密度をもったもの
を得ることができなくなり、ひいては、耐蚊性などが極
端に低下することになるので、いずれの場合も好ましく
ない。
次に、架橋硬化剤としての有機金属キレート化合物の使
用量は、樹脂組成物に対して、o、oi〜25重量部、
好ましくは、0.1〜15重量部なる範囲内がよい、架
橋硬化剤化合物の使用量がこの範囲を超えて少なくなる
と、どうしても、架橋硬化性が低下するようになるし、
一方、この範囲を外ずれて多くなると、どうしても、硬
化物中に当該化合物が残存して硬化物の耐水性を低下さ
せることにもなるので好ましくない。
本発明樹脂組成物は、通常、有機溶剤に溶解された形で
用いられる。かかる有機溶剤としては、トルエンもしく
はキシレンの如き炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン
もしくはメチルイソブチルケトンの如きケトン系溶剤、
酢酸エチルもしくは酢酸ブチルの如きエステル系溶剤ま
たはジオキサンもしくはジエチレングリコールの如きエ
ーテル系溶剤などを挙げることができる。しかし、ブタ
ノールやプロパツールなどのアルコール系溶剤だけは好
ましくない。これらの溶剤は単独でも2種以上の併用で
もよいことは勿論である。
本発明の組成物は、大気中に曝露されると、空気中の水
分との反応によりシロキシ基が加水分解されて、酸無水
基と反応しうる水酸基を生成する。
この加水分解を促進させるためには、そのための触媒を
用いる必要がある。かかる触媒として特に代表的なもの
のみを例示するに留めれば、燐酸エステル、亜燐酸エス
テル、p−トルエンスルホン酸またはそのアミン塩の如
き酸性触媒、水酸化カリウムもしくは水酸化リチウムの
如きアルカリ触媒、アルキルチタン酸塩、オクチル酸塩
、ジブチル錫ジラウレート、及びオクチル酸鉛の如きカ
ルボン酸の金属塩類:モノブチル錫;サルファイドもし
くはジオクチル錫メルカプタイトの如きスルフィド型ま
たはメルカプチド型有機錫化合物、あるいはテトラエチ
ルアンモニウムプロライドのように、フッ素イオンを生
ずる化合物などが有効なものとして挙げられる。これら
の触媒の添加量としては本発明の組成物に対して0〜1
0重量%、好ましくは、0.005〜8重量%なる範囲
内で使用するのがよい。
本発明の樹脂組成物の塗装方法としては特に限定はなく
、たとえば、スプレー塗装、ロール塗装、またはハケ塗
りなりの一般的な方法によって塗装することができる。
本発明組成物は100℃以下の低温で、容易に架橋硬化
させることができるので、たとえば、何ら加熱せずに常
温で硬化させる場合には、通常、1〜7日間程度で充分
に硬化させることができるし、また、4O−100℃程
度に加熱する場合には、5分間ないし3時間程度で充分
に硬化させることができる。
本発明組成物の硬化反応は、溶剤の揮発により始まり、
それと同時に、空気中の水分によっても開始し、そのさ
い、必要に応じて、解離触媒を存在させた状態で、シロ
キシ基の解離が起こって水酸基が生成し、同時に生成す
るシラノール化合物が、自己縮合して容易に系外に飛散
する。次いで、生成した水酸基は酸無水基と反応して、
新たにカルボン酸を生成する。しかるのち、このカルボ
キシル基はエポキシ基とさらに反応する一方で、さらに
同時に、キレート化剤が飛散したのちの有機金属化合物
とも反応する。その一方で、該有機金属化合物は、一部
、シラノール化合物とも反応し、この化合物がまた、エ
ポキシ基を開環重合させて、こうした一連の硬化反応が
水酸基で停止するという、完全なシロキシ基の解離を引
きかねにした、複合硬化がその真相である。
かくして得られる本発明の樹脂組成物は、そのまま、ク
リヤー塗料として使用することができるし、さらには、
顔料を配合せしめることにより、エナメル塗料として使
用することもできる。
また、本発明の組成物には、必要に応じて、レベリング
剤、紫外線吸収剤、または顔料分散剤などの公知慣用の
各種の添加剤類を配合せしめることもできる。
さらに、本発明組成物には、公知慣用のセルロース系化
合物、可塑剤またはポリエステル樹脂などを、添加配合
せしめることもできる。
また、本発明の樹脂組成物は、前述したように、通常、
常温から大約100℃までの幅広い範囲内の、いわゆる
常温乾燥から始まって、強制乾燥、そして焼付硬化に及
ぶものであり、かくして、本発明組成物の必須の皮膜形
成性成分たる、それぞれの官能基含有ビニル共重合体お
よび/または低分子化合物中に存在する、特定の官能基
たる、それぞれ、シロキシ基、酸無水基およびエポキシ
基間の当量比、あるいは、架橋硬化剤たる有機金属キレ
ート化合物、さらには、シロキシ基の解離触媒との組み
合わせなどに応じた最適の硬化条件を、適宜、設計せし
めることができる。
而して、本発明の樹脂組成物は、自動車トップコート、
あるいは各種の金属素材を中心に利用することができる
し、さらには、接着剤やシーリング剤としても、各種の
成形品の製造にも利用することもできる。
就中、アクリル樹脂/メラミン樹脂塗料系のように、未
だに耐酸性、耐候性ならびに塗膜外観などの面で、要求
されるレベルに達していない分野において、顕著な効果
が期待できる。
〔発明の効果〕
本発明の樹脂組成物は、−液型塗料として、貯蔵安定性
にすぐれ、したがって、作業性が良好であることは勿論
、加えて、耐酸性にも、耐候性にも、塗膜外観、とりわ
け、平滑性などにもすぐれたものである。
したがって、本発明の樹脂組成物は、常温乾燥用、強制
乾燥用または焼付用としても新機軸を出すものであると
言えよう。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、−
層、具体的に説明する。以下において、部および%は特
に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする 参考例1(シロキシ基、酸無水基およびエポキシ基の悉
くを併有するビニル共重合体の 調製例) 攪拌装置、温度計、冷却器および不活性ガス導入口を備
えた四ツロフラスコに、キシレンのi、oo。
部を仕込んで、120°Cに昇温し、スチレンの200
部、トリメチルシロキシエチルメタクリレートの138
部、無水イタコン酸の198部、n−ブチルアクリレー
トの259部、グリシジルメタクリレートの150部お
よびn−ブチルメタクリレートの55部と、2.2′−
アゾビスイソブチロニトリルの25部との混合物を、6
時間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度に7時間のあ
いだ保持して重合反応を続行させて、目的とするビニル
共重合体の透明な溶液を得た。以下、これを重合体(V
−1)と略記するが、このものの数平均分子量は15.
000であった。
参考例2(シロキシ基および酸無水基を併有するビニル
共重合体の調製例) 滴下用混合物として、スチレンの300部、トリメチル
シロキシエチルメタクリレートの150部、無水マレイ
ン酸の60部、n−ブチルメタクリレートの350部お
よび2−エチルへキシルアクリレートの140部と、2
,2′−アゾビスイソブチロニトリルの25部との混合
物を用いるように変更した以外は、参考例1と同様にし
て、透明なる目的共重合体の溶液を得た。以下、これを
重合体(V−2)と略記するが、このものの数平均分子
量は1 、600であった。
参考例3(シロキシ基およびエポキシ基を併有するビニ
ル共重合体の調製例) 滴下用混合物として、スチレンの200部、トリメチル
シロキシエチルメタクリレートの100部、グリシジル
メタクリレートの70部、メチルメタクリレートの22
0部、n−ブチルアクリレートの250部およびエチル
アクリレートの160部と2,2′ −アゾビスイソブ
チロニトリルの30部とからなる混合物を用いるように
変更した以外は、参考例1と同様にして、透明なる目的
共重合体の溶液を得た。以下、これを重合体(V−3’
)と略記するが、このものの数平均分子量は12.00
0であった。
参考例4(酸無水基およびエポキシ基を併有するビニル
共重合体の調製例) 滴下すべき単量体類混合物として、スチレンの300部
、無水イタコン酸の228部、グリシジルメタクリレー
トの220部およびn−ブチルアクリレートの192部
を用いるように変更した以外は、参考例1と同様にして
、透明なる目的共重合体の溶液を得た。以下、これを重
合体(V−4)と略記するが、このものの数平均分子量
は19.000であった。
参考例5(シロキシ基含有ビニル共重合体の調製例) 無水マレイン酸の代わりに、同量のメチルメタクリレー
トを用いるように変更した以外は、参考例2と同様にし
て、透明なる目的共重合体の溶液を得た。以下、これを
重合体(V−5)と略記するが、このものの数平均分子
量は20,000であった。
参考例6(酸無水基含有ビニル共重合体の調製例)グリ
シジルメタクリレートの代わりに、同量のn−ブチルメ
タクリレートを用いるように変更した以外は、参考例4
と同様にして、透明なる目的共重合体の溶液を得た。以
下、これを重合体(V−6)と略記するが、このものの
数平均分子量は17.000であった。
参考例7(エポキシ基含有ビニル共重合体の調製例) トリメチルシロキシエチルメタクリレートの代わりに、
同量のn−ブチルメタクリレートを用いるように変更し
た以外は、参考例3と同様にして、透明なる目的共重合
体の溶液を得た。以下、これを重合体(V−7)と略記
するが、このものの数平均分子量は14.000であっ
た。
実施例1〜8ならびに比較例1および2参考例1〜7で
得られた、それぞれのビニル共重合体と、下記する如き
、酸無水基含有低分子化合物、エポキシ基含有低分子化
合物、有機金属キレート化合物および/またはシロキシ
共重合体解離触媒を、第1表に示されるような配合組成
に従って、配合せしめて各種の樹脂組成物を調製した。
酸無水基含有低分子化合物としては、グリセロールトリ
ス(アンヒドロトリメリテート)を、エポキシ基含有低
分子化合物としては、グリセリンのトリグリシジルエー
テルを、また、有機金属キレート化合物としては、それ
ぞれ、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート、
テトラキス(エチルアセトアセタト)ジルコニウムまた
はテトライソプロピルチタネートを、さらに、シロキシ
基解離触媒としては、モノブチルアシッドホスフェート
を用いた。
かくして得られた、それぞれの樹脂組成物について、保
存安定性と諸々の皮膜性能とを評価判定した。
それらの諸性能の結果は、同表に示す通りである。
なお、それぞれの樹脂組成物をクリヤー塗料として用い
るに当たって、その塗装方法ならびに評価試験方法の要
領は、それぞれ、次に示す通りである。
素材・・・ボンデライト#144処理軟鋼板塗装方法・
・・6ミル・アプリケーター乾燥または焼付方法・・・
(1)80’Cでの強制乾燥(2)「スーパーベッカミ
ンL−117−60J〔大日本インキ化学工業■製の メラミン樹脂〕を用いて、140 °Cで焼付硬化 クリヤー塗料の保存安定性・・・クリヤー塗料を岩田カ
ップで12秒となるように、 キシレン/酢酸n−ブチルの等 重量混合物で希釈してから、50 ℃に7日間のあいだ保持したの ちの、塗料の粘度変化の度合を 観測した。
硬度・・・三菱鉛筆「ユニ」を用いて、塗膜に傷が付く
までの硬度を以て表示した。
エリクセン値・・・エリクセン・テスターを用いて測定
し、 ■”で表示した。
密着性・・・ゴバン目(IOXIO)にカットしたのち
、セロファンテープ剥離を 行なって、残存したセリアの数 を以て表示した。
耐水性・・・40°Cの温水中に10日間のあいだ浸漬
させたのちの塗膜の状態変化 の度合を、目視により判定した。
耐酸性・・・5%硫酸水溶液を塗膜上に落とし、70°
Cで1時間のあいだ乾燥させて から、水で洗ったのちの塗膜の 状態変化の度合を、目視により 判定した。
耐アルカリ性・・・5%水酸化ナトリウム水溶液中に2
4時間のあいだ浸漬したの ちの塗膜の状態変化の度合いを、 目視により判定した。
耐候性・・・アメリカ国Q−パネル社製の耐候性試験機
r QUV試験機」を用いて、 2.000時間に亘る促進耐候性試 験を行なったのちの光沢保持率 を、パ%゛′で以て表示した。
耐溶剤性・・・1.5 kgの荷重をかけた、キシレン
を含ませたガーゼを用いて、10 往復のラビングを行なったのち の状態変化の度合を、目視によ り判定した。
/ 2≦〕 第1表からも明らかなように、本発明によれば、貯蔵安
定性にも優れ、しかも、耐酸性および耐候性などをはじ
めとする諸々の皮膜性能にも優れる硬化皮膜を形成する
ことのできる、極めて有用性の高い硬化系ならびに樹脂
組成物を提供しうることか知れる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、シロキシ基、酸無水基およびエポキシ基と、金属キ
    レート化合物との複合硬化を通して硬化皮膜を形成する
    ことを特徴とする、新規な硬化系。 2、一分子中に、それぞれ、少なくとも1個のシロキシ
    基、酸無基およびエポキシ基を有するビニル共重合体と
    、6配位の有機アルミニウムキレート化合物、8配合の
    有機ジルコニウムキレート化合物および/または有機チ
    タニウムキレート化合物とを含有することを特徴とする
    、樹脂組成物。 3、一分子中に、それぞれ、少なくとも1個のシロキシ
    基およびエポキシ基を有するビニル共重合体と、一分子
    中に、それぞれ、少なくとも2個の酸無水基を有するビ
    ニル共重合体および/または低分子化合物と、6配位の
    有機アルミニウムキレート化合物、8配位の有機ジルコ
    ニウム−キレート化合物および/または有機チタニウム
    キレート化合物とを含有することを特徴とする、樹脂組
    成物。 4、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有する低
    分子化合物と、一分子中に、それぞれ、少なくとも1個
    の酸無水基およびエポキシ基を有するビニル共重合体と
    、6配位の有機アルミニウムキレート化合物、8配位の
    有機ジルコニウムおよび/または有機チタニウムキレー
    ト化合物とを含有することを特徴とする、樹脂組成物。 5、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有するビ
    ニル共重合体と、一分子中に、それぞれ、少なくとも2
    個の酸無水基を有するビニル共重合体および/または低
    分子化合物と、一分子中に、それぞれ、2個のエポキシ
    基を有するビニル共重合体および/または低分子化合物
    と、6配位の有機アルミニウムキレート化合物、8配位
    のジルコニウムキレート化合物および/または有機チタ
    ニウムキレート化合物とを含有することを特徴とする、
    樹脂組成物。 6、請求項2〜5いずれか一つに記載の樹脂組成物に、
    さらに、前記シロキシ基の解離触媒をも配合させた樹脂
    組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138248A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Jfe Steel Kk 有機複合被覆鋼板
JP2016033210A (ja) * 2014-07-28 2016-03-10 日本曹達株式会社 コーティング剤
JP2020203986A (ja) * 2019-06-18 2020-12-24 ダイセルミライズ株式会社 ヒートシール性組成物

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