JPH061042Y2 - 三段式コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案はコンパクト容器に係り、特に身，中蓋及び蓋と
の三段式コンパクト容器の開口方式を改良した三段式コ
ンパクト容器に関するものである。

＜従来の技術＞ 従来より、化粧料等を収納するためのコンパクト容器は
夫々所定位置に係合部を形成した身と蓋とをヒンジ部を
介して開閉自在に構成し、身と蓋とに形成した係合部を
互いに噛合することによりコンパクト容器を密閉状態に
保持すると共に、前記係合部の噛合を解除することによ
りコンパクト容器を開放し得るように構成されている。

上記したコンパクト容器に於いて、係合部の噛合が弱い
と蓋が不用意に開いたり、身と蓋とが密閉されず空気中
の埃等がコンパクト容器内に侵入したりする恐れがあ
り、このため前記係合部は互いに緊密に噛合することが
出来るような形状及び寸法をもって構成されている。

ところが、コンパクト容器に上記した如き係合部を構成
した場合には、蓋を開放する際に多大な力が必要とな
る。このため従来よりこのようなコンパクト容器の蓋を
開放するための種々の機構が提案されている。

上記した如きコンパクト容器には実公昭60-18167号公報
に示されるように、操作部材の両側面に取付軸を突設
し、この取付軸を容器本体に形成した取付孔に嵌入させ
て操作部材を容器本体に対し縦回動自在に設け、押上部
により起立片を押し上げることによってフックの係合を
解くようにした技術や、または同61-12005号公報に示さ
れるように、容器体にスペーサを設け、このスペーサ上
面に軸受凹部を穿設し、回転板の左右両端に設けたピン
軸を軸受凹部に嵌合して回転板を回動自在に設け、回転
板の前部を押し下げるとピン軸を中心とする回動によっ
て回転板後部が蓋体下面部分を押し上げて第１，第２係
合子の係合を外すようにした技術や、或いは実開昭59-1
93166号公報に示される技術等がある。

上記実施例は二段式一般コンパクト容器の例について説
明したが、本考案の如き三段式コンパクト容器の場合に
も基本的構造は前述の技術と全く同様であった。

＜考案が解決しようとする課題＞ 上記した従来の技術はいずれもフックの噛合を解除する
ための解除部材を容器の身体に回動自在に設けたもので
あり、このため回動支点となる軸或いは軸受部を解除部
材または容器の身体と一体的に形成したものである。

このような軸或いは軸受部を身体に形成するためには、
形成部分に軸径及び軸径の何倍かの厚みを必要とし、従
って身体の厚さを厚くしなければならないという問題が
ある。

また上記した軸或いは軸受を形成するために、解除部材
または身体を成形するための金型がそれだけ複雑な形状
となり、従って金型コストが上昇するという問題があ
る。

また前記軸を解除部材或いは身体と一体的に形成せず、
蝶番ピンを使用しているものもあるが、この場合この蝶
番ピンが外から見えてしまうため美的外観を損なうとい
う問題があり、且つコスト的にも高くなるという問題が
ある。

本考案は上記事情に鑑み開発された技術であって、特に
三段式コンパクト容器をワンタッチで簡単かつ確実に開
くことが出来る容器を提供することを目的とするもので
ある。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は身と中蓋と蓋とを開閉自在に蝶着すると共にこ
れ等の開口部に相互に噛合し得るフックを設けてなるコ
ンパクト容器に於いて、揺動させることによって前記フ
ックの噛合を解放して蓋又は身或いはその両者を開くこ
とが出来る揺動部材を中蓋の開口部に揺動自在に取り付
けて構成したことを特徴とした三段式コンパクト容器で
ある。

＜作用＞ 本考案に係る容器に於いては上述の如く、身と中蓋と蓋
とを開閉自在に蝶着すると共にこれ等の開口部に相互に
噛合し得るフックを設けてなるコンパクト容器に於い
て、揺動させることによって前記フックの噛合を解放し
て蓋又は身或いはその両者を開くことが出来る揺動部材
を中蓋の開口部に揺動自在に取り付けて構成したので、
この揺動部材に指を掛けて押すことによって、この揺動
部材を揺動させ、これによって揺動部材の先端で身と蓋
とのフックの噛合或いは中蓋と身と蓋とのフックの噛合
を解放し、中蓋を中心にして蓋及び身を夫々開くことが
出来る。

＜実施例＞ 図により本考案に係る容器の一実施例を具体的に説明す
ると、第１図乃至第３図に於いて、身１，中蓋２及び蓋
３は夫々蝶番ピン４を介して開閉自在に蝶着されてい
る。該身１及び中蓋２には化粧料の他にパフ等の化粧用
具を収納し得る如く構成されている。又蓋３には鏡５が
装着されている。身１の開口部に設けられたフック６は
蓋３の開口部に設けられたフック７と相互に噛合し得る
如く構成され、かつこれ等のフック６，７は中蓋２の開
口部に穿設されたフック穴８に挿入されて噛合し得る如
く構成されている。９は揺動部材であって、クランク板
10の下面に脚11をＴ状に突設することによって構成さ
れ、かつこの脚11は中蓋２の軸穴12に揺動自在にゆるく
嵌着され、更にクランク板10の先端10ａは蓋３の下面に
当接されている。又蓋３の開口部には該揺動部材９を挿
入することが出来る切欠部13が穿設されている。

次に本考案に係る容器の開口動作について説明すると、
第２図に於いて、揺動部材９の元端を下方に押圧する
と、揺動部材９は脚11を支点として揺動し、クランク板
10の先端10ａによって蓋３を押し上げ、フック６，７の
噛合を解放し、中蓋２を中心にして蓋３及び身１を夫々
上下方向に開き、容器内に収納された化粧料及び化粧具
を使用することが出来る。

上記実施例に於いては揺動部材９の脚11を軸穴12に揺動
し得る如くゆるく嵌着したが、第４図に示す如く、脚11
の元部片側に切欠溝14を設け、この部分をヒンジ部とし
た場合には脚11を軸穴12に嵌着固定することも可能であ
り、更に第５図に示す如く脚11を軸穴12にゆるく嵌着す
ると同時に脚11にヒンジ部を設け、両者を併用すること
によって揺動部材９の揺動効果をより大きく発揮するこ
とも可能である。

＜考案の効果＞ 本考案に係るコンパクト容器は、上述の如き構造と作用
とを有するので、次のような効果を有している。

(1)揺動部材のクランク板を蓋の開口部の切欠部に挿入
することが出来るので、コンパクトを全体的に薄く構成
することが出来る。(2)揺動部材をコンパクトの上表面
に露出することが出来る。(3)従って、コンパクトを開
く際には、上表面に露出された揺動部材を押圧すること
によって弱い力で容易に開くことが出来る。(4)揺動部
材によるテコの原理で蓋を押し上げるので、蓋の開封が
確実である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の基本的実施例を示す断面説
明図、第３図はその斜視図、第４図及び第５図は夫々他
例の説明図である。 １は身、２は中蓋、３は蓋、４はピン、６，７はフッ
ク、８はフック穴、９は揺動部材、10はクランク板、11
は脚、12は軸穴、13は切欠部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】身１と中蓋２と蓋３とを開閉自在に蝶着す
   ると共にこれ等の開口部に相互に噛合し得るフック６，
   ７を設けてなる容器本体と、下方にＬ形に折れ曲がった
   先端10ａを有するクランク板10とその下面に突設した脚
   11とよりなる揺動部材９とから構成されるコンパクト容
   器に於いて、前記揺動部材９のクランク板10を蓋３の開
   口部の切欠部13に挿入すると共にクランク板10の先端10
   ａを蓋３の下面に当接し、かつ脚11を中蓋２に揺動自在
   に嵌着して組み立てたことを特徴とした三段式コンパク
   ト容器。