JPH0317133Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、重量センサとして圧電素子を用い、
測定した被加熱物の重量により加熱制御を行なう
電子レンジに関するものである。

〈従来の技術〉 従来、電子レンジに用いられている重量センサ
としては、ターンテーブル上に載せられた被加熱
物重量を、該重量に比例して移動する電極板と、
重量に関係なく移動しない固定電極との間の対向
距離の変化による静電容量の変化量を検出して重
量を求めるようにした静電容量型重量センサが採
用されている。しかし、該静電容量型重量センサ
は、その構成部品が多く且つ部品の組立精度が高
いものを要求される為、製造が難しく、工程が複
雑となり、必然的にコストも高くつくという欠点
があつた。

そこで、部品点数を少なくし、製造を容易にし
て大幅にコストの低減を図る為に、第４図ａ，ｂ
に示すように、ターンテーブル１を支持して加熱
室底面を回転する支持ローラ３を加熱室内に設
け、加熱室底面の支持ローラ３のローラ４の回転
軌跡部に設けた取付穴５に、第５図ａ，ｂに示す
ように、圧電変換素子７を配設し、支持ローラ３
の回転に応じて支持ローラ３の先端部に設けられ
たローラ４がノブ６を介して圧電変換素子７を押
圧することにより、圧電変換素子７に発生する電
圧を検出し、第６図に示すように該電圧が被加熱
物の重量に応じた押圧力に比例することを利用す
ることによつて、ターンテーブル１上に載置され
た被加熱物の重量を検出するようにした圧電変換
素子型重量センサを採用したものも提案されてい
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし乍ら、該圧電変換素子型重量センサで
は、第４図ａ，ｂに示すように、被加熱物８をタ
ーンテーブル１上の周辺部に置くと、正確な重量
の測定が行なえないという問題点を有していた。

本考案は、上記問題点に鑑みなされたものであ
り、正確な重量測定を行ない得る圧電変換素子型
重量センサを備えた電子レンジを提供することを
目的とする。

〈問題点を解決する為の手段〉 本考案は、加熱室内に回転自在に配設されたタ
ーンテーブルと、該ターンテーブルを支持して加
熱室底面を回転する支持ローラと、加熱室底面に
穿設した支持ローラの回転軌跡上の取付穴に配設
した圧電変換素子とを備え、支持ローラの回転に
応じて圧電変換素子に発生する電圧により、ター
ンテーブル上に載置された被加熱物の重量を検出
するようにした電子レンジにおいて、被加熱物の
正確な重量測定が行えない場合に警告を発する報
知手段を設けたことを特徴とする。

〈作用〉 被加熱物がターンテーブルに上の周辺部に載置
された場合には、正確な重量の測定が行なえない
ので、報知手段は警告サインを表示したり、警告
ブザーを鳴らしたりして使用者に知らせる。

〈実施例〉 以下、図示する実施例により、本考案を詳細に
説明する。

第１図は、本考案の電子レンジの概略構成を示
すブロツク図、第２図は、本考案の要旨とする動
作を示す図であり、図中、Ｍは、圧電変換素子７
を主体とし、ターンテーブル１上に載置された被
加熱物８の重量に応じて支持ローラ３の先端に設
けられたＡ，Ｂ，Ｃのローラ４が圧電変換素子７
を押圧することによつて発生する電圧Va，Vb，
Vcを検出する重量検出手段、８は、圧電変換素
子７から出力される各出力電圧Va，Vb，Vcと、
制御手段であるマイクロ・コンピユータCPUの
入力ピンの許容電圧Veとを比較する比較手段、
１１は、上記各出力電圧Va，Vb、Vcを許容電
圧Ve以下にする為に、過剰な電圧分をカツトす
る過剰電圧削除手段、ARは、警告サイン発生回
路９及び表示装置１０から成り、上記比較手段８
によつて、出力電圧Va，Vb，Vcのうち何れか
が許容電圧Ve以上となつたと判断されたときに
警告サインを表示装置１０に表示する報知手段で
ある。

次に、本考案の電子レンジの動作を説明する
と、先ず、被加熱物８をターンテーブル上に載
せ、操作パネル１６の操作キーにより調理を開始
させると、モータ２が駆動して、ターンテーブル
１及び支持ローラ３を回転させる。この支持ロー
ラ３の回転により、該支持ローラ３の先端に設け
られたＡ，Ｂ，Ｃの各ローラ４が回動し、加熱室
底面に穿設された取付穴５上に来ると、第５図
ａ，ｂに示す圧電変換素子７の上部に設けられた
ノブ６を被加熱物８の重量に相当する力でローラ
４が押圧し、その押圧力が圧電変換素子７に伝達
されて、被加熱物８の重量に応じた電圧が発生
し、重量検出手段Ｍから出力される。次に、重量
検出手段Ｍで検出されたＡ，Ｂ，Ｃの各ローラ４
による出力電圧Va，Vb，Vcは、比較手段８に
送られ、マイクロ・コンピユータCPUの許容電
圧Veと比較される。このとき、被加熱物８がタ
ーンテーブル１上の中心部に載置されていれば
Ａ，Ｂ，Ｃの各ローラ４による出力電圧Va、
Vb，Vcは、ほぼ同一となるが、第４図ａ，ｂに
示すように、被加熱物８がターンテーブル１の周
辺部に載置された場合には、第３図に示すよう
に、Ａ，Ｂ，Ｃの各ローラ４による出力電圧Va，
Vb，Vcは大きく異なり、この例では、Ａのロー
ラ４の出力電圧Vaがマイクロ・コンピユータ
CPUの許容電圧Ve（この例では10［Ｖ］）を越える
場合があり、出力電圧Vaが許容電圧Veを越える
とマイクロ・コンピユータCPUで平均値Ｄを求
められず、破線で示す平均値D′となり、正確な
測定ができないので、このときには、報知手段
ARの警告サイン発生回路９へ信号を送り、表示
装置１０へ警告サインを表示し、使用者に知らせ
る。又、上述のように、出力電圧Vaが大きくな
つても、ある程度の重量（この例では、約600
［ｇ］）までは測定は可能であるので、出力電圧
Va，Vb，Vcは、許容電圧Ve以下に制限する過
剰電圧削除手段１１を介してマイクロ・コンピユ
ータCPUへ入力し、演算回路１２で出力電圧
Va，Vb，Vcの平均値Ｄを求め、該平均値Ｄか
らターンテーブル等の重量その他の風袋分を引く
などして被加熱物の重量に対応する電圧を出力し
て、制御回路１４へ送つて、制御回路１４によつ
て加熱手段１５の加熱出力（加熱量）を制御し、
被加熱物の重量に応じた加熱調理を自動的に行な
うとともに、判定手段１３で判定し、出力電圧
Va，Vb，Vcが許容電圧Ve以上でなければ、即
ち警告サイン発生回路９からの警告信号がなけれ
ば、表示装置１０に重量を表示し、又、出力電圧
Va，Vb，Vcが許容電圧Ve以上となつて、警告
サイン発生回路９からの警告信号があれば重量を
表示せず、警告サインを表示するとともに、制御
回路１４へ信号を送り、加熱手段１５の加熱を停
止する。

〈考案の効果〉 以上のように、本考案の電子レンジは、被加熱
物がターンテーブル上の周辺部に載置されるなど
して、被加熱物の正確な重量測定が行なえない場
合には警告サインの表示等の警告を発して、使用
者に知らせる報知手段を設けたので、被加熱物の
載置位置の不適や重量の過剰によつて、解凍調理
等の自動的に重量を測定して調理を行なうことが
できない場合には容易に知ることができ、又、加
熱が停止されるので、調理の失敗や機器の故障を
未然に防止することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の電子レンジの一実施例を示
す概略構成ブロツク図、第２図は、同上、動作を
示す図、第３図及び第６図は、同上、圧電変換素
子の出力電圧と被加熱物の重量との関係を示す
図、第４図ａ，ｂは、加熱室底部の構成を示し、
第４図ａは平面図、第４図ｂは縦断側面図、第５
図ａ，ｂは、重量センサを示し、第５図ａは平面
図、第５図ｂは縦断側面図である。 Ｍ……重量検出手段、AR……報知手段、CPU
……マイクロ・コンピユータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱室内に回転自在に配設されたターンテーブ
   ルと、該ターンテーブルを支持して加熱室底面上
   で回転する支持ローラと、加熱室底面に穿設した
   支持ローラの回転軌跡上の取付穴に配設した圧電
   変換素子とを備え、支持ローラの回転に応じて圧
   電変換素子に発生する電圧によりターンテーブル
   上に載置した被加熱物の重量を検出するようにし
   た電子レンジにおいて、前記圧電変換素子からな
   る重量検出手段によつて各ローラ毎に検出した出
   力の値をある許容値と比較する比較手段と、該比
   較手段によつて得られた比較値が適正範囲外にあ
   つて被加熱物の正確な重量測定が行えない場合に
   警告を発する報知手段とを設けたことを特徴とす
   る電子レンジ。