JP2836134B2 - 被覆材 - Google Patents
被覆材Info
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- JP2836134B2 JP2836134B2 JP29244389A JP29244389A JP2836134B2 JP 2836134 B2 JP2836134 B2 JP 2836134B2 JP 29244389 A JP29244389 A JP 29244389A JP 29244389 A JP29244389 A JP 29244389A JP 2836134 B2 JP2836134 B2 JP 2836134B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる被覆材に関する。さらに
詳細には、本発明は、それぞれ複数の、シロキシ基を有
する、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂および/またはポ
リエーテル樹脂と、酸無水基を含有する化合物と、エポ
キシ基を含有する化合とを必須の成分とし、上記した三
つの官能基の間での硬化反応を通して硬化塗膜を形成し
うる、全く斬新な被覆材に関する。
詳細には、本発明は、それぞれ複数の、シロキシ基を有
する、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂および/またはポ
リエーテル樹脂と、酸無水基を含有する化合物と、エポ
キシ基を含有する化合とを必須の成分とし、上記した三
つの官能基の間での硬化反応を通して硬化塗膜を形成し
うる、全く斬新な被覆材に関する。
近年、自動車産業において、アクリル樹脂とメラミン
樹脂との組み合わせになる塗料が、ライン塗装における
塗料それ自体の安定性と、塗膜性能との面から、主に、
用いられている。
樹脂との組み合わせになる塗料が、ライン塗装における
塗料それ自体の安定性と、塗膜性能との面から、主に、
用いられている。
また、オフライン塗装においては、アクリル樹脂とポ
リイソシアネート化合物との組み合わせになる塗料が、
塗膜外観や低温硬化性などの面から、主に、用いられて
いる。
リイソシアネート化合物との組み合わせになる塗料が、
塗膜外観や低温硬化性などの面から、主に、用いられて
いる。
しかしながら、今日、主流であるメラミン硬化系にあ
っては、塗膜外観が、必ずしも、すぐれているとは言え
なく、しかも、メラミン樹脂に起因する耐酸性の弱さか
ら、曝露時における酸性雨による塗膜の劣化が見られる
などの欠点がある。
っては、塗膜外観が、必ずしも、すぐれているとは言え
なく、しかも、メラミン樹脂に起因する耐酸性の弱さか
ら、曝露時における酸性雨による塗膜の劣化が見られる
などの欠点がある。
また、ポリイソシアネート硬化系にあっても、まず、
毒性の問題があるし、加えて、ポットライフも短く、し
たがって、連続的に大量に用いられるライン塗装には、
下向きなものである。
毒性の問題があるし、加えて、ポットライフも短く、し
たがって、連続的に大量に用いられるライン塗装には、
下向きなものである。
勿論、上述した如き各種の問題点を解決するために、
数多くの提供もまた、為されているけれども、非イソシ
アネート系で、かつ、非メラミン系であって、塗膜外観
にすぐれることは言うに及ばず、一液型として用いるこ
ともでき、加えて、自動車外板として用いることができ
る程度の耐酸性を有するという画期的な硬化系の被覆材
は、未だに、見い出されていないというのが現状であ
る。
数多くの提供もまた、為されているけれども、非イソシ
アネート系で、かつ、非メラミン系であって、塗膜外観
にすぐれることは言うに及ばず、一液型として用いるこ
ともでき、加えて、自動車外板として用いることができ
る程度の耐酸性を有するという画期的な硬化系の被覆材
は、未だに、見い出されていないというのが現状であ
る。
そこで、本発明者らは塗膜の耐酸性の良好で、一液型
で、したがって、塗料の安定生にすぐれ、ひいては、ラ
イン塗装にも適した、しかも、毒性の問題からも全く解
放された、極めて有用な被覆材を求めて、鋭意、研究に
着手した。
で、したがって、塗料の安定生にすぐれ、ひいては、ラ
イン塗装にも適した、しかも、毒性の問題からも全く解
放された、極めて有用な被覆材を求めて、鋭意、研究に
着手した。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一に
かかって、毒性の無い、保存安定性にすぐれた、しか
も、就中、低温硬化性や耐酸性などにもすぐれた塗膜を
与えることのできる斬新な形の硬化系、そして、斬新な
形の被覆材を提供することである。
かかって、毒性の無い、保存安定性にすぐれた、しか
も、就中、低温硬化性や耐酸性などにもすぐれた塗膜を
与えることのできる斬新な形の硬化系、そして、斬新な
形の被覆材を提供することである。
そのために、本発明者らは上述した如き発明が解決し
ようとする課題な照準を合わせて、つまり、現状の認識
と、従来技術における種々の未解決課題の抜本的な解決
と当業界における切なる要望との上に立って、それぞれ
複数の、シロキシ基を含有する特定の樹脂類と、酸無水
基を含有する化合物と、エポキシ基を含有る化合物とを
組み合わせた形の、いわゆる非メラミン系で、かつ、非
イソシアネート系の樹脂組成物を、あるいは、かかる構
成になる樹脂組成物に、さらに、シロキシ基解離用触媒
および/またはエポキシ開環触媒をも含めた形の被覆材
を用いることによって、驚異的に、上述した諸要求性能
を向上せしめうること、つまり、毒性が無く、保存安定
性にもすぐれた被覆材であること、加てえ、とりわけ、
低温硬化性や耐酸性などにすぐれた塗膜を与える、極め
て有用なる被覆材であることを見い出すに及んで、本発
明を完成させるに到った。
ようとする課題な照準を合わせて、つまり、現状の認識
と、従来技術における種々の未解決課題の抜本的な解決
と当業界における切なる要望との上に立って、それぞれ
複数の、シロキシ基を含有する特定の樹脂類と、酸無水
基を含有する化合物と、エポキシ基を含有る化合物とを
組み合わせた形の、いわゆる非メラミン系で、かつ、非
イソシアネート系の樹脂組成物を、あるいは、かかる構
成になる樹脂組成物に、さらに、シロキシ基解離用触媒
および/またはエポキシ開環触媒をも含めた形の被覆材
を用いることによって、驚異的に、上述した諸要求性能
を向上せしめうること、つまり、毒性が無く、保存安定
性にもすぐれた被覆材であること、加てえ、とりわけ、
低温硬化性や耐酸性などにすぐれた塗膜を与える、極め
て有用なる被覆材であることを見い出すに及んで、本発
明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、一分子中に少なくとも2個のシ
ロキシ基を有する、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂およ
びポリエーテル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも
一種の樹脂(A)と、一分子中に少なくとも2個の酸無
水基を有する化合物(B)と、一分子中に少なくとも2
個のエポキシ基を有する化合物(C)とを必須の成分と
して、さらに、必要に応じて、シロキシ基の解離触媒
(以下、D成分とも言う。)および/またはエポキシ開
環触媒(以下、E成分とも言う。)をも、それぞれ、含
んで成る、画期的な被覆材を提供しようとするものであ
る。
ロキシ基を有する、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂およ
びポリエーテル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも
一種の樹脂(A)と、一分子中に少なくとも2個の酸無
水基を有する化合物(B)と、一分子中に少なくとも2
個のエポキシ基を有する化合物(C)とを必須の成分と
して、さらに、必要に応じて、シロキシ基の解離触媒
(以下、D成分とも言う。)および/またはエポキシ開
環触媒(以下、E成分とも言う。)をも、それぞれ、含
んで成る、画期的な被覆材を提供しようとするものであ
る。
ここにおいて、上記したシロキシ基としては、たとえ
ば、上記した一分子中に少なくも2個のシロキシ基を有
する、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂および/またはポ
リエーテル樹脂などに含有されるこのシロキシ基が上げ
られるし、また、上記した酸無水基としては、たとえ
ば、上記した一分子中に少なくとも2個の酸無水基を有
する化合物(B)などに由来するものが挙げられるし、
さらに、上記したエポキシ基としては、上記した一分子
中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(C)
などに由来するものが挙げられる。
ば、上記した一分子中に少なくも2個のシロキシ基を有
する、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂および/またはポ
リエーテル樹脂などに含有されるこのシロキシ基が上げ
られるし、また、上記した酸無水基としては、たとえ
ば、上記した一分子中に少なくとも2個の酸無水基を有
する化合物(B)などに由来するものが挙げられるし、
さらに、上記したエポキシ基としては、上記した一分子
中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(C)
などに由来するものが挙げられる。
そこで、まず、本発明の被覆材を構成する上記した一
分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有するビニル樹
脂としては、かかる定義に従うものである限りは、いず
れのものも適用しうるが、これらのうちでも特に代表的
なものを挙げれば、次のような式で示される側鎖を2個
以上有するものである。
分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有するビニル樹
脂としては、かかる定義に従うものである限りは、いず
れのものも適用しうるが、これらのうちでも特に代表的
なものを挙げれば、次のような式で示される側鎖を2個
以上有するものである。
当該ビニル樹脂は、たとえば、トリエチルアミンやピ
リジンなどの、いわゆる塩酸捕捉剤(塩化水素捕捉剤)
の存在下で、トリアルキルクロルシラン、トリフェニル
クロルシラン、ジアルキルクロルシラン、ジアルキルジ
クロルシランまたはジアルキルヒドロシランの如き各種
の公知慣用のシロキシ基含有化合物(以下、シリル化剤
とも言う。)を、公知慣用の各種の水酸基含有ビニル系
モノマーと反応させて得られるような、いわゆるシロキ
シ基含有モノマーを必須のモノマー成分として得られる
ものなどを指称する。
リジンなどの、いわゆる塩酸捕捉剤(塩化水素捕捉剤)
の存在下で、トリアルキルクロルシラン、トリフェニル
クロルシラン、ジアルキルクロルシラン、ジアルキルジ
クロルシランまたはジアルキルヒドロシランの如き各種
の公知慣用のシロキシ基含有化合物(以下、シリル化剤
とも言う。)を、公知慣用の各種の水酸基含有ビニル系
モノマーと反応させて得られるような、いわゆるシロキ
シ基含有モノマーを必須のモノマー成分として得られる
ものなどを指称する。
かかるシロキシ基含有モノマーとして特に代表的なも
ののみを例示するに留めれば、トリメチルシロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシプロピル
(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシブチル(メ
タ)アクリレート、トリエチルシロキシエチル(メタ)
アクリレート、トリブチルシロキシプロピル(メタ)ア
クリメートまたはトリフェニルシロキシアルキル(メ
タ)アクリレートなどであり、また、かかるシロキシル
基含有モノマーと共重合可能なモノマーとして特に代表
的なもののみを例示するに留めれば、C1〜C22なるアル
キル(メタ)アクリレート、スチレン、t−ブチルスチ
レン、α−メイルスチレン、ビニルトルエン、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートま
たは(メタ)アクリロニトリルなどをはじめ、さらに
は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸もしく
はイタコン酸の如き不飽和カルボン酸類;マレイン酸も
しくはフマル酸とC1〜C18なる一価アルコール類とのエ
ステルの如き不飽和ジカルボン酸エステル類;N−アルコ
キシメチル化(メタ)アクリルアミドの如き(メタ)ア
クリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートもしくはN,N−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートの如きN,N−ジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリレート類;アシッドホスホノオキシエ
チルモノメタクリレートの如き燐含有(メタ)アクリレ
ート類;テトラフルオロエチレンもしくは、ヘキサフル
オロプロピレンの如き含ふっ素ビニル系モノマー類;ま
たは酢酸ビニルなどである。
ののみを例示するに留めれば、トリメチルシロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシプロピル
(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシブチル(メ
タ)アクリレート、トリエチルシロキシエチル(メタ)
アクリレート、トリブチルシロキシプロピル(メタ)ア
クリメートまたはトリフェニルシロキシアルキル(メ
タ)アクリレートなどであり、また、かかるシロキシル
基含有モノマーと共重合可能なモノマーとして特に代表
的なもののみを例示するに留めれば、C1〜C22なるアル
キル(メタ)アクリレート、スチレン、t−ブチルスチ
レン、α−メイルスチレン、ビニルトルエン、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートま
たは(メタ)アクリロニトリルなどをはじめ、さらに
は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸もしく
はイタコン酸の如き不飽和カルボン酸類;マレイン酸も
しくはフマル酸とC1〜C18なる一価アルコール類とのエ
ステルの如き不飽和ジカルボン酸エステル類;N−アルコ
キシメチル化(メタ)アクリルアミドの如き(メタ)ア
クリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートもしくはN,N−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートの如きN,N−ジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリレート類;アシッドホスホノオキシエ
チルモノメタクリレートの如き燐含有(メタ)アクリレ
ート類;テトラフルオロエチレンもしくは、ヘキサフル
オロプロピレンの如き含ふっ素ビニル系モノマー類;ま
たは酢酸ビニルなどである。
また、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有す
るポリエステル樹脂としては、一分子中に少なくとも2
個の水酸基を有するポリエステル樹脂をベースに、トリ
メチルクロルシロキサンの如き前述した各種の公知慣用
のシリル化剤を反応せしめるか、あるいは、次式 で示されるような化合物を、水酸基含有ポリエステル樹
脂に反応せしめることによって得られるものなどが代表
的なものである。
るポリエステル樹脂としては、一分子中に少なくとも2
個の水酸基を有するポリエステル樹脂をベースに、トリ
メチルクロルシロキサンの如き前述した各種の公知慣用
のシリル化剤を反応せしめるか、あるいは、次式 で示されるような化合物を、水酸基含有ポリエステル樹
脂に反応せしめることによって得られるものなどが代表
的なものである。
かかるベース樹脂たるポリエステル樹脂とは、酸成分
として、イソフタル酸、無水こはく酸、アジピン酸もし
くは無水トリメリット酸の如き各種の公知慣用の多塩基
酸;または安息香酸もしくはp−t−ブチル安息香酸の
如き各種の公知慣用の一塩基酸などを用いる一方、アル
コール成分としては、ネオペンチルグリコール、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキ
サンジオール、1,5−ペンタンジオール、ペンタエリス
リトール、グリセリンまたはエチレングリコールの如き
各種の公知慣用のポリオール類を用いて、定法により得
られるものを指称する。
として、イソフタル酸、無水こはく酸、アジピン酸もし
くは無水トリメリット酸の如き各種の公知慣用の多塩基
酸;または安息香酸もしくはp−t−ブチル安息香酸の
如き各種の公知慣用の一塩基酸などを用いる一方、アル
コール成分としては、ネオペンチルグリコール、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキ
サンジオール、1,5−ペンタンジオール、ペンタエリス
リトール、グリセリンまたはエチレングリコールの如き
各種の公知慣用のポリオール類を用いて、定法により得
られるものを指称する。
さらに、前記した一分子中に少なくとも2個のシロキ
シ基を有するポリエーテル樹脂とは、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールまたはポリブチレン
グリコールの如き各種のポリアルキレングリコール類
に、前述したシロキシ基含有ポリエステル樹脂の場合と
同様にして、トリメチルクロルシロキサンの如き各種の
公知慣用のシリル化剤を反応せしめて得られるものを指
称する。
シ基を有するポリエーテル樹脂とは、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールまたはポリブチレン
グリコールの如き各種のポリアルキレングリコール類
に、前述したシロキシ基含有ポリエステル樹脂の場合と
同様にして、トリメチルクロルシロキサンの如き各種の
公知慣用のシリル化剤を反応せしめて得られるものを指
称する。
次に、本発明被覆材の第二成分とも言うべき前記した
一分子中に少なくとも2個の酸無水基を有する化合物
(B)として特に代表的なもののみを例示するに留めれ
ば、無水マレイン酸や無水イタコン酸などに代表される
酸無水基含有重合性不飽和単離体と、前述したシロキシ
基含有ビニル樹脂の調製に用いられる如き、公知慣用の
各種の共重合可能な単量体(共重合性短量体)との共重
合体などである。
一分子中に少なくとも2個の酸無水基を有する化合物
(B)として特に代表的なもののみを例示するに留めれ
ば、無水マレイン酸や無水イタコン酸などに代表される
酸無水基含有重合性不飽和単離体と、前述したシロキシ
基含有ビニル樹脂の調製に用いられる如き、公知慣用の
各種の共重合可能な単量体(共重合性短量体)との共重
合体などである。
かかる共重合体のほかにも、当該化合物(B)として
は、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカ
ルボンボン酸、エチレングリコールビス(アソヒドロト
リメリテート)またはグリセロールトリス(アンヒドロ
トリメリテート)の如き低分子量のものも、勿論、使用
することができる。
は、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカ
ルボンボン酸、エチレングリコールビス(アソヒドロト
リメリテート)またはグリセロールトリス(アンヒドロ
トリメリテート)の如き低分子量のものも、勿論、使用
することができる。
次いで、本発明被覆材は第三成分とも言うべき前記し
た一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合
物(C)として特に代表的なものおみを例示するに留め
れば、次に掲げられるようなエポキシ樹脂および/また
はエポキシ基含有ビニル樹脂などである。
た一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合
物(C)として特に代表的なものおみを例示するに留め
れば、次に掲げられるようなエポキシ樹脂および/また
はエポキシ基含有ビニル樹脂などである。
まず、かかるエポキシ樹脂としては、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル、もしくはグリセリンのトリグリシジルエーテルの如
き多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;フタル
酸のジグリシジルエステル、イソフタル酸のジグリシジ
ルエステル、もしくはアジピン酸のジグリシジルエステ
ルの如き多価カルボン酸のポリグリシジルエステル類;
またはビスフェノールAないしはビスフェノールFのグ
リシジルエーテル型のエポキシ樹脂、ノボラック型ポキ
ラック型のエポキシ樹脂もしくはヒダントイン環含有エ
ポキシ樹脂の如き各種のエポキシ樹脂などの、いわゆる
ポリエポキシ化合物が特に代表的なものであるし、次
に、上記したエポキシ基含有ビニル樹脂としては、p−
オキシ安息香酸のグリシジルエステルエーテル、または
側鎖にエポキシ基を有する各種のビニル系重合体、すな
わち、グリシジルメタクリレートの如きエポキシ基含有
重合性不飽和単量体類を共重合せしめて得られる公知慣
用のエポキシ基含有ビニル系共重合体などが特に代表的
なものである。
ールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル、もしくはグリセリンのトリグリシジルエーテルの如
き多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;フタル
酸のジグリシジルエステル、イソフタル酸のジグリシジ
ルエステル、もしくはアジピン酸のジグリシジルエステ
ルの如き多価カルボン酸のポリグリシジルエステル類;
またはビスフェノールAないしはビスフェノールFのグ
リシジルエーテル型のエポキシ樹脂、ノボラック型ポキ
ラック型のエポキシ樹脂もしくはヒダントイン環含有エ
ポキシ樹脂の如き各種のエポキシ樹脂などの、いわゆる
ポリエポキシ化合物が特に代表的なものであるし、次
に、上記したエポキシ基含有ビニル樹脂としては、p−
オキシ安息香酸のグリシジルエステルエーテル、または
側鎖にエポキシ基を有する各種のビニル系重合体、すな
わち、グリシジルメタクリレートの如きエポキシ基含有
重合性不飽和単量体類を共重合せしめて得られる公知慣
用のエポキシ基含有ビニル系共重合体などが特に代表的
なものである。
そして、前掲した(A)成分:(B)成分:(C)成
分なる、それぞれの成分の使用比率としては、それぞれ
の成分中に存在する官能基(反応性極性基)たる、それ
ぞれ、シロキシ基:酸無水基:エポキシ基の当量比で等
当量となるのが望ましいけれども、勿論、本発明はこれ
のみに限定されるものでは決してなく、本発明の目的を
逸脱し、本発明の効果を損じない限りにおいて、かかる
使用比率は、適宜、選択することができる。
分なる、それぞれの成分の使用比率としては、それぞれ
の成分中に存在する官能基(反応性極性基)たる、それ
ぞれ、シロキシ基:酸無水基:エポキシ基の当量比で等
当量となるのが望ましいけれども、勿論、本発明はこれ
のみに限定されるものでは決してなく、本発明の目的を
逸脱し、本発明の効果を損じない限りにおいて、かかる
使用比率は、適宜、選択することができる。
このように、本発明は(A)、(B)および(C)な
る各成分に、いかなる樹脂あるいは化合物を配しよう
と、こうしたシロキシ基、酸無水基およびエポキシ基な
る三つの官能基(反応性極性基)による複合硬化、とり
わけ、空気中などにおける僅かな水分の存在によって、
まず、シロキシ基から水酸基が生起し、次いで、この水
酸基と酸無水基とが反応することによって、分子間で架
橋すると共に、これらの水酸基と酸無水基との反応によ
って生起するカルボキシル基とエキシ基とが反応するこ
とによって、分子間で架橋が行なわれるという、いわゆ
る複合硬化を取り扱っている点に、基本的な特徴を有す
るものである。
る各成分に、いかなる樹脂あるいは化合物を配しよう
と、こうしたシロキシ基、酸無水基およびエポキシ基な
る三つの官能基(反応性極性基)による複合硬化、とり
わけ、空気中などにおける僅かな水分の存在によって、
まず、シロキシ基から水酸基が生起し、次いで、この水
酸基と酸無水基とが反応することによって、分子間で架
橋すると共に、これらの水酸基と酸無水基との反応によ
って生起するカルボキシル基とエキシ基とが反応するこ
とによって、分子間で架橋が行なわれるという、いわゆ
る複合硬化を取り扱っている点に、基本的な特徴を有す
るものである。
かくして得られる本発明の基本的な形の被覆材は、ま
ず、大気中に暴露されることにより、空気中の水分との
反応を通して、シロキシ基が加水分解されて、酸無水基
と反応しうる水酸基を生成する。そこで、かかる加水分
解を促進せしめるための触媒が必要となる。
ず、大気中に暴露されることにより、空気中の水分との
反応を通して、シロキシ基が加水分解されて、酸無水基
と反応しうる水酸基を生成する。そこで、かかる加水分
解を促進せしめるための触媒が必要となる。
そうして触媒として特に代表的なもののみを例示する
に留めれば、燐酸エステル類、亜燐酸エステル類または
p−トルエンスルホン酸もしくはその塩類の如き各種の
酸性触媒;水酸化リチウムまたは水酸化カリウムの如き
各種のカリウム性触媒;アルキルチタン酸塩、アクチル
酸塩、ジブチル錫ジラウレートまたはオクチル酸鉛の如
き各種のカルボン酸の金属塩類;モノブチル錫サルファ
イドまたはジオクチル錫メルカプタイドの如き各種のス
ルフィド型ないしはメルカプチド型有機化合物類;ある
いはテトラエチルアンモニウムフルオライドの如き各種
の、ふっ素イオン発生性化合物などである。
に留めれば、燐酸エステル類、亜燐酸エステル類または
p−トルエンスルホン酸もしくはその塩類の如き各種の
酸性触媒;水酸化リチウムまたは水酸化カリウムの如き
各種のカリウム性触媒;アルキルチタン酸塩、アクチル
酸塩、ジブチル錫ジラウレートまたはオクチル酸鉛の如
き各種のカルボン酸の金属塩類;モノブチル錫サルファ
イドまたはジオクチル錫メルカプタイドの如き各種のス
ルフィド型ないしはメルカプチド型有機化合物類;ある
いはテトラエチルアンモニウムフルオライドの如き各種
の、ふっ素イオン発生性化合物などである。
そして、かかるシロキシ基解離触媒の使用量として
は、前記シロキシ基含有樹脂(A)に対して0.001〜10
重量%、好ましくは0.005から8重量%になる範囲内が
適切である。
は、前記シロキシ基含有樹脂(A)に対して0.001〜10
重量%、好ましくは0.005から8重量%になる範囲内が
適切である。
他方、前記したエポキシ開環触媒として特に代表的な
もののみを例示するに留めれば、アセチルアセトネート
・クロム、1−モルホリノ−1−シクロヘキセンの如き
エナミン類、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリエタノールアミンボレート、第四級ホスホニウ
ム塩、オクチル酸錫、第四級アルソニウム塩、三ふっ化
ほう素、アミン・コンプレックス(錯体)、または各種
アミン化合物などである。
もののみを例示するに留めれば、アセチルアセトネート
・クロム、1−モルホリノ−1−シクロヘキセンの如き
エナミン類、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリエタノールアミンボレート、第四級ホスホニウ
ム塩、オクチル酸錫、第四級アルソニウム塩、三ふっ化
ほう素、アミン・コンプレックス(錯体)、または各種
アミン化合物などである。
そして、かかるエポキシ開環触媒の使用量としては、
前記エポキシ基含有化合物(C)に対して0.01〜5重量
%、好ましくは、0.05〜2重量%でなる範囲内が適切で
ある。
前記エポキシ基含有化合物(C)に対して0.01〜5重量
%、好ましくは、0.05〜2重量%でなる範囲内が適切で
ある。
ところで、本発明の被覆材は、大気中に暴露されない
限り、分子内あるいは分子間の酸無水基と反応しうる水
酸基を生成しない処から、本発明の被覆材はそれ自体、
基本的には、一液型で、極めて安定性の良好なものであ
る。
限り、分子内あるいは分子間の酸無水基と反応しうる水
酸基を生成しない処から、本発明の被覆材はそれ自体、
基本的には、一液型で、極めて安定性の良好なものであ
る。
しかし、長期の保存安定性を確保するためには、何ら
かの理由により侵入する微量の水分を、常に、捕捉して
やればよい。
かの理由により侵入する微量の水分を、常に、捕捉して
やればよい。
すなわち、水分と反応性を有する水結合材を添加する
ことによって、長期の安定性が確保される処となる。
ことによって、長期の安定性が確保される処となる。
また、かかる水結合剤を、予め、前記したシロキシ基
含有樹脂(A)などを調製するさい、その初期に、混入
して使用しても差し支えはない。
含有樹脂(A)などを調製するさい、その初期に、混入
して使用しても差し支えはない。
かかる水結合剤として特に代表的なもののみを例示す
るに留めれば、オルトぎ酸オリメチル、オルトぎ酸トリ
エチルもしくはオルトぎ酸トリブチルの如きオルトぎ酸
トリアルキル類;オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸ト
リエチルもしくはオルト酢酸トリブチルの如きオルト酢
酸トリアルキル類;オルトほう酸トリエチルもしくはオ
ルトほう酸トリブチルの如きオルトほう酸トリアルキル
類;テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケー
ト、テトラブチルシリケート、テトラ(2−メトキシエ
チル)シリケートもしくはテトラ(2−クロロエチル)
シリケートの如きテトラ(置換)アルキルシリケート類
単体;テトラフェニルシリケートもしくはテトラベンジ
ルシリケートの如き、上記テトラ(置換)アルキルシリ
ケート類の同効物質(以下、同効単体と略称する。);
またはテトラエチルシリケートのダイマー、トリマー、
テトラマー、ヘキサマー、「エチルシリケート40」〔コ
ルコート(株)製品、テトラエチルシリケートのテトラ
マー、ペンタマー、ヘキサマーの混合物〕の如き、上掲
の各テトラ(置換)アルキルシリケート類単体や、該シ
リケート類の同効単体の縮合物などの加水分解性エステ
ル化合物類;あるいは、フェニルイソシアネート、p−
クロロフェニルイソシアネート、ベンゼンスルホニルイ
ソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート
またはイソシアネートエチルメタクリレート(アメリカ
国ダウ・ケミカル社製のNCO基含有モノマー)などのイ
ソシアネート基有化合物類などである。
るに留めれば、オルトぎ酸オリメチル、オルトぎ酸トリ
エチルもしくはオルトぎ酸トリブチルの如きオルトぎ酸
トリアルキル類;オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸ト
リエチルもしくはオルト酢酸トリブチルの如きオルト酢
酸トリアルキル類;オルトほう酸トリエチルもしくはオ
ルトほう酸トリブチルの如きオルトほう酸トリアルキル
類;テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケー
ト、テトラブチルシリケート、テトラ(2−メトキシエ
チル)シリケートもしくはテトラ(2−クロロエチル)
シリケートの如きテトラ(置換)アルキルシリケート類
単体;テトラフェニルシリケートもしくはテトラベンジ
ルシリケートの如き、上記テトラ(置換)アルキルシリ
ケート類の同効物質(以下、同効単体と略称する。);
またはテトラエチルシリケートのダイマー、トリマー、
テトラマー、ヘキサマー、「エチルシリケート40」〔コ
ルコート(株)製品、テトラエチルシリケートのテトラ
マー、ペンタマー、ヘキサマーの混合物〕の如き、上掲
の各テトラ(置換)アルキルシリケート類単体や、該シ
リケート類の同効単体の縮合物などの加水分解性エステ
ル化合物類;あるいは、フェニルイソシアネート、p−
クロロフェニルイソシアネート、ベンゼンスルホニルイ
ソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート
またはイソシアネートエチルメタクリレート(アメリカ
国ダウ・ケミカル社製のNCO基含有モノマー)などのイ
ソシアネート基有化合物類などである。
そして、当該水結合剤の使用量としては、前記シロキ
シ基含有樹脂(A)などに対して0.1〜30重量%、好ま
しくは、0.5〜20重量%なる範囲内が適切である。
シ基含有樹脂(A)などに対して0.1〜30重量%、好ま
しくは、0.5〜20重量%なる範囲内が適切である。
かくして得られる本発明の被覆材は、そのまま、クリ
ヤー塗料として使用することもできるし、さらに、顔料
を混合せしめることによりエナメル塗料として使用する
こともできる。
ヤー塗料として使用することもできるし、さらに、顔料
を混合せしめることによりエナメル塗料として使用する
こともできる。
また、本発明被覆材に対しては、必要に応じて、レベ
リング剤、紫外線吸収剤または顔料分散剤などの各種の
公知慣用の添加剤類を混合せしめることもできる。
リング剤、紫外線吸収剤または顔料分散剤などの各種の
公知慣用の添加剤類を混合せしめることもできる。
さらには、公知慣用のセルロース系化合物、可塑剤ま
たはポリエステル樹脂などを混合せしめることもでき
る。
たはポリエステル樹脂などを混合せしめることもでき
る。
そして、本発明の被覆材の塗装方法としては、刷毛塗
り、スプレー塗装またはロール塗装などの常用の方法が
採用できるし、さらに、本発明被覆材の硬化方法として
は、常温乾燥から加熱硬化までの幅広い範囲で、本発明
被覆材を構成する各成分樹脂または化合物の組み合わせ
に応じた最適の硬化条件が設計ないしは設定できる。
り、スプレー塗装またはロール塗装などの常用の方法が
採用できるし、さらに、本発明被覆材の硬化方法として
は、常温乾燥から加熱硬化までの幅広い範囲で、本発明
被覆材を構成する各成分樹脂または化合物の組み合わせ
に応じた最適の硬化条件が設計ないしは設定できる。
かくして得られた本発明の被覆材は、溶液の形で、あ
るいは粉体の形で、自動車、家電製品、あるいは建築外
装をはじめとして、金属のプレコート用としては、多岐
に亘って、利用することができるが、就中、一液型で貯
蔵安定性の要求される分野において、その効果が顕著な
ものである。
るいは粉体の形で、自動車、家電製品、あるいは建築外
装をはじめとして、金属のプレコート用としては、多岐
に亘って、利用することができるが、就中、一液型で貯
蔵安定性の要求される分野において、その効果が顕著な
ものである。
以上のように得られる本発明の被覆材は、それ自体が
加水分解性のシロキシ基が引き金となって、シロキシ基
が水酸基を生起し、その水酸基が酸無水基と反応してカ
ルボキシル基を生起し、そのカルボキシル基がエポキシ
基と反応するという一連の過程の中で、一つには、水酸
基と酸無水基との反応による、分野間架橋が、二つに
は、カルボキシル基とエポキシ基との反応による、分子
間架橋が、それぞれ、複合化された形で起こるという、
いわゆる複合硬化を通して硬化塗膜を形成する、斬新な
ものである。
加水分解性のシロキシ基が引き金となって、シロキシ基
が水酸基を生起し、その水酸基が酸無水基と反応してカ
ルボキシル基を生起し、そのカルボキシル基がエポキシ
基と反応するという一連の過程の中で、一つには、水酸
基と酸無水基との反応による、分野間架橋が、二つに
は、カルボキシル基とエポキシ基との反応による、分子
間架橋が、それぞれ、複合化された形で起こるという、
いわゆる複合硬化を通して硬化塗膜を形成する、斬新な
ものである。
そのために、本発明の被覆材は、単一的硬化による硬
化塗膜で得られないような、多元的で多面的な効果を発
現するものであり、とりわけ、本発明の被覆材は、一液
型で保存安定性にすぐれ、しかも、耐酸性ならびに低温
硬化性などの諸性能の上で優れ、かつ、諸性能のバラン
ス化が微妙なる、極めて有用な塗膜を与えるものであ
る。
化塗膜で得られないような、多元的で多面的な効果を発
現するものであり、とりわけ、本発明の被覆材は、一液
型で保存安定性にすぐれ、しかも、耐酸性ならびに低温
硬化性などの諸性能の上で優れ、かつ、諸性能のバラン
ス化が微妙なる、極めて有用な塗膜を与えるものであ
る。
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、
一層、具体的に説明する。以下において、部および%は
特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとす
る。
一層、具体的に説明する。以下において、部および%は
特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとす
る。
参考例1(トリメチルシロキシ基含有ビニル共重合体の
調製例) トリメチルシロキシエチルメタクリレートの138部、
スチレンの200部、n−ブチルアクリレートの356部、メ
チルメタクリレートの249部およびn−ブチルメタクリ
レートの57部からなるモノマー混合物のうちの200部
と、トルエンの700部と、アゾイソブチロニトリル(AIB
N)の5部およびt−ブチルパーベンゾエート(t−BP
B)の10部とを攪拌装置、不活性ガス導入口、温度計お
よび冷却器を備えた4つ口フラスコに仕込んで、90℃に
1時間保持したのち、30分を要して110℃まで昇温した
のち、残りのモノマー800部と、アゾビスイソブチロニ
トリルの25部とトリエンの300部とを4時間かけて滴下
したのち、さらに5時間のあいだ、この110℃で反応を
行なって、25℃におけるガードナー粘度がQ−Rで、か
つ、不揮発分が50.8%なる目的樹脂の溶液を得た。この
ものの数平均分子量は11,000であった。以下、これを樹
脂(A−1−1)と略記する。
調製例) トリメチルシロキシエチルメタクリレートの138部、
スチレンの200部、n−ブチルアクリレートの356部、メ
チルメタクリレートの249部およびn−ブチルメタクリ
レートの57部からなるモノマー混合物のうちの200部
と、トルエンの700部と、アゾイソブチロニトリル(AIB
N)の5部およびt−ブチルパーベンゾエート(t−BP
B)の10部とを攪拌装置、不活性ガス導入口、温度計お
よび冷却器を備えた4つ口フラスコに仕込んで、90℃に
1時間保持したのち、30分を要して110℃まで昇温した
のち、残りのモノマー800部と、アゾビスイソブチロニ
トリルの25部とトリエンの300部とを4時間かけて滴下
したのち、さらに5時間のあいだ、この110℃で反応を
行なって、25℃におけるガードナー粘度がQ−Rで、か
つ、不揮発分が50.8%なる目的樹脂の溶液を得た。この
ものの数平均分子量は11,000であった。以下、これを樹
脂(A−1−1)と略記する。
参考例2(同上) トリメチルシロキシエチルメタクリレートの360部、
スチレンの200部、n−ブチルメタアクリレートの172部
およびラウリルメタクリレートの268部からなるモノマ
ー混合物を、参考例1と同様の反応容器に、あらかじめ
キシレンの700部と共に仕込んで、120℃に昇温したの
ち、キシレンの300部とt−ブチルパーオクトエート(T
BPO)の30部とを6時間かけて滴下した、滴下終了後
も、さらに6時間この120℃での反応を行なって、それ
ぞれ、ガードナー粘度がT−Uで、かつ、不揮発分が5
0.6%なる目的樹脂の溶液を得た。このものの数平均分
子量は15,000であった。以下、これを樹脂(A−1−
2)と略記する。
スチレンの200部、n−ブチルメタアクリレートの172部
およびラウリルメタクリレートの268部からなるモノマ
ー混合物を、参考例1と同様の反応容器に、あらかじめ
キシレンの700部と共に仕込んで、120℃に昇温したの
ち、キシレンの300部とt−ブチルパーオクトエート(T
BPO)の30部とを6時間かけて滴下した、滴下終了後
も、さらに6時間この120℃での反応を行なって、それ
ぞれ、ガードナー粘度がT−Uで、かつ、不揮発分が5
0.6%なる目的樹脂の溶液を得た。このものの数平均分
子量は15,000であった。以下、これを樹脂(A−1−
2)と略記する。
参考例3(トリメチルシロキシ基含有ポリエステル樹脂
の調製例) 参考例1と同様の反応容器に、「ベッコゾールEZ−35
30−80」〔大日本インキ化学工業(株)製の分岐状樹脂
族モノカルボン酸グリシジル変性ポリエステル樹脂;不
揮発分=80%〕の1,000部を仕込み、さらに、キシレン
の400部をも仕込んで均一に溶解させ、常温で、キシレ
ンの220部とトリメチルクロルシランを200部とを容器
を、冷却しながら2時間かけて滴下した。
の調製例) 参考例1と同様の反応容器に、「ベッコゾールEZ−35
30−80」〔大日本インキ化学工業(株)製の分岐状樹脂
族モノカルボン酸グリシジル変性ポリエステル樹脂;不
揮発分=80%〕の1,000部を仕込み、さらに、キシレン
の400部をも仕込んで均一に溶解させ、常温で、キシレ
ンの220部とトリメチルクロルシランを200部とを容器
を、冷却しながら2時間かけて滴下した。
次いで、副生する塩を系外に取り除くために、遠心器
にかけてから濾過して、不揮発分が50.5%で、かつ、粘
度がA3なる目的樹脂の溶液を得た。以下、これを樹脂
(A−2−1)と略記する。
にかけてから濾過して、不揮発分が50.5%で、かつ、粘
度がA3なる目的樹脂の溶液を得た。以下、これを樹脂
(A−2−1)と略記する。
参考例4(シロキシ基含有ポリエーテル樹脂の調製例) 参考例1と同様の反応容器に、分子量が500なるポリ
プロピレングリコールの1,000部とトルエンの1,000部を
仕込み、80℃まで昇温してから、シラザンの330部とト
ルエンの100部とを2時間かけて滴下したのち、さらに
5時間のあいだ同温度で反応を行ない、減圧下にてアン
モニアを系外に除去した。かくして得られた樹脂溶液は
不揮発分が70.5%で、かつ、粘度がA2なるものであっ
た。以下、これを樹脂(A−3−1)と略記する。
プロピレングリコールの1,000部とトルエンの1,000部を
仕込み、80℃まで昇温してから、シラザンの330部とト
ルエンの100部とを2時間かけて滴下したのち、さらに
5時間のあいだ同温度で反応を行ない、減圧下にてアン
モニアを系外に除去した。かくして得られた樹脂溶液は
不揮発分が70.5%で、かつ、粘度がA2なるものであっ
た。以下、これを樹脂(A−3−1)と略記する。
参考例5(酸無水基含有ビニル共重合体の調製例) スチレンの300部、無水イタコン酸の220部、n−ブチ
ルメタアクリレートの280部メチルメタクリレートの200
部からなる混合物を、参考例1と同様の反応容器に予め
仕込んだキシレンの700部を、まず、120℃の温度まで昇
温したのち、ここにキシレンの300部、TBPOの100部およ
びAIBNの10部と共に5時間かけて滴下した。以後は、参
考例1と同様にして、不揮発分が50.3%で、粘度がA
2で、かつ、分子量が4,800なる目的樹脂の溶液を得た。
以下、これを化合物(B−1)と略記する。
ルメタアクリレートの280部メチルメタクリレートの200
部からなる混合物を、参考例1と同様の反応容器に予め
仕込んだキシレンの700部を、まず、120℃の温度まで昇
温したのち、ここにキシレンの300部、TBPOの100部およ
びAIBNの10部と共に5時間かけて滴下した。以後は、参
考例1と同様にして、不揮発分が50.3%で、粘度がA
2で、かつ、分子量が4,800なる目的樹脂の溶液を得た。
以下、これを化合物(B−1)と略記する。
参考例6(エポキシ基含有ビニル共重合体の調製例) モノマー混合物として、スチレンの200部、グリシジ
ルメタクリレートの280部、n−ブチルメタクリレート3
20部およびメチルメアクリレートノ200部を用いるよう
に変更した以外は、参考例1と同様にして、粘度がC
で、不揮発分が50.4%で、かつ、分子量が4,500なる樹
脂の溶液を得た。以下、これを混合物(C−1)と略記
する。
ルメタクリレートの280部、n−ブチルメタクリレート3
20部およびメチルメアクリレートノ200部を用いるよう
に変更した以外は、参考例1と同様にして、粘度がC
で、不揮発分が50.4%で、かつ、分子量が4,500なる樹
脂の溶液を得た。以下、これを混合物(C−1)と略記
する。
実施例1 参考例1で得られた樹脂(A−1−1)の100部、参
考例5で得られた化合物(B−1)の100部、参考例6
で得られた化合物(C−1)の34.6部、およびテトラブ
チルアンモニウムブロマイドの1.5部を配合し、常法に
より混合せしめて、本発明の被覆材を得た。
考例5で得られた化合物(B−1)の100部、参考例6
で得られた化合物(C−1)の34.6部、およびテトラブ
チルアンモニウムブロマイドの1.5部を配合し、常法に
より混合せしめて、本発明の被覆材を得た。
実施例2〜8 第1表に示されるような配合組成比のものに変更した
以外は、実施例1と同様にして、本発明の被覆材を得
た。
以外は、実施例1と同様にして、本発明の被覆材を得
た。
比較例1 第1表に示されるような配合組成に従う以外は、実施
例1と同様にして、エポキシ基含有化合物(C)不含
の、対照用被覆材を得た。
例1と同様にして、エポキシ基含有化合物(C)不含
の、対照用被覆材を得た。
比較例2 第1表に示されるような配合組成に従う以外は、実施
例1と同様にして、酸無水基含有化合物(B)不含の、
対照用被覆材を得た。
例1と同様にして、酸無水基含有化合物(B)不含の、
対照用被覆材を得た。
比較例3 第1表に示されるような配合組成に従う以外は、実施
例1と同様にして、シロキシ基をも、酸無水基をも、エ
ポキシ基をも、一切、含まれない形の、アクリルポリオ
ールとポリイソシアネート化合物とのみから成る、対照
用被覆材を得た。
例1と同様にして、シロキシ基をも、酸無水基をも、エ
ポキシ基をも、一切、含まれない形の、アクリルポリオ
ールとポリイソシアネート化合物とのみから成る、対照
用被覆材を得た。
比較例4 第1表に示されるような配合組成に従う以外は、実施
例1と同様にして、シロキシ基も、酸無水基も、エポキ
シ基も、悉く、含んでいない形の、ただ、アクリルポリ
オールとメラミン樹脂とだけから成る、対照用の被覆材
を得た。
例1と同様にして、シロキシ基も、酸無水基も、エポキ
シ基も、悉く、含んでいない形の、ただ、アクリルポリ
オールとメラミン樹脂とだけから成る、対照用の被覆材
を得た。
以上の各実施例および比較例で得られた、それぞれの
被覆材についての塗膜性能の比較検討を行なうべく、次
に示されるような方法によって試験到を作成し、性能の
評価を行なった。それらの結果を第1表にまとめて示し
た。
被覆材についての塗膜性能の比較検討を行なうべく、次
に示されるような方法によって試験到を作成し、性能の
評価を行なった。それらの結果を第1表にまとめて示し
た。
素材;ボンデライト#144処理軟鋼板 塗装方法;6milアプリケーター 焼付け方法;60℃/30分間と、80℃/30分間との比較的
に温和な条件下で。但し、メラミン硬化の場合だけは、
止むを得ず、140℃/30分間という厳格な条件下で行なっ
た。
に温和な条件下で。但し、メラミン硬化の場合だけは、
止むを得ず、140℃/30分間という厳格な条件下で行なっ
た。
(試験方法および判定方法) 光沢;村上式光沢計(60゜) 硬度;鉛筆硬度 エリクセン;エリクセンテスターを用いて“mm"で表
示。
示。
密着性;ゴバン目(10×10)状にカットを入れたのち
セロファンテープ剥離を行ない、残ったエリアの数(残
存ゴハン目数)を表示。
セロファンテープ剥離を行ない、残ったエリアの数(残
存ゴハン目数)を表示。
耐水性;40℃の温水に10日間浸漬したのちの塗膜の状
態を目視判定。
態を目視判定。
耐酸性;5%硫酸水溶液を塗膜上に落とし、70℃で1時
間乾燥したのち水で洗ってから塗膜の状態を目視により
判定。
間乾燥したのち水で洗ってから塗膜の状態を目視により
判定。
耐アルカリ性;5%NaOH水溶液に24時間浸漬したのちの
塗膜の変化を目視判定。
塗膜の変化を目視判定。
耐候性;QUV試験機で2,000時間照射後の光沢保持率
(%)を以て表示。
(%)を以て表示。
耐溶剤性;キシレンを浸したガーゼを用いて荷重1.5k
gで10回ラビングしたのちの塗膜の状態を目視判定。
gで10回ラビングしたのちの塗膜の状態を目視判定。
保存安定性;クリヤー塗料を、キシレン/酢酸ブチル
=1/1(重量比)なる混合溶剤により、岩田カップで12
秒となるように希釈してから50℃に7日間保存したのち
の粘度を測定。
=1/1(重量比)なる混合溶剤により、岩田カップで12
秒となるように希釈してから50℃に7日間保存したのち
の粘度を測定。
第1表からも明らかなように、本発明の被覆材は、シ
ロキシ基、酸無水基およびエポキシ基という3種の官能
基(反応性極性基)を通しての複合硬化により、低温硬
化性ならびに耐酸性などにすぐれるのみならず、諸性能
のバランス化に絶妙なる硬化を発現しうる硬化塗膜を形
成するものであることが知れるし、しかも、触離触媒、
開環触媒および/または水結合材の使用によって、一液
型のものとして、極めて良好な保存安定を有するもので
あることも知れる。
ロキシ基、酸無水基およびエポキシ基という3種の官能
基(反応性極性基)を通しての複合硬化により、低温硬
化性ならびに耐酸性などにすぐれるのみならず、諸性能
のバランス化に絶妙なる硬化を発現しうる硬化塗膜を形
成するものであることが知れるし、しかも、触離触媒、
開環触媒および/または水結合材の使用によって、一液
型のものとして、極めて良好な保存安定を有するもので
あることも知れる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 163/00 - 163/10 C09D 201/10 C08G 59/42
Claims (2)
- 【請求項1】一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を
有する、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリエー
テル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂
(A)と、一分子中に少なくとも2個の酸無水基を有す
る化合物(B)と、一分子中に少なくとも2個のエポキ
シ基を有する化合物(C)とから成る、被覆材。 - 【請求項2】一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を
有する、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリエー
テル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂
(A)と、一分子中に少なくとも2個の酸無水基を有す
る化合物(B)と、一分子中に少なくとも2個のエポキ
シ基を有する化合物(C)と、シロキシ基の解離触媒お
よび/またはエポキシ開環触媒から成る、被覆材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29244389A JP2836134B2 (ja) | 1989-11-13 | 1989-11-13 | 被覆材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29244389A JP2836134B2 (ja) | 1989-11-13 | 1989-11-13 | 被覆材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03153784A JPH03153784A (ja) | 1991-07-01 |
JP2836134B2 true JP2836134B2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=17781864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29244389A Expired - Fee Related JP2836134B2 (ja) | 1989-11-13 | 1989-11-13 | 被覆材 |
Country Status (1)
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---|---|
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---|---|---|---|---|
JP5808706B2 (ja) | 2012-03-29 | 2015-11-10 | 住友重機械イオンテクノロジー株式会社 | イオン注入装置及びその制御方法 |
-
1989
- 1989-11-13 JP JP29244389A patent/JP2836134B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03153784A (ja) | 1991-07-01 |
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