JPH0316380Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は単一操作による扉の閉鎖と施錠、並び
に扉の開放と解錠が可能な扉用錠装置に関するも
のである。

（従来の技術） 従来もこのような扉用錠装置は存在していた
が、部品点数が多くて内部構造が複雑であるた
め、製作コストがかさんでいた。更に部外者によ
る再開放を防ぐための手段を備えていないものが
多く、当該手段を備えていてもその構成が複雑で
あつた。

（考案が解決しようとする問題点） 従つて本考案の目的は、簡単な内部構造であり
ながら、単一操作による扉の閉鎖と施錠、及び扉
の開放と解錠が可能であると共に、部外者による
不正な扉の再開放を阻止するための簡単な構成の
手段を備えた扉用錠装置を得ることである。

（問題を解決するための手段） 以下、添付図面中の参照符号を用いて説明する
と、本考案の扉用錠装置は、固定枠体１の前面に
垂直に突出固定される受具３と、扉４に固着され
る本体ケース５と、前記本体ケース５に枢軸６で
取付けられ、受具３の小径軸棒３ｂに係脱する一
対の挟み具８，８と、挟み具８の後端部８ｃ，８
ｄの間に装着され、挟み具８，８の前端部８ａ，
８ｂが閉じる方向に付勢しているばね７と、該本
体ケース５に前記枢軸６と直角方向の枢軸９によ
つて取付けられた操作ハンドル１０と、前記操作
ハンドル１０の先端部１１からケース本体５内部
に向つて突設され、該挟み具８の前端部８ａ，８
ｂの間に先端部１２ａが嵌込まれる開錠操作板１
２と、前記枢軸６と平行に配置されたロータ２０
の先端に偏心カム２１を設けた錠前２３と、挟み
具８の前端部８ａ，８ｂが嵌脱する２つの窪み２
２ｂを設け、受動孔２２ａに前記偏心カム２１を
嵌込んだロツク板２２とから成り、挟み具８，８
を押し開く円錐型頭部３ａを前記受具３に設け、
挟み具８，８を押し開くカム面１２ｂを前記開錠
操作板１２の両側部に設け、錠前２３のロータ２
０を鍵で回転操作してロツク板２２を挟み具８の
方へ平行移動させるものである。

（作用） この扉用錠装置では、第６図に示したように扉
閉鎖状態にあるとき操作ハンドル１０を本体ケー
ス５と反対の方向へ引くと、枢軸９を中心に前記
操作ハンドル１０が図面において反時計回り方向
に回転し、開錠操作板１２が固定枠体１の方向に
移動し、開錠操作板１２の先端部１２ａと係合し
ていた挟み具８の前端部８ａ，８ｂが、開錠操作
板１２のカム面１２ｂに押される。そのため、挟
み具８の前端部８ａ，８ｂが互いに反対方向に開
かれて受具３の小径軸棒３ｂから離脱し、受具３
と挟み具８の係合が解かれる。これによつて、扉
１が開放される。

他方、扉開放状態において操作ハンドル１０を
本体ケース５の方向へ押すと、該本体ケース５全
体も同方向に押され、受具３の円錐型頭部３ａが
挟み具８の前端部８ａ，８ｂの間に嵌り込む。受
具の円錐型頭部３ａで押された挟み具８，８は、
該円錐型頭部３ａが通過するよう一旦開くが、前
端部８ａ，８ｂが円錐型頭部３ａを乗り越えて受
具の小径軸棒３ｂの部位に来たとき、挟み具８，
８は前記ばね７の付勢によつて閉じる方向に回転
し、挟み具８と受具３の係合が成立する。これに
よつて、扉４は閉鎖位置に錠止される。

ここで錠前２３に挿入した鍵によつて、錠前２
３のロータ２０を180゜回転させると、ロータ２０
に一体形成された偏心カム２１も同様に回転し、
同時に偏心カム２１がロツク板２１の長円形状の
受動孔２２ａ内を移動する。このようにして偏心
カム２１に駆動されたロツク板２２は、挟み具
８，８の方向へ平行移動し、挟み具の前端部８
ａ，８ｂがロツク板窪み２２ｂ，２２ｂにそれぞ
れ嵌込まれる。そのため、挟み具８，８の開放が
阻止され、扉４は再開放が不可能となる。

（実施例） 図示の実施例では、受具取付板２はビス穴１８
を通る固着用ビス１３によつて固定枠体１に固着
され、受具３は受具取付板２の正面中央部に螺子
込み固定されている。本体ケース５はビス穴１９
を通る固着用ビス１４によつて扉に固着されてい
る。

開錠操作板１２は、基端の折曲げ板部１２ｃを
操作ハンドル１０の先端部１１の内面に溶接によ
つて固着されている。操作ハンドル１０を本体ケ
ース５に取付けている枢軸９には、操作ハンドル
１０の復帰付勢用の捻りばね１５のコイル部が嵌
められている。該ばね１５の一方の直線端部１５
ａは、開錠操作板１２の前記折曲げ板部１２ｃに
当接し、他方の直線端部１５ｂは本体ケース５の
内壁面２４に当接している。

挟み具８の後側には、受具３が通過可能な受具
孔１６ａを中央部に形成したガイド板１６が設け
られている。このガイド板１６は挟み具８の後側
面と接触して、扉開放時の挟み具８の後方向への
ずれを防いでいる。挟み具８の前側には、ガイド
突起１７が設けられ、挟み具８の前側面と接触し
て、扉閉鎖時の挟み具８の前方向へのずれを防い
でいる。

（考案の効果） 以上のように本考案では、受具３の小径軸棒３
ｂに係合する一対の挟み具８，８が、扉の閉鎖時
に受具３の円錐型頭部３ａによつて押し開けられ
る一方、扉の開放時に開錠操作板１２のカム面１
２ｂによつて押し開けられるので、扉の閉鎖と施
錠、並びに扉の開放と解錠がそれぞれ単一操作に
よつて的確に行うことができる。

更に本考案では、挟み具８側の端部に２つの窪
み２２ｂを設けたロツク板２２の受動孔２２ａ
に、錠前２３のロータ２０の先端に設けた偏心カ
ム２１を嵌込んであり、鍵でロータ２０を回転操
作して、ロツク板２２を挟み具８の方へ平行移動
させることによつて、ロツク板２２の窪み２２
ｂ，２２ｂに挟み具８の前端部８ａ，８ｂを嵌め
込むものであるので、部外者による不正な扉の再
開放を的確に阻止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に係る扉用錠装置を示
し、第１図は扉用錠装置の扉閉鎖直前の正面図、
第２図は扉閉鎖直前の平面図、第３図は扉閉鎖時
の左側面図である。第４図は第１図におけるＡ−
Ａ断面図、第５図は第４図におけるＢ−Ｂ断面
図、第６図は扉閉鎖時の第４図に対応した断面
図、第７図は第４図におけるＣ−Ｃ断面図、第８
図は第６図におけるＤ−Ｄ断面図、第９図は挟み
具がロツク状態にあるときの第６図に対応した断
面図である。 １……固定枠体、２……受具取付板、３……受
具、３ａ……受具の円錐型頭部、３ｂ……受具の
小径軸棒、４……扉、５……本体ケース、６……
枢軸、７……ばね、８……挟み具、８ａ，８ｂ…
…挟み具の前端部、８ｃ，８ｄ……挟み具の後端
部、９……枢軸、１０……操作ハンドル、１２…
…開錠操作板、１２ａ……開錠操作板の先端部、
１２ｂ……開錠操作板のカム面、１２ｃ……開錠
操作板の後端部、１３……固着用ビス、１４……
固着用ビス、１５……捻りばね、１６……ガイド
板、１６ａ……受具孔、１７……ガイド突起、１
８……ビス穴、１９……ビス穴、２０……ロー
タ、２１……偏心カム、２２……ロツク板、２２
ａ……受動孔、２２ｂ……窪み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定枠体１の前面に垂直に突出固定される受具
   ３と、扉４に固着される本体ケース５と、前記本
   体ケース５に枢軸６で取付けられ、受具３の小径
   軸棒３ｂと係脱する一対の挟み具８，８と、挟み
   具８，８の後端部８ｃ，８ｄの間に装着され、挟
   み具８，８の前端部８ａ，８ｂが閉じる方向に付
   勢しているばね７と、該本体ケース５に前記枢軸
   ６と直角方向の枢軸９によつて取付けられた操作
   ハンドル１０と、前記操作ハンドル１０の先端部
   １１からケース本体５内部に向つて突設され、該
   挟み具８の前端部８ａ，８ｂの間に、その先端部
   １２ａが嵌め込まれる開錠操作板１２と、前記枢
   軸６と平行に配置されたロータ２０の先端に偏心
   カム２１を設けた錠前２３と、挟み具８の前端部
   ８ａ，８ｂが嵌脱する２つの窪み２２ｂを設け、
   受動孔２２ａに前記偏心カム２１を嵌込んだロツ
   ク板２２とから成り、挟み具８，８を押し開く円
   錐型頭部３ａを前記受具３に設け、挟み具８，８
   を押し開くカム面１２ｂを前記開錠操作板１２の
   両側部に設け、前記ロータ２０を鍵で回転操作し
   てロツク板２２を挟み具８の方へ平行移動させる
   扉用錠装置。