JP2003126769A - 熱硬化塗膜形成方法 - Google Patents

熱硬化塗膜形成方法

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JP2003126769A JP2001324386A JP2001324386A JP2003126769A JP 2003126769 A JP2003126769 A JP 2003126769A JP 2001324386 A JP2001324386 A JP 2001324386A JP 2001324386 A JP2001324386 A JP 2001324386A JP 2003126769 A JP2003126769 A JP 2003126769A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車、二輪車などへの塗装に際しタレを生
じにくく、且つ平滑な塗面を得られる熱硬化塗膜の形成
方法を提供すること。 【解決手段】 (A)エポキシ基及び/又はオキセタニ
ル基を有する化合物、(B)熱硬化性樹脂組成物、
(C)光酸発生剤、及び(D)有機溶剤を含有する塗料
組成物であって、化合物(A)と熱硬化性樹脂組成物
(B)の固形分重量比が(A)/(B)=0.5/9
9.5〜20/80であり、光酸発生剤(C)が化合物
(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
内にある塗料組成物を被塗物に塗装後、塗着塗液に光照
射して塗液を増粘させた後、加熱、硬化させることを特
徴とする熱硬化塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タレのない熱硬化
塗膜の形成方法に関するものであり、特に自動車、二輪
車、コンテナなどへのハイソリッド塗料系の熱硬化塗膜
の形成に適したものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、塗料のタレを防止
する方法として、塗料中に高分子量の樹脂、有機微粒
子、体質顔料などを混合して、塗装から焼き付け工程の
間に生じる塗料のタレを防止してきた。近年、地球環境
改善のため、有機溶剤の使用量の削減が要望されてきて
おり、塗料においても塗料組成物中の固形分含有量を上
げ、有機溶剤量を削減することが望まれている。固形分
含有量の高い塗料にタレ止め防止剤として上記のような
高分子量の樹脂、有機微粒子、体質顔料などを混合する
ことは、結果として塗料の粘度を上げることとなり、塗
装が困難になったり、塗装できても塗装面が凸凹になる
という問題点があった。
【0003】これらの問題を解決するため、塗料中に光
重合性単量体を含有させておき、スプレーガンから噴射
された塗料飛沫に光を照射して光重合性単量体を架橋さ
せることによりタレを防止する方法が提案されている
(特開平6−65523号公報参照)。しかしながらこ
の方法では、塗料飛沫に光を均一に照射することが難し
く、また、被塗物に塗着した塗液の粘度が大幅に上昇す
るため、流動性が低下し、平滑な塗面が得られにくいと
いう問題がある。
【0004】本発明の目的は、上記したこれらの問題点
を解決でき、自動車、二輪車などへの塗装に際しタレを
生じにくく、且つ平滑な塗面を得られる熱硬化塗膜の形
成方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を
有する化合物を含有した塗料組成物を被塗物に塗装後、
塗着塗液に光照射して該化合物を部分重合させて塗膜の
粘度を上げることにより、塗料のタレを防止できるだけ
でなく、凸凹のない平滑な塗膜を形成できることを見出
し本発明を完成するに至った。
【0006】かくして、本発明によると、(A)エポキ
シ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物、(B)
熱硬化性樹脂組成物、(C)光酸発生剤、及び(D)有
機溶剤を含有する塗料組成物であって、化合物(A)と
熱硬化性樹脂組成物(B)の固形分重量比が(A)/
(B)=0.5/99.5〜20/80であり、光酸発
生剤(C)が化合物(A)100重量部に対して0.1
〜10重量部の範囲内にある塗料組成物を被塗物に塗装
後、塗着塗液に光照射して塗液を増粘させた後、加熱、
硬化させることを特徴とする熱硬化塗膜形成方法が提供
される。
【0007】以下に、本発明方法について詳細に説明す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱硬化塗膜形成方法にお
いては、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する
化合物(A)、熱硬化性樹脂組成物(B)、光酸発生剤
(C)、及び有機溶剤(D)を含有する塗料組成物を使
用する。
【0009】エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有
する化合物(A) 本発明に使用する塗料組成物の原料である化合物(A)
は、エポキシ基又はオキセタニル基の少なくともどちら
か一方を有する化合物であり、光照射によって反応し、
塗液を増粘させることができるものである。従って化合
物(A)としては、1分子中にエポキシ基又はオキセタ
ニル基を1個以上有しているものであればよいが、少量
で効果的に増粘させるためには、1分子中にエポキシ基
とオキセタニル基の合計で平均2個以上を含有している
ことがより好ましい。
【0010】分子中にエポキシ基を有する化合物として
は、エポキシ当量70〜1,000、好ましくは80〜
800のものを好適に使用することができ、具体的に
は、例えば、ジシクロペンタジエンジオキサイド、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(2,
3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビス(3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、(3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシ
クロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル)アセタール、エチレングリコ
ールのビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテ
ル、エチレングリコールの3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボン酸ジエステル、(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)メチルアルコール、(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−エチル−
3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキシ
メチルオキセタン、エポリードGT300(ダイセル化
学工業社製、商品名、3官能脂環式エポキシ樹脂)、下
記式
【0011】
【化1】
【0012】で表される化合物などの脂環式エポキシ基
を含有するエポキシ化合物;例えば、エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリン
ジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル、スピログリコールジグリシジルエーテル、2,6
−ジグリシジルフェニルエーテル、ソルビトールポリグ
リシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ブタジエンジ
オキサイド、フタル酸ジグリシジルエステル、3−エチ
ル−3−グリシジルオキシメチルオキセタンなどの脂肪
族エポキシ基を含有するエポキシ化合物;例えば、ビニ
ルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド
などの脂環式エポキシ基及び脂肪族エポキシ基を含有す
るエポキシ化合物;上記エポキシ化合物のうち1分子中
に2個以上のエポキシ基を有する化合物に炭素原子数6
〜33を有する脂肪酸(例えば、ラウリン酸、オレイン
酸、アマニ油脂肪酸など)をエポキシ基の一部に反応さ
せてなる1分子中にエポキシ基と脂肪酸エステル基とを
有する脂肪酸変性エポキシ化合物、グリシジル(メタ)
アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジルエーテルなどの(メチル)グリシ
ジル基含有重合性不飽和モノマー;3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどの脂環式
エポキシ基含有重合性不飽和モノマーなどの単独重合体
または共重合体、上記モノマーとスチレン、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)ア
クリレート、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフル
フリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)
アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートとε−カプロラクトンとの付加物、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)
アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、アロニックスM110(東亞合成社
製)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミドブチルエーテル、アク
リロイルモルホリン、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N−ビニル−2−ピロリドンとの共重合体
などを挙げることができる。ここで(メタ)アクリレー
トは、アクリレート又はメタアクリレートを意味する。
【0013】オキセタニル基を有する化合物としては、
例えば、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、
3−エチル−3−エトキシメチルオキセタン、3−エチ
ル−3−ブトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−
ヘキシルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒ
ドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキ
シメチルオキセタン、3−エチル−3−アリルオキシメ
チルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロキシ
エチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−
(2´−ヒドロキシ−3´−フェノキシプロピル)オキ
シメチルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロ
キシ−3´−ブトキシプロピル)オキシメチルオキセタ
ン、3−エチル−3−(2´−ブトキシエチル)オキシ
メチルオキセタン、3−エチル−3−ベンジルオキシメ
チルオキセタン、3−エチル−3−(p−tert−ブチル
ベンジルオキシメチル)オキセタン、下記式
【0014】
【化2】
【0015】(上記式中、2個のRは炭素原子数1〜
6のアルキル基であり、同一又は異なっていてもよい。
は炭素原子数1〜6のアルキレン基、シクロアルキ
レン基、フェニレン基、キシリレン基、炭素原子数4〜
30のポリアルキレンオキシ基を表す)で示される化合
物、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキ
セタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチ
ルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−
エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチ
ル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシ
メチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイル
オキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロ
イルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−
(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタ
ンなどの単独重合体または共重合体、上記モノマーとス
チレンなどの上記に挙げたモノマーとの共重合体などを
挙げることができる。
【0016】エポキシ基含有(メタ)アクリレートとオ
キセタニル基含有(メタ)アクリレートとの共重合体も
挙げることができる。エポキシ基含有化合物、オキセタ
ニル基含有化合物は、1種で、又は2種以上を組合せて
使用することができる。
【0017】熱硬化性樹脂組成物(B) 熱硬化性樹脂組成物(B)は、加熱により硬化して塗膜
を形成できるものであり、例えば、水酸基含有アクリル
樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂などの水酸基含有樹
脂にアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物などの架橋
剤を組み合わせたもの、カルボキシル基含有アクリル樹
脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂などのカルボ
キシル基含有化合物にエポキシ基含有化合物を組み合わ
せたものなどを挙げることができる。
【0018】上記アクリル樹脂は重合性不飽和単量体の
共重合体であり、水酸基含有アクリル樹脂は上記重合性
不飽和単量体の一部に水酸基含有不飽和単量体を用いる
ことにより、また、カルボキシル基含有アクリル樹脂は
上記重合性不飽和単量体の一部にカルボキシル基含有不
飽和単量体を用いるか、上記水酸基含有アクリル樹脂の
水酸基にハーフエステル化反応によって多塩基酸無水物
を開環付加することにより合成することができる。該多
塩基酸無水物としては、無水フタル酸、無水マレイン
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、無水ヘット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸、無水コハク酸等を挙げることができる。
【0019】上記水酸基含有不飽和単量体としては、例
えば、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジ
オールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0020】カルボキシル基含有不飽和単量体として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることが
できる。
【0021】その他の重合性不飽和単量体としては、例
えば、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、テト
ラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロ
ラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノ
キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとε−カプ
ロラクトンとの付加物、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3
−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モ
ノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アロニック
スM110(東亞合成社製)、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ドブチルエーテル、アクリロイルモルホリン、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−
ピロリドンなどを挙げることができる。
【0022】ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価
アルコール成分とを常法の直接エステル化法又はエステ
ル交換法により合成したものを使用できる。
【0023】上記多塩基酸成分としては、例えば無水フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フ
マル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸など
から選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級
アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じ
て無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカル
ボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸
などが併用される。また、酸成分として、安息香酸、ク
ロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸を分
子量調整などの目的で併用することができ、ヤシ油脂肪
酸、脱水ひまし油脂肪酸等の油脂肪酸を使用することも
可能である。
【0024】上記多価アルコール成分としては、例えば
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘ
キサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価
アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセ
リン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコ
ールを併用することができる。これらの多価アルコール
は単独で、あるいは2種以上を混合して使用することが
できる。また上記酸成分、アルコール成分の一部をジメ
チロールプロピオン酸、オキシピバリン酸、パラオキシ
安息香酸など;これらの酸の低級アルキルエステル;ε
−カプロラクトンなどのラクトン類などのオキシ酸成分
に置き換えることもできる。
【0025】水酸基含有ポリエステル樹脂は、多塩基酸
と多価アルコールとを多価アルコールを過剰にして反応
させることにより、また、カルボキシル基含有ポリエス
テル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとを多塩基酸過
剰で反応させるか、上記水酸基含有ポリエステル樹脂の
水酸基にハーフエステル化反応によって多塩基酸無水物
を開環付加することにより合成される。ハーフエステル
化に使用する多塩基酸無水物は、前記アクリル樹脂の合
成に用いるものと同じ物が使用できる。
【0026】また、カルボキシル基含有化合物として上
記ポリエステル樹脂の原料として挙げた多塩基酸をその
まま使用することも可能である。
【0027】水酸基含有樹脂に組み合わせるアミノ樹脂
としては、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂な
どを用いることができ、中でも耐候性などの点からメラ
ミン樹脂が好適である。また、これらのアミノ樹脂に硬
化触媒を併用することもできる。
【0028】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ばヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシ
アネート類;水素添加キシリレンジイソシアネートもし
くはイソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイ
ソシアネート類;トリレンジイソシアネートもしくは
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳
香族ジイソシアネート類の如き有機ジイソシアネートそ
れ自体、またはこれらの各有機ジイソシアネートと多価
アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等と
の付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネー
ト同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレッ
ト体等が挙げられるが、これらのポリイソシアネート化
合物をブロック化剤でブロックしたものも用いることが
できる。ブロックイソシアネート化合物を用いる場合に
は解離触媒を併用することが好ましい。
【0029】カルボキシル基含有化合物と組み合わせる
エポキシ基含有化合物としては、1分子中にエポキシ基
を平均2個以上含有するものであれば特に制限はない
が、耐候性などの点からは、エポキシ基含有不飽和単量
体とその他の不飽和単量体とを共重合させてなるアクリ
ル樹脂が好適である。該エポキシ基含有不飽和単量体と
しては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、メチ
ルグリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、そ
の他の不飽和単量体としては、前記アクリル樹脂の説明
に用いた不飽和単量体を用いることができる。
【0030】エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有
する化合物(A)と熱硬化性樹脂組成物(B)との比率
は重量固形分比で(A)/(B)=0.5/99.5〜
20/80好ましくは2/98〜15/85の範囲内が
光硬化による増粘と最終塗膜の耐候性、硬度などの塗膜
性能のバランスの点から適している。
【0031】光酸発生剤(C) 光酸発生剤(C)は、光照射により酸を発生する光重合
開始剤である。 光酸発生剤(C)としては、例えば、
下記式(1)〜(15)で表される化合物などを挙げる
ことができる。
【0032】Ar・X (1) (式中、Arはアリール基、例えばフェニル基を表し、
はBF 、PF 、SbF(OH)
、SbF 、AsF 又は下記式
【0033】
【化3】
【0034】で表される基を示す) Ar・X (2) (式中、Ar及びXは上記と同じ意味を有する)
【0035】
【化4】
【0036】(式中、R は炭素原子数7〜15のア
ラルキル基又は炭素原子数3〜9のアルケニル基、R
は炭素原子数1〜7の炭化水素基又はヒドロキシフェ
ニル基、R は酸素原子又は硫黄原子を含有していて
もよい炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、Xは前
記と同じ意味を有する)
【0037】
【化5】
【0038】(式中、Y はPF 、SbF
(OH) 、SbF 又はAsF を表す)
【0039】
【化6】
【0040】(式中、Xは前記と同じ意味を有する)
【0041】
【化7】
【0042】(式中、Xは前記と同じ意味を有する)
【0043】
【化8】
【0044】
【化9】
【0045】(式中、R 及びR はそれぞれ独立
に炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜
12のアルコキシル基を表す)
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】(式中、Xは前記と同じ意味を有する)
【0049】
【化12】
【0050】(式中、R は炭素数1〜12のアルキ
ル基又は炭素数1〜12のアルコキシル基を表し、nは
0〜3の整数を表し、Xは前記と同じ意味を有する)
【0051】
【化13】
【0052】(式中、R 及びR はそれぞれ独立
に、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1
〜12のアルコキシル基を表す)
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】上記光酸発生剤の市販品としては、例え
ば、サイラキュアUVI−6970、同UVI−697
4、同UVI−6990、同UVI−6950(以上、
いずれも米国、ユニオン カーバイド社製)、アデカオ
プトマーSP−150、同SP−170(以上、いずれ
も旭電化社製)、CI−2855(日本曹達社製)、P
I−2074(ロージャー社製、ペンタフルオロフェニ
ルボレートトルイルクミルヨードニウム塩)、FC−5
09(3M社製)、BBI−102(みどり化学社製)
などを挙げることができる。
【0056】上記の光酸発生剤(C)は、単独で又は2
種以上を組合せて使用することができる。
【0057】上記の光酸発生剤(C)は、エポキシ基及
び/又はオキセタニル基を有する化合物(A)100重
量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.
3〜7重量部を添加して使用することが光硬化性の点か
ら好ましい。
【0058】有機溶剤(D) 有機溶剤(D)としては、上記のエポキシ基及び/又は
オキセタニル基を有する化合物(A)及び熱硬化性樹脂
組成物(B)と実質的に反応しない不活性有機溶剤であ
れば特に制限なしに使用できる。具体的には、例えば、
トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸ア
ミル、酢酸メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、
酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸カ
ルビトール等の酢酸エステル系溶剤;ジオキサン、エチ
レングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール
ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系
溶剤が挙げられる。これらのものは1種または2種以上
組み合わせて使用できる。
【0059】本発明の塗料中の有機溶剤含有量は塗料中
40重量%以下が望ましい。有機溶剤量が40重量%以
上、すなわち、固形分含有量として60重量%以下では
従来塗料の有機溶剤含有量と大きく変わらず、有機溶剤
の削減を目的とした地球環境改善にあまり効果がない。
【0060】本発明に使用する塗料組成物は、さらに通
常公知の、顔料、紫外線吸収剤、表面調整剤、アルコキ
シリル化合物、有機化合物などを必要に応じて添加する
ことができる。
【0061】本発明方法において、塗料組成物は、自動
車、二輪車、コンテナなどの被塗物上に、例えば、スプ
レー塗装法、カーテンコート法などの塗装方法で塗布す
ることができるが、中でもスプレー塗装法が好ましい。
また、上記塗料組成物を被塗物にスプレー塗装した直後
の塗着塗液粘度は塗膜平滑性の観点から1〜10Pa・
s、好ましくは2〜7Pa・sの範囲内が適している。
該塗着塗液の粘度は塗装直後、できれば塗装後10秒以
内に塗着塗液をかきとり、E型粘度計(東機産業 RE
80型 回転数:1RPM)で測定することにより得る
ことができる。
【0062】上記方法で塗装された被塗物上の塗液に光
を照射することにより、塗液は増粘し、セッティング時
及び/又は加熱乾燥時のタレを防止することができる
が、光照射後の塗液の粘度としては40〜100Pa・
s、好ましくは50〜80Pa・sの範囲内にあること
がタレ防止に効果が大きく適している。塗液の粘度の測
定は、上記塗装直後の塗着塗液の粘度の測定と同様にし
て行うことができる。
【0063】特にセッティング時にタレを生じ易いもの
については、塗装後できるだけ早い時間に光照射をする
ことが好ましいが、一般には加熱乾燥時にタレを生じる
ものが多く、その場合には、適宜時間を開けるか又は場
所を移動して光照射する方が、火災などに対する安全性
の点、塗料ミストによる照射装置の汚染の点などから適
している。光を照射する波長としては、通常、200〜
450nmの紫外線の範囲が適当であり、光重合開始剤
の種類に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜
選択して使用することができる。紫外線の照射源として
は、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンラン
プ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光な
どを挙げることができる。塗膜への紫外線照射条件は、
通常、線量が100〜2,000mJ/cm、好まし
くは500〜1,500mJ/cmとなる範囲が適し
ている。
【0064】光照射された被塗物は続いて加熱乾燥さ
れ、塗液中の樹脂が架橋して強靭な塗膜となる。加熱手
段は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風炉、
電気炉、赤外線誘導加熱などの乾燥設備を適用できる。
加熱温度は、通常、50〜200℃程度、好ましくは7
0〜150℃程度の範囲にあることが適している。加熱
時間は、特に制限されるものではないが、通常、15〜
45分の範囲が好適である。
【0065】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも
重量基準によるものとする。
【0066】エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有
する化合物の製造例 製造例1 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下
装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕
込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃に加温した
後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマ
ーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0067】 滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の
共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲル透過クロ
マトグラフ)測定による数平均分子量は3,000及び
エポキシ基は平均5個であった。
【0068】製造例2 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下
装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕
込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃に加温した
後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマ
ーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0069】 滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の
共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲル透過クロ
マトグラフ)測定による数平均分子量は3,000及び
オキセタニルキ基は平均5個であった。
【0070】製造例3 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下
装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕
込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃に加温した
後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマ
ーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0071】 滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の
共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲル透過クロ
マトグラフ)測定による数平均分子量は3,000、エ
ポキシ基は平均3個及びオキセタニル基は平均2個であ
った。
【0072】熱硬化性樹脂の製造 製造例4 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下
装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕
込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃に加温した
後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマ
ーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0073】 滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の
水酸基含有共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲ
ル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は3,
000及び水酸基価は108であった。
【0074】製造例5 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び水分
離器を備え付けた反応容器に、フタル酸296部、アジ
ピン酸292部、エチレングリコール186部及びネオ
ペンチルグリコール312部を入れ、160℃まで昇温
した。次いで、2時間かけて脱水しながら220℃に昇
温した後、反応容器中に少量のキシレンを入れ、縮合水
を共沸して、加えた酸が実質的に全て反応したのを確認
して冷却した後、キシレンを入れ固形分80%の水酸基
含有ポリエステル樹脂溶液を得た。樹脂のGPC(ゲル
透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は1,0
00及び水酸基価は112であった。
【0075】製造例6 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下
装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕
込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加温した
後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマ
ーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0076】 滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の
カルボキシル基含有共重合体溶液を得た。共重合体のG
PC(ゲル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子
量は3,000及び酸価は104であった。
【0077】製造例7 温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下
装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕
込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加温した
後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマ
ーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0078】 滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の
エポキシ基含有共重合体溶液を得た。共重合体のGPC
(ゲル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は
3,000及びエポキシ当量は530であった。
【0079】塗料の調製 調製例1 製造例1のエポキシ基含有共重合体溶液5.7部、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート2部、製造例
4の水酸基含有共重合体溶液100部及びサイメル23
5(三井サイテック社製、メチル/ブチル化メラミン樹
脂)23部を攪拌混合後、CI−2855(日本曹達社
製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した後、さら
に紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400(チバス
ペシャルティケミカルズ社製)を0.6部及びチヌビン
144(チバスペシャルティケミカルズ社製)を0.3
部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレー塗装
の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)で25
秒にした。塗料中の固形分含有量は65%であった。
【0080】調製例2 製造例2のオキセタニル基含有オリゴマー溶液4.3
部、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,
4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート3部、製
造例4の水酸基含有共重合体溶液100部及びスミジュ
ールN−75(固形分75% 住友バイエルウレタン社
製、ポリイソシアネート化合物)32部を攪拌混合後、
PI−2074(ロージャー社製、光酸発生剤)を0.
5部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤
としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン144を
0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレ
ー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)
で25秒にした。塗料中の固形分含有量は67%であっ
た。
【0081】調製例3 (3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート5部、3−エ
チル−3−エトキシメチルオキセタン5部、製造例5の
水酸基含有ポリエステル樹脂溶液80部及びサイメル2
35(三井サイテック社製、メチル/ブチル化メラミン
樹脂)26部を攪拌混合後、PI−2074(ロージャ
ー社製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した後、
さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400を
0.6部及びチヌビン144を0.3部添加して溶解
し、キシレンで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であ
るフォードカップ#4(20℃)で25秒にした。塗料
中の固形分含有量は75%であった。
【0082】調製例4 製造例3のエポキシ基及びオキセタニル基含有共重合体
溶液5.7部、製造例5の水酸基含有ポリエステル樹脂
溶液84部及びスミジュールN−75(固形分75%
住友バイエルウレタン社製、ポリイソシアネート化合
物)37部を攪拌混合後、サイラキュアUVI−697
0(ユニオンカーバイド製、光酸発生剤)を0.3部添
加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤として
チヌビン400を0.6部及びチヌビン144を0.3
部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレー塗装
の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)で25
秒にした。塗料中の固形分含有量は66%であった。
【0083】調製例5 (3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート10部、製造
例6のカルボキシル基含有共重合体溶液64部及び製造
例7のエポキシ基含有共重合体溶液64部を攪拌混合
後、CI−2855(日本曹達社製、光酸発生剤)を
0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添
加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン14
4を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、ス
プレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(20
℃)で25秒にした。塗料中の固形分含有量は70%で
あった。
【0084】調製例6(比較用) 製造例3の水酸基含有共重合体溶液100部及びサイメ
ル235(三井サイテック社製、メチル/ブチル化メラ
ミン樹脂)23部を攪拌混合後、CI−2855(日本
曹達社製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した
後、さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400
を0.6部及びチヌビン144を0.3部添加して溶解
し、キシレンで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であ
るフォードカップ#4(20℃)で25秒にした。塗料
中の固形分含有量は67%であった。
【0085】調製例7(比較用) タレ止め剤としてミズカシルP526(水沢化学社製)
を5部、製造例4の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液8
4部及びスミジュールN−75(固形分75%住友バイ
エルウレタン社製、ポリイソシアネート)37部を攪拌
混合後、CI−2855(日本曹達社製、光酸発生剤)
を0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等
添加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン1
44を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、
スプレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(2
0℃)で25秒にした。塗料中の固形分含有量は45%
であった。
【0086】調製例8(比較用) タレ止め剤としてミズカシルP526(水沢化学社製)
を5部、製造例4の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液8
4部及びスミジュールN−75(固形分75%住友バイ
エルウレタン社製、ポリイソシアネート化合物)37部
を攪拌混合後、CI−2855(日本曹達社製、光酸発
生剤)を0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸
収剤等添加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌ
ビン144を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈
して、塗料中の固形分含有量を60%にした。この塗料
の粘度はフォードカップ#4(20℃)で100秒であ
った。
【0087】熱硬化塗膜の形成 実施例1〜5及び比較例1〜3 リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mm、25cm
角のダル鋼板上にエポキシ系カチオン電着塗料を乾燥膜
厚約20μmとなるように電着塗装し、170℃で20
分間焼き付けた後、#400のサンドペーパーで研ぎ、
石油ベンジンで拭いて脱脂した。その上に自動車用中塗
りサーフェーサーを乾燥膜厚が約25μmになるように
エアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けた
後、#400のサンドペーパーで水研ぎし、水切り乾燥
した。さらにその上に白色のベースコート用塗料を膜厚
20μmになるように塗装し、140℃で30分間加熱
し塗膜を硬化させた後、#400のサンドペーパーで水
研ぎし、水切り乾燥し、石油ベンジンで拭いて脱脂し試
験用の素材とした。
【0088】次いで、この素材を縦に置き、上側15c
mの部分に前記調製例1〜7で作成した塗料をエアスプ
レーで硬化塗膜が40μmになるように塗装し、次いで
直ぐに120W/cmのメタルハライドランプで100
0mJ/cm紫外線照射した後、乾燥炉中に該塗板を
塗装部が上になるようにして縦に置き、140℃で30
分間加熱し塗膜を硬化せしめて上塗り塗膜を形成した。
なお、比較用調製例5〜7で作成した塗料を塗装した塗
板は、紫外線照射せずに、乾燥炉中に該塗板を塗装部が
上になるようにして縦に置き、140℃で30分間加熱
し塗膜を硬化せしめて上塗り塗膜を形成した。
【0089】上記試験に使用した各塗料の固形分含有量
の測定、タレの評価、平滑性の評価、硬化性の評価及び
光照射前後の塗膜の粘度変化の測定を下記の方法を使用
して行った。その結果を後記表1に示す。
【0090】固形分含有量:直径9cmのブリキ皿に塗
料1.5gを計量し、130℃で3時間加熱した後、残
った量を計量し、最初の量で割った百分率で表した。
【0091】タレの評価:素材の下部の塗装していない
10cmのところに塗料が何cmタレているかを計測し
た。
【0092】塗膜の平滑性:目視で塗膜の表面状態を評
価した。
【0093】60度鏡面光沢度:JIS K−5400
7.6(1990)に準じて測定した。
【0094】キシレンラビング性:キシレンを含ませた
ガーゼで塗面を往復50回拭いたのち、塗面を観察し
た。評価基準は次の通りである。
【0095】 ○:塗面に変化がなく良好、 △:塗面に傷が認められ硬化性が劣るもの、 ×:塗膜表面がキシレンで溶解し硬化性が著しく劣るも
の。
【0096】光照射前後の塗膜粘度 光照射による塗液の粘度変化を確認するため、ガラス板
に前記調製例1〜7で作成した塗料組成物をエアスプレ
ーで硬化塗膜が40μmになるように1サンプル2枚ず
つ塗装し、1枚を直ぐに1000mJ/cm紫外線照
射した後、照射しない塗膜と照射した塗膜とをガラス板
からかき取り、それぞれの粘度をE型粘度計(東機産業
RE80型 回転数:1RPM)で測定した。結果を
表2に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、高固
形分含有量の熱硬化性塗料をタレを生ずることなく塗装
することができ、平滑で光沢に優れた塗面を形成するこ
とができることから、特に、自動車、二輪車、コンテナ
などへの熱硬化塗膜の形成方法として極めて有用なもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 303 B05D 7/24 303Z C09D 163/00 C09D 163/00 201/00 201/00 (72)発明者 丸山 孜 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 BB46Z CA50 DA23 DB05 DC12 EB33 EB35 EB38 EB52 EC37 4J038 CG031 CG071 CG141 CH121 DA122 DB022 DB212 DB222 DD041 DG101 DG262 DG301 DL032 FA09 FA11 GA02 GA03 GA06 GA07 JA69 JC31 JC36 KA03 NA01 NA23 PA17 PA19 PB07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ基及び/又はオキセタニ
    ル基を有する化合物、(B)熱硬化性樹脂組成物、
    (C)光酸発生剤、及び(D)有機溶剤を含有する塗料
    組成物であって、化合物(A)と熱硬化性樹脂組成物
    (B)の固形分重量比が(A)/(B)=0.5/9
    9.5〜20/80であり、光酸発生剤(C)が化合物
    (A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
    内にある塗料組成物を被塗物に塗装後、塗着塗液に光照
    射して塗液を増粘させた後、加熱、硬化させることを特
    徴とする熱硬化塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】 塗料組成物を被塗物に塗装した直後の塗
    着塗液粘度が1〜10Pa・sであり、該塗着塗液に光
    照射後の塗液の粘度が40〜100Pa・sの範囲内で
    あることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化塗膜形成
    方法。
  3. 【請求項3】 塗料組成物の固形分含有量が60重量%
    以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱
    硬化塗膜形成方法。
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