JP2890463B2 - 被覆用樹脂組成物 - Google Patents

被覆用樹脂組成物

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JP2890463B2 JP11986789A JP11986789A JP2890463B2 JP 2890463 B2 JP2890463 B2 JP 2890463B2 JP 11986789 A JP11986789 A JP 11986789A JP 11986789 A JP11986789 A JP 11986789A JP 2890463 B2 JP2890463 B2 JP 2890463B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる被覆用樹脂組成物に関す
る。さらに詳細には、シロキシ基、酸無水基ならびにエ
ポキシ基を有する特定のビニル共重合体と、このシロキ
シ基の解離促進触媒とを必須の成分として含んで成る、
とりわけ、保存安定性にも、低温硬化性にもすぐれる
し、しかも、耐酸性などにすぐれた塗膜を与える被覆用
樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車産業にあっては、ライン塗装として、そ
れぞれ、塗料の安定性ならびに塗膜性能などの面から、
アクリル樹脂とメラミン樹脂との組み合わせになる塗料
系が主に用いられている。
他方、オフライン塗装用としては、低温硬化性ならび
に塗膜外観などの面から、アクリル樹脂とポリイソシア
ネート化合物との組み合わせになる塗料系が多く用いら
れている。
しかしながら、今日もなお、主流であるメラミン硬化
系においては、高温硬化時の熱収縮の点から、必ずし
も、塗膜外観がすぐれているとは言い得なく、しかも、
メラミン樹脂それ自体の耐酸性の弱さから、曝露時にお
ける酸性雨による塗膜の劣化が見受けられる。
また、ポリイソシアネート硬化系においては、このポ
リイソシアネートそれ自体に毒性の問題があるし、しか
も、ポットライフが短く、したがって、かかる硬化系は
連続的に、かつ、大量に使用するようなライン塗装には
適さないものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
こうしたそれぞれの問題点の解決を図るべく、勿論、
数多くの提案も為されてはいるけれども、非イソシアネ
ート系で、かつ、非メラミン系であって、塗膜外観にす
ぐれ、しかも、一夜型として使用できるし、剰え、自動
車外板として用いうる程度の耐酸性をも有した硬化系の
ものは、未だに見い出されていないというのが、現状で
ある。
しかるに、本発明が解決しようとする課題は、一にか
かって、自動車業界における今後の展望と、現状の分析
との両方の観点に立ち、非イソシアネート系で、かつ、
非メラミン系の一液硬化用として斬新な形の硬化系を提
供することであり、しかも、自動車外板用として求めら
れるグレードの耐酸性をも備えた、一層、実用的な塗料
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは前述したような従来技術の未解
決課題に厳然とメスを入れ、そして、上述したような発
明が解決しようとする課題に標準を合わせて鋭意検討を
重ねた結果、ここに、一分子中に少なくとも1個のシロ
キシ基、酸無水基ならびにエポキシ基を有する特定のビ
ニル共重合体を必須の皮膜形成性成分とし、さらに、こ
のシロキシ基の解離促進触媒をも必須の成分として含ん
で成る樹脂組成物が、驚異的に、塗料の保存安定性と、
低温硬化性と、そして、塗膜の耐酸性との悉くが、向上
させうることを見い出すに及んで、本発明を完成させる
に到った。
すなわち、本発明は、一分子中に少なくとも1個のシ
ロキシ基、酸無水基ならびにエポキシ基を有するビニル
共重合体であって、重合性不飽和不飽和二重結合(以
下、不飽和結合と略記する。)と、一般式 で示される、炭素原子と結合するシロキシ基とを有する
ビニルモノマーを含有してなるビニル共重合体(A)
と、このシロキシ基の解離促進触媒(B)とを、必須の
成分として、含んで成る、とりわけ、塗料の安定保存性
と、低温硬化性とにすぐれるし、しかも、すぐれた耐酸
性を有する塗膜を与える、被覆用樹脂組成物を提供しよ
うとするものである。
ここにおいて、まず、前記したビニル共重合体(A)
とは、一分子中に前記一般式〔I〕で示される、炭素原
子と結合するシロキシ基、酸無水基ならびにエポキシ基
を有するビニル共重合体を指称するものであるが、当該
ビニル共重合体(A)を調製するにさいし、上記3種の
特定の官能基(反応性基)を当該共重合体(A)中に導
入せしめるための方法としては、特に限定されるもので
はないが、一般的な方法としては、それぞれ、一分子中
に少なくとも1個の前記一般式〔I〕で示される、炭素
原子と結合するシロキシ基および不飽和結合を有するビ
ニルモノマー(a−1)と、一分子中に少なくとも1個
の酸無水基および不飽和結合を有するビニルモノマー
(a−2)と、一分子中に少なくとも1個のエポキシ基
および不飽和結合を有するビニルモノマー(a−3)と
を必須の原料成分とし、これらの各原料成分と、さらに
必要に応じて、共重合可能な他のビニルモノマー(a−
4)とを用いて、常法により重合させるという方法が有
利である。
かかる各原料成分のうち、まず、上記ビニルモノマー
(a−1)、つまり、不飽和結合と、前記一般式〔I〕 で示される、炭素原子と結合するシロキシ基とを有する
ビニルモノマーとは、たとえば、トリエチルアミンやピ
リジンなどの、いわゆる塩素捕捉剤の存在下で、トリア
ルキルクロルシラン、トリフェニルクロルシラン、トリ
アリールクロルシラン、ジアルキルクロルシラン、ジア
ルキルジクロルシランまたはジアルキルヒドロシランな
どを、後掲する如き各種の水酸基含有ビニルモノマーと
反応させて得られるような化合物を指称するものであ
り、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示する
に止めれば、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリ
レート、トリメチルシロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、トリメチルシロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、トリエチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、
トリブチルシロキシプロピル(メタ)アクリレートまた
はトリフェニルシロキシアルキル(メタ)アクリレート
などであり、これらは単独使用でも、2種以上の併用で
もよい。
また、前記水酸基含有ビニルモノマーとして特に代表
的なもののみを例示するに止めれば、β−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートもしくはβ−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレートの如きヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート類またはN−メチルロール化(メタ)
アクリルアミド;β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートにε−カプロラクトンを付加させた形の、たとえ
ば、「プラクセル、FM,FAシリーズ」〔ダイセル化学工
業(株)製品〕や、「TONETM M−100」(アメリカ国ユ
ニオン・カーバイド社製品);一般名がポリプロピレン
グリコールモノメタクリレートと称されている「ブレン
マーPPシリーズ」や、一般名がポリエチレングリコール
モノメタクリレートと称される「ブレンマーPEシリー
ズ」〔いずれも、日本油脂(株)製品〕;あるいは(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコ
ン酸の如き不飽和カルボン酸類と、「カージュラE」
(オランダ国シェル社製の、分岐状脂肪族モノカルボン
酸のグリシジルエステル類)、オクチル酸グリシジルエ
ステルもしくは、やし油脂肪酸グリシジルエステルの如
き一価カルボン酸のモノグリシジルエステル類、または
ブチルグリシジルエーテルの如きモノグリシジルエーテ
ル類などで代表されるモノエポキシ化合物との付加物な
どである。
そして、当該ビニルモノマー(a−1)の使用量とし
ては、前記ビニル共重合体(A)を構成する全モノマー
量の1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%なる範囲内
が適切である。1重量%未満の場合には、どうしても、
当該モノマー(a−1)の効果が期待できなくなるので
好ましくない。
次に、前記した不飽和結合と酸無水基とを有するビニ
ルモノマー(a−2)としては、無水マレイン酸や無水
イタコン酸などが代表的なものであるが、何ら、これら
のみに限定されるものではない。
また、前記した不飽和結合とエポキシ基とを有するビ
ニルモノマー(a−3)としては、グリシジル(メタ)
アクリレートをはじめ、(メタ)アクリル酸またはクロ
トン酸の如き各種不飽和モノカルボン酸に、エポキシ樹
脂の如き各種ジエポキシドを、等モルで、反応させて得
られる末端エポキシ基含有化合物などが代表的なもので
あるが、何ら、これらのみに限定されるものではない。
そして、当該ビニル共重合体(A)にとって好ましい
各官能基(反応性基)の比率としては、シロキシ基:酸
無水基:エポキシ基なる当量比が0.5〜1.5:0.5〜1.5:0.
5〜1.5となるように、就中、1:1:1となるようにするの
が望ましく、かつ、これら上記のビニルモノマー(a−
3),(a−2)および(a−3)なる各必須原料成分
の総使用量としては、5〜80重量%、好ましくは、8〜
50重量%なる範囲内が適切である。
次いで、前掲した如き各種の官能基含有ビニルモノマ
ー(a−1),(a−2)および(a−3)と共重合可
能な他のビニルモノマー(a−4)としては、勿論、こ
れら必須のビニルモノマー(a−1),(a−2)およ
び(a−3)と共重合性を有するものであれば、いずれ
も、使用できるが、それらのうちでも特に代表的なもの
のみを例示するに止めれば、C1〜C22なるアルキル(メ
タ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリ
レートまたはシクロヘキシル(メタ)アクリレートの如
き各種(メタ)アクリレート類;スチレン、ビニルトル
エン、tert−ブチルスチレンもしくはα−メチルスチレ
ンの如き芳香族ビニルモノマー類;(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸の如き不
飽和カルボン酸類、またはマレイン酸、フマル酸もしく
はイタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類とC1〜C18
る1価アルコール類とのモノエステル類などが代表され
るカルボキシル基含有ビニルモノマー類;かかる不飽和
ジカルボン酸とC1〜C18なる1価アルコール類とのジエ
ステル類;あるいは燐酸基含有(メタ)アクリレート
類;またはヘキサフルオロプロピレンもしくはテトラフ
ルオロエチレンの如き含ふっ素ビニルモノマー類などで
あり、さらには、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリ
ル、またはエチレンもしくはプロピレンの如きα−オレ
フィン類、あるいは、ブタジエンの如きジエン類などで
ある。
そして、当該ビニルモノマー(a−4)の使用量とし
ては、0〜95重量%、好ましくは20〜95重量%、さらに
好ましくは50〜92重量%なる範囲内が適切であり、当該
モノマー(a−4)は、所望の塗膜性能に応じて、単独
使用または2種以上の併用の形で用いられる。
以上に掲げられた各種のビニルモノマー類から前記ビ
ニル共重合体(A)を調製するには、公知慣用の方法、
たとえば、ラジカル発生剤を用いての溶液重合法によっ
て行なうことができる。
かかるラジカル発生剤としては、通常、ビニルモノマ
ー類の重合に用いられているようなものであれば、いず
れも使用しうるが、そのうちでも特に代表的なもののみ
を例示するに止めれば、アゾビスイソブチロニトリル、
ジ−tert−ブチルパーオキシドまたはベンゾイルパーオ
キシドなどであり、また溶剤としては、たとえば、トル
エンもしくはキシレンの如き芳香族炭化水素系;酢酸エ
チル、酢酸−n−ブチルもしくはセロソルブアセテート
の如きエステル系;メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンもしくはメチルアミルケトンの如きケトン系
などが挙げられる。ただし、アルコール系溶剤などのよ
うに、貯蔵時において、酸無水基との反応を惹起し、架
橋密度を上げることができなくなるばかりか、安定性に
も好ましくない処から、かかる溶剤の使用は避けるべき
である。
また、必要によっては、メルカプタン類、α−メチル
スチレン・ダイマーまたは「ジペンテンT」〔日本テル
ペン化学(株)製品〕などの、常用の連鎖移動剤を使用
することもできる。
かくして得られるビニル共重合体(A)の数平均分子
量(n)としては、1,000〜40,000なる範囲内が適当
である。
当該共重合体(A)のnが、1,000未満の場合に
は、どうしても、塗膜物性が充分なものとはなり得な
く、しかも、この塗膜物性を出そうとして、該共重合体
(A)のトリアルキルシロキシ基などが遊離したのちに
生成される水酸基の存在率とも言える、水酸基価を高く
すれば、塗膜が脆いものとなり易いし、一方、40,000を
超える場合には、どうしても、塗膜の外観、光沢および
肉持ち感、ならびに塗装作業性など劣るようになるの
で、いずれの場合も好ましくない。
このように、当該共重合体(A)の分子量と当該共重
合体を調製するための各必須原料モノマーとは、密接な
繋がりがある。
ところで、本発明の被覆用樹脂組成物は、大気中に暴
露されると、空気中の水分との反応により、当該樹脂組
成物を構成しているビニル共重合体(A)のシロキシ基
が加水分解されて、このビニル共重合体(A)中の酸無
水基と反応しうる水酸基を生成するが、かかる加水分解
を促進させるための触媒、つまり、シロキシ基の解離を
促進させるための触媒を是非とも用いる必要がある。
本発明組成物のもう一方の必須構成成分である前記シ
ロキシ基の解離促進触媒(B)としては、燐酸、燐酸エ
ステルもしくは亜燐酸エステル;p−トルエンスルホン酸
またはそのアミン塩;または安息香酸、トリクロル酢
酸、トリフルオロ酢酸もしくはナフタレンジスルホン酸
またはそのアミン塩などの各種酸性触媒をはじめ、エチ
レンジアミン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ブチルアミン、ジブチルアミ
ン、tert−ブチルアミン、ヘキシルアミンもしくはトリ
エチルアミンの如きアミン類;または水酸リチウム、水
酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムの如きアルカリ
金属の水酸化物などの各種アルカリ触媒、あるいはアル
キルチタン酸塩、オクチル酸塩、ジブチル錫ジラウレー
ト、またはオクチル酸鉛などの各種カルボン酸金属塩
類、さらには、モノブチル錫スルフィドもしくはジオク
チル錫メルカプタイトの如き各種スルフィド型ないしは
メルカプチド型有機錫化合物類、またはテトラエチルア
ンモニウムフルオライトもしくは、ふっ化セシウムの如
き、ふっ素イオンを生じる化合物が有効であり、代表的
なものである。
当該解離促進触媒(B)の添加量としては、前記ビニ
ル共重合体(A)に対して0.001〜10重量、好ましくは
0.005〜8重量%なる範囲内が適切である。
上記に反して、本発明の被覆用樹脂組成物は、大気中
に暴露されない限り、前記ビニル共重合体(A)の分子
内、あるいは分子間で起こる、酸無水基との反応の相手
となる水酸基は生成しない処から、一夜型で、安定性の
良い塗料となりうるわけではあるが、長期の保存安定性
を確保するためには、何らかの理由により侵入する微量
の水分を常時、捕捉するような形を予め準備しておくこ
とが望ましい。
すなわち、水分と反応性を有するような、いわゆる水
結合剤(水分捕捉剤)を添加せしめることは、かかる長
期の安定性を確保する上で賢明な策であり、このように
することによって長期に及ぶ保存安定性が確保されるこ
とになる。
勿論、当該水結合剤の添加時点としては、前記ビニル
共重合体(A)の調製時であってもよく、かかる共重合
体(A)を調製するにさいして、予め、初期の段階に混
入しておくこともできる。
当該水結合剤として特に代表的なものには、オルトぎ
酸トリメチル、オルトぎ酸トリエチル、オルトぎ酸トリ
ブチルの如きオルトぎ酸トリアルキル類;オルト酢酸ト
リメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリブチ
ルの如きオルト酢酸トリアルキル類;オルトほう酸トリ
メチル、オルトほう酸トリエチル、オルトほう酸トリブ
チルの如きオルトほう酸トリアルキル酸;テトラメチル
シリケート、テトラエチルシリケート、テトラブチルシ
リケート、テトラ(2−メトキシエチル)シリケートも
しくはテトラ(2−クロロエチル)シリケートの如きテ
トラ(置換)アルキルシリケート類単体;テトラフェニ
ルシリケートもしくはテトラベンジルシリケートの如
き、上記テトラ(置換)アルキルシリケート類の同効物
質(以下、同効単体と略称する。);またはテトラエチ
ルシリケートのダイマー、トリマー、テトラマー、ない
しはヘキサマー、「エチルシリケート40」〔三菱化成工
業(株)製の、テトラエチルシリケートのテトラマー、
ペンタマーもしくはヘキサマーの混合物〕の如き、上掲
のテトラ(置換)アルキルシリケート類単体や、該シリ
ケート類の同効単体の縮合物などの加水分解性エステル
化合物類、あるいはフェニルイソシアネート、p−クロ
ロフェニルイソシアネート、ベンゼンスルホニルイソシ
アネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート、ま
たはイソシアネートエチルメタクリレート(アメリカ国
ダウ・ケミカル社製の、イソシアネート基含有モノマ
ー)の如きイソシアネート基含有化合物類などがある。
当該水結合剤の使用量としては、前記ビニル共重合体
(A)に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量
%なる範囲内が適切である。
かくして得られる本発明組成物は、そのままクリヤー
塗料として使用することもできるし、さらに顔料を配合
せしめることによりエナメル塗料として使用することも
できる。
また、本発明組成物に対しては、必要に応じて、レベ
リング剤、紫外線吸収剤または含量分散剤などの各種慣
用の添加剤をも配合せしめることができるし、公知慣用
のセルロース系化合物、可塑剤またはポリエステル樹脂
などをも配合せしめることができる。
さらに、塗装方法としては刷毛塗り、スプレー塗装ま
たはロール塗装などの如き公知慣用の方法が採用できる
し、硬化方法としても、常温乾燥から強制乾燥(加熱乾
燥)までの幅広い範囲で、本発明組成物を構成する共重
合体成分と架橋剤成分との組み合わせに応じた最適の硬
化条件が設計される。
かくして得られる本発明の被覆用樹脂組成物は溶液の
形で、あるいは粉体の形で、自動車用、自動車補修用、
家電製品用あるいは建材外装用をはじめとして、金属の
プレコート用などとして、多岐に亘って利用することが
できるが、就中、一夜型塗料の形で、貯蔵安定性の要求
される分野において、効果が顕著なものである。
〔発明の効果〕
叙上のように、本発明の被覆用樹脂組成物は、一分子
中に少なくとも1個のシロキシ基、酸無水基ならびにエ
ポキシ基を有するビニル共重合体、好ましくは数平均分
子量が1,000〜40,000のビニル共重合体と、解離促進触
媒とから成るものであって、該ビニル重合体中のシロキ
シ基が空気中の水分(湿気)などと反応して、該ビニル
重合体中に、このシロキシ基に基づく水酸基が生成さ
れ、次いで、かかる水酸基が酸無水基と反応することに
より架橋すると共に、カルボキシル基が生起し、引き続
いて、このカルボキシル基とエポキシ基との間で更なる
架橋が起こるという、いわゆる複合硬化形式を通して強
固な塗膜を形成するものであり、しかも、貯蔵安定性に
すぐれ、とりわけ、一液型塗料として極めて有用なもの
である。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、
一層、具体的に説明するが、以下において、部および%
は、特に断りのない限り、すべて重量基準であるものと
する。
参考例1〔ビニル共重合体(A)の調製剤〕 トリメチルシロキシエチルメタクリレートの138部、
スチレンの190部、n−ブチルアクリレートの332部、メ
チルメタクリレートの176部、グリシジルメタクリレー
トの97部および無水マレイン酸の67部よりなるモノマー
混合物のうちの200部と、トルエンの700部と、アゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)の5部およびtert−ブチル
パーベンゾエートの10部とを、撹拌機、温度計、冷却器
および不活性ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに仕込
んで90℃に1時間のあいだ保持してから、30分間かけて
110℃まで昇温し、残りのモノマー混合物の800部とAIBN
の25部とトルエンの300部とを、各別に、4時間に亘っ
て滴下し、滴下終了後も同温度に5時間のあいだ保持し
て、不揮発分が50.2%で、かつ、25℃におけるガードナ
ー粘度(以下同様)がC−Dなる目的共重合体(A)溶
液を得た。以下、これを共重合体(A−1)と略記する
が、このものはトリメチルシロキシ基;酸無水基:エポ
キシ基の当量比が1:1:1で、かつ、数平均分子量は10,00
0である。
参考例2(同上) トリメチルシロキシエチルメタクリレートの360部、
スチレンの200部、無水イタコンの172部、ラウリルメタ
クリレートの93部およびグリシジルメタクリレートの17
5部からなる混合物を、参考例1と同様の反応容器にキ
シレンの700部を仕込んで120℃に昇温した処へ、キシレ
ンの300部とtert−ブチルパーオクトエート(TBPO)の3
0部と共に、6時間に亘って滴下した。滴下終了後も、
同温度にさらに6時間保持して重合反応を続行せしめ、
不揮発分が50.6%で、かつ、粘度がT−Uなる目的共重
合体(A)溶液を得た。以下、これを共重合体(A−
2)と略記するが、このものはトリメチルシロキシ基:
酸無水基:エポキシ基の当量比が1:1:0.8で、かつ、数
平均分子量は15,000であった。
参考例3(同上) トリフェニルシロキシエチルアクリレートの194部、
スチレンの100部、無水マレイン酸の54部、2−エチル
ヘキシルアクリレートの300部、n−ブチルメタクリレ
ートの281部およびグリシジルメタクリレートの71部よ
りなるモノマー混合物とTBPOの35部とを用いるように変
更した以外は、参考例2と同様にして重合反応を行なっ
た処、不揮発分が50.4%で、かつ、粘度がC−Dなる透
明な目的共重合体(A)溶液が得られた。以下、これを
共重合体(A−3)と略記するが、このものはトリフェ
ニルシロキシ基:酸無水基:エポキシ基の当量比が1:1:
1であって、かつ、数平均分子量は7,000であった。
参考例4(同上) トリメチルシロキシブチルビニルエーテルの100部、
安息香酸ビニルの100部、酢酸ビニルの232部、「ベオバ
10」(オランダ国シェル社製の、分岐状脂肪族モノカル
ボン酸のビニルエステル)の400部、アジピン酸モノビ
ニルグリシジルエステルの118部および無水マレイン酸
の50部からなるモノマー混合物と、トルエンの200部とT
BPOの50部との混合物を、参考例1と同様の反応容器に
トルエンの800部を仕込んで90℃に昇温した処へ、5時
間かけて滴下し、滴下終了後も、同温度にさらに7時間
のあいだ保持して重合反応を続行せしめた処、トリメチ
ルシロキシ基:酸無水基:エポキシ基の当量比が1:1:1
で、かつ、数平均分子量が13,000なる目的共重合体
(A)の、不揮発分が50.3%で、かつ、粘度がU−Pな
る溶液が得られた。以下、これを共重合体(A−4)と
略記する。
参考例5(対照用ビニル共重合体の調製例) トリメチルシロキシエチルメタクリレートの代わり
に、同量のn−ブチルメタクリレートを用いるように変
更した以外は、参考例1と同様にして重合反応を行なっ
た処、滴下開始後1時間にして、系の粘度が急激に上昇
し、遂にはゲル化してしまった。
本例は、シロキシ基不含の共重合体の例である。
参考例6(同上) グリシジルメタクリレートの代わりに、同量のn−ブ
チルメタクリレートを用いるように変更した以外は、参
考例1と同様にして重合反応を行なった処、不揮発分が
50.7%で、かつ、粘度がA−Bなる対照用のビニル共重
合体の溶液が得られた。
本例は、エポキシ基不含の共重合体の例であるが、以
下、この対照用共重合体溶液を、共重合体(A′−1)
と略記する。
実施例1〜4および比較例1〜3 第1表に示されるような配合組成比に従って各種の被
覆用樹脂組成物を得、次いで、サンドミルを用い、常法
により、「タイペークCR−95」〔石原産業(株)製のル
チル型酸化チタン〕でPWCが40%になるように塗料化せ
しめた。
しかるのち、それぞれの塗料を、格別に、ボンデライ
ト#144処理鋼板(厚さが0.8mm)にスプレー塗装し、実
施例1〜4ならびに比較列1の場合には、まず、80℃で
30分間、続いて、100℃で30分間の焼き付けを行なっ
て、他方、比較例2の場合のようにメラミン硬化系にあ
っては、140℃で30分間なる比較的高温領域での焼き付
けを行なって、比較例3の場合のようにイソシアネート
硬化系にあっては、80℃で30分間なる比較的低温領域で
の焼き付けを行なってそれぞれに、硬化塗膜を得た。
しかるのち、それぞれの塗料の保存安定性と、それぞ
れの硬化塗膜についての諸特性との比較検討を行なっ
た。それらの結果は同表にまとめて示す通りである。
なお、これら塗料の保存安定性ならびに塗膜諸性能の
評価判定は、次のような要領で行なったものである。
光 沢…60度鏡面反射率 硬 度…鉛筆硬度 エリクセン値…エリクセン・テスターを用いて測定
し、mmで表示 密着性…1cm2の処へ、1mm2なる大きさのゴバン目を描
き、このカット部にセロファンテープを貼着し、次い
で、セロファンテープの剥離を行ない、残存ゴバン目数
を以て表示 耐水性…40℃の温水中に10日間浸漬したのちの塗膜の
状態を目視により判定 耐酸性…5% H2SO4水溶液を塗膜上に落とし、70℃で
1時間乾燥してから、水で洗い流したのちの塗膜の状態
を目視により判定 耐アルカリ性…5% NaOH水溶液中に24時間のあいだ
浸漬したのちの塗膜の状態の変化を目視により判定 耐候性…QUVテスターで2,000時間の照射を行なったの
ちの光沢保持率を測定し、%を以て表示 耐溶剤性…キシレンを浸したガーゼを塗面に接して、
1.5kgなる荷重で10回のラビングを行なったのちの塗膜
の状態を目視により判定 保存安定性…塗料を岩田カップで12秒となるように、
キシレンで希釈してから、50℃に7日間保存したのち
の、25℃における岩田カップでの粘度(秒数) 第1表の脚注: 「アクリディック A−800」…大日本インキ化学工
業(株)製のアクリルポリオール;不揮発分=50%、固
形分の水酸基価=100であって、シロキシ基も酸無水基
も共に存在せず 「スーパーベッカミン L−117−60」…同上社製の
ブチルエーテル化メラミン;不揮発分=60% 「バーノック DN−950」…同上社製のポリイソシア
ネート化合物;不揮発分=75%、イソシアネート基含有
率=12〜13% 「ベッカミン p−198」…同上社製の燐酸エステル
系硬化促進剤;酸価=350〜450 第1表からも明らかなように、一分子中にシロキシ基
と酸無水基とエポキシ基とを併せ有するビニル共重合体
と、解離促進触媒とを必須の成分として含んで成る本発
明の被覆用樹脂組成物は、保存安定性にすぐれるもので
あるし、しかも、耐酸性ならびに低温硬化性などにすぐ
れる塗膜を与えるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−21410(JP,A) 特開 平2−251274(JP,A) 特開 平2−233709(JP,A) 特開 平2−189377(JP,A) 特開 平1−281181(JP,A) 特開 昭63−179975(JP,A) 特開 昭63−286472(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 157/06,157/10 C09D 143/04,133/14 C08L 57/06,57/10 C08L 43/04,33/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一分子中に少なくとも1個のシロキシ基、
    酸無水基ならびにエポキシ基を有するビニル共重合体
    (A)と、このシロキシ基の解離促進触媒(B)とを含
    んで成る被覆用樹脂組成物であって、該ビニル共重合体
    (A)が、重合性不飽和不飽和二重結合と、一般式 で示される、炭素原子と結合するシロキシ基とを有する
    ビニルモノマーを含有してなるものである、被覆用樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】前記一分子中に少なくとも1個のシロキシ
    基、酸無水基ならびにエポキシ基を有するビニル共重合
    体(A)が、前記一般式〔I〕で示される、炭素原子と
    結合するシロキシ基と1個の重合体性不飽和二重結合と
    を有するビニルモノマー(a−1)と、一分子中に少な
    くとも1個の酸無水基と1個の重合性不飽和二重結合と
    を有するビニルモノマー(a−2)と、一分子中に少な
    くとも1個のエポキシ基をと1個の重合性不飽和二重結
    合とを有するビニルモノマー(a−3)とを重合させて
    得られるものである、請求項1に記載の被覆用樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】前記一分子中に少なくとも1個のシロキシ
    基、酸無水基ならびにエポキシ基を有するビニル共重合
    体(A)が、1,000〜40,000なる数平均分子量を有する
    ものである、請求項1または2に記載の被覆用樹脂組成
    物。
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