JPH0317644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は押出中には流動性があつて塑性変形
し、押出後直ちに充分固くなつて押し出された際
の形状を保つことができるようなセラミツクバツ
チ、溶融ガラス、プラスチツク、溶融金属等の押
出材料によつてハネーカム構造を製造する押出装
置、更に詳しくは押し出されたハネーカム構造の
外被形成の際のそのハネーカム構造の周辺部のセ
ルのゆがみを小さくできるように改良した押出ダ
イと押出マスクのアセンブリに関するものであ
る。

米国特許第3836302号、第3947214号および第
4008033号には改良された一体的な外被を周囲に
有するハネーカム構造を押し出すための種々の技
術が開示されている。これらの特許においては複
数の押出材料供給路とその供給路から押出材料を
供給される、その供給路より数の多い押出スロツ
トとを備えた押出ダイに対して、前記複数の押出
スロツトのうちの少なくとも幾つかの供給路から
の押出を阻止するとともに、他の供給路からの押
出を多少ブロツクして押出材料を圧縮し、その圧
縮された押出材料によつて所望のハネーカム構造
の外被を形成する押出マスクが所定の位置に置か
れるようになつている。前記米国特許第3836302
号にはテーパーした側壁を有する中央オリフイス
を備え、そのテーパーした側壁によつて、押し出
されるハネーカム構造の外面の近くのセルをつぶ
して一体的な外被をハネーカム構造の周囲にその
押出と同時に形成するようにした押出マスクが開
示されている。前記米国特許第3947214号および
第4008033号は押出中にゆがんだり、つぶれたり
する周辺部のセルの数を減少させるという意味で
は上記米国特許第3836302号の装置を改良したも
のである。前記両米国特許に記載されている押出
マスクはその押出マスクと周辺部に凹部が設けら
れており、それによつて押し出されるハネーカム
構造の外被を形成する押出材料を計量して供給す
るようになつている。

本発明は周辺部のセルのつぶれを更に抑えるこ
とができるように改良された押出ダイと押出マス
クのアセンブリを備えたハネーカム構造押出装置
を提供することを目的とするものである。

更に本発明は押し出されるハネーカム構造の外
被形成の際に周辺部のセルのつぶれを抑えること
ができ、しかも押し出されるバツチ材料の特性が
変つたときにそれに容易に対応させることのでき
るハネーカム構造押出装量を提供することを目的
とするものである。

本発明の押出装置においては、押出ダイは入口
面、押出面、その入口面に開口した複数の平行な
押出材料供給路、およびその供給路と連通すると
ともに前記押出面に開口した複数の押出スロツト
を備えている。その押出ダイの押出面はその周辺
部を斜めに切られており、押出方向にほぼ直角な
主面と、その主面を取り巻くとともに前記放出方
向に収束するように傾きその主面に対して斜角を
なす副面からなつている。さらに、本発明の装置
においては押出マスクは前記押出面から押し出さ
れたハネーカム構造を受容する中央オリフイスを
備えている。その中央オリフイスは前記副面と同
じ角度で押出方向に収束するように傾いた入口面
を備えており、その中央オリフイスの入口の周囲
に平行な２つの壁に挾まれた押出方向に収束する
ようにテーパーする間〓が形成されるようになつ
ている。また、本発明の装置においては、押出ダ
イと押出マスクの間に、その押出ダイの副面と押
出マスクの入口面との間の間〓を制御するための
スペーサが配されている。

上記のような構成によれば丈夫な外被を有し、
しかも周辺部のセルのゆがみやつぶれの少ないハ
ネーカム構造を押し出すことができることが分か
つた。さらに、押出ダイの押出マスクの間にスペ
ーサを配するという簡単な操作によつて前記間〓
の巾を変えることによつて、押出ダイや押出マス
クを変えることなく、粘性の異なるバツチ材料を
押し出すことができ、さらに押し出されるハネー
カム構造の外被の厚みを変えることができる。

なお、本明細書においてハネーカム構造とは六
角形のセルを有するものに限らず種々の形状の多
数のセルを有するものを総称するものとする。

以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説
明する。

第１，２図において本発明の一実施例の押出装
置１０は押出バツチ材料を装填する押出室１６を
形成するシリンダー１４と、支持構造１２とを備
えている。その押出室１６の押出端に隣接して所
望の継承の押出ダイ１８が位置せしめられてい
る。その押出ダイ１８は入口面２０の押出面２２
を備えている。押出ダイ１８内には押出室１６か
らのバツチ材料を流す複数の供給路２４が形成さ
れている。その供給路２４は押出スロツト２６の
所定の部分と連通しており、押出室１６からのバ
ツチ材料かその供給路２４と押出スロツト２６を
通つて押出面２２に達するようになつている。第
１図に示すようにその押出スロツト２６は格子を
なすように相互に連結されており、その押出スロ
ツト２６を通つて押し出されるとバツチ材料が、
密集したハネーカム構造体をなすようになつてい
る。

押出ダイ１８の前面にはフエースプレートリン
グアセンブリ２８が配されている。このフエース
プレートリングアセンブリ２８はリテーナリング
３２によつて所定の位置に保持される押出マスク
３０を備えている。そのリテーナリング３２は押
出マスク３０に当接するリツプ部３４を備えてお
り、さらに前記支持構造１２内に穿設されたねじ
孔に螺入される押えボルト３６を通す複数の孔を
備えており、その押えボルト３６によつてフエー
スプレートリングアセンブリ２８を押出ダイ１８
に対して所定の位置に固定するようになつてい
る。

なお、前記供給路２４および押出スロツト２６
は、第１，２図に示されているよりももつと密に
設けてよく、第３図は第２図の押出ダイ１８と押
出マスク３０の接続部分を拡大して示すものであ
るが、本発明がより理解し易いように押出面２２
の傾斜した部分に開口する押出スロツト２６およ
び供給路２４を第１，２図より密にして示した。

前記押出マスク３０は押出ダイ１８から押し出
されたハネーカム構造を受容する中央オリフイス
３８を備えている。前記押出室１６からのバツチ
材料は入口面２０と押出面２２の間を供給路２４
および押出スロツト２６をその長手軸方向に圧を
かけて通される。したがつて押出方向は供給路２
４と押出スロツト２６の長手軸に沿つて押出ダイ
１８の入口面２０から押出面２２に通ずるパスに
よつて定義される。

本発明においては、押出ダイ１８の押出面２２
は周縁部を斜めに切られており、押出方向にほぼ
直角な主面４０とその主面４０を取り巻くととも
にその主面４０に対して斜角Ｘをなす副面４２を
備えている。その角度Ｘは30゜〜60゜でよいが、ほ
ぼ45゜であるのが望ましい。第１〜３図の実施例
においては主面４０は楕円形をしているが、円形
でも、卵形でも多角形でも差し支えない。その主
面４０が多角形例えば正方形である場合には、そ
の主面４０を取り巻く前記副面４２はその主面４
０の各辺に沿つた複数の面からなることになる。
しかしながらいずれにしろ副面４２は一縁に収束
し、第３図に明確に示すように主面４０に対して
斜角をなす。

さらに、前記中央オリフイス３８を取り巻く押
出マスク３０の内面は入口面４４と出口面４６か
らなつており、その入口面４４は前記角度Ｘの同
じ角度で押出方向に収束している。この収束角度
も望ましい実施例においては45゜である。

さらに、押出マスク３０と押出ダイ１８の間に
スペーサ４８が配され、押出ダイ１８の副面４２
と押出マスク３０の入口面４４の間に間〓５１が
形成されるようになつている。この副面４２と入
口面４４は同じ角度Ｘで傾いているからその間〓
５１を形成する２つの壁面には中央オリフイス３
８の周囲において互いに平行に延びることにな
る。また第２，３図から明らかなように押出マス
ク３０の出口面４６は押出方向にほぼ平行になつ
ている。前記間〓５１内に入る押出材料が押し出
されるハネーカム構造の外被を形成する。このよ
うに間〓５１が押出方向に対してテーパーしてい
ることによつて、外被形成用の間〓がテーパーし
ていない前記米国特許第3947214号や第4008033号
の構造の場合に比して、周辺部のセルのつぶれや
ゆがみが大巾に少なくなる。また本発明のテーパ
ーした間〓を有する構造は押出材料を計量して供
給する間〓の全くない前記米国特許第3836302号
の構造に比べればさらに一層優れたものである。

例えばセラミツク材料でハネーカム構造を押し
出す際に難しいのは押出材料の収縮度が時々変化
することである。したがつてバツチ特性の変化に
応じて押し出されたハネーカム構造の最終寸法が
一定となるように容易に変更可能な押出装置が望
まれている。本発明の装置においては第３図に明
確に示すようにハネーカム構造の外被の厚さはス
ペーサ４８の厚みを変えて間〓５１の巾を変える
ことによつて容易に変えることができる。これは
押えボルト３６を外してフエースプレートアセン
ブル２８を外し、厚みの異なるスペーサ４８を入
れることによつて容易に実行できる。

押出ダイ１８の押出面２２の前記副面４２が押
出マスク３０の入口面４４にほぼ平行なため、ス
ペーサ４８の厚みを変えることによつて外被を形
成する押出材料の量は直線的に変化するだけであ
るから容易に計算できる。このようにスペーサ４
８の厚みが変えられる場合には押出ダイ１８の入
口面２０に当接する環状のバツクプレート５２が
使用される。そのバツクプレート５２の中央開口
の大きさを変えることによつて開いた押出材料供
給路２４の数を増減することができ、それによつ
て間〓５１内に入る押出材料の量を変えることが
できる。

押し出されるハネーカム構造の全体的な大きさ
を変えたい場合には中央オリフイス３８の出口面
４６の内径の異なる押出マスク３０を使用すれば
よい。第３図に示すように押出マスク３０の内径
がｄだけ大きくなるとそれまで外被を形成する材
料を通していた押出スロツト２６がハネーカム構
造部分を形成する材料を通すことになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の押出装置の底面
図、第２図は第１図の２−２線断面図、第３図は
第２図の一部を詳細に示す断面図である。 １６……押出室、１８……押出ダイ、２０……
入口面、２２……押出面、２４……供給路、２６
……押出スロツト、３０……押出マスク、３８…
…中央オリフイス、４０……主面、４２……副
面、４４……入口面、４６……出口面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 入口面、押出面、前記入口面に開口した押出
   材料供給路、およびその押出材料供給路に連通す
   るとともに前記押出面に開口した複数の押出スロ
   ツトを備え押出材料が前記押出材料供給路と押出
   スロツト内をその長手軸方向に前記入口面から押
   出面に押し出されるようになつている押出ダイお
   よび その押出ダイから押し出される構造体を受容す
   る中央オリフイスを備えた押出マスクからなり、 前記押出面が主面とその主面を取り巻くととも
   に前記押出方向に収束するように傾きその主面に
   対して斜角をなす副面とを有するように斜めに切
   られており、前記押出マスクの中央オリフイスが
   その斜角と同じ角度で収束する入口面と、出口面
   によつて形成されており、 前記押出ダイと押出マスクの間にその押出ダイ
   の前記副面と押出マスクの前記入口面との間の間
   〓を制御するためのスペーサが配されていること
   を特徴とするハネーカム構造押出装置。 ２ 前記斜角が30゜〜60゜であることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 前記斜角がほぼ45゜であることを特徴とする
   特許請求の範囲第２項記載の装置。 ４ 前記主面が楕円形をしていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の装置。 ５ 前記主面が円形をしていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の装置。 ６ 前記主面が多角形をしていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の装置。 ７ 前記押出材料供給路の内の選択されたものへ
   の押出材料の流入を阻止するブロツク手段が前記
   押出ダイの前記入口面に当接するように配されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の装置。 ８ 前記押出マスクの中央オリフイスの入口面が
   前記副面に間隔を置いて被されるように配されて
   おり、それによつてその中央オリフイスの周囲に
   間〓が設けられていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の装置。 ９ 前記押出マスクの中央オリフイスの出口面が
   押出方向にほぼ平行であることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の装置。 １０ 前記押出ダイの主面が押出方向にほぼ直角
   であることを特徴とする特許請求の範囲第９項記
   載の装置。