JP4025051B2 - 熱硬化塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タレのない熱硬化塗膜の形成方法に関するものであり、特に自動車、二輪車、コンテナなどへのハイソリッド塗料系の熱硬化塗膜の形成に適したものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
従来、塗料のタレを防止する方法として、塗料中に高分子量の樹脂、有機微粒子、体質顔料などを混合して、塗装から焼き付け工程の間に生じる塗料のタレを防止してきた。近年、地球環境改善のため、有機溶剤の使用量の削減が要望されてきており、塗料においても塗料組成物中の固形分含有量を上げ、有機溶剤量を削減することが望まれている。固形分含有量の高い塗料にタレ止め防止剤として上記のような高分子量の樹脂、有機微粒子、体質顔料などを混合することは、結果として塗料の粘度を上げることとなり、塗装が困難になったり、塗装できても塗装面が凸凹になるという問題点があった。
【0003】
これらの問題を解決するため、塗料中に光重合性単量体を含有させておき、スプレーガンから噴射された塗料飛沫に光を照射して光重合性単量体を架橋させることによりタレを防止する方法が提案されている(特開平6−65523号公報参照)。しかしながらこの方法では、塗料飛沫に光を均一に照射することが難しく、また、被塗物に塗着した塗液の粘度が大幅に上昇するため、流動性が低下し、平滑な塗面が得られにくいという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、上記したこれらの問題点を解決でき、自動車、二輪車などへの塗装に際しタレを生じにくく、且つ平滑な塗面を得られる熱硬化塗膜の形成方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物を含有した塗料組成物を被塗物に塗装後、塗着塗液に光照射して該化合物を部分重合させて塗膜の粘度を上げることにより、塗料のタレを防止できるだけでなく、凸凹のない平滑な塗膜を形成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
かくして、本発明によると、
(A)エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物、
(B)熱硬化性樹脂組成物、
(C)光酸発生剤、及び
(D)有機溶剤
を含有する塗料組成物であって、化合物(A)と熱硬化性樹脂組成物(B)の固形分重量比が(A)/(B)=0.5/99.5〜20/80であり、光酸発生剤(C)が化合物(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内にある塗料組成物を被塗物に塗装後、塗着塗液に光照射して塗液を増粘させた後、加熱、硬化させることを特徴とする熱硬化塗膜形成方法が提供される。
【0007】
以下に、本発明方法について詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の熱硬化塗膜形成方法においては、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物(A)、熱硬化性樹脂組成物(B)、光酸発生剤(C)、及び有機溶剤(D)を含有する塗料組成物を使用する。
【0009】
エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物(A)
本発明に使用する塗料組成物の原料である化合物(A)は、エポキシ基又はオキセタニル基の少なくともどちらか一方を有する化合物であり、光照射によって反応し、塗液を増粘させることができるものである。従って化合物(A)としては、1分子中にエポキシ基又はオキセタニル基を1個以上有しているものであればよいが、少量で効果的に増粘させるためには、1分子中にエポキシ基とオキセタニル基の合計で平均2個以上を含有していることがより好ましい。
【0010】
分子中にエポキシ基を有する化合物としては、エポキシ当量70〜1,000、好ましくは80〜800のものを好適に使用することができ、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アセタール、エチレングリコールのビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、エチレングリコールの3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸ジエステル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアルコール、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−エチル−3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキシメチルオキセタン、エポリードGT300(ダイセル化学工業社製、商品名、3官能脂環式エポキシ樹脂)、下記式
【0011】
【化1】
Figure 0004025051
【0012】
で表される化合物などの脂環式エポキシ基を含有するエポキシ化合物;例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ブタジエンジオキサイド、フタル酸ジグリシジルエステル、3−エチル−3−グリシジルオキシメチルオキセタンなどの脂肪族エポキシ基を含有するエポキシ化合物;例えば、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイドなどの脂環式エポキシ基及び脂肪族エポキシ基を含有するエポキシ化合物;上記エポキシ化合物のうち1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物に炭素原子数6〜33を有する脂肪酸(例えば、ラウリン酸、オレイン酸、アマニ油脂肪酸など)をエポキシ基の一部に反応させてなる1分子中にエポキシ基と脂肪酸エステル基とを有する脂肪酸変性エポキシ化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどの(メチル)グリシジル基含有重合性不飽和モノマー;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ基含有重合性不飽和モノマーなどの単独重合体または共重合体、上記モノマーとスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンとの付加物、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アロニックスM110(東亞合成社製)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドブチルエーテル、アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドンとの共重合体などを挙げることができる。ここで(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタアクリレートを意味する。
【0013】
オキセタニル基を有する化合物としては、例えば、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−エトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ブトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヘキシルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロキシ−3´−フェノキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロキシ−3´−ブトキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ブトキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ベンジルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(p−tert−ブチルベンジルオキシメチル)オキセタン、下記式
【0014】
【化2】
Figure 0004025051
【0015】
(上記式中、2個のRは炭素原子数1〜6のアルキル基であり、同一又は異なっていてもよい。Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、キシリレン基、炭素原子数4〜30のポリアルキレンオキシ基を表す)
で示される化合物、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどの単独重合体または共重合体、上記モノマーとスチレンなどの上記に挙げたモノマーとの共重合体などを挙げることができる。
【0016】
エポキシ基含有(メタ)アクリレートとオキセタニル基含有(メタ)アクリレートとの共重合体も挙げることができる。エポキシ基含有化合物、オキセタニル基含有化合物は、1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0017】
熱硬化性樹脂組成物(B)
熱硬化性樹脂組成物(B)は、加熱により硬化して塗膜を形成できるものであり、例えば、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂などの水酸基含有樹脂にアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を組み合わせたもの、カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂などのカルボキシル基含有化合物にエポキシ基含有化合物を組み合わせたものなどを挙げることができる。
【0018】
上記アクリル樹脂は重合性不飽和単量体の共重合体であり、水酸基含有アクリル樹脂は上記重合性不飽和単量体の一部に水酸基含有不飽和単量体を用いることにより、また、カルボキシル基含有アクリル樹脂は上記重合性不飽和単量体の一部にカルボキシル基含有不飽和単量体を用いるか、上記水酸基含有アクリル樹脂の水酸基にハーフエステル化反応によって多塩基酸無水物を開環付加することにより合成することができる。該多塩基酸無水物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ヘット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水コハク酸等を挙げることができる。
【0019】
上記水酸基含有不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0020】
カルボキシル基含有不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができる。
【0021】
その他の重合性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンとの付加物、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アロニックスM110(東亞合成社製)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドブチルエーテル、アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドンなどを挙げることができる。
【0022】
ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とを常法の直接エステル化法又はエステル交換法により合成したものを使用できる。
【0023】
上記多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。また、酸成分として、安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸を分子量調整などの目的で併用することができ、ヤシ油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸等の油脂肪酸を使用することも可能である。
【0024】
上記多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。また上記酸成分、アルコール成分の一部をジメチロールプロピオン酸、オキシピバリン酸、パラオキシ安息香酸など;これらの酸の低級アルキルエステル;ε−カプロラクトンなどのラクトン類などのオキシ酸成分に置き換えることもできる。
【0025】
水酸基含有ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとを多価アルコールを過剰にして反応させることにより、また、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとを多塩基酸過剰で反応させるか、上記水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基にハーフエステル化反応によって多塩基酸無水物を開環付加することにより合成される。ハーフエステル化に使用する多塩基酸無水物は、前記アクリル樹脂の合成に用いるものと同じ物が使用できる。
【0026】
また、カルボキシル基含有化合物として上記ポリエステル樹脂の原料として挙げた多塩基酸をそのまま使用することも可能である。
【0027】
水酸基含有樹脂に組み合わせるアミノ樹脂としては、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂などを用いることができ、中でも耐候性などの点からメラミン樹脂が好適である。また、これらのアミノ樹脂に硬化触媒を併用することもできる。
【0028】
ポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等が挙げられるが、これらのポリイソシアネート化合物をブロック化剤でブロックしたものも用いることができる。ブロックイソシアネート化合物を用いる場合には解離触媒を併用することが好ましい。
【0029】
カルボキシル基含有化合物と組み合わせるエポキシ基含有化合物としては、1分子中にエポキシ基を平均2個以上含有するものであれば特に制限はないが、耐候性などの点からは、エポキシ基含有不飽和単量体とその他の不飽和単量体とを共重合させてなるアクリル樹脂が好適である。該エポキシ基含有不飽和単量体としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、その他の不飽和単量体としては、前記アクリル樹脂の説明に用いた不飽和単量体を用いることができる。
【0030】
エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物(A)と熱硬化性樹脂組成物(B)との比率は重量固形分比で(A)/(B)=0.5/99.5〜20/80好ましくは2/98〜15/85の範囲内が光硬化による増粘と最終塗膜の耐候性、硬度などの塗膜性能のバランスの点から適している。
【0031】
光酸発生剤(C)
光酸発生剤(C)は、光照射により酸を発生する光重合開始剤である。 光酸発生剤(C)としては、例えば、下記式(1)〜(15)で表される化合物などを挙げることができる。
【0032】
Ar・X (1)
(式中、Arはアリール基、例えばフェニル基を表し、XはBF 、PF 、SbF(OH) 、SbF 、AsF 又は下記式
【0033】
【化3】
Figure 0004025051
【0034】
で表される基を示す)
Ar・X (2)
(式中、Ar及びXは上記と同じ意味を有する)
【0035】
【化4】
Figure 0004025051
【0036】
(式中、R は炭素原子数7〜15のアラルキル基又は炭素原子数3〜9のアルケニル基、R は炭素原子数1〜7の炭化水素基又はヒドロキシフェニル基、R は酸素原子又は硫黄原子を含有していてもよい炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、Xは前記と同じ意味を有する)
【0037】
【化5】
Figure 0004025051
【0038】
(式中、Y はPF 、SbF(OH) 、SbF 又はAsF を表す)
【0039】
【化6】
Figure 0004025051
【0040】
(式中、Xは前記と同じ意味を有する)
【0041】
【化7】
Figure 0004025051
【0042】
(式中、Xは前記と同じ意味を有する)
【0043】
【化8】
Figure 0004025051
【0044】
【化9】
Figure 0004025051
【0045】
(式中、R 及びR はそれぞれ独立に炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜12のアルコキシル基を表す)
【0046】
【化10】
Figure 0004025051
【0047】
【化11】
Figure 0004025051
【0048】
(式中、Xは前記と同じ意味を有する)
【0049】
【化12】
Figure 0004025051
【0050】
(式中、R は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Xは前記と同じ意味を有する)
【0051】
【化13】
Figure 0004025051
【0052】
(式中、R 及びR はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜12のアルコキシル基を表す)
【0053】
【化14】
Figure 0004025051
【0054】
【化15】
Figure 0004025051
【0055】
上記光酸発生剤の市販品としては、例えば、サイラキュアUVI−6970、同UVI−6974、同UVI−6990、同UVI−6950(以上、いずれも米国、ユニオン カーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、同SP−170(以上、いずれも旭電化社製)、CI−2855(日本曹達社製)、PI−2074(ロージャー社製、ペンタフルオロフェニルボレートトルイルクミルヨードニウム塩)、FC−509(3M社製)、BBI−102(みどり化学社製)などを挙げることができる。
【0056】
上記の光酸発生剤(C)は、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0057】
上記の光酸発生剤(C)は、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.3〜7重量部を添加して使用することが光硬化性の点から好ましい。
【0058】
有機溶剤(D)
有機溶剤(D)としては、上記のエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物(A)及び熱硬化性樹脂組成物(B)と実質的に反応しない不活性有機溶剤であれば特に制限なしに使用できる。具体的には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、酢酸メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸カルビトール等の酢酸エステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤が挙げられる。これらのものは1種または2種以上組み合わせて使用できる。
【0059】
本発明の塗料中の有機溶剤含有量は塗料中40重量%以下が望ましい。有機溶剤量が40重量%以上、すなわち、固形分含有量として60重量%以下では従来塗料の有機溶剤含有量と大きく変わらず、有機溶剤の削減を目的とした地球環境改善にあまり効果がない。
【0060】
本発明に使用する塗料組成物は、さらに通常公知の、顔料、紫外線吸収剤、表面調整剤、アルコキシリル化合物、有機化合物などを必要に応じて添加することができる。
【0061】
本発明方法において、塗料組成物は、自動車、二輪車、コンテナなどの被塗物上に、例えば、スプレー塗装法、カーテンコート法などの塗装方法で塗布することができるが、中でもスプレー塗装法が好ましい。また、上記塗料組成物を被塗物にスプレー塗装した直後の塗着塗液粘度は塗膜平滑性の観点から1〜10Pa・s、好ましくは2〜7Pa・sの範囲内が適している。該塗着塗液の粘度は塗装直後、できれば塗装後10秒以内に塗着塗液をかきとり、E型粘度計(東機産業 RE80型 回転数:1RPM)で測定することにより得ることができる。
【0062】
上記方法で塗装された被塗物上の塗液に光を照射することにより、塗液は増粘し、セッティング時及び/又は加熱乾燥時のタレを防止することができるが、光照射後の塗液の粘度としては40〜100Pa・s、好ましくは50〜80Pa・sの範囲内にあることがタレ防止に効果が大きく適している。塗液の粘度の測定は、上記塗装直後の塗着塗液の粘度の測定と同様にして行うことができる。
【0063】
特にセッティング時にタレを生じ易いものについては、塗装後できるだけ早い時間に光照射をすることが好ましいが、一般には加熱乾燥時にタレを生じるものが多く、その場合には、適宜時間を開けるか又は場所を移動して光照射する方が、火災などに対する安全性の点、塗料ミストによる照射装置の汚染の点などから適している。光を照射する波長としては、通常、200〜450nmの紫外線の範囲が適当であり、光重合開始剤の種類に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。紫外線の照射源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることができる。塗膜への紫外線照射条件は、通常、線量が100〜2,000mJ/cm、好ましくは500〜1,500mJ/cmとなる範囲が適している。
【0064】
光照射された被塗物は続いて加熱乾燥され、塗液中の樹脂が架橋して強靭な塗膜となる。加熱手段は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱などの乾燥設備を適用できる。加熱温度は、通常、50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度の範囲にあることが適している。加熱時間は、特に制限されるものではないが、通常、15〜45分の範囲が好適である。
【0065】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0066】
エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物の製造例
製造例1
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃に加温した後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0067】
Figure 0004025051
滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は3,000及びエポキシ基は平均5個であった。
【0068】
製造例2
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃に加温した後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0069】
Figure 0004025051
滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は3,000及びオキセタニルキ基は平均5個であった。
【0070】
製造例3
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃に加温した後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0071】
Figure 0004025051
滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は3,000、エポキシ基は平均3個及びオキセタニル基は平均2個であった。
【0072】
熱硬化性樹脂の製造
製造例4
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃に加温した後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0073】
Figure 0004025051
滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%の水酸基含有共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は3,000及び水酸基価は108であった。
【0074】
製造例5
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び水分離器を備え付けた反応容器に、フタル酸296部、アジピン酸292部、エチレングリコール186部及びネオペンチルグリコール312部を入れ、160℃まで昇温した。次いで、2時間かけて脱水しながら220℃に昇温した後、反応容器中に少量のキシレンを入れ、縮合水を共沸して、加えた酸が実質的に全て反応したのを確認して冷却した後、キシレンを入れ固形分80%の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液を得た。樹脂のGPC(ゲル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は1,000及び水酸基価は112であった。
【0075】
製造例6
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加温した後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0076】
Figure 0004025051
滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%のカルボキシル基含有共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は3,000及び酸価は104であった。
【0077】
製造例7
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を備え付けた反応容器に、酢酸ブチル480部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加温した後、その温度を保持しながら滴下装置から下記のモノマーと開始剤との混合液を3時間かけて滴下した。
【0078】
Figure 0004025051
滴下終了後、130℃で1時間熟成し、固形分70%のエポキシ基含有共重合体溶液を得た。共重合体のGPC(ゲル透過クロマトグラフ)測定による数平均分子量は3,000及びエポキシ当量は530であった。
【0079】
塗料の調製
調製例1
製造例1のエポキシ基含有共重合体溶液5.7部、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート2部、製造例4の水酸基含有共重合体溶液100部及びサイメル235(三井サイテック社製、メチル/ブチル化メラミン樹脂)23部を攪拌混合後、CI−2855(日本曹達社製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400(チバスペシャルティケミカルズ社製)を0.6部及びチヌビン144(チバスペシャルティケミカルズ社製)を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)で25秒にした。塗料中の固形分含有量は65%であった。
【0080】
調製例2
製造例2のオキセタニル基含有オリゴマー溶液4.3部、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート3部、製造例4の水酸基含有共重合体溶液100部及びスミジュールN−75(固形分75% 住友バイエルウレタン社製、ポリイソシアネート化合物)32部を攪拌混合後、PI−2074(ロージャー社製、光酸発生剤)を0.5部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン144を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)で25秒にした。塗料中の固形分含有量は67%であった。
【0081】
調製例3
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート5部、3−エチル−3−エトキシメチルオキセタン5部、製造例5の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液80部及びサイメル235(三井サイテック社製、メチル/ブチル化メラミン樹脂)26部を攪拌混合後、PI−2074(ロージャー社製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン144を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)で25秒にした。塗料中の固形分含有量は75%であった。
【0082】
調製例4
製造例3のエポキシ基及びオキセタニル基含有共重合体溶液5.7部、製造例5の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液84部及びスミジュールN−75(固形分75% 住友バイエルウレタン社製、ポリイソシアネート化合物)37部を攪拌混合後、サイラキュアUVI−6970(ユニオンカーバイド製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン144を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)で25秒にした。塗料中の固形分含有量は66%であった。
【0083】
調製例5
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート10部、製造例6のカルボキシル基含有共重合体溶液64部及び製造例7のエポキシ基含有共重合体溶液64部を攪拌混合後、CI−2855(日本曹達社製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン144を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)で25秒にした。塗料中の固形分含有量は70%であった。
【0084】
調製例6(比較用)
製造例3の水酸基含有共重合体溶液100部及びサイメル235(三井サイテック社製、メチル/ブチル化メラミン樹脂)23部を攪拌混合後、CI−2855(日本曹達社製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン144を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)で25秒にした。塗料中の固形分含有量は67%であった。
【0085】
調製例7(比較用)
タレ止め剤としてミズカシルP526(水沢化学社製)を5部、製造例4の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液84部及びスミジュールN−75(固形分75%住友バイエルウレタン社製、ポリイソシアネート)37部を攪拌混合後、CI−2855(日本曹達社製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン144を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4(20℃)で25秒にした。塗料中の固形分含有量は45%であった。
【0086】
調製例8(比較用)
タレ止め剤としてミズカシルP526(水沢化学社製)を5部、製造例4の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液84部及びスミジュールN−75(固形分75%住友バイエルウレタン社製、ポリイソシアネート化合物)37部を攪拌混合後、CI−2855(日本曹達社製、光酸発生剤)を0.3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤等添加剤としてチヌビン400を0.6部及びチヌビン144を0.3部添加して溶解し、キシレンで希釈して、塗料中の固形分含有量を60%にした。この塗料の粘度はフォードカップ#4(20℃)で100秒であった。
【0087】
熱硬化塗膜の形成
実施例1〜5及び比較例1〜3
リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mm、25cm角のダル鋼板上にエポキシ系カチオン電着塗料を乾燥膜厚約20μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間焼き付けた後、#400のサンドペーパーで研ぎ、石油ベンジンで拭いて脱脂した。その上に自動車用中塗りサーフェーサーを乾燥膜厚が約25μmになるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けた後、#400のサンドペーパーで水研ぎし、水切り乾燥した。さらにその上に白色のベースコート用塗料を膜厚20μmになるように塗装し、140℃で30分間加熱し塗膜を硬化させた後、#400のサンドペーパーで水研ぎし、水切り乾燥し、石油ベンジンで拭いて脱脂し試験用の素材とした。
【0088】
次いで、この素材を縦に置き、上側15cmの部分に前記調製例1〜7で作成した塗料をエアスプレーで硬化塗膜が40μmになるように塗装し、次いで直ぐに120W/cmのメタルハライドランプで1000mJ/cm紫外線照射した後、乾燥炉中に該塗板を塗装部が上になるようにして縦に置き、140℃で30分間加熱し塗膜を硬化せしめて上塗り塗膜を形成した。なお、比較用調製例5〜7で作成した塗料を塗装した塗板は、紫外線照射せずに、乾燥炉中に該塗板を塗装部が上になるようにして縦に置き、140℃で30分間加熱し塗膜を硬化せしめて上塗り塗膜を形成した。
【0089】
上記試験に使用した各塗料の固形分含有量の測定、タレの評価、平滑性の評価、硬化性の評価及び光照射前後の塗膜の粘度変化の測定を下記の方法を使用して行った。その結果を後記表1に示す。
【0090】
固形分含有量:直径9cmのブリキ皿に塗料1.5gを計量し、130℃で3時間加熱した後、残った量を計量し、最初の量で割った百分率で表した。
【0091】
タレの評価:素材の下部の塗装していない10cmのところに塗料が何cmタレているかを計測した。
【0092】
塗膜の平滑性:目視で塗膜の表面状態を評価した。
【0093】
60度鏡面光沢度:JIS K−5400 7.6(1990)に準じて測定した。
【0094】
キシレンラビング性:キシレンを含ませたガーゼで塗面を往復50回拭いたのち、塗面を観察した。評価基準は次の通りである。
【0095】
○:塗面に変化がなく良好、
△:塗面に傷が認められ硬化性が劣るもの、
×:塗膜表面がキシレンで溶解し硬化性が著しく劣るもの。
【0096】
光照射前後の塗膜粘度
光照射による塗液の粘度変化を確認するため、ガラス板に前記調製例1〜7で作成した塗料組成物をエアスプレーで硬化塗膜が40μmになるように1サンプル2枚ずつ塗装し、1枚を直ぐに1000mJ/cm紫外線照射した後、照射しない塗膜と照射した塗膜とをガラス板からかき取り、それぞれの粘度をE型粘度計(東機産業 RE80型 回転数:1RPM)で測定した。結果を表2に示す。
【0097】
【表1】
Figure 0004025051
【0098】
【表2】
Figure 0004025051
【0099】
【発明の効果】
本発明の方法を用いることにより、高固形分含有量の熱硬化性塗料をタレを生ずることなく塗装することができ、平滑で光沢に優れた塗面を形成することができることから、特に、自動車、二輪車、コンテナなどへの熱硬化塗膜の形成方法として極めて有用なものである。

Claims (3)

  1. (A)エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する化合物、
    (B)熱硬化性樹脂組成物、
    (C)光酸発生剤、及び
    (D)有機溶剤
    を含有する塗料組成物であって、化合物(A)と熱硬化性樹脂組成物(B)の固形分重量比が(A)/(B)=0.5/99.5〜20/80であり、光酸発生剤(C)が化合物(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内にある塗料組成物を被塗物に塗装後、塗着塗液に光照射して塗液を増粘させた後、加熱、硬化させることを特徴とする熱硬化塗膜形成方法。
  2. 塗料組成物を被塗物に塗装した直後の塗着塗液粘度が1〜10Pa・sであり、該塗着塗液に光照射後の塗液の粘度が40〜100Pa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化塗膜形成方法。
  3. 塗料組成物の固形分含有量が60重量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化塗膜形成方法。
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