JPH0316583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、炊飯器の蓋体本体の一端側がヒン
ジ部にて結合され、他端側に取付けられている掛
金にて蓋体の開閉を行う炊飯器の掛金装置、特に
その軸受け構造に関するものである。

［従来の技術］ 第４図は従来の掛金装置の分解図とその組立て
図であり、図において、１は掛金、２は掛金に係
合付勢力を与えるバネ，３は掛金の係合動作の支
点軸，４は前記支点軸３を軸受けする軸受けであ
り、支点軸３を掛金の止め具５に嵌入した状態で
軸受し、ネジ６にて蓋体７にネジ止めされる。

なお、８は掛金穴、９は本体１０に設けられて
いる係合部材であり、１１はカバーである。

従来の掛金装置は上記のように構成され、掛金
１はバネ２にて蓋体７に支持された支点軸を中心
として係合付勢力が与えられており、この付勢力
によつて掛金穴８が係合部材９に係止する。

このような掛金１と係合部材９との係合によ
り、炊飯器の蓋体７を本体１０側に閉じることが
でき、この状態でご飯を炊いたり炊飯器を持ち上
げたりすることができる。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、このような従来の掛金装置では
第４図ａに示されるような、構成部材の部品点数
が多く、組立てが煩雑であるという問題があつ
た。

また、部品点数が多いことにより、資材購入あ
るいは保管等においても取扱いが面倒であり、可
能な限り装置の簡素化が望まれる。

この考案は、かかる問題点を解決するためにな
されたものであり、掛金支点軸の軸受けの部品を
簡略化し、かつ組立て容易な炊飯器の掛金装置を
得ることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この考案に係る炊飯器の掛金装置は、炊飯器本
体側の係合部材に係合する掛金部と、蓋体の軸受
けに軸支され掛金の係合動作の支点となる支点軸
と、この支点軸を中心にして係合付勢力を与える
付勢手段としてのバネと、前記係合付勢力を解除
して蓋体の開閉を行う操作部とを含んでいる。そ
して、蓋体の軸受けは、略Ｕ字状の先端部を有す
る２個の軸受け体とされ、このＵ字状先端部の先
端が掛金の支点軸を掛金取付けの際にＵ字状先端
部内に嵌入できる長さとされており、同時にＵ字
状先端部の開口部には支点軸の外れを防止する補
助押えを設けたものである。

［作用］ 上記の構成によれば、この考案に係る掛金装置
は従来における軸受けの構造を簡略化することが
でき、また掛金装置組立の際には、掛金に取付け
られている支点軸を蓋体に設けられた軸受け体の
Ｕ字状先端に少し強い力で嵌入することにより、
ワンタツチで掛金を蓋体に接続することができ
る。そして、その後に支点軸を内包したＵ字状先
端部の開口部に向けて補助押えを配置しネジ締め
固定等にて固定するので、支点軸の外れを防止し
て、掛金を蓋体の結合を強固にすることができ
る。

［実施例］ 第１図はこの考案の１実施例を示す断面図であ
り、１〜１１［４及び６を除く］は上記従来装置
と全く同一のものである。

１２は軸受け体であり、略Ｕ字状のＵ字状先端
部１２ａを有し、このＵ字状先端部１２ａの先端
は掛金取付けの際に掛金支点軸３をこの先端に少
し強い力で押すことによつて嵌入できる長さとさ
れている。すなわち、掛金１はカバー１１、バネ
２等とともに、炊飯器の蓋体７に取付けられる
が、その際に、バネ２による係合付勢力に歯止め
をかける付勢力止め部１３ａが設けられており、
バネ付勢力によつて押し上げられる付勢力止め部
１３ａは蓋体７に設けられた受け部１３ｂにて制
止さられ、掛金装置が組立てられた状態では常に
この付勢力止め部１３ａと受け部１３ｂとの接触
状態を維持している。

従つて、掛金１を蓋体７に取付けるときには、
この付勢力止め部１３ａを受け部１３ｂの下側に
潜らせるようにして取付けなければならないの
で、前記軸受け体１２のＵ字状先端部１２ａの先
端の長さは付勢力止め部１３ａと支点軸３との位
置関係から定められる。

そして、１４は補助押えで、実施例では保温ヒ
ータ取付け枠として用いられる裏蓋１５に設けら
れており、蓋体７にネジ１６にてネジ締め固定さ
れる。この場合、補助押え１４は前記Ｕ字状先端
部１２ａの開口部に支点軸３の外れを防止する位
置に配設する。

第２図は掛金装置の組立て前において各部を分
離させた状態を示す図であり、前述した軸受け体
１２は掛金１の支点軸３を左右両側にて軸受けす
るように２個設けられている。なお、１７は操作
部である。

上記のように構成された炊飯器の掛金装置にお
いて、掛金１の組立て順序を第３図に基づいて説
明する。

すなわち、カバー１１の付勢力止め部１３ａを
受け部１３ｂの下に潜らせながら、支点軸３をＵ
字状先端部１２ａの先端に当接して少し強い力で
蓋体７に向けて押し込むようにする。そうする
と、Ｕ字状先端部１２ａは僅かに後退しながら、
支点軸３をそのＵ字形空洞内に導くこととなる。

このようにして、掛金１は蓋体７にワンタツチ
にて取付けられ、この状態で掛金１には係合付勢
力が与えられ、操作部１７を押し下げ操作するこ
とにより掛金８を本体側の係合部材９に係止させ
ることができる。

そして、更にこの考案では、補助押え１４がＵ
字状先端部１２ａの開口部に配置されており、こ
のとき補助押え１４の先端は支点軸３の外れを防
止するように位置決めされる。従つて、この補助
押え１４は次のような作用を行う。

すなわち、蓋体７に取付けられている把手（図
には示されていない）を持つて炊飯器を持ち上げ
る場合に（第１図）、蓋体７と本体１０とは掛金
１にて結合しており、蓋体７が上側に上がると軸
受け体１２も同時に上側に移動するが、掛金１に
おいては、掛金穴８が係合部材９に係止されてい
るため、下側に引つ張られる。この結果、Ｕ字状
先端部１２ａにおいて支点軸３が外れやすくな
り、炊飯器の持ち運びの際に蓋体７と掛金１が分
離することとなる。従つて、補助押え１４は支点
軸３のＵ字状先端部１２ａ内の安定した位置を確
保する役目をする。

このように、この考案はワンタツチ動作により
掛金１を蓋体７に接続し、補助押え１４により掛
金１と蓋体７の結合を補強するようにしているの
で、簡単な組立て工程にて掛金装置を組立てるこ
とができる。

［考案の効果］ この考案は、以上説明したとおり、蓋体側に略
Ｕ字状の先端部を有する２個の軸受け体を形成
し、かつ前記Ｕ字状先端部の開口部に補助押えを
配設する構造により掛金を蓋体に対して容易に取
付けることができ、掛金装置の部品点数を減らし
て掛金装置の組立てを容易に行うことが可能とな
るという効果がある。

また、この考案により資材購入等において部品
の取扱いが簡単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示す断面図，第
２図はこの考案の組立前の状態を示す斜視図，第
３図はこの考案の組立て状態を示す断面図，第４
図は従来の掛金装置であり、ａは分解図，ｂは組
立て図である。 図において、１は掛金、２は付勢手段としての
バネ、３は支点軸、７は蓋体、８は掛金穴、９は
係合部材、１０は本体、１２は軸受け体、１２ａ
はＵ字状先端部、１４は補助押えである。なお、
各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体側の係合部材に係合する掛金と、蓋体側の
   軸受けに軸支され掛金の係合動作の支点となる支
   点軸と、この支点軸を中心にして係合付勢力を与
   える付勢手段と、前記係合付勢力を解除して蓋体
   の開閉を行う操作部と、を含む炊飯器の掛金装置
   において、蓋体側の軸受けとして略Ｕ字状の先端
   部を有する２個の軸受け体が形成され、前記Ｕ字
   状先端部の先端は掛金取付けの際に前記支点軸を
   Ｕ字状先端部内に嵌入できる長さとされ、かつＵ
   字状先端部の開口部において支点軸の外れを防止
   する補助押えをそれぞれの軸受け体に配設したこ
   とを特徴とする炊飯器の掛金装置。