JPH0318926B2 - - Google Patents

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JPH0318926B2
JPH0318926B2 JP59013443A JP1344384A JPH0318926B2 JP H0318926 B2 JPH0318926 B2 JP H0318926B2 JP 59013443 A JP59013443 A JP 59013443A JP 1344384 A JP1344384 A JP 1344384A JP H0318926 B2 JPH0318926 B2 JP H0318926B2
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membrane
layer
gas
porous
film
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Kenko Yamada
Kazumi Iwata
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Teijin Ltd
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    • B01D69/1071Woven, non-woven or net mesh
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  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(a) 技術分野 本発明は混合気体に対して選択透過性を有する
気体分離用膜に関するものである。更に詳しくは
透過性が大きく、かつ選択性のすぐれた混合気体
用分離膜に関するものである。 (b) 従来技術 近時膜による気体分離技術の進歩、発展は著し
いが、膜による気体分離法の課題の一つとしてい
かにコンパクトな装置でいかに大量の透過気体を
得るかということがある。一般に均一膜中を透過
する気体の量は次式で表わされる。 q={P×(p1−p2)×A}/l 〔ここで qは気体の透過速度 c.c.(stp)/sec Pは気体の透過係数
c.c.(stp)・cm/cm2・sec・cmHg p1−p2は膜の両側の分圧差 cmHg Aは膜面積 cm2 lは膜厚 cm〕 そこでコンパクトな装置でできるだけ気体の透
過量をあげるには膜厚をできるだけ薄くすること
が必要欠くべからざることである。そのため種々
の極薄膜製膜法が提案されている。 例えばポリマー溶液を塗布乾燥する方法(R、
L.Riley、et al、J.Appl.Polymer Sci.、22 255
(1973)など)、ポリマー溶液を水面上に延展させ
溶媒を蒸発させる水面上展開法(特開昭51−
89564号、特開昭56−92926号など)、プラズマ重
合による製膜法(特開昭57−30528号、特開昭57
−150423号など)あるいは多孔質支持体上でのIn
−Situ重合による製膜法(米国特許4039440号、
米国特許4277344号など)などがある。 これらの製膜法によつてつくられる分離用薄膜
の厚さは、一般には1μ以下であり、なかでも水
面上展開法では0.1μ以下の厚さの膜を比較的容易
につくることができる。 そしてこれらの極薄膜を気体分離膜として使う
場合には、多孔膜支持体上に積層したいわゆる複
合膜の形で用いられる。 前述の通り透過量を増大するには薄膜を薄くし
ていくことが必要であるが薄くすればするほど膜
の強度は小さくなり破れやすく、欠陥を生じやす
くなる。欠陥は製膜時の膜自体の破れによるもの
と、外的なものとして空気中のゴミの多孔質支持
体表面への付着及び多孔膜支持体そのものの欠陥
による破損が考えられる。 特に多孔質支持体表面は、孔と孔でない部分と
いう本質的に凹凸があること、又多孔質支持体の
製法にもよるが孔でない部分でも真平であること
はなく少なからずの凸凹があり又その上のゴミや
異物の付着を完全になくすことは大変困難である
ことから、この多孔質支持体上に薄膜を殊に0.1μ
以下の薄膜を積層して圧力を加えたとき、薄膜が
支持体表面の凹凸によつて破れることはよくおこ
ることである。 かかる薄膜の破損を補う方法として、他の封じ
材料で該薄膜を被覆する方法がすでに提案されて
いる(特開昭51−121485号)。これによるとポリ
フエニレンオキシド(80重量%)/オルガノポリ
シロキサン−ポリカーボネート共重合体(20重量
%)からの気体選択透過性薄膜の上に100%オル
ガノポリシロキサン−ポリカーボネート共重合体
なる封じ材料の薄膜を保護層として重ねることに
よりほとんど欠陥の検出されない膜ができる旨が
記載されている。しかしこれで修復できるのは気
体選択透過性薄膜自体がもともと欠陥の少ない場
合だけであり、分離膜の厚さをさらに薄くすると
か、あるいは表面の凹凸が大きい支持体を使つた
場合は該気体選択透過性薄膜自体の欠陥が多くな
り、オルガノポリシロキサン−ポルカーボネート
共重合体で該薄膜を覆つても欠陥の修復が不完全
であつて分離膜本来の性能はでてこない。すなわ
ち酸素/窒素の分離用膜の例をとると、本来酸
素/窒素の選択性が4である材料で選択透過性薄
膜をつくり、この薄膜の欠陥を補修するためオル
ガノポリシロキサン−ポリカ−ボネート共重合
体、(この材料の酸素/窒素の選択性は2.2)なる
封じ材料で覆つた時、該選択透過性薄膜の欠陥が
少ない場合は該薄膜を通ることなく該封じ材料の
みを通る割合は少なく、薄膜の本来の選択性に近
い性能がでるが、欠陥が多いと該封じ材料のみを
通る割合が多くなり、分離膜全体としては選択性
が2.2に近づくようになる。 (c) 発明の目的 そこで本発明者等は、極薄の厚さの膜でかつ
種々の多孔膜を支持体として使用できる選択透過
膜を得ること、即ち膜の機械的強度をあげるには
膜厚を厚くすることである反面透過量をあげるに
は薄膜を薄くすることという相矛盾することの解
決をはかることを目的として鋭意研究を行なつ
た。その結果比較的厚い選択透過性膜の中をくり
ぬきそこに該膜より透過性の大きい素材を挿入し
た特定のサンドイツチ構造の膜が、耐久性は厚膜
相当であり又透過性は薄膜相当に機能するという
非常に意外な事実を見い出し本発明に到達したも
のである。 (d) 発明の構成 即ち本発明は気体混合物中の特定の気体に対す
る選択透過性を有する積層膜と多孔質支持体とか
らなる気体選択透過性複合体であつて、該積層膜
が、該特定気体に対する選択透過性能を有する少
なくとも1層の実質上非多孔質の極薄膜よりなる
第1層と、該特定気体に対して選択透過性能を有
する少なくとも1層の実質上非多孔質の極薄膜よ
りなる第2層、及び該第1、2層の両層間におい
て該特定気体の透過係数が該両層を構成する各々
の重合体の該特定気体の透過係数のいづれよりも
大きくかつ引つ張り弾性率が1.0Kg/cm2以上の重
合体を用いた少なくとも1層の極薄膜よりなる第
3層を有するものであることを特徴とする気体選
択透過膜複合体に関する。 本発明に類似した積層構造の膜として前述の特
開昭52−121485号に気体選択透過性膜をオルガノ
ポリシロキサン−ポリカーボネート共重合体なる
封じ材料の2層ではさんだ膜構成が例示されてい
るが、この膜構成はあくまで該気体選択透過性膜
の欠陥部の補修を行なうためのものであり、該選
択透過性膜の機械的特性に何ら改良効果をもたら
すものではないことが、本発明者らの検討により
判明した。すなわちこの構成の膜を多孔膜支持体
上に重ね圧力を加えたとき選択性の低下がみら
れ、結果的に膜が破損した(後述の比較例4参
照)。 これは上下2層を形成するオルガノポリシロキ
サン−ポリカーボネート共重合体なる封じ材料
は、破断伸度が約300%もある軟かい重合体であ
り圧力を加えられたとき多孔質支持体上の凸凹や
異物に沿つて容易に変形したりあるいは多孔膜支
持体上の孔の中にめりこもうとするものであり、
他方この封じ材料にはさまれた選択透過膜は一般
にこの封じ材料より伸度も小さく又薄いため強度
も小さく該封じ材料の伸びに応じられなくて結果
的に欠陥を生じるためと考えられる。 しかるに本発明の積層構造の膜は、第1層と第
2層の選択透過性膜とその2層間に例えばオルガ
ノポリシロキサン−ポリカーボネート共重合体の
ような第3層の膜をはさみこんだ3層からなる膜
を多孔質支持体上に形成せしめたものであり、そ
の膜に圧力を加えたとき分離特性が非常に安定に
維持され膜としての強度が大きく改良されたもの
である。 これは本発明の最も大きな特徴であるが、その
理由としては2層の選択透過膜が中間の膜、例え
ばオルガノポリシロキサン−ポリカーボネート共
重合体膜の動きを規制し、各々の層が独立して動
くことがなく、いわゆる一体の膜として機能する
ためと考えられる。本発明の膜は中間層として透
過性の大きい素材の膜を用いて厚くするため、大
きな透過性が維持された状態で膜の実質の厚さが
大きくなることから、支持体上の凸凹あるいはゴ
ミなどによつて膜が破損されることがなく、高い
気体選択透過性能を維持するものである。又該膜
は支持体表面の孔のなかへのめりこみも小さくな
り、耐久性もすぐれている。 次に本発明の構成についてさらに詳細な説明を
行なう。 本発明の第1層及び第2層に使われる膜素材は
分離すべき気体に応じ選定されるべきものであつ
て、薄膜成形が可能ないかなる重合体でも用いら
れる。 例えば酸素と窒素の分離の場合には、特に炭素
原子間として二重結合及び又は三重結合なる不飽
和結合を有する炭化水素系及びシラン系化合物の
少なくとも1種から得られる付加重合体が気体透
過性が大きく且つ選択性がすぐれることから好適
に用いられる。尚該炭化水素系及びシラン化合物
の不飽和結合は、非共役性であつても、共役性で
あつてもよい。 かかる炭化水素系化合物としては、炭素数4〜
20特に5〜10の脂肪族系又は脂環族系化合物が好
ましいものとして挙げることができる。例えばブ
テン、イソブテン、ペンテン、メチルペンテン、
ヘキセン、シクロヘキシルペンテン、スチレン、
ヘプテン、メチルヘキセン、あるいはメチルアセ
チレン、t−ブチレアセチレン、t−ブチルメチ
ルアセチレンなどの非共役性不飽和結合を有する
炭化水素系化合物;ブタジエン、イソプレン、シ
クロオクタジエンなどの共役性不飽和結合を有す
る炭化水素系化合物、等があげられる。 シラン系化合物としては、炭素数5〜20のもの
が好ましく更には炭素数5〜13のものが好適であ
り、中でも側鎖にアルキルシランのついたビニ
ル、アリルあるいはアセチレン化合物等をあげる
ことができる。 例えばアリルトリメチルシラン、アリルt−ブ
チルジメチルシラン、アリル・オクチルジメチル
シラン、ビニルトリメチルシラン、トリメチルシ
リルアセチレン等がその好ましいものとしてあげ
られる。 本発明の第1層、第2層において用いられる重
合体は、上記の如く化合物の単一重合体又は少な
くとも2種の共重合体であつて、該共重合体はラ
ンダム、グラフトもしくはブロツク共重合体であ
つてもよい。又これらの重合体は単独で用いるこ
とができ又2種以上併用して用いることもでき
る。 かかる本発明の第1、2層の重合体に用いられ
るものとしては、ポリペンテン、ポリメチルペン
テン、ポリヘキセン、ポリメチルヘキセン、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、ポリビニルトリメ
チルシラン、ポリメチルペンテン−アリルトリメ
チルシラン共重合体、ポリトリメチルシリルアセ
チレン等から主としてなるものが好ましく、さら
にポリペンテン、ポリメチルペンテン、ポリヘキ
セン、ポリメチルヘキセン、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン等から主としてなるものが好まし
く、特にポリメチルペンテンを主としてなるもの
が好ましい。 第1層及び第2層の膜の素材は同一でも相異な
つてもよいが混合気体の分離をつかさどるところ
であり、透過性、選択性のよいものが選定され、
通常同一のものが用いられる。 尚、該第1、2層の膜の素材としては、後述す
る薄膜化及び積層体としての形態保持性等に関
し、機械的強度例えば引つ張り弾性率の大きいも
のが好ましく、場合によつては第3層の膜の素材
よりも引つ張り弾性率の大きいものが有利に用い
られる。 本発明は該分離層の膜厚を薄くできることに特
徴があり、第1層および第2層の膜厚はそれぞれ
20〜2000Å、好ましくは75〜1000Åさらに好まし
くは100〜500Åの範囲である。 かかる厚さの膜はコーデイング法、デイピング
法等でも製膜できるが、本発明者らが既に提案し
た方法すなわち特開昭56−92926号および特開昭
57−71605号等を適用して容易に製膜できる。す
なわち表面張力・界面張力の調整された重合体溶
液を針のような供給口から、該供給口を水面に接
して連続的に水面上に供給し、該水面上に重合体
溶液を展開し、溶媒を蒸発させて薄膜を製膜す
る。膜厚は供給量、展開速度等によつてかえるこ
ともできるが、通常重合体溶液の重合体濃度によ
つてかえる。又膜厚は薄い膜を重ね合わせて製膜
することによつても調節できる。第1層と第2層
の厚さは同じであつても又異なつてもよい。 本発明の第3層は第1層および第2層の間にあ
り、これら3層を一体の膜を形成せしめることに
より第1層および第2層の補強の機能を有する。
そのため第3層は気体選体透過能を有していても
よいが全体としての透過速度の妨げにできる限り
ならないものが選定され、分離されるべき特定気
体の透過係数が第1層、および第2層を構成する
重合体の透過係数のいずれより大きい重合体の膜
が用いられる。尚、本発明で言う重合体の透過係
数は、該重合体からなる非多孔質フイルムについ
て測定された値を意味する。透過係数の大きさ
は、第1層および第2層を構成する重合体の透過
係数の2倍以上、好ましくは3倍以上である。 分離されるべき特定気体の選択性については、
膜全体としての分離能が第1層および第2層にあ
るので、第3層を構成する重合体の該選択性が第
1層および第2層を構成する重合体の選択性より
低く、極端な場合第3層での選択性がなくても用
いることができ、多孔質膜であつてもよい。尚補
強効果からみれば、第3層は非多孔質であること
が好ましい。 また膜全体として強度が必要であり、第3層も
ある程度以上の強度がないと補強層としての効果
をもたらさない。それ故第3層自体は強度を有す
る膜状のものであり、それを構成する重合体の非
多孔質フイルム状で測定した引つ張り弾性率が
1.0Kg/cm2以上、好ましくは10Kg/cm2以上さらに
好ましくは50Kg/cm2以上のものが用いられる。尚
該引つ張り弾性率の上限は特に限定されないが、
一般には105Kg/cm2以下、好ましくは104Kg/cm2
下が実用的である。 又第3層の厚さは100〜1000Å、好ましくは200
〜5000Å、さらに好ましくは300〜3000Åの範囲
である。厚さが10000Å以上あると第3層の気体
の抵抗が大きく結果として分離膜の透過性を大き
く低下するので好ましくない。又100Å以下であ
ると分離膜の補強効果が小さくなつてしまう。同
様に上記引つ張り弾性率が1.0Kg/cm2未満の時は、
補強としての効果が小さいので好ましくない。お
な第3層は均質膜でもよく非対称等の不均質膜で
あつてもよいが、通常は均質膜が好ましい。 第3層に使われる素材としては前述の気体透過
性及び機械的特性を満足するものであれば、膜成
形可能ないかなる有機重合体でも使用することが
できるが、ケイ素含有重合体が透過性が大きいこ
とから好適に用いられる。 かかるケイ素含有重合体の例としては、ポリジ
メチルシロキサン、ポリシロキサン−ポリカーボ
ネート共重合体、ポリシロキサン−スチレン共重
合体、ポリシロキサン−ブタジエン共重合体、ポ
リシロキサン−ポリビニルトリメチルシラン共重
合体、 で示される重合体、 ポリテトラメチルジシロキサン−エチレン共重
合体、ポリジメチルシロキサン−シリフエニレン
共重合体、ポリジメチルシロキサン−アルキレン
オキシド共重合体、ポリシリフエニレン等をあげ
ることができる。又オリゴヒドロオキシスチレン
と該ヒドロキシ基との反応性基をもつシロキサン
含有化合物との架橋重合体やポリ(ビニルメチル
シロキサン−テトラメチルジシロキサン)などの
架橋構造を有するシロキサン系重合体もあげるこ
とができる。この中で特にシロキサン単位を有す
る重合体が気体の透過性が大きく好ましく、その
例としてはポリジメチルシロキサン−ポリブタジ
エン共重合体、ポリジメチルシロキサン−ポリカ
ーボネート共重合体等をあげることができる。 尚第3層の膜は、前記第1、2層の各々の膜と
密着性の高いものが、これら3層の積層構造の形
態保持性が高く好ましい。 第3層の薄膜製膜法としてはコーテイング法、
水面上展開法ふき付け塗布法、デイピング法など
が適用できる。 本発明に用いられる多孔質支持体は、本発明に
よる極薄膜がその薄さ故に自立性がとぼしいのを
補うために用いられるものであり、多数の均一に
分布した小さな孔、表面平滑性および自立性とを
有する多孔質体が使用できる。かかる多孔質支持
体としては例えば和紙、不織布、合成紙、発泡
体、濾過膜、限外濾過膜、多孔質フイルム等をあ
げることができる。特にポリエチレン多孔質フイ
ルム、ポリプロピレン多孔質フイルム、セルロー
ズ系限外濾過膜、ポリカーボネート多孔質フイル
ム、ポリ塩化ビニル系濾過膜あるいはポリスルホ
ン系限外濾過膜等が好ましく用いられる。 本発明の気体選択透過性膜は薄膜にもかかわら
ず強度が改良されていることより、該多孔質支持
体、表面に多少の凸凹や該多孔質支持体の製造上
発生する異物があつてもその支持体として充分使
用できる。例えば有機極性溶媒のドープから凝固
させてつくられるポリスルホン系多孔膜は凝固の
過程で相分離を起こし膜面上に粒状物が発生する
ことがあり、この上に薄い気体選択透過膜を単に
重ねるとその膜が破れることが多かつたが、本発
明の如く3層の構成にすると膜の破損もおこらず
それを支持体として使用することができる。この
ポリスルホン多孔膜は小さな孔径で、又表面開孔
率も比較的大きくすることができ本発明の支持体
として特に好適に用いることができる。 本発明の気体選択透過膜複合体の形状は平面
状、中空糸状、および管状等いづれの形状でもよ
いが、薄膜の厚さを容易に制御でき且つピンホー
ルのない膜をつくることが容易な水面上展開法で
製膜をおこなう場合は、一般には膜の形状は平面
上であり特にこの場合が本発明に適する。 本発明の膜の一般的製膜法は、多孔質支持体上
にはじめに第1層を設け(薄膜をいく層か重ねて
第1層とすることもできる)、その上に第3層つ
いで第2層を重ねて製膜する。第2層および第3
層においても各々同一素材の薄膜をいく層か重ね
て第2層および第3層とすることができる。 (e) 発明の効果 本発明の膜複合体は、前記の如く特有の3層積
層構造の膜が一体として機能することにより膜の
気体透過性、選択性が共にすぐれているばかりで
なく、機械的特性にも非常にすぐれ耐久性もあ
る。 それ故、前述の如く2種以上の気体の混合物か
らある特定の気体が濃縮された気体を取得するた
めに用いられる。例えば、大気からの酸素富化空
気の製造、H2とCOとを含む混合ガスからのH2
化ガスの製造、H2Oを含む混合ガスからのH2O
の除去、SO2および/または酸化窒素ガス
(NOx)を含む混合ガスからのSO2および/また
はNOxの除去、Heを含む混合ガスからのHeの
富化ガスの製造等に用いられる。 特に大気からの酸素富化空気(例えば酸素含量
約30〜約45%)の製造に好ましく用いられる。 (f) 実施例 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。なお実施例中薄膜重合体膜の膜性能は、酸素
透過係数対窒素透過係数の比(以下、選択性と言
う)で表わしたものであり、これらの透過係数は
気体透過率測定装置(理化製機(株)3BR−SSS)で
測定したものである。 参考例 1 ポリスルホン多孔質支持体の製造 密に織つたダクロン(Dacron)製不織布(目
付量180g/m2)の上にポリスルホン15wt%、N
−メチルピロリドン85wt%からなる溶液を厚さ
約0.3mmの層状にキヤストし、直ちにポリスルホ
ン層を温室の水浴中にゲル化させることにより不
織布補強ポリスルホン多孔質膜を得た。 この多孔性基体の空気の23℃透過速度は1〜2
×10-2c.c./cm2・sec・cmHgであつた。 実施例 1 ポリ4−メチルペンテン−1(三井石油化学製、
グレードDX845、酸素透過係数2×10-9c.c.・cm/
cm2・sec・cmHg)3wt%、シクロヘキセニルヒド
ロパーオキサイド3wt%およびシクロヘキセン
95wt%からなる溶液を30℃に保持して、0.8mmφ
の注射針の先から60c.c./分の流量で連続的に5℃
に保持された水面上に針先を水面に接しながら連
続的に供給した。該ポリマー溶液は水面上に拡が
り溶媒が蒸発又は水に溶解してだんだんなくなり
水面上に薄膜が形成した。 形成された薄膜は針先から60cm離れたところで
参考例1で得られたポリスルホン多孔膜のシート
状物を薄膜の上から連続的に押しつけることによ
りポリスルホン多孔膜上に引きあげることにより
第1層を形成した。 ポリマー溶液の供給量を拡がりから計算した薄
膜の膜厚は0.07μであつた。 同様にポリジメチルシロキサン−ポリカーボネ
ート共重合体(シロキサン含有率60モル%、30℃
ベンゼン中でのηinh.が0.9、酸素透過係数2×
10-8c.c.・cm/cm2・sec・cmHg、引つ張り弾性率
260Kg/cm2)8wt%、シクロヘキセニルヒドロパ
ーオキサイド5wt%、およびベンゼン87wt%から
なる溶液を水面上に連続的に供給することにより
水面上にポリジメチルシロキサン−ポリカーボネ
ート共重合体の薄膜を形成せしめ、この薄膜をさ
きの第1層のついたポリスルホン多孔膜を前と同
様にして第1層の側に押しつけることにより第1
層の上に重ねた。 さらにもう一回同様にしてポリジメチルシロキ
サン−ポリカーボネート共重合体膜を重ね第3層
を形成した。ポリマー溶液の供給量と拡がりから
計算した該第3層の厚さは0.108μであつた。 さらに第3層の上に第1層と同じポリマー溶液
から前と同様にして0.017μの厚さのポリ4−メチ
ルペンテン−1の第2層を設けた。 この膜複合体を用い、膜側に空気を送り支持体
の反対側を160トールの減圧にして空気の分離テ
ストをおこなつたところ41.5%の酸素濃度の富化
空気が4.1/m2・分の量で得られた。10時間連
続して吸引しても酸素濃度および空気量はかわら
なかつた。 比較例 1〜4 実施例1と同じポリスルホン多孔質支持体を使
い実施例1と同様の製膜法で表−1に和す形態に
各々の厚さの膜を積層した。又この膜複合体を用
いて実施例1と同様に空気分離をおこないその結
果を表−1に示した。
【表】
【表】 比較例1であきらかな通り、PMP単独では膜
が破れ透過空気中の酸素濃度が本来の性能までで
ていない。この上にPS−PC膜を重ねても(比較
例3)透過空気中の酸素濃度は多少改良される
が、実施例1のような本来の性能まで達していな
い。PS−PCを支持体に直接積層した構成(比較
例2および4)では、酸素濃度が36〜37%台どま
りである。 実施例 2 実施例1で第1層および第2層のポリ4−メチ
ルペンテン−1の厚さを0.012μとした以外は実施
例1と同じ膜構成の複合体をつくつた。実施例1
と同様の空気分離実験をおこなつたところ酸素濃
度は40.5%、富化空気量は4.6/m2・分であつ
た。 比較例 5 実施例2でポリジメチルシロキサン−ポリカー
ボネート共重合体の代りにポリジメチルシロキサ
ンオイル(引つ張り弾性率0.1Kg/cm2以下)を用
い、これとベンゼンおよびシクロヘキセニルヒド
ロパーオキサイドからの溶液を水面上に展開して
膜状物をつくり(厚さ約0.2μ)この膜状物を第3
層として膜複合体をつくつた(この膜複合体の第
1層および第2層それぞれポリ4−メチルペンテ
ン−1の0.012μの厚さの膜である) これを用いて実施例と同様に空気分離をおこな
おうとしたが得られる酸素濃度は20.9%であり分
離できず膜が破損している。 実施例 3 実施例1と同様の方法で第1層及び第2層とし
てポリ(メチルヘキセン−アリルシラン)共重合
体(メチルヘキセン50モル%、酸素透過係数4×
10-9c.c./cm/cm2・sec・cmHg)の薄膜(各層の厚
さ0.05μ)、および第3層として0.22μのポリジメ
チルシロキサン−ポリブタジエン共重合体(引つ
張り弾性率318Kg/cm2・酸素透過係数1.5×10-8
c.c.・cm/cm2・sec・cmHg)支持体として参考例1
のポリスルホン多孔膜からなる膜複合体を作製
し。 この膜を用い160トールの減圧にして空気の分
離をおこなつたところ40.2%の酸素富化空気が得
られた。 実施例 4 実施例1と同様にして、第1層及び第2層とし
てポリ4−メチルペンテン−1(各層の厚さ
0.03μ)第3層としてポリシリフエニレン(引つ
張り弾性率500Kg/cm2・酸素透過係数8×10-9
c.c.・cm/cm2・sec・cmHg)支持体としてポリスル
ホン多孔膜より構成された膜複合体を作製した。 この膜を用い160トールノ減圧で空気分離をお
こなつたところ41.0%の酸素富化空気が得られ
た。 実施例 5 実施例1と同様にして、第1層及び第2層とし
て各々0.03μのポリー4−メチルヘキセン−1(酸
素透過係数2.5×10-9c.c.・cm/cm2・sec・cmHg)
第3層としてヒドロキシスチレンオリゴマーとジ
クロロジメチルシロキサンからなる厚さ0.15μの
ポリシロキサン系共重合体膜(該重合体の引つ張
り弾性率150Kg/cm2、酸素透過係数2×10-8c.c.・
cm/cm2・sec・cmHg酸素/窒素の選択性2.0)お
よび支持体としてポリスルホン多孔膜より構成さ
れた膜複合体を作製した。 この膜を用い160トールの減圧で空気分離をお
こなつたところ40.2%の酸素富化空気が得られ
た。 比較例 6 実施例1と同じポリ4−メチルペンテン−1を
5重量%含んだシクロヘキセン(蒸留処理したも
のを使用)溶液をガラス板上にキヤステイングし
た後、60℃で乾燥してフイルムを形成した。かか
るフイルムをガラス板上よりはがして、50℃、1
mmトールの真空下で10時間減圧処理することによ
りシクロヘキセンを除去した。かかるフイルムの
厚さは約3μであつた。これを実施例1で用いた
多孔質支持体に置き、実施例1と同じ条件下で空
気の分離テストを行つたところ、42.2%の酸素濃
度の富化空気が0.09/m2・分の量で得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 気体混合物中の特定の気体に対する選択透過
    性を有する積層膜と多孔質支持体とからなる気体
    選択透過性複合体であつて、該積層膜が、該特定
    気体に対する選択透過性能を有する少なくとも1
    層の実質上非多孔質の極薄膜よりなる第1層と、
    該特定気体に対して選択透過性能を有する少なく
    とも1層の実質上非多孔質の極薄膜よりなる第2
    層、及び該第1、2層の両層間において該特定気
    体の透過係数が該両層を構成する各々の重合体の
    該特定気体の透過係数のいづれよりも大きくかつ
    引つ張り弾性率が1.0Kg/cm2以上の重合体を用い
    た少なくとも1層の極薄膜よりなる第3層を有す
    るものであることを特徴とする気体選択透過膜複
    合体。
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