JPH0317711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、健康マツト，床ずれ防止マツト等
に使用するクツシヨン体に関するものである。

〔従来の技術〕

第３図、第４図は従来のマツトに使用するクツ
シヨン体を示す斜視図、部分断面図であり、各図
において、符号１は波状または褶曲状の上表皮、
２はこの上表皮１に部分的に接合された扁平な下
表皮であり、３は前記上表皮１と下表皮２との接
合により形成される略半円状の間隙部分に充填さ
れたウレタンフオーム，ポロプロピレン発泡体等
の緩衝材である。

上記構成を有する従来のクツシヨン体は、上表
皮１と下表皮２との間に、複数本の長手状の緩衝
材３…を介在させて、これら各緩衝材３…を充填
した上表皮１と下表皮２との接合部分４を高周波
溶着等の接合手段により固定して一体化形成して
いる。

この従来のクツシヨン体によれば、上表皮１と
下表皮２との接合部分４が窪みとなつて現われ、
身体等の荷重を加えたとき、微細な空隙部５が生
じ、この空隙部５によつて良好な通気性が得られ
るという効果があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のクツシヨン体は、上記のように構成され
ているので、このクツシヨン体の上部側に横臥者
が横になつたときに、クツシヨン体の表面側が軟
か過ぎて横臥者の身体がクツシヨン体の沈み込ん
でしまい、背骨を正常な状態に維持できないとい
う問題点があつた。

また、クツシヨン体の表面と横臥した人体とが
密着することにより、空隙部５が所定の間隙を維
持できなくなり、この密着部分の通気性，吸湿性
が悪化して横臥した人に不快感を与えてしまうと
いう問題点もあつた。

さらに、上表皮１、下表皮２、緩衝材３の総て
が軟かいために睡眠中に位置ずれや、皺等が発生
してしまい、睡眠時にクツシヨン体のみで使用で
きず、例えば敷布団やマツトレス等と共に使用し
なければならなかつたり、使い勝手が悪くなつた
りするという問題点もあつた。

この考案は上記のような問題点を解決するため
になされたものであり、形状維持特性，整形性等
を有するパームボードとカポツク綿とによりクツ
シヨン体を構成するようにして、クツシヨン体に
ある程度の硬度を持たせることにより、横臥者の
身体の沈み込みを防止して背骨の正常な状態を維
持し、横臥者の快適な寝心地を確保すると共に、
布団等と併用することなく単独で使用できるよう
にして使い勝手が大幅に向上したクツシヨン体を
得ることを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、この考案に係るクツ
シヨン体は、パームボードに部分的に接合した波
状の表面表層材と、前記パームボードとの間の長
手状の中空部内に、カポツク綿を収納したもので
ある。

〔作用〕

この考案は上記のように構成したので、裏面表
層材の上に配置されたパームボードがクツシヨン
体の底面側全体に一定の硬度を与え、またカポツ
ク綿も一定の整形性を有しているので、クツシヨ
ン体上に横臥した身体が、極度にクツシヨン体内
に沈み込むことがなくなる。また、カポツク綿は
天然繊維であるために、ウレタンフオーム等に比
較して一定の剛性を有しており、このため波状の
上表皮の中空部内に充填されたカポツク綿は、横
臥者の身体が上方向から当接しても完全に押し潰
されることなく、波状の突出部分とこれに隣接す
る突出部分との間隙部分を確保できる。さらに、
クツシヨン体は、パームボードとカポツク綿との
両者によりある程度の整形性を有しているので、
クツシヨン体に型崩れや位置ずれ等が発生しにく
くなり、布団等の他の寝具類と併用する必要性が
なくなる。

また、カポツク綿は疎水性に優れ、一方パーム
ボードは吸水性に優れているので、常にクツシヨ
ン体表面は乾いた状態を維持することができ、横
臥者の密着に伴う発汗等に対しても、通気性に優
れている。

〔考案の実施例〕

以下、この考案に係るクツシヨン体の実施例に
ついて図面を用いて詳細に説明する。

第１図は、この考案の一実施例を示すものであ
り、同図において、クツシヨン体１０は、裏面表
層材としての下表皮１１の上部面側に天然繊維を
一定の厚さに積層させて一定の硬度を持たせたパ
ームボード１２を接合し、その上部側に、裏基布
１３を介して表面表層材としての上表皮１４を部
分的に例えば直線状に接着または縫製により接合
して接合部１５を形成している。裏基布１３と上
表皮１４との間の空隙部分には、天然繊維を低密
度に集合させたパームロツク等より成るパーム層
１６と、カポツク綿等を集合させて成るカポツク
層１７とが充填されている。

この実施例においては、クツシヨン体１０の底
部側にパームボード１２を設けるばかりでなく、
空隙部の下側にもパーム層１６を設けているの
で、クツシヨン体１０の通気性，整形性等の特性
が一層向上している。

なお、上述した実施例においては、空隙部内に
パーム層１６を設けるものとして説明したが、こ
の考案はこれに限定されることなく、空隙部内は
カポツク綿から成るカポツク層１７のみにより構
成するようにしてもよい。

さらに、上述した実施例においては、パームボ
ード１２の上部側に裏基布１３を設けるものとし
て説明したが、この考案はこれにも限定さること
なく、裏基布は設けないようにしてもよく、ま
た、裏基布の代りに、第２図に示すように、マグ
ネツト板を介装するようにしてもよい。

第２図はこの考案の他の実施例を示すものであ
り、同図において、第１図と同一符号を付したも
のは同一または相当する部分を示している。この
実施例に係るクツシヨン体２０は、上表皮１４と
パームボード１２との接合部１５と、この接合部
１５に隣接する接合部１５との間の空隙部の最下
部で、かつ、前記実施例における裏基布１３に相
当するパームボード１２の上部側の部分に、前記
波状の上表皮１４の空隙部の長手状方向にマグネ
ツト板２１を配設するようにしている。

上記のように構成することにより、マグネツト
板２１の磁力線が、横臥者の血液中のナトリウ
ム，カルシウム等のイオン量を増加させて、身体
を酸性からアルカリ性にすることができ、一層の
健康増進を図ることができるという特有の効果を
奏する。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案に係るクツシヨン体に
よれば、上表皮の上部側にパームボードを配置し
て、上下の表皮を接合して形成された平行する長
手状の間隙部分に、少なくともカポツク綿から成
る緩衝体を介挿したので、パームボード及びカポ
ツク綿とによりある程度の硬度を持たせることが
でき、また、形状繊維特性，整形性等の各種の特
性を向上させることができるので、横臥者の身体
の沈み込みを防止して背骨の正常な状態を維持で
きるという効果を奏する。

また、カポツク綿はある程度の整形性を有する
ので、波状の突出部分が横臥者の体重により完全
に押し潰されてしまうことがないばかりでなく、
クツシヨン体を構成するカポツク綿は疎水性に、
一方パームボードは吸水性に優れていることによ
り、常にクツシヨン体表面を乾いた状態に維持す
ることができ、横臥者のクツシヨン体表面への密
着に伴う発汗等に対しても、通気性に優れている
ので、横臥者が快適な寝心地を確保できるという
効果もある。

さらに、パームボードはクツシヨン体の全体形
状を維持するような作用を有しており、布団等の
他の寝具類と併用する必要がなくなるので、クツ
シヨン体を単独で使用することができ、使い勝手
が大幅に向上したクツシヨン体が得られるという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るクツシヨン体の一実施
例を示す部分拡大断面図、第２図この考案の他の
実施例を示す部分拡大断面図、第３図，第４図は
従来のクツシヨン体の一例を示す全体斜視図及び
部分断面図である。なお図中同一符号は同一又は
相当部分を示す。 １０，２０…クツシヨン体、１１…裏面表層材
（下表皮）、１２…パームボード、１４…表面表層
材（上表皮）、１５…接合部、１６…パーム繊維
層、１７…カポツク綿層、２１…マグネツト板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パームボードの表面側に部分的に接合された波
   状の表面表層材と、この表面表層材と前記パーム
   ボードとの間に形成される長手状の中空部に収納
   されたカポツク綿とにより構成したことを特徴と
   するクツシヨン体。