JPH03170333A - 薄膜超電導体およびその製造方法 - Google Patents

薄膜超電導体およびその製造方法

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JPH03170333A
JPH03170333A JP1307920A JP30792089A JPH03170333A JP H03170333 A JPH03170333 A JP H03170333A JP 1307920 A JP1307920 A JP 1307920A JP 30792089 A JP30792089 A JP 30792089A JP H03170333 A JPH03170333 A JP H03170333A
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JP
Japan
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thin film
oxide
film
target
magnetic
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Application number
JP1307920A
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English (en)
Inventor
Chomei Matsushima
朝明 松嶋
Hiroshi Ichikawa
洋 市川
Shinichiro Hatta
八田 真一郎
Kentaro Setsune
瀬恒 謙太郎
Kiyotaka Wasa
清孝 和佐
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Priority to JP1307920A priority Critical patent/JPH03170333A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
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  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、IOOK以上の高臨界温度が期待されるビス
マスを含む酸化物からなる薄膜超電導体およびその製造
方法に関するものである。
従来の技術 高温超電導体として、A15型2元系化合物として窒化
二オブ(NbN)やゲルマニウムニオブ(Nb:+Ge
)などが知られているが、これらの材料の超電導転移温
度はたかだか23Kである。一方、ペロブス力イト系化
合物はさらに高い転移温度が期待され、Ba−La−C
u−0系の高温超電導体が提案された。IJ.G.Be
dnorz and K.A.Muller,ツアイト
シュリフト・フユア・フィジーク(Zeitschri
ftfiir Physik B)−Condense
d Matter Vol.64.PP189193(
1986) ] 。
さらに、Bi−Sr−Ca−Cu−0系の材料が100
K以上の転移温度を示すことも発見された[H.Mae
da,Y.Tanaka,M.Fukutoii an
d T.Asano,ジャパニーズ・ジャーナル・オブ
・アプライド・フィジックス(Japanese Jo
urnal of Applied Physics)
Vo1.27.PPL2O9−210(1988)] 
.この種の材料の超電導機構の詳細は明らかではないが
、転移温度が室温以上に高くなる可能性があり、高温超
電導体として従来の2元系化合物より、より有望な特性
が期待される。
さらに超電導体と磁性体とを交互に積層することにより
、より高い臨界電流密度およびより高い臨界磁場が従来
から期待されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、B i −S r−Ca−Cu−0系の
材料は、現在の技術では主として焼結という過程でしか
形成できないため、セラミックの粉末あるいはブロック
の形状でしか得られない。一方、この種の材料を実用化
する場合、薄膜状に加工することが強く要望されている
が、従来の技術では、良好な超電導特性を有する薄膜作
製は難しいものであった。すなわち、Bi−Sr−Ca
−CuO系には超電導転移温度の異なるいくつかの相が
存在することが知られているが、特に転移温度が100
K以上の相を薄膜の形態で達成するのは、非常に困難と
されていた。
また、従来このBi系において良好な超電導特性を示す
薄膜を形成するためには少なくとも7 0 0 0C以
上の熱処理あるいは形成時の加熱が必要であり、そのた
め高い臨界電流密度、高い臨界磁場が期待される磁性薄
膜との周期的な積層構造を得ることは極めて困難と考え
られ、またこの構造を利用した集積化デバイスを構威す
ることもたいへん困難であるとされていた。
課題を解決するための手段 本発明者らによる第1の発明の薄膜超電導体は、主体成
分が少なくともビスマス(Bi),銅(Cu),および
アルカリ土類(IIa族)を含む層状酸化物超電導薄膜
と、主体威分がスピネル型酸化物からなる磁性薄膜とが
交互に積層された構造を持つことを特徴とする薄膜超電
導体である。
さらに第2の発明の薄膜超電導体の製造方法は、基体上
に、少なくともビスマス(Bi)を含む酸化物と少なく
とも銅(C u)およびアルカリ土類(I Ia族)を
含む酸化物とを周期的に積層させて形成する酸化物薄膜
とスピネル型酸化物からなる磁性薄膜とを交互に積層す
ることを特徴とする薄膜超電導体の製造方法である。
弓 ここでアルカリ土類は、Ila族元素のうち少なくとも
一種あるいは二種以上の元素を示す。またスピネル型酸
化物とは、M X 2O4(M=Mn,Fe,Co,N
 i ,C u ,C r ,Mg,C d,L io
.sF eo.s,XFe, Co, Cr,M n 
,V)およびN+−xZnxF e2O+(N=Mn,
Fe,Co,N i ,Mg,L io.sF eo.
s)であらわされる酸化物磁性体およびこれらのうち少
なくとも二種以上を含む複合酸化物磁性体である。
作用 本発明者らによる第1の発明においては、安定なBi2
O2酸化膜層またはこれを主体とした層によりともに覆
われた結晶構造となっているところの、Bi系超電導薄
膜とスピネル型酸化物なる磁性薄膜とが交互に積層され
た構造をとることによって、超電導薄膜と磁性薄膜との
間での相互拡散の少ない積層が可能となる。また、磁性
薄膜のもつ磁気モーメントまたはスピンと超電導薄膜と
の相互作用により、Bi系超電導薄膜における臨界電流
密度および臨界磁場の向上が実現されたものである。
6 さらに第2の発明においては上記構造を達成するため、
少なくともBiを含む酸化物と少なくとも銅およびアル
カリ土類CI Ia族〉を含む酸化物あるいはスピネル
型酸化物とを周期的に積層させて分子レベルの制御によ
る薄膜の作製を行うことによって、再現性良<Bi系超
電導薄膜と磁性薄膜との積層を得るものである。
実施例 まず、本発明者らはBi系超電導薄膜と磁性薄膜との周
期的な積層構造を実現するため、Bi系超電導薄膜と種
々の磁性薄膜との界面での相互作用について検討した。
通常、Bi系超電導薄膜は500〜700℃に加熱した
基体上に蒸着して得る。蒸着後、そのままでも薄膜は超
電導特性を示すが、その後800〜950℃の熱処理を
施し、超電導特性を向上させる。
しかしながら、基体温度が高い時に磁性薄膜をBi系超
電導薄膜に続いて積層したり、磁性薄膜を形成後熱処理
を行った場合、超電導薄膜と磁性薄膜との間で、元素の
相互拡散が起こり超電導特性が大きく劣化することが判
明した。相互拡散を起こさないためには、超電導薄膜,
磁性薄膜の結晶性が優れていること、超電導薄膜と磁性
薄膜との間で格子の整合性が優れていること、磁性薄膜
が800〜950℃の熱処理に対して安定であることが
不可欠と考えられる。
種々の検討を行った結果、本発明者らは、スピネル型酸
化物薄膜が磁性薄膜として適していることを見い出した
。その理由としては明らかではないが、スピネル型酸化
物は、Bi系超電導体との格子の整合性がきわめて優れ
ており、また高温の熱処理においても、Bi系超電導体
との界面が非常に安定であると考えられる。
さらに本発明者らは、Bi系超電導薄膜とスピネル型酸
化物薄膜を周期的に積層した時、Bi系超電導薄膜本来
の臨界電流密度および臨界磁場が向上することを見い出
した。
以下本発明の具体的な実施例について説明する。
実施例1 第1図は、本発明による薄膜超電導体を得るための高周
波二元マグネトロンスパッタ装置の内部の概略図であり
、11はBi−Sr−Ca−CuOターゲット、12は
Ni−Fe−○ターゲット、13はシャッター 14は
アパーチャ− 15は基体、16は基体加熱用ヒーター
を示す。焼結体をプレス戒形加工して作製した2個のタ
ーゲッ}11.12を用い、第1図に示すように配置し
た。すなわち、基体15に焦点を結ぶように各ターゲッ
トが約30℃傾いて設置されている。ターゲットの前方
には回転ずるシャッター13があり、その中にはアパー
チャ−14が設けられている。シャッター13の回転を
パルスモーターで制御することにより、アパーチャ−1
4をBi−SrCa−Cu−0ターゲット11またはN
i−FeOターゲット12上に停止させることができる
。このようにして、Bi−Sr−Ca−CuO−+Ni
−Fe−0−+Bi−Sr−Ca−CuO−+Ni−F
e−0−+Bi−Sr−Ca−CuOのサイクルでスパ
ッタ蒸着が行なうことができ9 る。B i7S r−Ca−Cu−0膜,Ni−FeO
膜の積層の様子を概念的に第2図に示す。第2図におい
て、15は基体、21はNi−FeO膜、22はB i
 −S r−Ca−Cu−0膜を示す。ターゲッl−1
1.12への入力電力、BiS r−Ca−Cu−0お
よびNi−Fe−0のスパッタ時間を制御することによ
り、基体15上に蒸着するNi−Fe−0膜21,Bi
−Sr−CaCu−0膜22の膜厚を変えることができ
る。
基体15をヒーターl6で約700℃に加熱し、アルゴ
ン・酸素(1 : 1)混合雰囲気0.5Paのガス中
で各ターゲットのスパッタリングを行なった。薄膜作製
後は酸素雰囲気中において、8 0 0 ’Cの熱処理
を2時間施した。本実施例では、各ターゲットのスパッ
タ電力を、B i −S r−Ca−CuO: 150
W.Ni−Fe−0: IOOWとし、ターゲット11
.12のスパッタ時間を制御した。B i −S r−
Ca−Cu−0膜22の元素の組戒比率がBi:Sr:
Ca:Cu=2:2:2:3、Ni−Fe−0膜21の
元素の組戒比率1 0 がNi:Fe:O=1:2:4になるよう、夕一ゲット
11.12の元素の組戒比率を調整した。
Bi−Sr−Ca−Cu−0膜22をN i −F e
O膜21と積層せずに基体15上に形成した場合、すな
わちB i −S r−Ca−Cu−0膜22そのもの
の特性は、IIOKで超電導転移を起こし、97Kで抵
抗がゼロになるものであった。また、NiFe2O4膜
だけを成膜し磁化を測定したところバルクの値と同一で
あった。NiFe2O4膜およびB i2sr2ca2
cu30y膜の膜厚をそれぞれ500Aとし1層づつ積
層した。そのときの積層膜のX線回折パターンを第3図
に示す。
NiFe2O4およびB i2S r2Ca2Cu30
9はそれぞれC軸配向を示している。またこの膜の抵抗
の温度特性を第4図に示す。超電導転移温度(オンセッ
ト温度)は、IIOKでありNiFe2O4膜を積層し
ていない場合とがわらながった。第5図には外部磁場を
印加した状態における電気抵抗の温度特性を示す。Ni
 Fe2O4膜を積層していないB i −S r−C
a−Cu−0膜自身の結果と比較すると積層膜において
は、磁場による超電導転移温度領域の広がりが小さくな
ることが分かった。このことは上部臨界磁場の向上を意
味している。またN i F e 2O4膜およびBi
−Sr−CaC Ll − 0膜を単独で成膜したとき
、膜厚がそれぞれIOOAおよび50A以上のとき結晶
性の薄膜かえられることがわかった。第2図において、
NiFe2O4膜21の膜厚をIOOAとしてBiS 
r−Ca−Cu−0膜22の膜厚がIOOA,300A
.500A、繰り返し回数を2Oとしたときの電気抵抗
の温度特性をそれぞれ第6図において、特性61,62
.63に示す。特性61においてはゼロ抵抗温度が約3
0KとBi−SrCa−Cu−0膜22の特性が劣化す
ることがわかった。この理由として、Bi−Sr−Ca
−CuO膜22とNi−Fe−0膜2lとの間で元素の
相互拡散による膜21.22の結晶性の破壊が考えられ
る。さらに特性63においては、NiFe−0膜21と
の周期的な積層なしに基体15上につけたときのBi−
Sr−Ca−Cu−0膜22本来の超電導特性とほとん
ど同じであり、磁性薄膜Ni−Fe−0膜21との積層
効果は確認されなかった。しかしながら、本発明者らは
特性62において、臨界電流密度は磁性膜を積層してい
ない膜と比較して約30%向上し、7 7 Kで32O
万A/oとなった。上部臨界磁場はB i −S r−
Ca−CuO膜本来のものより約2O%向上した。4.
2Kにおいて、C軸に平行方向に磁場を加えたときの値
は30テスラ、またC軸に垂直方向では450テスラで
あった。現在、これらの効果の詳細な理由については未
だ不明であるが、Ni−Fe−0膜21が持つ磁気モー
メントまたはスピンの影響、または、薄いNi−Fe−
0膜22を介して複数のB i −S r−Ca−CL
I−0膜21を積層することによりB i−Sr−Ca
−Cu−0膜22において超電導機構になんらかの変化
が引き起こされたことが考えられる。
なお、本発明者らはターゲット11、もしくは12に鉛
(P b)を添加してスパッタしたとき、基体15の温
度が上記実施例よりも約100℃低く1 3 ても、上記実施例と同等な結果が得られることを見い出
した。
さらに本発明者らは、Biの酸化物と、Sr,Ca,C
uの酸化物を異なる蒸発源から真空中で別々に蒸発させ
、基体上にBi−0−+Sr−CuO+Ca−Cu−0
+S r−Cu−0→B iOの順で周期的に積層させ
た場合、さらにNiFe合金ターゲットを用い真空中で
蒸発させ、積層させた場合、実施例1に示した積層構造
作製方法より極めて制御性良く、安定した膜質の、しか
も膜表面が極めて平坦なBi−Sr−Ca−CuO超電
導薄膜およびNi−Fe一〇磁性薄膜が得られることを
見い出した。
さらに本発明者らは、Bi−0,Sr−CuO,Ca−
Cu−0,Ni−0.Fe−0を別々の蒸発源から蒸発
させ、Bi−Sr−Ca−CuO超電導薄膜とNi−F
e−O磁性薄膜を周期的に積層した時、極めて制御性良
(m(Bi−SrCa−Cu−0)・n(Ni−Fe−
0)の周期構造を持つ薄膜を形成できることを見い出し
た。
1 4 ここでm,nはそれぞれ少なくとも1以上の正の整数を
示す。さらに、このm(B i −S r−CaCu−
0)・n(Ni−Fe−0)薄膜は、実施例lに示した
B i −S r−Ca−CLI−0を同時に蒸着して
得る超電導薄膜と、Ni−Fe−0を同時に蒸着して得
る酸化物磁性薄膜とを周期的に積層して得た薄膜に比べ
て、はるかに結晶性が優れ、臨界電流密度および上部臨
界磁場の特性において勝っていることも併せて見い出し
た。さらに本発明者らは、上記の方法で作製したBi−
SrCa−Cu−0超電導薄膜とNi−Fe−0磁性薄
膜はともに薄膜表面が極めて平坦であることを見い出し
た。
これらのことは、異なる元素を別々に順次積層していく
ことにより、基体表面に対し平行な面内だけで積層され
た蒸着元素が動くだけで、基体表面に対し垂直方向への
元素の移動がないことによるものと考えられる。
さらに、良好な超電導特性を得るに必要な基体の温度、
熱処理温度も、従来より低いことを見い出した。
Bi、−0,Sr−Cu−0,Ca−Cu−0,Ni−
Fe−0を周期的に積層させる方法としては、いくつか
考えられる。一般に、MBE装置あるいは多元のEB蒸
着装置で蒸発源の前を開閉シャッターで制御したり、気
相成長法で作製する際にガスの種類を切り替えたりする
ことにより、周期的積層を達成することができる。しか
しこの種の非常に薄い層の積層には従来スパッタリング
蒸着は不向きとされていた。この理由は、成膜中のガス
圧の高さに起因する不純物の混入およびエネルギーの高
い粒子による損傷と考えられている。しかしながら、本
発明者らは、このBi系酸化物超電導体に対してスパッ
タリングにより異なる薄い層の積層を行なったところ、
意外にも良好な積層膜作製か可能なことを発見した。ス
パッタ中の高い酸素ガス圧およびスパッタ放電が、Bi
系のIOOK以上の臨界温度を持つ相の形成、およびN
i−Fe−0絶縁膜の形成に都合がよいためではなかろ
うかと考えられる。
スパッタ蒸着で異なる物質を積層させる方法としては、
組成分布を設けた1ヶのスパッタリングターゲットの放
電位置を周期的に制御するという方法があるが、組成の
異なる複数個のターゲットのスパッタリングという方法
を用いると比較的簡単に達威することができる。この場
合、複数個のターゲットの各々のスパッタ量を周期的に
制御したり、あるいはターゲットの前にシャッターを設
けて周期的に開閉したりして、周期的積層膜を作製する
ことができる。また基板を周期的運動させて各々ターゲ
ットの上を移動させる方法でも作製が可能である。レー
ザースパッタあるいはイオンビームスパッタを用いた場
合には、複数個のターゲットを周期運動させてビームの
照射するターゲットを周期的に変えれば、周期的積層膜
が実現される。このように複数個のターゲットを用いた
スパッタリングにより比較的簡単にBi系酸化物の周期
的積層が作製可能となる。
実施例2 第7図に本実施例で用いた4元マグネトロンス1 7 バッタ装置の概略図を示す。第7図において、71はB
iターゲット、72はSrCu合金ターゲット、73は
CaCu合金ターゲット、74はNiFeOターゲット
、75はシャッター、76はアパーヂャー、77は基体
、78は基体加熱用ヒーターを示す。計4個のターゲッ
ト71,72,73.74は第2図に示すのと同様に配
置させた。即ち、基体77に焦点を結ぶように各ターゲ
ットが約30℃傾いて設置されている。ターゲットの前
方には回転するシャッター75があり、パルスモー夕で
駆動することによりその中に設けられたアパーヂャ−7
6の回転が制御され、各ターゲットのサイクルおよびス
パッタ時間を設定することができる。基体77をヒータ
ー78で約600℃に加熱し、アルゴン・酸素(5:1
)混合雰囲気3Paのガス中で各ターゲット71〜74
のスパッタリングを行なった。各ターゲットのスパッタ
電流を、B i : 30mA.SrCu : 80m
A,CaCu :300mAにして実験を行った。また
、Ni−FeOは電気伝導率が低いので一高周波スパッ
タ法に1 8 より入力電力ioowでスパッタリングを行なった。B
 i −S rCu−CaCu−S rCu−B iの
サイクルでスパッタし、B i −S r−Ca−Cu
O膜の元素の組成比率がBi:Sr:Ca:Cu=2:
2:2:3となるように各ターゲットのスパッタ時間を
調整し、上記サイクルを2O周期行った結果、IOOK
以上の臨界温度を持つ相を作製することができた。この
ままの状態でもこのBi−Sr−Ca−Cu−0薄膜は
IOOK以上の臨界温度を示したが、さらに酸素中で6
00℃、■時間の熱処理を行なうと非常に再現性がよく
なり、臨界温度は115K、抵抗がゼロになる温度は1
00Kになった。超電導転移温度が100Kを超す相は
金属元素がBi−Sr−Cu−CaCu−Ca−Cu−
S r−B iの順序で並んだ酸化物の層から戒り立っ
ているとも言われており、本発明の製造方法がこの構造
を作るのに非常に役立っているのではないかと考えられ
る。
また、本発明者らはNi−Fe−0を単独で成膜したと
き膜厚が少なくとも70A以上でスピネル型結晶構造を
とることを見い出した。
本発明者らはB i−+S rCu−+CaCu−+S
 rCuの積層を1周期としてn周期積層しその上にN
i−Fe−0を膜厚d(A)になるよう各ターゲットを
スパッタし、n(Bi−Sr−CaC u−0)・d(
N i −F e−0)薄膜を基体77上に作製した。
ここでnは1以上の正の整数を示す。本発明者らはn=
10のとき、Ni−FeO薄膜の膜厚dを変化させて積
層して得た膜の電気抵抗の温度特性を調べた。このとき
Bi−Sr−CaCu−0薄膜/Ni−Fe−0薄膜の
積層繰り返し回数は10とした。第8図にd=70.2
O0,1 000Aのときに得た多層膜の抵抗の温度変
化をそれぞれ特性81,82.83に示す。第8図にお
いて、d=2O0Aのとき、最も高い超電導転移温度お
よびゼロ抵抗温度、すなわち特性82が得られた。特性
82の超電導転移温度、ゼロ抵抗温度はBi−Sr−C
a−Cu−0膜本来のそれらの値と同等であった。臨界
電流密度は7 7 Kにおいて、360万A / oと
なり、磁性体薄膜を積層していない薄膜の値より45%
高くなった。
また、上部臨界磁場はBi−Sr−Ca−CuO膜本来
のものより約30%向上した。4.2Kにおいて、C軸
に平行方向に磁場を加えたときの値は33テスラ、また
C軸に垂直方向では490テスラであった。この効果の
詳細な理由については未だ不明であるが、本実施例に示
した方法でBiSr−Ca−Cu−0膜とNi−Fe−
0膜とを周期的に積層することによって、Bi−SrC
a−Cu−0膜とNi−Fe−0膜がエビタキシャル威
長していることにより積層界面での元素の相互拡散の影
響がなく、かつ結晶性に優れた薄いNi−Fe−0膜を
介して同しく結晶性に優れたB i −S r−Ca−
Cu−0膜を積層することによりBi−Sr−Ca−C
u−0膜において超電導機構になんらかの変化が引き起
こされたことが考えられる。
さらに、本発明者らはターゲット71もしくは74に鉛
(Pb)を添加してスパッタしたとき、基体77の温度
が上記実施例よりも約1oo℃低くても、21 上記実施例と同等な結果が得られることを見い出した。
発明の効果 以上のように本発明による薄膜超電導体は、Bi系薄膜
超電導体の臨界電流密度、臨界磁場の向上をはかるもの
であり、また本発明による薄膜超電導体の製造方法は特
性のよい薄膜超電導体の製造をより効果的に実現し、デ
バイス等の応用には必須の低温でのプロセス確立したも
のであり、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による薄膜超電導体を得るための製造装
置の一実施例の概略図、第2図は本発明による薄膜超電
導体の構造概念図、第3図,第4図および第6図は第1
図の装置により得た薄膜超電導体におけるX線回折図お
よび抵抗の温度特性図、第5図は第1図の装置により得
た薄膜超電導体における外部磁場下における抵抗の温度
特性図、第7図は本発明による薄膜超電導体を得るため
の製造装置の他の実施例の概略図、第8図は第22 7図の装置により得た薄膜超電導体における抵抗の温度
特性図である。 1 1−・・・B i −S r−Ca−Cu−0ター
ゲット、1 2−N i − F e−0ターゲット、
13、75・・・・・・シャッター、14.76・・・
・・・アパーヂャ15.77・・・・・・基体、16.
78・・・・・・ヒーター、2 1 −N i − F
 e − 01l1、22・・・・・・BiSr−Ca
−Cu−0膜、61.62,63,81,82.83・
・・・・・薄膜超電導体の抵抗の温度特性、7l・・・
・・・Biターゲット、72・・・・・・SrCuター
ゲット、73・・・・・・CaCuターゲッ1・、74
・・・・・・Ni−Fe−0ターゲット。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)主体成分が少なくともビスマス(Bi)、銅(C
    u)、およびアルカリ土類( I I a族)を含む層状酸
    化物超電導薄膜と、少なくとも1種類以上のスピネル型
    酸化物からなる磁性薄膜とが交互に積層された構造を持
    つことを特徴とする薄膜超電導体。(ここでスピネル型
    酸化物とは、MX_2O_4(M=Mn,Fe,Co,
    Ni,Cu,Cr,Mg,Cd,Li_0_._5Fe
    _0_._5,X=Fe,Co,Cr,Mn,V)およ
    びN_1_−_xZn_xFe_2O_4(N=Mn,
    Fe,Co,Ni,Mg,Li_0_._5Fe_0_
    ._5)であらわされる酸化物磁性体およびこれらのう
    ち少なくとも二種以上を含む複合酸化物磁性体である。 )
  2. (2)基体上に、少なくともビスマス(Bi)を含む酸
    化物と少なくとも銅(Cu)およびアルカリ土類( I
    I a族)を含む酸化物とを周期的に積層させて形成す
    る酸化物薄膜とスピネル型酸化物からなる磁性薄膜とを
    交互に積層することを特徴とする薄膜超電導体の製造方
    法。(ここでスピネル型酸化物とは、MX_2O_4(
    M=Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Cr,Mg,Cd
    ,Li_0_._5Fe_0_._5,X=Fe,Co
    ,Cr,Mn,V)およびN_1_−_xZn_xFe
    _2O_4(N=Mn,Fe,Co,Ni,Mg,Li
    _0_._5Fe_0_._5)であらわされる酸化物
    磁性体およびこれらのうち少なくとも二種以上を含む複
    合酸化物磁性体である。)
  3. (3)積層物質の蒸発を少なくとも二種以上の蒸発源で
    行うことを特徴とする請求項2記載の薄膜超電導体の製
    造方法。
  4. (4)積層物質の蒸発をスパッタリングで行なうことを
    特徴とする請求項3記載の薄膜超電導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006090496A1 (ja) * 2005-02-25 2006-08-31 Osaka Industrial Promotion Organization 強磁性伝導体材料およびその製造方法、並びに磁気抵抗素子、電界効果トランジスタ

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