JP2923176B2 - 電子レンジ - Google Patents

電子レンジ

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JP2923176B2
JP2923176B2 JP21545293A JP21545293A JP2923176B2 JP 2923176 B2 JP2923176 B2 JP 2923176B2 JP 21545293 A JP21545293 A JP 21545293A JP 21545293 A JP21545293 A JP 21545293A JP 2923176 B2 JP2923176 B2 JP 2923176B2
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roller
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弘 皆川
一朗 小栗
稔 庄田
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Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子レンジに係り、さら
に詳しくは、圧電素子が食品の重量センサとして組み込
まれた電子レンジの重量認識精度の調整手段の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】被加熱物の重量を測定し、その測定重量
に基いて加熱コントロールする重量センサ付電子レンジ
が近年急速に普及しつつあり、今後もさらに普及してゆ
くものと考えられる。たとえば、電子レンジ加熱室内の
ターンテーブルを支持し回転駆動するためのローラが、
加熱室底壁のローラ軌道上に設けられた小穴を通し、圧
電素子の荷重検知部の頭頂部に直接荷重を与え、得られ
た電圧信号をもとに重量に換算する手法については、出
願人が既に電子レンジに採用しており、特公平3−20
648号公報、特公平3−38485号公報、実公平3
−17148号公報等で技術を開示し権利を取得してい
る。また、加熱室底壁のローラ軌道上に小穴を設けず、
ターンテーブルと食品荷重がローラにより加熱室底壁金
属板に与える微小歪みを、加熱室底壁直下に設けた圧電
素子に間接的に加えることにより得られる信号レベルを
重量に換算する手法については、既に出願人の海外向け
電子レンジ機種の一部に採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
圧電素子を加熱室底壁に固定する場合、加熱室底壁と圧
電素子の荷重検知部との位置関係が微妙である。特に加
熱室底壁のローラ軌道上においてローラ通過時の歪みを
検出し、間接的に食品の重量を求めようとするタイプの
重量センサの場合には、ローラからの荷重が加わってい
ない状態における固定位置合わせに数10μmオーダー
の調整が必要である事が経験データより要求されてい
る。すなわち、初期の位置固定における重量センサの荷
重検知部が過分に加熱室底壁に押し付けられた状態の場
合、荷重変化に対する平均起電圧信号変化が少なくなる
傾向が有り検出感度が安定するが、大きい荷重における
電圧信号の直線性が悪い。また経時変化にともない圧電
素子の形状が塑性変化により重量検出感度が鈍る傾向が
有り検出重量値の誤差が増大する。
【0004】逆に、重量センサ荷重検知部の加熱室底面
への固定が不十分な圧力の場合、荷重変化に対する平均
起電圧信号変化が大きくなる傾向が有るが、環境条件に
よる検出感度が不安定であり、電子レンジ運転による温
度変化に伴う加熱室壁面の熱歪みや、食品荷重による加
熱室のたわみ歪みによる影響を受けやすい。実験、及び
経験データによると、0.4mm板厚のスチール又はステ
ンレス加熱室底壁の場合、圧電センサの荷重検知部が加
熱室底壁に接した位置から100μm押し付けた状態に
設定した場合が最も適した状態である事が分かってお
り、電子レンジの大量生産、及び市場でのサービスメン
テナンスにおいてもこの設定条件を容易に満たす必要が
ある。
【0005】一方、圧電素子の加熱室底壁への取り付け
手段としては、従来は例えば実公平3−48502号公
報の方式に見られる如く、重量センサ固定台を加熱室底
壁下部に固着させる場合、図11に示す形状の金具をロ
ーラ軌道の接線方向に足を設けスポット溶接していた。
このため電子レンジの運転に伴う加熱室底壁の温度変化
による熱歪みが重量センサ固定台の両側の足間でも発生
し、圧電素子の荷重検知部において上下方向の歪みとな
り、重量誤認識の原因となっていた。すなわち、図11
(a)は、従来機種に採用されている重量センサの斜視
図、同図(b)は加熱室底壁の温度上昇に伴う熱膨張が
重量センサ台の取り付け足間で圧電素子の荷重検知部に
圧力をかけている状況を表す概念図である。
【0006】図11に示す従来型の重量センサ101の
構造は、重量センサ取り付け台102と、圧電素子10
3、及び圧電素子ケースの補強のために裏に取り付けら
れた補強板104から構成される。圧電素子103の重
量検知部105と加熱室底壁106との位置調整は、圧
電素子取り付けネジA,Bの片方ネジAを締め付けた
後、もう一方のネジBを締め付けて行くことにより行わ
れていた。なお、ネジBの取り付け面はネジAの面に対
し段差107が設けられている。加熱室底壁106の熱
膨張により重量センサ取り付け台102との間における
寸法歪みは、圧電素子103の荷重検知部105に対し
上下方向の歪みSa,Sbとなり、下方向の歪みSbの
場合、圧電素子103の荷重変化に対する起電圧が少な
くなる傾向となり、実際より軽い重量認識が行われる。
【0007】逆に加熱室底壁106の熱膨張が上方向の
歪みSaとなる場合、圧電素子103の荷重変化に対す
る起電圧が大きくなる傾向となり、実際より重い重量認
識が行われることになる。しかも、これらネジA、ネジ
Bの締め付け調整は従来は目視判定により行われてお
り、そのため、正確な調整を行うことができなかった。
そこで出願人は、より正確に被加熱物の重量検出が行な
えるような手段として、実願平4−84797号により
先に提案を行なっている。図12に上記提案に係る重量
センサの取付け手段の要部拡大図を示す。
【0008】すなわち、図12の要部拡大図において、
115はターンテーブル、110は支持ローラ、110
aはローラ台であり、加熱室117の底壁106の中央
近傍には圧電素子取り付け部材102aの一端がたとえ
ばスポット溶接などの公知の手段により×印の部分で固
着される一方、圧電素子取り付け部材102aの他端が
バネ機構を構成する板バネ114を挟持して調整ネジ1
25により、加熱室117の側壁側近傍に、たとえば×
印の部分でスポット溶接などで固着された固定板126
に螺着されるように配置されている。さらに、加熱室1
17内部のターンテーブル115を回転させるローラ1
10の下側には、加熱室底壁106を挟んで押圧された
圧電素子101が前記圧電素子取り付け部材102aに
装着されている。なお、105は圧電素子101の荷重
検知部、108は圧電素子101のケースである。
【0009】上記の提案技術は、圧電素子の加熱室底壁
の裏面に対する位置を調整できるので、これによって、
圧電素子に伝えられるローラの押圧力を調整できること
になり、優れた効果を発揮するものである。然して、こ
のような電子レンジの生産組立てに際し、個人差を考慮
することなく、高精度の調整が行なわれることも望まれ
るところである。従って本発明の目的とするところは、
電子レンジに用いられる重量センサの重量認識精度を向
上し、これをもとに調理時間を連動させた食品調理の仕
上がりを良好とし、これによって自動調理メニューの増
加が期待され、使い勝手もよい電子レンジの提供に加え
て、さらに大量生産に際して個人差を考慮することなく
高精度の圧電素子調整も可能となる電子レンジを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は標記の課題を解
決するためなされたものであって、その要旨とするとこ
ろの第1は、ターンテーブルを支持して加熱室底壁上を
回転する支持ローラを加熱室内に配設し、加熱室底壁の
ローラ回転軌跡部裏面側に裏面との接触圧力調整可能に
圧電素子を配設して、支持ローラが回転した際に該ロー
ラの押圧力によって前記圧電素子に発生する電圧を検出
しターンテーブル上に載置された被加熱物の重量を検出
する電子レンジにおいて、圧電素子と加熱室底壁裏面と
の接触圧力を調整するための調整モードを制御手段に内
蔵し、調整モード下において圧電素子の発生電圧をモニ
ターすることにより前記接触圧力が所定圧力に調整され
たことを検知し報知するようにした電子レンジにある。
【0011】また、本発明の要旨とするところの第2
は、ターンテーブルを支持して加熱室底壁上を回転する
支持ローラを加熱室内に配設し、加熱室底壁のローラ回
転軌跡部裏面側に裏面との接触圧力調整可能に圧電素子
を配設して、支持ローラが回転した際に該ローラの押圧
力によって前記圧電素子に発生する電圧を検出しターン
テーブル上に載置された被加熱物の重量を検出する電子
レンジにおいて、圧電素子と加熱室底壁裏面との接触圧
力を調整するための調整モードを制御手段に内蔵し、調
整モード下において圧電素子の発生電圧をモニターする
ことにより前記接触圧力が所定圧力に調整されたとの調
整完了信号を出力する端子を具備した電子レンジにあ
る。
【0012】さらに、本発明の要旨とするところの第3
は、前記制御手段が、モニターした前記圧電素子の発生
電圧に基づいて、調整されたことが報知されるまで、圧
電素子と加熱室底壁裏面との接触圧力を調整する調整手
段を具備した請求項1又は2記載の電子レンジにある。
【0013】
【作用】本発明においては、電子レンジの特性として、
食品調理加熱に伴う加熱室の熱変形、特に加熱室底壁の
熱変形による圧電素子に対する影響を緩和することを配
慮した構造となっている。すなわち食品調理のための運
転制御用ロジック演算制御回路内に圧電素子と加熱室底
壁との位置関係を調整するための機能を加え、サービス
メンテナンス実施時に調整モードとして活用することに
より、特種な測定器具を用いずに正確な調整ネジの角度
設定が容易になる。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例について図面に基いて詳
細に説明する。図1は、本発明に係る電子レンジの加熱
室底壁下部に重量センサ1を配設した一実施例を示す正
面断面図である。図2は、図1の重量センサ1が加熱室
7底壁に取り付けた部分の拡大図である。この電子レン
ジはマグネトロン11、マグネトロン11から輻射され
たマイクロ波を加熱室7に導くための導波管12、マグ
ネトロン動作用高圧電源回路13、オーブンランプ1
4、電子レンジ全体の制御を司る制御回路(後述)、外
箱6、加熱室7、ターンテーブル15、支持ローラ1
0、ローラ台10a、ターンテーブルモータ8、カップ
リング16、圧電式重量センサ1、及び、加熱室7の開
口面に開閉自在に装着されたドア(図示せず)等を主要
構成要素としている。また、9は、ターンテーブルモー
タ8のサービスメンテナンス用のモータサービス蓋であ
る。
【0015】なお、図2の拡大図において、加熱室7の
底壁7aの側面近傍には重量センサ台2aの一端がたと
えばスポット溶接などの公知の手段により×印の部分で
固着されて固定部7bが設けられる一方、圧電素子取り
付け部材2と前記重量センサ台2aとが調整支点2bで
組合わされて一体の取付板とされた他端がバネ機構を構
成する板バネ4を挟持して調整ネジ5により、加熱室底
壁7aの中央部側、すなわち外箱6に設けられたサービ
スメンテナンス用モータサービス蓋9の上部に位置する
ように配置されている。さらに、加熱室7内部のターン
テーブル15を回転させるローラ10の下側には、加熱
室底壁7aを挟んで押圧された圧電素子3が前記圧電素
子取り付け部材2に装着されている。なお、3bは圧電
素子3の荷重検知部、1aは圧電素子3のケースであ
り、10aはローラ台、さらに3cは後述する接触保持
部である。
【0016】次に図3(a),(b)は、図2の重量セ
ンサ1にかかわる基本となる部分を取り出しあらわした
(a)斜視図、および(b)平面図である。この重量セ
ンサ1は、重量センサ台2a、圧電素子取り付け部材
2、板バネ4、調整ネジ5と圧電素子3から構成されて
おり、重量センサ台2aと圧電素子取り付け部材2とは
調整支点2bとなる部分で組合わされ、板バネ4を挟ん
だ状態で調整ネジ5により固定される。圧電素子3は、
圧電素子取り付け部材2にビス留めされている。このよ
うな構成において、図2に示された接触保持部3cは、
ローラ10の回転方向、すなわち図2では紙面に垂直の
方向、の圧電素子3の側方に立設され、その上面が加熱
室底壁7aとは固定されず、接触状態で保持されてい
る。
【0017】すなわち、図3の重量センサ台2aは、図
中に示す×印の部分で加熱室7底壁下部に、公知の固定
手段たとえばスポット溶接などにより固定されるが、圧
電素子3の両側に位置する接触保持部3cは加熱室7底
壁と接触するのみで固着しない。すなわち、この接触保
持部3cは、加熱室7底壁に接する状態としておき、加
熱室7の熱変形による圧電素子3付近の下方からの膨ら
みを防止し、圧電素子3に誤差の要因となる非荷重時の
圧力を安定化させるものである。さらに、重量センサ台
2aの加熱室7への固着部分は、熱変形や食品荷重によ
る変形の影響の少ない側面コーナーに近い部分と、上下
方向の最も激しい加熱室7底壁中央部に近い部分とに分
散して位置させることによって、圧電素子3の荷重検知
部3bはローラ10軌道部付近の熱変形による膨らみに
接触保持部3cと共に追従でき、非荷重時の圧電素子3
に対する圧力が安定する。これによって、食品荷重とタ
ーンテーブル15荷重によるローラ10を介する加熱室
7底面への圧力歪みは、主として重量センサ台2aの両
側の接触保持部3c間に生ずる加熱室7の歪みのみとな
り、重量認識精度の向上が可能となる。
【0018】なお、調整支点2bからの圧電素子荷重検
知部3bまでの距離と、調整支点2bからの調整ネジ5
までの距離はこの実施例では約1:3となっており、
0.6mmピッチのネジ山の一般ネジを調整ネジ5として
採用すると、調整ネジ5の1回転で圧電素子荷重検知部
3bは加熱室7底壁に対しほぼ垂直に0.2mm移動する
ことになる。一般に目分量で角度調整する場合、約1/
12〜1/10回転(30゜〜36゜)程度の単位で調
整が可能であることより、0.02mm(20μm)程度
の誤差で調整が可能となる。すなわち、ネジ山ピッチ
0.6mmの調整ネジ5を採用した場合、1回転で200
μm、1/2回転で100μm、約1/6回転で約30
μm程度の調整ができる。さらに、図2に見られる如
く、調整ネジ5がターンテーブル駆動モータ8のサービ
スメンテナンス用の蓋9付き開口部分に位置することに
よって、調整作業が容易となる。
【0019】次に、図4は、図1の重量センサ1を採用
した電子レンジの制御回路20の概要をあらわしてい
る。ロジック演算制御回路21には、電子レンジ本体の
電装部品である高圧トランス13、空冷ファンモータ、
ターンテーブル駆動モータ8、オーブンランプ14等を
制御するための出力回路19が接続され、加熱室7のド
ア開閉状態を検出するドアスイッチ22、食品調理の条
件を入力するためのキースイッチ23、時刻や調理時間
の経過を表示するための表示管24、キーイン確認や調
理の終了を報知するための発音素子25が通常接続され
ている。重量センサ仕様が付加される本発明の電子レン
ジにおいては、圧電素子3の信号に含まれる食品重量以
外のモータ8の振動や、電子レンジ外箱6に対する機械
的な外乱による比較的周波数の高い雑音を除去するため
に定数を大きく取った時定数回路26がアッテネータ回
路と共に挿入されており、さらに直流増幅回路27、A
/Dコンバータ回路28が付加されている。
【0020】なお、図4に示した実施例では、時定数回
路に抵抗R1、R2として10Mohm×2個とコンデン
サC1として0.15μFを採用しており、時定数は
1.5秒となっている。さらに、次段のA/Dコンバー
タ28の入力電圧レベルを整合するために直流増幅回路
27が設けられている。圧電素子3の出力信号はコモン
レベルに対して正負の信号が発生するが、重量への換算
レベルはどちらか一方だけで十分であるためこの実施例
ではマイナス側だけを検出すべく、直流増幅回路27は
単極反転増幅回路を採用している。A/Dコンバータ2
8では電源周期を基準に1回/サイクルのA/D変換を
行い、ロジック演算プログラム制御によりローラ10通
過時のピーク値検出を行っている。
【0021】次に、図5は、図4の回路中[a]点
[b]点における信号波形を示している。図中[A−
a]と[A−b]は、食品荷重のかかったローラ10が
圧電素子3の荷重検知部3bを通過したときの回路図中
[a][b]両点の波形を示す。この実施例では[A−
b]のローラ10通過波形から求められるピーク値を、
連続6回検出し加算平均した値を用い、所定の電圧重量
換算のための一次方程式により演算を行うことにより重
量を求めている。図5の、[B−a][B−b]は、圧
電素子3が加熱室7の底壁から離れている状態から調整
ネジ5をほぼ等速でゆっくり締め付けている状況を示し
ている。圧電素子3の荷重検知部3bが加熱室7底壁に
タッチし、電圧信号が出始めた時点と、直流増幅回路2
7出力に変化が生じる時点とでは、直流増幅回路27の
入力初期スレッショルド値があるため若干の差がでてい
る。確認実験では調整ネジ5の約1/6回転分の差であ
り、圧電素子3の調整位置で約30μmが定量的に生じ
ているため、調整ネジ5の設定時100μm(1/2回
転分)から差し引いておけばよい。
【0022】さらに、図6は、圧電素子3の位置調整を
行う際、ロジック演算制御プログラムの概要を示したフ
ローチャートである。図4に示される重量センサ1を付
加した電子レンジ回路と同一回路を用い、ロジック演算
プログラムの実行モードを切り替えることにより、圧電
素子3の位置調整を行うことができる。すなわち、ロジ
ック演算制御回路21における通常の電子レンジ動作か
ら圧電素子3の位置調整モードに切り替えるために、キ
ー23に通常実行される恐れのない特殊キー入力シーケ
ンスを採用しておく。A/Dコンバータ28によるA/
D変換は電源周期に同期させ、1回/サイクル(50H
z電源なら50回/秒、60Hz電源なら60回/秒と
なる)で直流増幅回路27の出力を読み込む。直流増幅
回路27の出力に変化が現れるタイミングを得る手法は
種々あるが、この実施例では連続3サイクルの直流増幅
回路27の出力が3回とも異なる場合を変化として認
め、発音素子25としてスピーカーからの発音報知、あ
るいは、表示管24に特定の表示(88:88等)を行
わせる手法を取っている。
【0023】図6のフローチャートにおいては、スター
トにおいて重量センサ調整モードとしたのち、ステップ
1(S1)でA/D変換値をLadと置き、直ちに3個
の順次メモリーLz=Ly,Ly=Lx,Lx=Lad
の値をステップ2(S2)で順次置き換える。通常モー
ドへの復帰かどうかの状況をステップ3(S3)のキー
スイッチの“CLEAR”キー入力かどうかで判断し、
“CLEAR”キーが押されていれば(Yes)、ステ
ップ4(S4)で通常モードに復帰し、押されていなけ
れば(No)、ノイズによる誤動作を緩和するためにス
テップ5(S5)でメモリー値Lx,Ly,Lzがすべ
て異なる値であることを認識した場合(No)、スピー
カー25から報知音と、表示管24のインジケーター点
灯をステップ6(S6)、ステップ7(S7)で約50
msec連続させ、ステップ1(S1)に戻って次のA
/D変換を行う。メモリー値Lx,Ly,Lzのいずれ
か2個の値が同一であれば(Yes)、ステップ8(S
8)でスピーカー25報知音停止、及び表示管24イン
ジケーターを消灯し、ステップ1(S1)に戻って次の
A/D変換を行う。
【0024】以上の説明に見られるように、本発明にお
いては、調整ネジ5の回転のための補助機能として、ロ
ジック演算制御回路21に含まれるA/Dコンバータ2
8により調整ネジ5の回転に伴う圧電素子3の出力電圧
をモニターし、電圧に変化が生ずる回転タイミングで基
準角度検知を報知するための発音素子25、あるいは表
示管(インジケータ)24による表示を行わせることが
できる。その後調整ネジ5を所定の追加角度で回すこと
により、圧電素子3の荷重検知部3bが加熱室7底壁に
接した位置から100±30μm程度の精度で押し付け
た状態に設定することが可能となる。そこでこれを応用
して、電子レンジの大量生産ラインで、圧電素子3の荷
重検知部3bが加熱室7底壁に接した位置から100±
30μm程度の精度で押し付けた状態に設定する調整作
業工程において、調整ネジ5の回転とともに圧電素子3
の出力電圧をモニターし、出力変化が生ずる回転タイミ
ングで基準角度検知を報知するための発音素子25、あ
るいは表示管(インジケータランプ)24による表示を
行うことによって、簡単かつ精度よく調整作業を行うこ
とができる。
【0025】その場合、制御回路20に連動して、回転
角度が制御駆動される調整用ドライバーを使用すれば、
調整作業者の個人差を考慮することなく高精度の調整が
行なわれる。図7は、このような電子レンジの大量生産
ラインにおける生産組み立ての初期の時点で、あるいは
加熱室7組品の組み立て工程において、重量センサ1を
加熱室7底壁に取り付ける作業と共に、圧電素子3の位
置設定を行う状況を示す回路概念図である。図7の制御
回路20内部の下半分は、先に図4から図6で説明し
た、圧電素子3の位置設定時点の基準角度位置を検知し
報知し表示する制御回路20と同等品で構成されるが、
生産工程内における環境においても十分認知できるよう
に、発音素子25であるスピーカーの音量を調整するた
めの音量アンプ25aと、表示管24であるランプイン
ジケータの光度を調整するランプドライバ24aの設置
のための端子25aaならびに24aaを夫々設けるこ
とを配慮したものである。
【0026】図7の制御回路20内部の上半分は、ステ
ッピングモータドライブ回路30を構成するものであ
る。位置設定における調整ネジの回転を、ステッピング
モーターを内蔵した回転角度調整のできる専用ドライバ
ー32を用い、半自動で行おうとする装置例を示した。
ドライバー32の回転は約15rpm(1回転約4秒)
程度が適当である。なお31はステッピングモータ電源
である。図8は、図7に示される半自動調整専用ドライ
バー32を用いたシステムの調整動作の概要を示したフ
ローチャートである。なお、直流増幅回路27の出力の
A/Dコンバータ28によるA/D変換は、ドライバー
32の回転のためのステッピングモーター駆動パルスの
出力に同期されて実行されているものとする。
【0027】図7、図8において、半自動調整専用ドラ
イバー32を調整ネジ5にあてがい調整スタートさせる
にあたり、まずステップ1(S1)において、調整ネジ
5を緩める方向である左に1/4回転させる。この左回
転によりステップ2(S2)において直流増幅回路27
に出力変動が生じなければ(No)、圧電素子3の荷重
検知部3bが加熱室7底壁から離れていることになり、
次に調整ネジ5を締める方向である右に回転させる。初
めの左1/4回転で出力が変動すれば(Yes)、圧電
素子3の荷重検知部3bが加熱室7底壁にまだ接触して
おり、ステップ3(S3)で引き続き左回転をさせ、直
流増幅回路27の出力の変化がなくなる時点で次のステ
ップ4(S4)に移る。
【0028】次にステップ4(S4)で調整ネジ5を右
回転させ、ステッピングモーター駆動パルスに同期する
タイミングで、直流増幅回路27の出力をモニターする
時、A/Dコンバータ28のA/D変換値に変動が生じ
た時点が調整ネジ5の基準角度となり、発音素子25に
よる報知音発生、あるいは表示管24によるインジケー
タ点灯により表示する。調整ネジ5はステップ5(S
5)において、さらに右回転を継続し、基準角度から所
定の角度に至る時点で停止させ(約1/3回転)ステッ
プ6(S6)において、調整完了を表す報知音発生、あ
るいはインジケータ点灯を、発音素子25もしくは表示
管24により行う。なお、この場合、調整完了を表すた
めの報知音発生は、端子25aaに接続され、スピーカ
ーの音量を音量アンプ25aによって調整する発音素子
25によって行なわれるものであり、またインジケータ
点灯は端子24aaに接続され、ランプインジケータの
光度をランプドライバ24aによって調整する表示管2
4により行なわれるものである。
【0029】なお、本発明においては、圧電素子3の予
備調整の手段として、たとえば図9の回路図に示される
ように、圧電素子3の部分を前記制御回路20から電気
的に切り離して、圧電素子3の外部から発振器35によ
り一定周波数の電圧を印加することによって、前記の調
整ネジ5を回転させるに従ってシンクロスコープ36画
面上のA点での波形が変化するのでこれによって適正な
調整点を見出すことができる。すなわち、図9におい
て、CNC1〜3は圧電素子3を重量検知部を含む前記
の制御回路20と接続するための接続部であり、35は
発振器で、前記の通りシンクロスコープ36が図の如く
接続されている。
【0030】この図9の装置を用い、測定定数の一例と
して、たとえば周波数fを5KHzに設定し、V=7
V、R3=3KΩとして、これを圧電素子3に印加しな
がら前記調整ネジ5を回転し調整を行うと、シンクロス
コープ36に見られる波形が図10(a)のものから図
10(b)の波形へと変化する。この場合、前記の図4
あるいは図7に示した発音素子25を使用することによ
って、波形の変化に対応して発音素子25からの発生音
も変化することになる。従って、波形の変化または音の
変化を確認することによって最適の調整点を決定するこ
とが可能となる。
【0031】
【発明の効果】本発明により、電子レンジにおける重量
センサの微妙な位置調整作業が、電子レンジの大量生産
工程、及び市場でのサービスメンテナンスにおいて正確
に、かつ容易に実施出来る。さらに、電子レンジに採用
される重量センサの重量認識精度が向上することにな
り、認識重量をもとに調理時間を連動させた食品調理の
仕上がりが良好となる。また、食品の自動調理が期待で
きるメニューが増加する。以上のように、本発明の電子
レンジは多くの優れた点を有するものであり、それによ
って期待される効果は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電子レンジの一実施例を示す正
面断面図である。
【図2】図1の重量センサ取り付け部分を拡大した概略
説明図である。
【図3】図2におけるセンサ部分の基本となる構造の
(a)斜視図、(b)平面図である。
【図4】重量センサを採用した電子レンジ制御回路の概
要図である。
【図5】図4における(a)圧電素子出力と、(b)直
流増幅回路出力の波形事例を示す図である。
【図6】圧電素子の位置調整制御プログラムを示すフロ
ーチャートである。
【図7】生産工程における圧電素子の位置調整状況を示
す回路概念図である。
【図8】図7の回路概念図を基にした半自動調整機器の
動作フローチャートである。
【図9】圧電素子に一定周波数の電圧を印加して位置調
整を行うための回路の一例を示す回路図である。
【図10】図9の回路により得られる(a)調整前、
(b)調整後の波形事例を示す図である。
【図11】従来型の重量センサの構造を示す(a)斜視
図、(b)概略説明正面断面図である。
【図12】出願人の先の提案に係る重量検出装置の要部
拡大図である。
【符号の説明】
1,101 重量センサ 1a,108 圧電素子のケース 2,102a 電圧素子取り付け部材 2a,102 重量センサ台 2b 調整支点 3,103 電圧素子 3b,105 荷重検知部 3c 接触保持部 4,114 板バネ 5,125 調整ネジ 6 外箱 7,117 加熱室 7a,106 加熱室底壁 7b 固定部 8 ターンテーブルモータ 9 モータサービス蓋 10,110 ローラ 10a,110a ローラ台 11 マグネトロン 12 導波管 13 高圧電源回路 14 オーブンランプ 15,115 ターンテーブル 16 カップリング 19 電子レンジ本体への出力回路 20 制御回路 21 ロジック演算制御回路 22 ドアスイッチ 23 キースイッチ 24 表示管 24a ランプドライバ 24aa,25aa 端子 25 発音素子 25a 音量アンプ 26 時定数回路 27 直流増幅回路 28 A/Dコンバータ回路 30 ステッピングモータドライブ回路 31 ステッピングモータ電源 32 ドライバー 35 発振器 36 シンクロスコープ 104 補強板 107 段差 126 固定板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−9128(JP,A) 特開 平2−178615(JP,A) 実開 昭61−114208(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24C 7/08 315 F24C 7/02 315

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターンテーブルを支持して加熱室底壁上
    を回転する支持ローラを加熱室内に配設し、加熱室底壁
    のローラ回転軌跡部裏面側に裏面との接触圧力調整可能
    に圧電素子を配設して、支持ローラが回転した際に該ロ
    ーラの押圧力によって前記圧電素子に発生する電圧を検
    出しターンテーブル上に載置された被加熱物の重量を検
    出する電子レンジにおいて、圧電素子と加熱室底壁裏面
    との接触圧力を調整するための調整モードを制御手段に
    内蔵し、調整モード下において圧電素子の発生電圧をモ
    ニターすることにより前記接触圧力が所定圧力に調整さ
    れたことを検知し報知するようにしたことを特徴とする
    電子レンジ。
  2. 【請求項2】 ターンテーブルを支持して加熱室底壁上
    を回転する支持ローラを加熱室内に配設し、加熱室底壁
    のローラ回転軌跡部裏面側に裏面との接触圧力調整可能
    に圧電素子を配設して、支持ローラが回転した際に該ロ
    ーラの押圧力によって前記圧電素子に発生する電圧を検
    出しターンテーブル上に載置された被加熱物の重量を検
    出する電子レンジにおいて、圧電素子と加熱室底壁裏面
    との接触圧力を調整するための調整モードを制御手段に
    内蔵し、調整モード下において圧電素子の発生電圧をモ
    ニターすることにより前記接触圧力が所定圧力に調整さ
    れたとの調整完了信号を出力する端子を具備したことを
    特徴とする電子レンジ。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、モニターした前記圧電
    素子の発生電圧に基づいて、調整されたことが報知され
    るまで、圧電素子と加熱室底壁裏面との接触圧力を調整
    する調整手段を具備したことを特徴とする請求項1又は
    2記載の電子レンジ。
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