JPH03158476A - アルミニウム缶へのベーマイト形成方法およびベーマイト皮膜層を有するアルミニウム缶 - Google Patents

アルミニウム缶へのベーマイト形成方法およびベーマイト皮膜層を有するアルミニウム缶

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JPH03158476A
JPH03158476A JP29883389A JP29883389A JPH03158476A JP H03158476 A JPH03158476 A JP H03158476A JP 29883389 A JP29883389 A JP 29883389A JP 29883389 A JP29883389 A JP 29883389A JP H03158476 A JPH03158476 A JP H03158476A
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Tsutomu Takahashi
務 高橋
Hiroyasu Ishikawa
博康 石川
Takako Abe
貴子 阿部
Toshio Kikuchi
菊池 俊夫
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/68Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous solutions with pH between 6 and 8

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、アルミニウム缶に耐食性に優れた薄膜のベー
マイトを形成する方法およびベーマイト皮膜層を有する
アルミニウム缶に関するものである。
「従来の技術」 アルミニウム合金を素材とするアルミニウム缶の表面に
塗装を施す際に、アルミニウム缶に耐食性を付与するた
め、および塗装膜の下地への密着性を向上させるために
、下地処理として前処理が行なわれている。この下地形
成の前処理では、アルミニウム缶の表面に化成処理を行
ってリン酸クロム酸塩系皮膜やジルコニウム塩系皮膜等
の保護被膜を形成している。
以下にアルミニウム缶の製造工程を示す。
■カッピング ■探しぼり加工 ■脱脂 ■水洗 ■化成処理 ■水洗 ■乾燥 約200℃、約1分 ■外面塗装 ■焼き付け 約200℃、約1分 [相]外面印刷 ■焼き付け @内面塗装 ■焼き付け 約200℃、約1分 ■フランジ、ネッキング ■梱包 「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、前記のアルミニウム缶の製造工程による
アルミニウム缶では缶外面底部において塗装が行なわれ
ていないため、アルミニウムに内容物を充填し、缶蓋の
巻締めを行って缶詰体とした後に行なわれる殺菌処理に
より次に示す問題を生ずることがあった。
アルミニウム缶内に充填する内容物が、炭酸飲料水ある
いはコーヒー等の飲料水の場合、内容物を充填した後に
アルミニウム缶詰体にバステライザー処理(温水殺菌9
例えば80℃、15分)あるいはレトルト処理(高温水
蒸気殺菌1例えば120℃30分)が行なわれるが、こ
の際、未塗装部であるアルミニウム缶缶胴外面の底部に
おいて、バステライザー処理では茶変色あるいは黒変色
が発生し、レトルト処理では白変色を発生する問題があ
った。
塗装の施されていないアルミニウム缶缶胴の底部におけ
るアルミニウムの黒変色あるいは白変色は、アルミニウ
ム缶詰体の外観を著しく損ね、アルミニウム缶詰体が製
品として販売できなくなるという問題があった。
アルミニウム缶詰体の未塗装部であるアルミニウム缶缶
底部の変色状況をX線マイクロアナライザー、オージェ
分析あるいはX線光電子分光分析等の最新の分析機器を
用いて調査した所、これらの変色が以下に示す現象によ
って引起されていることがわかった。
前記したようにアルミニウム缶の製造工程では化成処理
後に乾燥工程(約200℃、約1分)と、外面塗装、外
面印刷および内面塗装後に各々焼き付は工程(約200
℃、約1分)が行なわれる。これらの熱処理工程におい
てアルミニウム缶に形成されている化成処理皮膜即ち、
リン酸クロム酸塩系皮膜あるいはジルコニウム塩系皮膜
が脱水現象を生じて皮膜収縮を起こすとともにアルミニ
ウム母材と化成皮膜との間に熱膨張差が生じて、化成皮
膜に熱クラツクを生じる。
アルミニウム缶底部では塗装が施されていないため、化
成皮膜のクラック部では、母材のアルミニウムが直接外
表面に露出した構造となり、化成皮膜のクラック部では
保護層は存在しない。
未塗装部のアルミニウム缶缶胴底部に化成皮膜欠陥を有
するアルミニウム缶に内容物を充填し缶詰体とした後、
殺菌処理を施すと、パステライザー処理では温水中に不
純物として含まれるCa、Si等が缶底部の化成皮膜欠
陥部である母材のアル、ミニラムが直接露出した部分に
吸着あるいは析出して茶変色あるいは黒変色を引き起こ
し、レトルト処理では缶底部の化成皮膜欠陥部より直接
露出した母材のアルミニウムが水蒸気と反応して白色の
針状のアルミニウム水和酸化物を形成し、バステライザ
ー処理時間の増大とともに針状のアルミニウム水和酸化
物が成長し、未塗装部である缶底部が白色化する。
また、アルミニウム缶詰体内面においては内容物が保存
の間に徐々に塗膜に浸透し、化成皮膜のクラック部で母
材のアルミニウムと反応してアルミニウムの水和酸化物
を生成し、次第に化成皮膜を押し上げ、缶詰体内面の塗
膜密着性低下を引き起こし、この様な状態でアルミニウ
ム缶詰体に外部より衝撃が加わると、容易に塗装剥離を
生じ、アルミニウム缶詰体の長期保存に問題を生じるこ
ともあった。
更に前記化成処理においては、その処理液に有害なりロ
ムイオン等の重金属イオンが含まれているので、この処
理液の排水処理に多大な費用と時間を必要とする問題が
ある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、乾燥や塗装
の後に焼き付は等の熱処理を行った際に熱クラツクによ
る化成皮膜損傷が発生することがなく、内容物を充填し
た後にアルミニウム缶にパステライザー処理(温水殺菌
、80℃、15分)あるいは、レトルト処理(高温水蒸
気殺菌、120’C,30分)を行なってもアルミニウ
ム缶の未塗装部の黒色化や白色化を防ぐことができ、し
かも排水処理も不要なアルミニウム缶への耐食性の優れ
たベーマイト形成方法およびベーマイト皮膜層を有する
アルミニウム缶を提供することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 本発明は、アルミニウム合金を素材とするアルミニウム
缶を水蒸気中に保持することにより、該アルミニウム缶
にベーマイトを形成するアルミニウム缶へのベーマイト
形成方法、 上記の方法において、水蒸気がドライ水蒸気であり、該
水蒸気の温度が140〜250℃であるアルミニウム缶
へのベーマイト形成方法、清浄化したアルミニウム缶を
比抵抗が1×105Ω・0111以上の純水で洗浄した
後、直ちに140〜250℃のドライ水蒸気中に保持す
ることにより該アルミニウム缶にベーマイトを形成する
アルミニウム缶へのベーマイト形成方法、 比抵抗が1×105Ω・Cm以上である純水にアンモニ
ア、アミン、アルコールアミンおよびアミドから選ばれ
る化合物を合計で0.01〜3%を添加してなる水溶液
を清浄化したアルミニウム缶に塗布した後、直ちに14
0〜250℃のドライ水蒸気中に保持することにより該
アルミニウム缶にベーマイトを形成するアルミニウム缶
へのベーマイト形成方法、 および缶外面底部を除いて塗装してなるアルミニウム缶
を140〜250℃のドライ水蒸気中に保持することに
より該アルミニウム缶の缶外面底部にベーマイトを形成
するアルミニウム缶へのベーマイト形成方法を提供し、
さらに、缶表面の一部に塗装してなるアルミニウム缶に
おいて非塗装部にベーマイト皮膜層を形成してなるベー
マイト皮膜層を有するアルミニウム缶を提供することに
よって前記課題を解決した。
「作用 」 上記の方法によってアルミニウム缶の表面に形成された
ベーマイト皮膜にあっては、飽和水蒸気中あるいはドラ
イネ飽和水蒸気中のいずれの条件においても、それを形
成したのと同じ程度の高温の熱処理、例えば140〜2
50°C,10分間を施しても、クラックが発生せずに
安定である。これは、ベーマイト皮膜がその形成温度が
高温である程、膜質が緻密であり、かつ耐食性が良好で
あるためである。
また、ベーマイト形成温度を上記の範囲に限定したのは
、100℃以下であるとベーマイト皮膜の成長速度が遅
く、250℃以上である。と母材のアルミニウム合金(
A3004)の強靭化のために施された調質効果がなく
なるためである。
また、上記の方法によって形成したベーマイト皮膜は酸
素や水に対する耐食性が良好なため、アルミニウム缶内
へ飲料水等の内容物を充填した後に、バステライザー処
理(温水殺菌、80℃、15分)あるいはレトルト処理
(高温水蒸気殺菌、120℃、30分)による殺菌処理
を施しても、ベーマイト皮膜が破壊されることなく、母
材のアルミニラム合金を保護し、アルミニウム合金が黒
色化あるいは白色化することがない。
また、上記の方法の中でドライ水蒸気によるベーマイト
形成法によると、アルミニウム缶の脱脂。
水洗後の乾燥を兼ねてベーマイト皮膜の形成を行うこと
ができる。
さらにこの形成方法によれば、クロムイオン等の有害な
物質を使用したり生成することがないので、ベーマイト
処理後の洗浄が不要であり、また、排水処理を行う必要
がない。
「実施例」 以下、図面を参照して本発明のアルミニウム缶へのベー
マイト形成方法を説明する。
第1図は本発明の方法によってアルミニウム缶へベーマ
イトを形成するための装置の概略構成図である。
第1図において符号lは装置を示している。この装置l
は処理室2と水蒸気供給室3および加熱保温管4とから
なっている。
処理室2は水蒸気供給室3と加熱保温管4によって連通
されており、水蒸気供給室3から加熱保温管4を通して
飽和水蒸気5aあるいはドライネ飽和水蒸気5bが送り
込まれるようになっている。
さらに、この処理室2には排気口6が設けられている。
水蒸気供給室3内にはヒーター7が取り付けられており
、純水8が入れられるようになっている。
また、図中点線で示した部分はこの装置全体を加熱する
ことによって所定の温度に保温するための加熱保温ヒー
ター9である。
さらに加熱保温管4にはバルブlOが設けられており、
このアルミニウム合金からなるアルミニウム缶11を処
理室2内に入れ、次にバルブlOを開くことにより装置
内の空気を排気することができ、バルブIOを閉めた後
バルブ13をあけ、処理室2に設けられた圧力調整バル
ブ14を動作させることによってこの装置内の圧力が調
節できるようになっている。
以上のような構成の装置を用いてアルミニウム缶11ヘ
ベーマイトを形成するには、以下のような方法による。
第1図に示した装置lの水蒸気供給室3内に純水8を入
れ、これをヒーター7によって加熱して水蒸気12を発
生させる。そして、この発生させた水蒸気12を加熱保
温ヒーター9によって装置全体を加熱することによって
、飽和水蒸気処理においては100−130℃、そして
、不飽和水蒸気処理においては140〜250℃に加熱
し保温し、加熱保温管4に設けられたバルブ10がら空
気を排気する。充分水蒸気が発生し、水蒸気供給3内に
水蒸気が充分充満したら、アルミニウム合金からなるア
ルミニウム缶11を処理室2内に入れ、次にバルブ10
を閉めバルブ13をあけ、水蒸気を処理室2に導く。
処理室2に設けられた圧力調整バルブ14を動作させる
ことによって、この装置内の気圧を1〜10気圧の所定
値に保って、水蒸気供給室3内において発生させた水蒸
気12を飽和水蒸気5aあるいはドライネ飽和水蒸気5
bにして処理室2内に連続的に供給する。尚、水蒸気導
入にあたって予め処理室2内は予熱されている。
そして、この供給された100〜130℃の飽和水蒸気
5aあるいは140〜250℃の不飽和水蒸気5bによ
って処理室2内のアルミニウム缶11の表面にはベーマ
イト膜が形成される。
また、以上のベーマイト形成は前記したアルミニウム缶
の製造工程において、A・・・脱脂水洗後、B・・・外
面塗装焼き付は後、C・・・外面印刷焼き付は後、D・
・・内面塗装焼き付は後のいずれにおいて行なっても有
効である。特にドライ水蒸気の場合はA・・・脱脂水洗
後に行うと、洗浄水によるアルミニウム缶の乾燥を兼ね
ることかでき、その後の工程の場合はインクあるいは塗
装の焼き付けを兼ねることができる。
「実験例1」 アルミニウム合金A3004H19シート材(厚さ0.
35m5)を成形し、アルミニウム缶胴(缶径66mm
、缶高さl 70 nm)を得た。このアルミニウム缶
胴を硫酸系脱脂液でスプレー(圧力3kg/c「、70
℃、60秒)洗浄し、引き続いて市水で洗浄し、最後に
比抵抗が108Ω・cmの純水で処理し、直ちにこのア
ルミニウム缶胴を温度200℃のドライ水蒸気中におい
て、水蒸気圧をそれぞれ、1atm(試料1 )、 3
 atm(試料2 )、 5 atm(試料3)、10
atm(試料4)と変化させて、処理時間30秒でベー
マイトを形成した。この時のベーマイト皮膜の膜厚測定
結果を第1表に示した。
次に前記方法でベーマイト処理したアルミニウム缶胴の
外側面にエポキシアミノ系樹脂を厚さ5μm塗装し、2
10℃、5分間の焼き付けを行った。
この塗装したアルミニウム缶胴より幅20an、長さ8
(lnmの短冊状試験片を切り出し、塗装面側を対抗さ
せ、その間にポリアミド系ホットメルトフィルムをはさ
み、190℃、10分間、圧力10kg/cffl!で
接合し、T型塗膜剥離試験片とした。塗装密着力測定は
引っ張り速度200Il1m/sinで行い、測定結果
を第1表に示した。
また缶胴側面に塗装焼き付けしたアルミニウム缶胴の缶
底未塗装部を対象として、加熱殺菌試験としてバステラ
イザー処理を模擬して、80℃の市水に30分間浸漬し
、缶底外面の変色状態を目視で判定し、結果を第1表に
示した。
また同様に水蒸気殺菌試験としてレトルト処理を模擬し
て125℃の飽和水蒸気中に、外側面に塗装焼き付けを
施したアルミニウム缶胴を20分間さらし、未塗装部で
ある缶底外面の変色状態を目視で判定し、結果を第1表
に示した。
比較例として、ベーマイト処理の代わりにリン酸クロメ
ート系処理を施したアルミニウム缶胴(Cr付着@ l
 5 mg/ m″)−・(比較例1)、ジルコニウム
塩系処理を施したアルミニウム缶胴(Zr付着量15 
mg/ m”)・・・(比較例2)、および未処理のア
ルミニウム缶胴・・・(比較例3)についても同様に塗
装を行い、塗装密着性等を測定し、第1表に示した。 
    以下余白 この結果、第1表に示したように、実施例1のベーマイ
ト処理したものは、加熱殺菌試験および水蒸気殺菌試験
において変色を生ずることなく、比較例に比べて良好な
結果を示した。また、密着性(1次)についてもリン酸
クロメート系処理に比べて同等以上であり、良好であっ
た。
「実験例2 」 実験例1のベーマイト処理条件を次のように変化させた
以外は、実験例1と同じ条件で試料を作製した。
以上の試料に実験例! を第2表に示した。
以下余白 と同じ評価を行った結果 ベーマイト処理条件 圧力;1ate 温度: 140℃(試料5)、 220℃(試料7)、 処理時間; 30秒 180℃(試料6) 0℃(試料8) また、比較例として圧力15tI11゜温度120℃、 処理時間30秒の条件でベーマイト処理を行ったものを
作製した。・・・(比較例4) 第2表を見てわかるように、試料5〜試料8は、加熱殺
菌試験および水蒸気殺菌試験に対していずれも良好な結
果を示した。
これに対して比較例4の120℃と比較的低温のドライ
水蒸気でベーマイト処理を行ったものは、水蒸気殺菌試
験で部分的に白変色を生じてしまった。
さらに圧力1 atmq温度270℃、処理時間30秒
の条件でベーマイト処理を行ったものを作製した結果、
アルミニウム合金の強度が30%も低下してしまった。
「実験例3 」 実験例1のベーマイト処理条件を次のように変化させた
以外は、実験例1と同じ条件で試料を作製した。
ベーマイト処理条件 15秒(試料11)、20秒(試料12)、30秒(試
料13)、40秒(試料14)、60秒(試料15)、
120秒(試料16)これらの試料にアルミニウム缶胴
の未塗装部である缶底外面を対象部として加熱殺菌試験
として95℃の市水に30分間浸漬した。その結果を第
3表に示した。
以下余白 圧力;1jto+ 温度; 200℃ 処理時間; 5秒(試料9)、10秒(試料10)、第
3表に示したように加熱殺菌温度が95℃と高くても3
0秒以上の処理で全く変色を生じなかった。
「実験例4 」 実験例3において硫酸系脱脂液による脱脂、市水による
水洗後に純水で処理する代わりに以下の水溶液で処理し
、その後実験例3と同じベーマイト処理および塗装を行
い、実験例3と同じ加熱殺菌試験を施した。
純水に代わる処理水溶液 (比抵抗がlO@Ω・cI+1の純水に薬品添加)添加
薬品濃度;  7yC70,5%・・(試料17)モノ
エチル7ミン1.0%・・・(試!1B)トリエタノー
ルアミン 1.0% ・・・(試料 19)この結果、
加熱殺菌試験において試料17と試料19は20秒以上
のベーマイト処理を行えば変色を生じないことがわかっ
た。さらに試料18は15秒以上のベーマイト処理を行
えば変色を生じないことがわかった。
一方、硫酸系脱脂液による脱脂後に、市水によろ水洗を
行ったのみで、そのままベーマイト処理を実験例3と同
じ条件で行ったものは、加熱殺菌試験においてベーマイ
ト処理時間40秒のものは若干褐色に変色したが、ベー
マイト処理時間50秒以上のものは全く変色を生じなか
った。
「実験例5 」 第1図に示した装置1の水蒸気供給室3内の蒸気相部に
アルミニウム缶胴を開口部を下に向けて懸垂し、飽和水
蒸気中で、アルミニウム缶胴にベーマイト処理した。こ
の際、バルブ10及びバルブ13は閉じており、水蒸気
供給室3内は加えた温度に相応する飽和水蒸気圧となっ
ている。
その他の条件は実験例1と同じ条件で試料を作製した。
ベーマイト処理条件 温度:  110℃(試料20)、130℃(試料21
)、150℃(試料22) 処理時間; 40秒 また、比較例として、温度を90℃として上記の条件で
ベーマイト処理を行ったものを作製した。
・・・(比較例5) 以上の試料に実験例1と同じ評価を行った結果を第4表
に示した。
以下余白 実験例5によると塗膜密着力は実験例!で示した比較例
1のリン酸クロメート系処理膜と同等であるが、加熱殺
菌試験、水蒸気殺菌試験では良好な耐食性を示した。尚
、飽和水蒸気温度が150°C以上になると内圧が急激
に高くなり、装置の大型化を招き、生産性が低下する。
「実験例6 」 アルミニウム合金A3004H19シート材(厚さ0.
35mm)を以下の工程によって加工処理した。
ア、カッピング イ、探しぼり加工 アルミニウム缶胴(直径66mm=170ms)つ、硫
酸系脱脂液による脱脂 工、市水による水洗 才、純水による水洗 力、乾燥  200℃、1分 キ1缶胴外面塗装 エポキシアミノ系樹脂。
塗膜厚 5μm り、焼き付け   210℃、2分 ケ3缶胴内面塗装 熱硬化性ビニル系樹脂塗膜厚 6μ
m コ、焼き付け 200℃、2分 す、フランジ・ネッキング 以上のようにして作製したアルミニウム缶胴の未塗装部
である缶底外面を対象にドライ水蒸気処理または飽和水
蒸気処理を以下の条件で各々施した。
ドライ水蒸気処理 水蒸気温度  2 水蒸気圧   l 処理時間   4 00℃ ate 0秒(試料23) 0秒(試料24) 0秒(試料25) 飽和水蒸気処理 水蒸気温度  130℃ 処理時間   40秒(試料26) 50秒(試料27) 60秒(試料28) ベーマイト処理後の缶底外面はドライ水蒸気処理では変
色は認められなかったが、飽和水蒸気処理したものはい
ずれもはん点状の白色部が認められ好ましくなかった。
そこで缶底外面を充分脱脂し、市水水洗、純水水洗をし
た後に試料26〜28と同じ飽和水蒸気処理を施した所
、缶底外面には変色は認められなかった。
したがって飽和水蒸気処理を行う場合には予め缶表面が
水によって充分濡れている必要があり、よって飽和水蒸
気処理を行う場合には脱脂、水洗(市水および純水水洗
)後に直ちに行うことが好ましい。
また、試料23〜25に加熱殺菌試験(市水、80℃、
30分)を施した所、ベーマイト処理時間が40秒以上
では缶底外面に全く変色を生じなかった。
「実験例7 」 アルミニウム合金A3004H19シート材(板厚0.
35a+s)を以下の工程によって加工処理し、アルミ
ニウム缶胴(試料29)を製作した。
(ア)カッピング (イ)探しぼり加工・・・アルミニウム缶胴(直径66
++ua、高さ170n+m)(つ)硫酸系脱脂液によ
る脱脂 (1)市水による水洗 (オ)純水による水洗 (力)ドライ水蒸気処理、 (200℃、水蒸気圧1 ate、処理時間60秒)(
キ)缶胴外面塗装、 (エポキシアミノ樹脂、塗膜厚5μl11)(り)焼き
付け、(21O℃、2分) (ケ)缶胴内面塗装、 (熱硬化ビニル系樹脂、塗膜厚5μm)(コ)焼き付け
、(200℃、2分) (す)フランジネッキング 上記した(力)の工程をリン酸りロメート系処理→市水
水洗−純水水洗→乾燥(200℃、1分)に置き換えて
、アルミニウム缶胴を作製した。・・・(比較例6) また、同様に(力)の工程をジルコニウム塩系処理−市
水水洗→純水水洗→乾燥(200℃、1分)に置き換え
てアルミニウム缶胴を作製した。・・・(比較例7) また、アルミニウム合金A3182H3Bシート材(板
厚0.35mm)から以下の工程によってアルミニウム
缶蓋を作製した。・・・(試料30)(a)・・・弱ア
ルカリ性脱脂液による脱脂(b)・・・市水による水洗 (c)・・・純水による水洗 (d)・・・ドライ水蒸気処理、 (200℃、水蒸気圧1 atm、30秒)(e)・・
・両面塗装、 (ビニルオルガノゾル系、塗膜厚8μl11)(f)・
・・焼き付け、(200℃、1分)(g)・・・打抜き
成形 (h)・・・コンバンドライナー (i)・・・コンバージョンプレス 一方、上記した(e)の工程をリン酸クロメート系処理
−市水水洗一純水水洗一乾燥(200℃、1分)に置き
換えて比較例6のアルミニウム缶蓋を作製した。・・・
(比較例6a) また、同様に(e)の工程をジルコニウム塩基処理→市
水水洗→純水水洗叫乾燥(200℃、1分)に置き換え
てアルミニウム缶匪を作製した。・・・(比較例7a) 以上のようにして作製した各々の缶胴にラガービールあ
るいはオレンジジュースを充填した。
次いで、試料29の缶胴には試料30の缶蓋で巻締め、
比較例6および比較例7には、それぞれの缶胴と同様の
処理を施した比較例6a、比較例7aの缶蓋で巻締めし
て、缶詰体を作製した。
このようにして得た缶詰体を常温で半年間保存した後、
これらの缶詰体の内容物中へのアルミニウム溶出量の測
定および缶胴内面塗膜の密着力をT型塗膜剥離試験法に
より測定し、これらの結果を第5表に示した。
以下余白 第5表を見てわかるように、実験例7のベーマイト処理
を施したものは内容物に対する耐食性および塗膜密着性
が比較例6.比較例7に比べて優れていた。
上記の実験例(1〜7)かられかるように、アルミニウ
ム合金を素材とするアルミニウム缶に水蒸気処理を施す
と耐食性の良好なベーマイト皮膜が形成される。水蒸気
処理を飽和水蒸気中で行う場合は、アルミニウム缶表面
に形成されるベーマイト皮膜の形成速度が相対的に速い
という利点を有するが、圧力容器が必要であり、生産性
の面からドライ水蒸気処理に比べて劣り、またアルミニ
ウム缶表面が予め濡れていないと均一なベーマイト皮膜
が形成されにくいので、脱脂、水洗直後に行うことが望
ましい。一方ドライ水蒸気処理の場合は、飽和水蒸気処
理に比してベーマイト皮膜の成長速度が若干遅いが、常
圧で可能であり、圧力容器を必要とせず、連続生産性に
優れ、場合によっては塗装焼き付けあるいは乾燥を兼ね
て同時にベーマイトを形成できる利点があり、また高温
での成膜が可能であり得られたベーマイト皮膜は飽和水
蒸気処理に比して緻密であり、優れた耐熱性、耐食性を
有する。
「発明の効果」 以上説明したように、飽和水蒸気処理あるいはドライ水
蒸気処理によるベーマイト皮膜は高い熱安定性を有する
ため、本発明のアルミニウム缶へのベーマイト形成方法
によってベーマイト皮膜を施したアルミニウム缶は、塗
装焼き付けあるいは乾燥時の熱処理(例えば200℃、
1分)にも充分耐え、ベーマイト皮膜にクラックを生じ
ることがない。またこのような熱処理を受けた後のベー
マイト皮膜でも良好な耐水性、耐食性を有するため、ア
ルミニウム缶内へ飲料水等の内容物を充填した後に、加
熱殺菌処理であるパステライザー処理(加熱水中、例え
ば80℃、30分)あるいはレトルト処理(飽和水蒸気
中、例えば120℃、30分)を受けても、アルミニウ
ム缶の缶底外面未塗装部等が茶褐色に変色したり、白変
色を生じることがない。
さらにこの方法によるベーマイト形成によれば、処理後
の水洗が不要であり、有害な重金属イオンを含まないた
め排水処理を行う必要がない。そのため、生産性や信頼
性が向上するのみならず、コストダウンにもつながる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法によってアルミニウム缶へベーマ
イトを形成するための装置の概略構成図である。 第1図 5a・・・飽和水蒸気、 5b・・・ドライネ飽和水蒸気、 11・・・アルミニウム缶。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アルミニウム合金を素材とするアルミニウム缶を
    水蒸気中に保持することにより、該アルミニウム缶にベ
    ーマイトを形成することを特徴とするアルミニウム缶へ
    のベーマイト形成方法。
  2. (2)請求項(1)記載の水蒸気がドライ水蒸気であり
    、該水蒸気の温度が140〜250℃であることを特徴
    とする請求項(1)記載のアルミニウム缶へのベーマイ
    ト形成方法。
  3. (3)清浄化したアルミニウム缶を比抵抗が1×10^
    5Ω・cm以上の純水で洗浄した後、直ちに140〜2
    50℃のドライ水蒸気中に保持することにより該アルミ
    ニウム缶にベーマイトを形成することを特徴とするアル
    ミニウム缶へのベーマイト形成方法。
  4. (4)比抵抗が1×10^5Ω・cm以上である純水に
    アンモニア、アミン、アルコールアミンおよびアミドか
    ら選ばれる化合物を合計で0.01〜3%を添加してな
    る水溶液を清浄化したアルミニウム缶に塗布した後、直
    ちに140〜250℃のドライ水蒸気中に保持すること
    により該アルミニウム缶にベーマイトを形成することを
    特徴とするアルミニウム缶へのベーマイト形成方法。
  5. (5)缶外面底部を除いて塗装してなるアルミニウム缶
    を140〜250℃のドライ水蒸気中に保持することに
    より該アルミニウム缶の缶外面底部にベーマイトを形成
    することを特徴とするアルミニウム缶へのベーマイト形
    成方法。
  6. (6)缶表面の一部に塗装してなるアルミニウム缶にお
    いて非塗装部にベーマイト皮膜層を形成してなることを
    特徴とするベーマイト皮膜層を有するアルミニウム缶。
JP29883389A 1989-11-17 1989-11-17 アルミニウム缶へのベーマイト形成方法およびベーマイト皮膜層を有するアルミニウム缶 Pending JPH03158476A (ja)

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