JPH09241575A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH09241575A
JPH09241575A JP4595996A JP4595996A JPH09241575A JP H09241575 A JPH09241575 A JP H09241575A JP 4595996 A JP4595996 A JP 4595996A JP 4595996 A JP4595996 A JP 4595996A JP H09241575 A JPH09241575 A JP H09241575A
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JP
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group
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meth
various
vinyl
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JP4595996A
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Noboru Ishikawa
昇 石川
Hiroo Tanaka
博夫 田中
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期保存安定性を損なわずに、しかも、高湿
度下において、塗装し乾燥して、塗膜を形成せしめる際
の、とりわけ、塗膜の白化を防止することが出来るとい
う、極めて実用性の高い塗料用樹脂組成物を提供するに
ある。 【解決手段】 それぞれ、一分子中に少なくとも2個の
シロキシ基を有するビニル系重合体と、該重合体より生
成する水酸基と反応性を有する硬化剤と、シロキシ基の
解離触媒と、大気圧下での沸点として、特定の範囲内に
あり、しかも、25℃で、その100重量部に対して、
1.0重量部以上を溶解することが出来るという、特定
の有機溶剤との、いわゆる共同作用を通して、叙上のよ
うな諸特性・諸性能を最大限に発現せしめているという
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る塗料用樹脂組成物に関する。さらに詳細には、本発明
は、一分子中に少なくとも2個のシロキシ基を有するビ
ニル系重合体に、該重合体より生成する水酸基と反応性
を有する硬化剤と、シロキシ基の解離促進触媒と、特定
の有機溶剤とを配合せしめることから成る、とりわけ、
保存安定性ならびに硬化性などに優れる塗料用樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、自動車補修、プラスチッ
クあるいは建材用などの用途にあっては、アクリル樹脂
と、メラミン樹脂との組み合わせになる塗料系や、アク
リル樹脂と、ポリイソシアネート化合物との組み合わせ
になる塗料系などが用いられている。
【0003】しかしながら、前者においては、一液型と
いう優れた点を有しているとは言うものの、硬化時の熱
収縮に起因して、必ずしも、塗膜外観が優れているとは
言い難く、しかも、メラミン樹脂の耐酸性の不良から、
曝露時における酸性雨によって、塗膜が劣化するなどの
問題も残されている。
【0004】また、後者は、二液型であるという処から
も、計量の煩わしさや、ポットライフの問題などがあっ
て、とかく、作業性に問題がある。それがために、その
イソシアネート基を、適当なるブロック剤で以て、ブロ
ックせしめた形のポリイソシアネート化合物を使用し
て、一液型と為す方法もあるにはあるけれども、現在の
ところ、ブロック剤の解離温度が高くて、プラスチック
などのような、いわゆる耐熱温度の低い素材への塗装に
は適さない、ということである。
【0005】これらの諸問題点を解決するべく、特開昭
62ー283163号公報には、水酸基をブッロクした
形のシロキシ基を有する共重合体を用いるというような
組成物についての技術が開示されている。本技術に係る
組成物は、低温硬化が可能であって、しかも、既存のポ
リオール使用系に比して、著しく、作業性の改良が出来
るというものである。しかしながら、高湿度条件下で以
て、塗装し、乾燥する場合には、塗膜が白化するという
問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
ような従来型技術に従う限りは、どうしても、長期保存
安定性を損なわずに、高湿度下においても、塗装し乾燥
し得るというような、極めて実用性の高い塗料用樹脂組
成物を提供することは、頗る、困難であった。
【0007】しかるに、本発明者らは、上述したような
従来型技術における種々の問題点ないしは欠点の存在に
鑑み、長期保存安定性を損なわずに、高湿度下において
も、塗装し乾燥し得るというような、極めて実用性の高
い塗料用樹脂組成物を求めて、鋭意、研究を開始した。
【0008】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、長期の保存安定性にも優れるし、
はたまた、高湿度条件下で以て、塗装し乾燥することに
よっても、白化するということがなく、しかも、得られ
る塗膜は、とりわけ、耐酸性ならびに耐溶剤性などのよ
うな塗膜諸性能に優れるという、極めて実用性の高い塗
料用樹脂組成物を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述したような発明が解決しようとする課題に照準を合
わせて、鋭意、検討を重ねた結果、一分子中に少なくと
も2個のシロキシ基を有するビニル系重合体に、それぞ
れ、該重合体より生成する水酸基と反応性を有する硬化
剤と、シロキシ基の解離促進触媒と、さらに、特定の有
機溶剤とを配合せしめるということによって、はじめ
て、長期の保存安定性にも優れるし、しかも、高湿度条
件下で、塗装し乾燥をするというような場合において
も、塗膜が白化することのない、極めて実用性の高い塗
料用樹脂組成物が得られることを見出すに及んで、ここ
に、本発明を完成させるに到った。
【0010】すなわち、本発明は、基本的には、一分子
中に、少なくとも2個のシロキシ基を有するビニル系重
合体(A)に、それぞれ、該重合体(A)より生成する
水酸基と反応性を有する硬化剤(B)と、上記したシロ
キシ基用の解離促進触媒(C)と、さらに、上記ビニル
系重合体(A)の100重量部に対し、約5〜約40重
量部なる範囲内の有機溶剤(D)とを配合せしめるとい
うことから成り、
【0011】加えて、該有機溶剤が、その100重量部
当たり、1.0重量部以上の水を溶解することの出来る
ものであり、しかも、25℃において、かつ、大気圧下
における、該有機溶剤の沸点が160〜260℃なる範
囲内にあるということから成る形の組成物が、高湿度条
件下で以て、塗装し乾燥するというような場合において
も、塗膜が白化することがなく、しかも、長期の保存安
定性にも優れるという塗料用樹脂組成物を提供しようと
するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、主として、一分子中に
少なくとも2個のシロキシ基を有するビニル系重合体
(A)に、該重合体(A)より生成する水酸基と反応性
を有する硬化剤(B)と、シロキシ基の解離促進触媒
(C)と、さらに、上記ビニル系重合体(A)の100
重量部に対し、約5〜約40重量部なる範囲内の有機溶
剤(D)とを配合せしめるということから成り、加え
て、該有機溶剤が、その100重量部当たり、1.0重
量部以上の水を溶解することの出来るものであり、しか
も、25℃において、かつ、大気圧下における、該有機
溶剤の沸点が160〜260℃なる範囲内にあるという
ことから成る、塗料用樹脂組成物を請求している。
【0013】本発明は亦、特に、上記したビニル系重合
体(A)として、加水分解によって水酸基を生成するシ
ロキシ基と、炭素原子に結合した加水分解性シリル基と
を併せ有する重合体を用いるという、特定の塗料用樹脂
組成物をも請求しているし、
【0014】さらには、上記した、水酸基と反応性を有
する硬化剤(B)として、ポリイソシアネート化合物、
カルボン酸無水基含有化合物およびエポキシ化合物より
なる群から選ばれる、少なくとも1種の化合物を用いる
という、特定の塗料用樹脂組成物をも請求している。
【0015】《構成》
【0016】以下、本発明を、より詳細に説明すること
にする。
【0017】まず、本発明における、一分子中に少なく
とも2個のシロキシ基を有するビニル系重合体(A)と
は、次に掲げるような一般式[I]で以て示されるシロ
キシ基を、一分子中に少なくとも2個有し、しかも、該
シロキシ基が炭素原子に結合した構造を有する化合物を
指称するものである。
【0018】
【化1】
【0019】[ただし、式中のR1 は炭素数が1〜18
なるアルキル基を、あるいはフェニル基、アリール基ま
たはアラルキル基を表わすものとし、また、R2 および
3は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよ
い、水素原子またはハロゲン原子を、あるいはアルキル
基、シクロアルキル基、アルコキシル基、シクロアルコ
キシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルカノイル
オキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ニトリ
ル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる、少な
くとも1種の原子団で以て置換されていても置換されて
いなくてもよい、炭素数が1〜18なるアルキル基、ア
リール基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルカノ
イル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、シクロア
ルコキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカノイルオ
キシ基を表わすものとする。]
【0020】かかるシロキシ基として特に代表的なるも
ののみを例示するにとどめれば、トリメチルシロキシ
基、トリエチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、
ジメチルエトキシシロキシ基またはトリエトキシシロキ
シ基などであるが、就中、トリアルキルシロキシ基また
はトリアルコキシシロキシ基が、好ましい構造のもので
あると言える。
【0021】当該ビニル系重合体(A)を得るには、た
とえば、 前掲したようなシロキシ基を有するビニル
系単量体(a−1)を、単独で以て重合せしめるか、ま
たは該シロキシ基含有ビニル系単量体(a−1)と、該
単量体と共重合可能なるその他の単量体類(a−2)と
を共重合せしめるとか、あるいは 予め調製しておい
た水酸基含有ビニル系重合体類に、クロロシランなどの
ような、いわゆるシリル化剤と反応せしめるとか、さら
には、アルコキシシラン類と水酸基とのアルコール交換
反応などのような方法によればよく、このようにして、
当該シロキシ基含有ビニル系重合体(A)を調製するこ
とが出来るが、調製のし易さなどからも、の方法によ
るのが望ましい。
【0022】上記したなる方法によって、当該ビニル
系重合体(A)を調製する際に使用される、シロキシ基
含有ビニル系単量体(a−1)として特に代表的なるも
ののみを例示するにとどめれば、2−トリメチルシロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、4−トリメチルシロ
キシブチル(メタ)アクリレート、2−トリエチルシロ
キシエチル(メタ)アクリレート、3−トリブチルシロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシ
ロキシエチルビニルエーテル、4−トリメチルシロキシ
ブチルビニルエーテルまたは2−トリメチルシロキシエ
チル−アリルエーテルなどである。
【0023】かかるシロキシ基含有単量体(a−1)
は、単独使用でも、該単量体(a−1)の2種以上の併
用でもよいことは、勿論である。
【0024】当該ビニル系重合体(A)中には、本発明
を、さらに効果あらしめるために、すなわち、得られる
塗膜の、とりわけ、耐酸性、塗膜外観、硬度および耐候
性などの塗膜諸性能を優れた塗膜を形成せしめるため
に、炭素原子に結合した加水分解性シリル基(以下、加
水分解性シリル基とも略称する。)を併存させるという
ことが望ましい。
【0025】ここにおいて、当該重合体(A)中にシロ
キシ基と併存させるべき、上記した加水分解性シリル基
とは、次に掲げるような一般式[II]で以て示される
化合物を指称するものである。
【0026】
【化2】
【0027】[ただし、式中のR4 は、水素原子を、さ
らには、アルキル基、アリール基およびアラルキル基よ
りなる群から選択される、少なくとも1種の1価の有機
基とを表わすものとし、R5 はハロゲン原子あるいは
(置換)アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、
メルカプト基、アミノ基、イミノオキシ基またはアルケ
ニルオキシ基を表わすものとし、また、aは0あるいは
1または2なる整数であるものとする。]
【0028】かかる加水分解性シリル基として特に代表
的なるもののみを例示するにとどめれば、ハロシリル
基、アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、フェノ
キシシリル基、メルカプトシリル基、アミノシリル基、
イミノオキシシリル基、またはアルケニルオキシシリル
基などであるが、就中、硬化時に好ましからざる揮発分
を生じないという面で以て、アルコキシシリル基が、特
に望ましい構造のものであると言える。
【0029】当該ビニル系重合体(A)中に、此の加水
分解性シリル基を含有せしめるというためには、当該重
合体(A)を調製する際に使用される、単量体(a−
2)の一部ないしは全部に、上掲したような加水分解性
シリル基を有するという形のビニル系単量体、つまり、
加水分解性シリル基含有ビニル系単量体を用いるという
ようにすればよい。
【0030】かかる加水分解性シリル基含有ビニル系単
量体として特に代表的なるもののみを例示するにとどめ
れば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリク
ロロシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
ジクロロシラン、アリルメチルジクロロシランなどをは
じめ、
【0031】3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、アリルトリ
メトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン
【0032】またはビス(ジメチルアミノ)メチルビニ
ルシランなどであるが、本発明は、決して、これらの例
示例の化合物のみに限定されるというようなものではな
いし、これらの該加水分解性シリル基含有ビニル系単量
体は、単独使用でも、2種以上の併用でもよいことは、
勿論である。
【0033】上掲したような該加水分解性シリル基含有
ビニル系単量体以外の、シロキシ基含有ビニル系単量体
と共重合可能なる其の他の単量体類(a−2)として特
に代表的なもののみを挙げれるにとどめれば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロル
スチレン、の如き芳香族ビニル単量体類;
【0034】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソ(i−ないしはiso−)プロピル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブ
チル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、トリブロ
モフェニル(メタ)アクリレートまたはアルコキシアル
キル(メタ)アクリレートの如き、各種の(メタ)アク
リレート類;
【0035】マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸
の如き、各種の不飽和ジカルボン酸と、1価アルコール
類とのジエステル類;酢酸ビニル、安息香酸ビニルまた
は「ベオバ」(オランダ国シエル社製の、分岐状脂肪族
モノカルボン酸のビニルエステルの商品名)の如き、各
種のビニルエステル類;「ビスコート BF、BFM、
3Fもしくは3FM」[大阪有機化学(株)製の、含フ
ッ素系アクリルモノマーの商品名]、パーフルオロシク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、ジパーフルオロシク
ロヘキシルフマレートまたはN−i−プロピルパーフル
オロオクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレー
トの如き、各種の(パー)フルオロアルキル基含有の、
それぞれ、−ビニルエステル類、−ビニルエーテル類、
−(メタ)アクリレート類ないしは−不飽和カルボン酸
エステル類などのような、種々の含フッ素化合物;
【0036】2,3−カーボネートプロピル(メタ)ア
クリレート、2−メチル−2,3−カーボネートプロピ
ル(メタ)アクリレート、4−メチル−3,4−カーボ
ネートブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3,
4−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、5−エ
チル−5,6−カーボネートヘキシル(メタ)アクリレ
ートの如き、各種のシクロカーボネート基含有ビニル単
量体;
【0037】あるいは(メタ)アクリルアミドまたは
(メタ)アクリロニトリルの如き、各種の窒素原子含有
化合物;あるいは亦、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フ
ッ化ビニルもしくはフッ化ビニリデンの如き、各種のハ
ロンゲン化オレフィン類などである。
【0038】さらに、分子中に、それぞれ、エポキシ
基、カルボキシル基または水酸基を有するというような
単量体も亦、本発明に係る塗料用樹脂組成物の、とりわ
け、保存安定性などを損なわないというような範囲内で
使用することも出来る。
【0039】上記したエポキシ基含有単量体として特に
代表的なもののみを挙げれるにとどめれば、グリシジル
(メタ)アクリリレート、βーメチルグリシジル(メ
タ)アクリレートもしくは(メタ)アリルグリシジルエ
ーテルなどであるし、
【0040】上記したカルボキシル基含有単量体として
特に代表的なもののみを挙げれるにとどめれば、無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸もしくはシトラコン酸
の如き、各種の不飽和ジカルボン酸;または(メタ)ア
クリル酸の如き、各種の不飽和モノカルボン酸類などで
ある。
【0041】また、上記した水酸基含有単量体として特
に代表的なもののみを挙げれるにとどめれば、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレートまたはモノ−
2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレートなどであ
る。
【0042】さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレートまたは4−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、あるいは3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2
−ヒドロキシエチルフマレートまたはモノ−2−ヒドロ
キシエチル−モノブチルフマレートなどに、エチレノキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドま
たはε−カプロラクトンなどを、通常、1〜6モルなる
範囲内で以て、付加反応せしめた形の、長鎖水酸基含有
単量体なども亦、包含される。
【0043】さらに亦、前記した、シロキシ基含有ビニ
ル系単量体と共重合可能なる其の他の単量体(a−2)
は、前掲したような種々の単量体の中から、適宜、選択
して使用するというようにすればよい。
【0044】以上に掲げられたような、各種のビニル系
単量体類を重合せしめるということによって、当該ビニ
ル系重合体(A)を調製するには、公知慣用の種々の方
法を適用することが出来るが、就中、ラジカル重合開始
剤を用いての溶液重合法、つまり、溶液ラジカル重合法
による方法によるのが、最も簡便である。
【0045】当該ビニル系重合体(A)中に導入される
べきシロキシ基の量としては、とりわけ、硬化性などの
面からも、シロキシ基を有する繰り返し単位として、当
該重合体(A)の不揮発分を基準として、約1〜100
重量%なる範囲内が、好ましくは、3〜100重量%な
る範囲内が適切である。
【0046】また、当該ビニル系重合体(A)が、加水
分解によって、水酸基を生成した状態での当該重合体
(A)の数平均分子量としては、約1,000〜約5
0,000なる範囲内が適切であるし、また、当該重合
体(A)の、同上の状態での水酸基価としては、不揮発
分当たり、約20〜約200なる範囲内が適切である。
【0047】これらの範囲内に存在しないというような
ビニル系重合体にあっては、どうしても、とりわけ、硬
化性などに劣るようになったり、著しく、保存安定性な
どが低下するようになるので、いずれの場合も好ましく
ない。
【0048】次いで、前記した、水酸基と反応性を有す
る硬化剤(B)としては、一分子中に、少なくとも2個
の、水酸基と反応する基(水酸基反応性基)を有する化
合物が特に望ましく、こうした形の化合物であれば、い
ずれもが使用できるが、とりわけ、耐酸性や、取扱いの
容易さや、さらには、形成される塗膜の諸性能などの観
点からも、ポリイソシアネート化合物、カルボン酸無水
基含有化合物またはエポキシなどの使用が望ましい。
【0049】当該硬化剤(B)のうちにあって、まず、
上記したポリイソシアネート化合物として特に代表的な
るもののみを例示するにとどめれば、トリレンジイソシ
アネートもしくはジフェニルメタンジイソシアネートの
如き、各種の芳香族系ジイソシアネート;またはヘキサ
メチレンジイソシアネートもしくはトリメチルヘキサン
ジイソシアネートの如き、各種の脂肪族系ジイソシアネ
ート;
【0050】イソホロンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキサン−2,4(2,6)−ジイソシアネート、
4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)もしくは1,3−(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサンの如き、各種の脂環式系ジイソシアネート;
【0051】上掲したような各種のジイソシアネート類
と、エチレングリコール、トリメチロールエタンもしく
はトリメチロールプロパンをはじめとする、種々の多価
アルコール類や、ポリエチレングリコールもしくはポリ
プロピレングリコールの如き、各種のポリエーテルポリ
オールや、イソシアネート基と反応する官能基を有する
ポリカプロラクトンポリオールの如き、比較的低分子量
のポリエステル樹脂(油変性タイプをも含む。)や、ア
クリル系共重合体などとの付加物;
【0052】あるいは上掲したような各種のジイソシア
ネート類と水とを反応せしめて得られる、いわゆるビュ
レット構造を有するポリイソシアネート類;またはジイ
ソシアネート類を環化重合せしめて得られる、いわゆる
イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート類などであ
る。
【0053】当該硬化剤(B)のうちにあって、上記し
たカルボン酸無水基含有化合物として特に代表的なるも
ののみを、あるいはエポキシ化合物として特に代表的な
るもののみを例示するにとどめれば、ビニル系重合体、
ポリエステル系重合体、ポリエーテル系重合体またはエ
ポキシ樹脂などのような、種々の樹脂類をはじめ、さら
には、上記したような種々の重合体類ないしは樹脂類中
に、たとえば、カルボン酸無水基やエポキシ基など存在
するというような、種々の変性化合物などである。
【0054】当該硬化剤(B)のうち、上記したビニル
系重合体として特に代表的なもののみを例示するにとど
めれば、アクリル系−、ビニルエステル系−、芳香族ビ
ニル系−、ポリオレフィン系−、クロル化オレフィン系
−またはフルオロオレフィン系ビニル系重合体などであ
る。
【0055】かかる当該硬化剤(B)のうちのビニル系
重合体は、たとえば、カルボン酸無水基やエポキシ基を
有するビニル系単量体を単独重合せしめるか、あるいは
前掲したような単量体類(a−2)と共重合せしめるこ
とによって、簡便に、調製することが出来る。
【0056】ここにおいて、当該硬化剤(B)のうちの
此のビニル系重合体を調製する際に使用される、カルボ
ン酸無水基を有するビニル系単量体として特に代表的な
るもののみを例示するにとどめれば、無水マレイン酸、
無水イタコン酸または無水メタクリル酸の如き、各種の
カルボン酸無水基含有不飽和単量体などであるし、
【0057】他方のエポキシ基を有するビニル系単量体
(エポキシ基含有ビニル系単量体)として特に代表的な
るもののみを例示するにとどめれば、グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4
−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートまたは
ビニルグリシジルエーテルの如き、各種のエポキシ基含
有不飽和単量体などであるが、勿論、本発明は、特に、
これらの例示例の化合物のみに限定されるというような
ものでは、決してない。
【0058】当該硬化剤(B)のうちの、カルボン酸無
水基を有する化合物であって、ビニル系重合体以外のも
のとして特に代表的なるもののみを例示するにとどめれ
ば、無水グリセロールトリス(トリメリテート)または
無水エチレングリコールジ(トリメリテート)などで以
て代表されるような、種々の多価カルボン酸無水物など
である。
【0059】さらに、当該硬化剤(B)のうちの、エポ
キシ基を有する化合物であって、ビニル系重合体以外の
ものとして特に代表的なるもののみを例示するにとどめ
れば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテルもしくはグリセリ
ントリグリシジルエーテルの如き、各種の多価アルコー
ルの種々のポリグリシジルエーテル類;
【0060】フタル酸のジグリシジルエステル、イソフ
タル酸のジグリシジルエステルもしくはアジピン酸のジ
グリシジルエステルの如き、各種の多価カルボン酸の種
々のポリグリシジルエステル類;またはビスフェノール
AないしはビスフェノールFのグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂またはヒダント
イン環含有エポキシ樹脂;
【0061】「エポリード GTシリーズ」[ダイセル
化学工業(株)製品]などで以て代表されるような、一
分子中に少なくとも2個の脂環式オキシラン基を有する
脂環式エポキシ樹脂;あるいはp−オキシ安息香酸のグ
リシジルエステルエーテルの如き、各種のエポキシ樹脂
などで以て代表されるような、いわゆるポリエポキシ化
合物などである。
【0062】さらに、本発明に係る塗料用樹脂組成物の
一必須構成成分としての、前記した解離促進触媒(C)
とは、シロキシ基が、水分との反応によって加水分解さ
れて、水酸基を再生するというのを促進する作用を有す
る化合物を指称するものである。そうした作用を有する
形の化合物として特に代表的なもののみを挙げるにとど
めれば、燐酸類、燐酸エステル類、亜燐酸エステル類ま
たは不飽和基含有燐酸エステル類をはじめ、
【0063】p−トルエンスルフォン酸またはそのアミ
ン塩;安息香酸、トリクロル酢酸、ナフタリンジスルフ
ォン酸またはそれらのアミン塩などのような、各種の酸
性触媒類;
【0064】テトラメチルアンモニウムフロライド、テ
トラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアン
モニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ハイドロキサイド、2−ヒドロキシピリジン、トリメチ
ルアンモニウムメトキサイド、フェニルトリメチルアン
モニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウム
ブロマイド、フェニルトリメチルアンモニウムハイドロ
キサイド、フェニルトリメチルアンモニウムヨ−ダイ
ド、フェニルトリメチルアンモニウムブロマイドまたは
ホスフォコリンクロライドナトリウム塩をはじめ、
【0065】ステアリルアンモニウムブロマイド、テト
ラ−n−ブチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラ
−n−ブチルアンモニウムフォスフェ−ト、テトラ−n
−ドデシルアンモニウムトリクロライド、テトラエチル
アンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニ
ウムテトラフルオロボレ−ト、アセチルコリンブロマイ
ド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、ベンジルコリンブロマイド、ベンジル−n−ブチル
アンモニウムブロマイド、ベタイン、ブチリルクロライ
ド、ビス(テトラ−n−ブチルアンモニウム)ジクロメ
−トもしくはトリメチルビニルアンモニウムブロマイド
の如き、各種の4級アンモニウム塩類;
【0066】アリルトリフェニルホスフォニウムクロラ
イド、n−アミルトリフェニルホスフォニウムブロマイ
ド、ベンジルトリフェニルホスフォニウムクロライド、
ブロモメチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド、
2−ジメチルアミノエチルトリフェニルホスフォニウム
ブロマイド、エトキシカルボニルホスフォニウムブラマ
イド、n−ヘプチルトリフェニルホスフォニウムブロマ
イド、メチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド、
テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスフォニウムサルフ
ェートもしくはテトラフェニルホスフォニウムブロマイ
ドの如き、各種のホスフォニウム塩類;
【0067】アルキルチタン酸塩、オクチル酸塩、ジブ
チル錫ジラウレートまたはオクチル酸鉛の如き各種のカ
ルボン酸の金属塩類;モノブチル錫サルファイドまたは
ジオクチル錫メルカプタイドの如き各種のスルファイド
型ないしはメルカプチド型有機化合物類;水酸化リチウ
ムまたは水酸化カリウムの如き各種のアルカリ性触媒;
【0068】エチレンジアミン、N−β−アミノエチル
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ブチルアミ
ン、ジブチルアミン、tert−ブチルアミン、ヘキシ
ルアミン、2−エチルヘキシルアミン、トリエチルアミ
ン、ジエタノールアミンもしくはトリエタノールアミン
の如き、各種のアミン類;
【0069】1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7もしくは1,4−ジアザビシクロ(2,
2,2)オクタンの如き、各種の塩基性触媒類;または
炭酸カルシウムの如き、各種の炭酸塩類などであり、こ
れらの当該触媒の添加量としては、前述したビニル系重
合体(A)の固形分重量を基準として、約0.001〜
約10%なる範囲内が、好ましくは、0.005〜6%
の範囲内が適切である。
【0070】次いで、本発明に係る塗料用樹脂組成物を
得るに当たって、大気圧下における沸点が160〜26
0℃なる範囲内であって、しかも、25℃において、有
機溶剤の100重量部当たり、1.0重量部以上の水を
溶解することの出来る該有機溶剤(D)として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、
【0071】シクロヘキサノール、2メチルヘキサノー
ル、ベンジルアルコール、3−メトキシブタノール、メ
トキシジメチルペンタノール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテルまたはダイアセトンアルコールの如
き、各種のアルコール類;
【0072】イソホロンおよびアセトフェノンの如き、
各種のケトン類;ブトキシエチルアセテート、エチル−
3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセ
テート、メトキシジエチレングリコールアセテート、エ
トキシジエチレングリコールアセテートまたはブトキシ
ジエチレングリコールアセテートの如き、各種のエーテ
ル・エステル類;あるいは2−ピロリドン、N−メチル
ピロリドンまたはε−カプロラクタムなどであるが、こ
れらの当該有機溶剤(D)は、単独使用でも、2種以上
の併用でもよいことは、勿論である。
【0073】本発明において、当該有機溶剤(D)とし
ては、大気圧下における沸点が160〜260℃なる範
囲内にあるというようなのものを使用すべきであり、し
たがって、こうした沸点が160℃未満であるというよ
うな場合には、どしても、高湿度条件下で以て、塗装し
乾燥するという際に、塗膜が白化することを防止する効
果が、著しく減少して来るようになるし、一方、260
℃を超えて余りにも高くなるというような場合には、ど
うしても、塗膜中に、此の溶剤が残留し易くなり、ひい
ては、塗膜硬度の低下をもたらすというようになり易い
ので、いずれの場合も好ましくない。
【0074】さらに、当該有機溶剤(D)は、25℃に
おいて、当該有機溶剤の100重量部当たり、水を1.
0重量部以上、溶解可能なるものであるが、1.0重量
部未満というように、溶解不可能なものであるという場
合には、どうしても、高湿度条件下で以て、塗装をし乾
燥をする場合に、塗膜が白化することを防止するという
ような効果が不十分となるので、好ましくない。
【0075】また、当該有機溶剤(D)の配合量として
は、前述したビニル系重合体(A)の100重量部に対
して、約5〜約40重量部なる範囲内が、好ましくは、
5〜30重量部なる範囲内が適切であり、このような範
囲よりも少ないと、どうしても、高湿度条件下で以て塗
装し、乾燥する場合に、塗膜が白化することを防止する
効果が不十分となるし、一方、約49重量部を超えて余
りにも、水の溶解可能性が大きくなるというような場合
には、どうしても、塗膜中に、溶剤が残留して来るよう
になり、ひいては、塗膜硬度を低下させたりするという
ようになり易いので、いずれの場合も好ましくない。
【0076】本発明に係る塗料用樹脂組成物には、当該
組成物の安定性を、さらに一層、向上化せしめるという
ために、いわゆる水結合剤(水分補足剤)を添加せしめ
ることも出来る。
【0077】かかる水結合剤として使用できるもののう
ちでも、特に代表的なるもののみを例示するにとどめれ
ば、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチルもし
くはオルト蟻酸トリブチルの如き、各種のオルト蟻酸ト
リアルキル類;オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリ
エチルもしくはオルト酢酸トリブチルの如き、各種のオ
ルト酢酸トリアルキル類;オルトほう酸トリメチル、オ
ルトほう酸トリエチルもしくはオルトほう酸トリブチル
の如き、各種のオルトほう酸トリアルキル類;
【0078】テトラメチルシリケート、テトラエチルシ
リケート、テトラブチルシリケート、テトラ(2−メト
キシエチル)シリケートもしくはテトラ(2−クロロエ
チル)シリケートの如き、各種のテトラ(置換)アルキ
ルシリケート類単体;テトラフェニルシリケートもしく
はテトラベンジルシリケートの如き、上記テトラ(置
換)アルキルシリケート類の、各種の同効物質(以下、
同効単体と略称する。);あるいはテトラエチルシリケ
ートのダイマー、トリマー、テトラマーないしはヘキサ
マー、または「エチルシリケート 40」(アメリカ国
コルコート社製の、テトラエチルシリケートの、テトラ
マー、ペンタマーないしはヘキサマーの混合物の商品
名)の如き、各種の、上掲したようなテトラ(置換)ア
ルキルシリケート類単体や、該シリケート類の同効単体
の縮合物などのような、種々の加水分解性エステル化合
物類;
【0079】さらには、フェニルイソシアネート、p−
クロロフェニルイソシアネート、ベンゼンスルフォニル
イソシアネート、p−トルエンスフォニルイソシアネー
トまたはイソシアネートエチルメタクリレートの如き、
各種のイソシアネート基含有化合物類;あるいは3−エ
チル−2−メチル−2,2−ジメチル−1,3−オキサ
ゾリジン、3−エチル−2−メチル−2−(3−メチル
ブチル)−1,3−オキサゾリジン、4−メチル−3−
エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,
3−オキサゾリジンの如き、各種のオキザゾリジン化合
物などである。
【0080】上掲したような、種々の水結合剤を添加す
る場合における、当該水結合剤の使用量としては、本発
明組成物中の樹脂固形分の合計量に対して、0.1〜2
0重量%なる程度、好ましくは、0.5〜10重量%な
る程度でよい。
【0081】かくして得られる、本発明に係る塗料用樹
脂組成物は、そのまま、クリヤー塗料としても使用する
ことが出来るし、あるいは通常の着色ベース塗料と組み
合わせた形で以て、いわゆる2コート1ベーク塗装のク
リヤー塗料としても使用することが出来る。
【0082】さらに、メタリック粉末および/または着
色顔料を配合した形で以て、いわゆる着色塗料と為すと
いうことも亦、可能である。その際に用いられる、上記
したメタリック粉末として特に代表的なるもののみを例
示するにとどめれば、アルミニウム粉末、銅粉末または
雲母粉末などをはじめ、さらには、酸化チタンをコーイ
ングした形の雲母粉末、あるいは雲母状酸化鉄などであ
るし、また、上記した着色顔料として特に代表的なるも
ののみを例示するにとどめれば、酸化チタン、弁柄、オ
キサイドイエローなどのような、いわゆる無機系のもの
や、フタロシアニン系、キナクリドン系、アゾ系などの
ような、いわゆる有機系のものなどである。
【0083】また、本発明の塗料用樹脂組成物には、さ
らに必要に応じて、たとえば、ニトロセルロース、セル
ロースアセテートブチレートの如き、各種の繊維素系樹
脂;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ケトン樹脂ま
たは石油樹脂などをはじめ、さらには、前述したビニル
系重合体(A)および硬化剤(B)以外の、それぞれ、
アクリル系重合体、オイルフリーアルキド樹脂、アルキ
ド樹脂またはエポキシ樹脂などをも配合することが出来
る。
【0084】本発明の塗料用樹脂組成物には、上掲した
ような、いわゆる樹脂成分のほかにも、さらに必要に応
じて、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、光安
定剤または紫外線吸収剤などのような、公知慣用の種々
の添加剤類をも配合せしめることが可能である。
【0085】本発明に係る塗料用樹脂組成物は、とりわ
け、スプレー塗装や静電塗装などが好適なるものであ
り、塗布後の乾燥条件としては、常温乾燥または加熱乾
燥も可能であり、塗装設備ならびに乾燥設備としては、
それぞれの塗料の種類や特性などに応じて、適宜、決定
するというようにすればよい。
【0086】本発明に係る塗料用樹脂組成物は、主とし
て、たとえば、自動車のトップ・コートや、建築外装
用、建材用あるいは重防食用などとしての塗装用とし
て、極めて実用性の高いものである。
【0087】ここにおいて、被塗物基材として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、アルミニウム、
ステンレス・スチール、クロム・メッキ、トタン板また
はブリキ板などのような、鉄ないしは非鉄金属の諸素材
または諸製品などであるし、あるいは上掲したような、
公知慣用の種々の、木工用、建築用、建材用、ガラス用
または各種のプラスチックス製品用として用いられる、
種々の諸素材または諸製品などである。
【0088】
【実施例】次に、本発明を、参考例および実施例によ
り、一層、具体的に説明することにするが、本発明は、
決して、これらの例示例のみに限定されるものではな
い。なお、以下において、部および%は、特に断りの無
い限りは、すべて重量基準であるものとする。
【0089】参考例1〔ビニル系重合体(A)の調製
例〕 攪拌機および冷却器を備え付けた反応容器に、トルエン
の500部および酢酸n−ブチルの50部を入れ、器内
温度を110℃にまで昇温した。
【0090】次いで、スチレンの300部、トリメチル
シロキシエチルメタクリレートの280部、イソブチル
メタクリレートの270部、3−メタアクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシランの50部およびラウリル
メタクリレートの100部からなる単量体混合物と、ア
ゾビスイソブチロニトリルの50部および酢酸n−ブチ
ルの450部からなる混合物とを、5時間かけて適下
し、
【0091】さらに、同温度に、10時間のあいだ保持
させることによって、不揮発分が50%で、数平均分子
量が15,000で、かつ、シロキシ基より生成する水
酸基価が、不揮発分当たり、86であるというような目
的重合体の溶液を得た。以下、このビニル系重合体
(A)の溶液を、A−1と略記する。
【0092】参考例2(同上) 参考例1と同様の反応容器に、トルエンの500部およ
び酢酸n−ブチルの50部を入れ、器内温度を110℃
にまで昇温した。
【0093】次いで、スチレンの200部、トリメチル
シロキシエチルメタクリレートの230部、n−ブチル
メタクリレートの400部およびn−ブチルアクリレー
トの150部からなる単量体混合物と、アゾビスイソブ
チロニトリルの50部および酢酸n−ブチルの450部
からなる混合物とを、5時間を要して適下し、
【0094】さらに、同温度に、10時間のあいだ保持
させることによって、不揮発分が50%で、数平均分子
量が16,000で、かつ、シロキシ基より生成する水
酸基価が、不揮発分当たり、70であるというような、
目的重合体の溶液を得た。以下、このビニル系重合体
(A)の溶液を、A−2と略記する。
【0095】参考例3(同上) 参考例1と同様の反応容器に、キシレンの500部およ
び酢酸n−ブチルの50部を入れ、器内温度を110℃
にまで昇温した。
【0096】次いで、スチレンの200部、「プラクセ
ル FM−1」[ダイセル(株)のβ−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートに、1モルのε−カプロラクトンを付
加反応せしめた形の化合物の商品名]と、トリメチルク
ロルシランとの反応物の290部、n−ブチルメタクリ
レートの300部、n−ブチルアクリレートの150部
およびアクリル酸の40部からなる単量体混合物と、ア
ゾビスイソブチロニトリルの50部および酢酸n−ブチ
ルの500部からなる混合物とを、5時間を要して適下
し、
【0097】さらに、同温度に10時間保持させること
によって、不揮発分が50%で、数平均分子量が14,
000で、かつ、シロキシ基より生成する水酸基価が、
不揮発分当たり、66であるというような、目的とする
重合体の溶液を得た。以下、このビニル系重合体(A)
の溶液を、A−3と略記する。
【0098】参考例4〔硬化剤(B)の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、トルエンの500部、酢
酸n−ブチル50部および無水マレイン酸の100部を
入れ、器内温度を110℃にまで昇温した。
【0099】次いで、スチレンの300部、n−ブチル
メタクリレートの300部およびn−ブチルアクリレー
トの300部からなる単量体混合物と、アゾビスイソブ
チロニトリルの50部、tert−ブチルパーオクトエ
イト(tert−ブチルパーオクテート)の50部およ
び酢酸n−ブチルの450部からなる混合物とを、5時
間かけて適下し、
【0100】さらに、同温度に、10時間のあいだ保持
させることによって、不揮発分が50%で、かつ、数平
均分子量が5,000なる目的重合体の溶液を得た。以
下、この重合体溶液を、硬化剤(B−1)と略記する。
【0101】実施例1〜4(クリヤー塗料の調製例) 参考例1〜4で得られた、(A−1)〜(A−3)な
る、それぞれのビニル系重合体硬化剤(B−1)と、市
販のポリイソシアネート化合物と、エポキシ化合物など
とを用いて、第1表に示すような配合比率に従って配合
し、次いで、希釈溶剤〔(キシレン/トルエン/酢酸n
−ブチル/メチルエチルケトン=30/30/20/2
0(重量部比)〕で以て、スプレー粘度にまで希釈せし
めることによって、目的とするクリヤー塗料を作製し
た。
【0102】比較例1(対照用クリヤー塗料の調製例) N−メチルピロリドンの配合を、一切、欠如するという
ように変更した以外は、実施例2と同様にして、対照用
クリヤー塗料を作製した。
【0103】比較例2(同上) ビニル系重合体A−1に替えるに、「アクリディック
A−800」[大日本インキ化学工業(株)製の、水酸
基含有アクリル樹脂の商品名;不揮発分=50%、不揮
発分当たりの水酸基価=100〕の86部を使用すると
いうように変更した以外は、実施例2と同様にして、対
照用クリヤー塗料を作製した。
【0104】応用例1〜4ならびに比較応用例1 各実施例ならびに各比較例で得られた、それぞれのクリ
ヤー塗料を、相対湿度が90%に調整された雰囲気下に
おいて、燐酸亜鉛処理鋼板上に、乾燥膜厚が80マイク
ロ・メーター(μm)となるように、スプレー塗装せし
め、90℃において、30分間のあいだ加熱乾燥せしめ
るということによって、各種の硬化塗膜を得た。
【0105】それぞれの塗料ならびに塗膜について、諸
性能の評価判定試験を行なった。それらの結果は、まと
めて、第1表に併せて示す。その際の、塗膜の諸性能の
評価判定は、上記した通りの、90℃において、30分
間という強制乾燥を行なったのち、相対湿度が90%に
調整された雰囲気下で、室温に、3日間のあいだ放置し
てから行なったものである。
【0106】試験方法および評価方法
【0107】第1表に示す、それぞれの塗膜についての
性能の評価判定は、次に示すような要領に従って行なっ
た。
【0108】光沢………………塗面の、主として、平滑
性ならびに鮮映性などを、目視により、総合的に調べ
て、次のような基準で以て表示する。
【0109】 ○…非常に優れている △…やや劣る ×…著しく劣る
【0110】白化………………塗膜の白化の状態を、目
視により、総合的に調べて、次のような基準で表示す
る。
【0111】 ○…白化が認められない △…やや白化が認められる ×…著しい白化が認められる
【0112】耐酸性……………5%硫酸水溶液の0.2
ミリ・リットルの液滴を、塗面上に載せ、50℃なる雰
囲気下で、30分間のあいだ放置したのちの塗膜の劣化
状態を、目視により、評価判定して、次のような基準で
表示する。
【0113】 ○…劣化が認められない △…やや劣化が認められる ×…著しい劣化が認められる
【0114】耐溶剤性…………キシレン中に、室温で、
1時間のあいだ浸漬したのちの、塗膜の外観を、目視に
より、評価判定して、次のような基準で表示する。
【0115】 ○…全く、異状が認められない △…やや異状が認められる ×…著しく、異状が認められる
【0116】保存安定性………クリヤー塗料を、各別
に、50℃の雰囲気下に保存した際の、ゲル化までの日
数を以て表示する。
【0117】
【表1】
【0118】《第1表の脚注》 (註1) 「DN−990S」………「バーノック D
N−990S」[大日本インキ化学工業(株)製の、ポ
リイソシアネート化合物の商品名;イソシアネート含有
量=18.0%]
【0119】(註2) グリセリン・トリグリシジル・
エーテルの略記であり、此の化合物のエポキシ当量は1
45である。
【0120】(註3) テトラブチル・アンモニウム・
クロライドの略記
【0121】(註5) p−トルエン・スルフォニル・
イソシアネートの略記
【0122】(註6) スイス国チバ・ガイギー(株)
製の、紫外線吸収剤の商品名
【0123】(註7) 三共(株)製の、光安定剤の商
品名
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【0126】
【表4】
【0127】
【発明の効果】本発明に係る塗料用樹脂組成物は、長期
の保存安定性にも優れるし、併せて、とりわけ、耐酸性
ならびに耐溶剤性などにも優れるし、しかも、高湿度下
で以て、塗装をし乾燥をするというような場合において
も、塗膜が白化したりすることのない、極めて実用性の
高いものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【化2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一分子中に少なくとも2個のシロキシ基
    を有するビニル系重合体(A)に、該重合体(A)より
    生成する水酸基と反応性を有する硬化剤(B)と、シロ
    キシ基の解離促進触媒(C)と、さらに、上記ビニル系
    重合体(A)の100重量部に対し、約5〜約40重量
    部なる範囲内の有機溶剤(D)とを配合せしめることを
    特徴とし、加えて、該有機溶剤が、その100重量部当
    たり、1.0重量部以上の水を溶解することの出来るも
    のであり、しかも、25℃において、かつ、大気圧下に
    おける、該有機溶剤の沸点が160〜260℃なる範囲
    内にあることを特徴とする、塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記したビニル系重合体(A)が、加水
    分解により水酸基を生成するシロキシ基と、炭素原子に
    結合した加水分解性シリル基とを併せ有するものであ
    る、請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記した、水酸基と反応性を有する硬化
    剤(B)が、ポリイソシアネート化合物、カルボン酸無
    水基含有化合物およびエポキシ化合物よりなる群から選
    ばれる、少なくとも1種の化合物である、請求項1に記
    載の塗料用樹脂組成物。
JP4595996A 1996-03-04 1996-03-04 塗料用樹脂組成物 Pending JPH09241575A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006057297A1 (ja) * 2004-11-29 2008-06-05 Jsr株式会社 硬化性樹脂組成物及び反射防止膜
CN107304328A (zh) * 2016-08-19 2017-10-31 如皋长江科技产业有限公司 一种建筑涂料

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JPWO2006057297A1 (ja) * 2004-11-29 2008-06-05 Jsr株式会社 硬化性樹脂組成物及び反射防止膜
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