JPH09136062A - 樹脂被覆アルミニウム合金製缶 - Google Patents

樹脂被覆アルミニウム合金製缶

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JPH09136062A
JPH09136062A JP29303095A JP29303095A JPH09136062A JP H09136062 A JPH09136062 A JP H09136062A JP 29303095 A JP29303095 A JP 29303095A JP 29303095 A JP29303095 A JP 29303095A JP H09136062 A JPH09136062 A JP H09136062A
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aluminum alloy
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resin coating
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JP29303095A
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Eizo Ishiguro
英三 石黒
Sadao Nishiyama
貞雄 西山
Susumu Miyama
晋 深山
Kiichi Wakasa
喜一 若狭
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Mitsubishi Materials Corp
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性、耐レトルト白化性、塗料密着性、す
べり性、加工性に優れた樹脂被覆Al合金製缶の提供。 【解決手段】 Al合金製缶基体の表面に、樹脂成分と
りん化合物を含む樹脂被覆層を形成し、この樹脂被覆層
中の樹脂成分含有量を3〜60mg/m2 (カーボンとし
て)、りん化合物含有量を0.5〜15mg/m2 (りん
として)とし、樹脂被覆層厚さを3〜100nmとし、か
つ樹脂被覆層の、缶基体表面被覆率を90%以上とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂被覆アルミニウ
ム合金製缶に関するもので、より詳細には耐食性、耐レ
トルト白化性、塗料密着性、すべり性および加工性に優
れた樹脂被覆アルミニウム含有金属製缶に関するもので
ある。特に本発明が効果的に利用できる分野は、アルミ
ニウム合金製絞りしごき缶の分野である。
【0002】
【従来の技術】従来、2ピース缶の一種として、絞りし
ごき缶が知られている。この絞りしごき缶は、絞り加工
(Drawing)と次いで行われるしごき加工(Ir
oning)により形成されるため、一般にはDI缶と
呼ばれている。素材には加工性に優れた金属材料であ
る、スズめっき鋼やアルミニウム合金が使われている。
アルミニウム合金を用いた絞りしごき缶は、現在、ビー
ルや炭酸飲料用の缶として広く使われている。通常、絞
りしごき缶は、加工後の缶体に塗料を施すのが一般的で
あり、缶体の耐食性や塗膜との密着性を高めるために種
々の表面処理を行っている。アルミニウム合金製の絞り
しごき缶の場合には、この表面処理としてクロム系のり
ん酸クロメート化成処理(U.S.Patent2,4
38,877)あるいはノンクロム系のジルコニウム系
化成処理(特開昭52−131937号公報)が工業的
に広く使用されている。化成処理とは処理液と被処理素
材を接触させて化学反応により表面に皮膜を形成させる
方法であり、“Chemical Conversio
n Coating”あるいは“Conversion
Coating”とも呼ばれている。りん酸クロメー
ト化成処理は6価クロムを含む化成処理液を使用するた
め廃水処理の負荷がかかり環境上好ましくない。また、
ジルコニウム系の化成処理により形成される表面処理皮
膜は、後述の耐レトルト性、すべり性および加工性に問
題がある。
【0003】表面処理されたアルミニウム合金製絞りし
ごき缶は、後に充填される内容物にあわせた種々のデザ
インの印刷が外面に施され、内面には耐食性を向上させ
る塗料が塗装される。このように内面、外面とも塗料や
インクなどのオーバーコーティングがなされるが、ボト
ムの外面だけは一般に塗装されない。その後、缶体にビ
ール、ジュース等の種々の内容物が充填され、蓋が巻締
められ密封される。充填された缶には、その後、殺菌を
目的とした処理が施される。この殺菌の条件は内容物に
依存するが、65℃〜90℃の温水に浸漬し殺菌する方
法や更に厳しい条件である115℃〜130℃の雰囲気
にさらされる高温殺菌方法(一般にレトルト処理)があ
る。ミルク入りコーヒーやお茶等が充填された場合に
は、このレトルト処理がなされる。前述のように基本的
にアルミニウム合金製絞りしごき缶のボトムは未塗装で
あるため、上記殺菌工程中に表面処理皮膜自身の耐食性
が乏しいとアルミニウムが酸化(腐食)して外観が変色
する。一般に温水に浸漬した際は黒色に、レトルト処理
の場合には白色に変色する。基本的にはアルミの酸化物
は白色を呈するが、温水浸漬の場合には成長する酸化物
に使用水の硬度成分等が取り込まれるために黒色とな
る。この現象は一般に黒変や白化と言われている。実際
に従来のりん酸クロメート化成処理やジルコニウム系化
成処理により形成される表面処理皮膜は、レトルト時に
白化しやすく、工業的にはボトムを塗装し対処している
場合が多い。また、レトルトにより外面のインクの密着
性が損なわれることがある。このため、レトルトされる
場合にはサイズコートあるいはサイジングと称される1
種のプライマー塗装が印刷前に施される。当然のことな
がら、1工程よけいにかかることになり工業的には好ま
しくない。しかしながら、現状では高い耐食性があり、
サイズコートなしでレトルトしてもインクの密着性が損
なわれないような表面処理皮膜は得られていないのであ
る。
【0004】一方、製缶工程においては、缶外面の高い
摩擦係数により缶のコンベヤー移送の際、缶表面のすべ
りが悪く缶が横転して移送障害がしばしば起こってい
る。特に缶の移送性はプリンターに搬送しようとすると
きに問題となる。したがって、製缶工業において、缶に
塗装されるペイントやインクの密着性に悪影響を与える
ことなく缶の静摩擦係数を低下させることが必要となっ
ている。このすべり性を向上させる方法としては、特開
昭64−85292号公報に開示されている発明が挙げ
られる。この発明はりん酸エステル類、アルコール類、
一価または多価脂肪酸、脂肪酸誘導体類およびそれらの
混合物から選択される水溶性有機物質を含む金属缶用表
面処理剤に関するものであるが、この開示の方法ではす
べり性の向上は認められても、耐食性および塗料密着性
の向上は認められないといった問題を有しているのであ
る。また、すべり性を向上させる方法としてりん酸エス
テルを使用する特開平5−239434号公報に開示さ
れている発明があるが、この開示の方法でもすべり性の
向上は認められても、耐食性および塗料密着性の向上は
認められないといった問題を有しているのである。
【0005】前述のごとく、缶はジュース等の内容物が
充填された後に蓋が巻きしめられ密封される。この蓋材
の材料を節減する目的で、蓋の直径が缶体の直径より小
さくなってきている。このため、缶体の蓋側は、この蓋
材に合わせた直径に絞れていなければならない。この缶
体の直径を絞ることをネックインと呼んでいる。現在、
ビール等に主に用いられている350mL用の缶体の直
径は211と呼ばれ、2+11/16インチであり、蓋
材の直径は206と呼ばれ、2+6/16インチであ
る。このため缶体の蓋側は211から206にネックイ
ンされている。近年、蓋材の節減を目的として更なる縮
径化が検討されており、蓋材を202と呼ばれる2+2
/16インチに絞ることが望まれている。このため、缶
体のネックインが行われる部位はより厳しい加工を受け
ることになる。このため、この加工においても充分な密
着性を付与する表面処理皮膜が望まれているのである。
しかしながら、現状では厳しい加工を受けても充分な密
着性を有し、且つ、高温殺菌(レトルト)においても高
い耐食性を持ち、サイズコートなしでも密着性が良好
で、缶の移送をスムーズに行えるようなすべり性を有す
るような表面処理皮膜は得られていないのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の有
する前記問題点を解決するためのものであり、より具体
的には、高温殺菌(レトルト)において、表面処理皮膜
自身に高い耐食性を付与し外観を白色化せず、また、サ
イズコート(プライマー塗装)を不要にする皮膜を有
し、製缶工程における缶の移送性に優れるすべり性を有
し、且つ、ネックイン加工に対して優れた加工性を有す
る表面処理皮膜を有するアルミニウム合金製缶を提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の抱える問題点を解決するための手段について鋭意
検討した。その結果、アルミニウム合金を絞りしごき加
工して得られる缶の表面に特定の膜厚で特定の付着量の
有機−無機複合皮膜を有し、該複合皮膜でアルミニウム
合金を特定の範囲の比率で被覆する樹脂被覆アルミニウ
ム合金製缶が上記課題を解決し得ることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0008】本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製缶は
アルミニウム合金製缶基体と、前記缶基体の表面を被覆
している樹脂被覆層とを含み、前記樹脂被覆層が、樹脂
成分とりん化合物とを含み、前記樹脂成分の含有量が、
カーボンとして3〜60mg/m2 であり、前記りん化合
物の含有量がりんとして、0.5〜15mg/m2 であ
り、かつ3〜100nmの厚さを有し、前記樹脂被覆層
の、前記缶基体表面被覆率が90%以上である、ことを
特徴とするものである。
【0009】本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製缶に
おいて、前記樹脂被覆層が、前記缶基体表面に、前記樹
脂成分およびりん化合物と、フッ化水素酸又は錯フッ化
物とを含む処理液による処理を施し、形成された被膜を
水洗することにより得られたものであることが好まし
い。
【0010】本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製缶に
おいて前記樹脂成分が下記一般式:
【化3】 〔但し、式(I)において、X1 およびX2 は、それぞ
れ互いに独立に、水素原子、C1 〜C5 アルキル基、ま
たは、C1 〜C5 ヒドロキシアルキル基を表し、Y1
よびY2 は、それぞれ互いに独立に、水素原子、また
は、下記式(II)又は(III)により表されるZ基:
【化4】 (但し、式(II)および(III)において、R1 ,R2
3 ,R4 およびR5 は、それぞれ互いに独立に、水素
原子、C1 〜C10アルキル基、または、C1 〜C 10ヒド
ロキシアルキル基から選ばれた1員を表す)を表し、前
記重合体分子のベンゼン環に結合しているZ基の各々
は、互いに他から異なっていてもよく、或いは他と同一
であってもよく、前記重合体分子中の各ベンゼン環の前
記Z基置換数の平均値は0.2〜1.0であり、かつn
は2〜50の平均重合度を表す。〕により表される水溶
性重合体からなることが好ましい。
【0011】本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製缶に
おいて、前記りん化合物が、りん酸化合物、縮合りん酸
化合物、りん酸ジルコニウム化合物およびりん酸チタン
化合物から選ばれることが好ましい。また、本発明の樹
脂被覆アルミニウム合金製缶において前記アルミニウム
合金がアルミニウム−マンガン合金であることが好まし
い。また、本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製缶にお
いて、前記アルミニウム合金製缶基体が絞りしごき加工
にて成形されたものであることが好ましい。さらに本発
明の前記樹脂被覆アルミニウム合金製缶が、さらにその
外面が塗装あるいは印刷され、且つ、その内面が塗装さ
れ、その後、缶の開口部端側が、缶体の最大直径の74
〜84%を直径とする開口部が残存するようにネックイ
ン加工されているものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の樹脂被覆アルミニ
ウム合金製缶について詳しく説明する。本発明に用いら
れる缶基体はアルミニウム合金を加工して得られる缶体
である。缶基体を成形する加工方法は、絞り加工、絞り
しごき加工、ストレッチドロー加工等が挙げられ、特に
限定されるものではないが、特に本発明が効果的に適用
されるのは絞りしごき缶に対するものである。使用する
アルミニウム合金は、工業的に絞りしごき加工に耐えら
れ、製缶することが可能であればよく特に限定されるも
のではない。しかし、商業的には1台のボディーメーカ
ーと呼ばれるDIマシンで1分間に150から300缶
の缶体を連続的に加工する必要がある。これに耐えるに
は素材としてアルミニウム−マンガン合金を用いること
が好ましい。
【0013】本発明において缶基体の表面には樹脂被覆
層が必須成分として存在しなければならない。この樹脂
被覆層を表面に形成させる表面処理液および表面処理方
法には特に限定はない。本発明において、樹脂被覆層は
樹脂成分とりん化合物とを含むものである。樹脂被覆層
中の樹脂成分含有量はすべり性および加工性を左右する
ために極めて重要なファクターである。樹脂成分の含有
量は、カーボンとして3〜60mg/m2 の範囲が好まし
い。より好ましくは15〜30mg/m2 の範囲である。
この含有量が3mg/m2 未満では充分なすべり性が得ら
れない。また、それが60mg/m2 を超えても性能上問
題はないが、外観が干渉色を呈したり、コスト高となる
ために好ましくない。樹脂被覆層中の無機化合物はりん
化合物であり、その含有量はりんとして0.5〜15mg
/m2 の範囲が好ましい。より好ましくは2〜7mg/m
2 の範囲である。この含有量が0.5mg/m2 未満では
耐食性が充分に得られない。また、それが15mg/m2
を超えても性能上は問題ないが、コストが高くなるため
に経済的に好ましくない。
【0014】前記樹脂被覆層の厚さは3〜100nmの
範囲が好ましい。より好ましくは10〜30nmの範囲
である。この厚さが3nm未満では優れたすべり性が得
られない。また、それが100nmを超えると色調を損
ねたり、加工性が劣化し好ましくない。前記樹脂被覆層
によるアルミニウム合金基体表面の被覆率は90%以上
が必要である。被覆率が90%未満では耐食性が充分で
ない。
【0015】次に本発明で特定されている樹脂成分含有
量、およびりん化合物含有量、樹脂被覆層の被覆率およ
び厚さの測定方法について以下に説明する。樹脂成分含
有量の測定は市販の表面炭素分析装置を用い測定する。
先ず本発明の樹脂被覆アルミニウム合金含有製缶を適当
なサイズ(20〜50cm2 程度)に切り出しサンプルと
する。表面炭素分析装置において、サンプルを昇温し、
表面に存在する樹脂成分中の炭素を酸化しガス化して、
このガスをIR(赤外線吸収)にて定量する。測定条件
は表面の樹脂成分中の炭素を酸化しガス化させる条件で
あればよいが、一般に500℃5分程度の条件で測定す
ることが好ましい。樹脂被覆層中のりんの含有量は市販
の蛍光X線分析装置にて定量する。りんの含有量が既知
で含有量の異なるサンプルを複数測定し、この際の強度
より、強度−付着量の検量線を作成する。同様の条件で
本発明のアルミニウム合金含有製缶を適当なサイズ(φ
3cm程度)に切り出し測定する。この測定強度を前述の
検量線に基づきりん含有量に換算する。
【0016】樹脂被覆層被覆率は市販のXPS(X線光
電子分光分析)装置にて定量する。XPSとはサンプル
を超高真空(10−5Pa以下)にてX線で励起し、こ
の際に放出される光電子を分析する装置である。この光
電子の強度と感度係数より表面に存在する原子の比率を
計算することができる。なお、定量計算方法はすでに確
立されたものであり、プログラムとして市販されてい
る。大気にさらされたサンプルは必ず何らかの汚染を受
けている。このため、大気中にて清浄にしたサンプルで
もXPSで分析すると最表面にはカーボン等の汚染物が
検出される。この影響を除去するため、本発明で定義す
る被覆率算出には、最表面をアルゴンで若干スパッタリ
ング(2nm)してから分析を行う。すなわち、XPS
分析装置に併設されている市販のアルゴンスパッタリン
グガンを用い、表面を2nmスパッタリングし汚染物を
除去した後にX線で表面を励起し光電子を分析した。X
線で励起した後、ワイドスキャンと呼ばれる分析を行
い、先ず、表面に存在する原子の定性を行う。通常、本
発明の樹脂被覆アルミニウム合金含有製缶で検出される
元素は炭素、酸素、りん、アルミニウムが主である。定
性試験にて検出された元素について定量計算を行い、こ
れよりアルミニウムの原子%であるAを算出する。この
アルミニウムの原子%であるAを用い被覆率を次式(I
V)により計算した。 被覆率=100−A (IV) 樹脂被覆層の厚さは前述のアルゴンスパッタリングガン
を用い測定する。この樹脂被覆層の厚さが既知(透過電
子顕微鏡等で測定)の、樹脂被覆厚さが異なるサンプル
を複数測定する。アルゴンスパッタリング−光電子分析
を数回に分けて繰り返す。上記被覆率が40原子%とな
るまで樹脂被覆層が存在したと定義し、これに要したス
パッタリングの積算時間と被膜厚の検量線を作成する。
そして、本発明のアルミニウム合金含有製缶を分析し、
被覆率が40原子%となるまでのスパッタリング積算時
間と先の検量線より樹脂被覆層厚さを算出する。
【0017】本発明に用いられる樹脂成分は密着性やす
べり性を考慮し、これらの性能を満足する構造を有して
いなければならない。好ましい樹脂成分として式(I)
に示される重合体が挙げられる。
【化5】 〔但し、式(I)において、X1 およびX2 は、それぞ
れ互いに独立に、水素原子、C1 〜C5 アルキル基、ま
たは、C1 〜C5 ヒドロキシアルキル基を表し、Y1
よびY2 は、それぞれ互いに独立に、水素原子、また
は、下記式(II)および(III) により表されるZ基:
【化6】 (但し、式(II)および(III) 中、R1 ,R2 ,R3
4 およびR5 は、それぞれ互いに独立に、水素原子、
1 〜C10アルキル基、または、C1 〜C10ヒドロキシ
アルキル基から選ばれた1員を表す)を表し、前記重合
体分子のベンゼン環に結合しているZ基の各々は、互い
に他から異なっていてもよく、あるいは他と同一であっ
てもよく、前記重合体分子中の各ベンゼン環の前記Z基
置換数の平均値は0.2〜1.0であり、かつnは2〜
50の平均重合度を表す。〕
【0018】上記式(I)において、X1 およびX
2 は、それぞれ互いに独立に、水素原子、C1 〜C5
ルキル基、または、C1 〜C5 ヒドロキシアルキル基で
ある。C 6 以上では樹脂がバルキーとなり立体障害を引
き起こし緻密な耐食性に優れた樹脂皮膜にならない。Y
1 およびY2 は、それぞれ互いに独立に、水素原子、ま
たは、下記式(II)又は(III) により表されるZ基であ
る。式(II)中、R1 ,R 2 ,R3 ,R4 およびR
5 は、それぞれ互いに独立に、水素原子、C1 〜C10
ルキル基、または、C1 〜C10ヒドロキシアルキル基か
ら選ばれた1員を表す)を表す。C11以上では官能基Z
がバルキーすぎて樹脂皮膜が粗となり耐食性が低下す
る。前記重合体分子のベンゼン環に結合しているZ基の
各々は、互いに他から異なっていてもよく、あるいは他
と同一であってもよく、前記重合体分子中の各ベンゼン
環の前記Z基置換数の平均値は0.2〜1.0である。
また、前記重合体の平均重合度は2〜50である。例え
ば、nが10の重合体(芳香環は20個)にZが10個
導入されていれば、平均Z基置換数は0.5である。平
均Z基置換数が0.2未満では樹脂と素地であるアルミ
ニウム合金との密着が悪く問題がある。平均Z基置換数
が1より大きいときはバルキーすぎて樹脂皮膜が粗とな
り耐食性が低下する。
【0019】また、本発明で適用する無機成分はりん化
合物であり、りん化合物は耐食性を付与する上で極めて
重要な成分である。好ましいりん化合物としてはりん酸
化合物、縮合りん酸化合物、りん酸ジルコニウム化合物
およびりん酸チタン化合物から選ばれる1種以上であ
る。
【0020】次いで本発明のアルミニウム合金製缶を製
造するプロセスについて説明する。好ましい例としてア
ルミニウム合金製絞りしごき缶を製造するプロセスを記
載する。アルミニウム合金製絞りしごき缶を製造する工
程は既知のDI缶製造工程に従って行われる。すなわ
ち、アルミニウム板(コイル)からブランクと呼ばれる
円状の板を打ち抜き、これをカップ状に絞り加工する。
次いで、このカップを再絞りし、この側壁をしごき加工
することにより缶体に成形する。この際に、この絞りし
ごき加工を容易にするために種々の潤滑剤が使用されて
おり、成形された缶体は潤滑剤が付着した状態になって
いる。このため、このまま表面に皮膜を均一に生成させ
ることは困難である。そこで、先ず、この潤滑剤および
成形の際に表面に発生する摩耗粉等を除去する目的で洗
浄処理を行う。洗浄剤としては、酸系あるいはアルカリ
系の洗浄剤を使用することができ、特に限定はない。洗
浄された缶体表面を水ですすぎ、表面に皮膜を形成する
目的で表面処理が行われる。本発明の有機−無機複合皮
膜を形成する表面処理方法は特に限定されるものではな
いが、表面処理は古くから水系の化成処理液を使用する
設備となっているため、既存の設備をそのまま使用する
水系の表面処理液にて処理する方法が工業的には望まし
い。
【0021】次に本発明の樹脂被覆層を形成するために
用いられる好ましい表面処理液について概説する。樹脂
成分を皮膜として形成させるために、水溶性の重合体を
使用することができる。これにりん酸、縮合りん酸ある
いはこれらの塩から選ばれる1種以上のりん化合物とを
共存させ、水溶性重合体とりん酸、縮合りん酸が沈澱し
やすいpHに調整する。これにアルミニウムエッチング剤
としてフッ化水素酸あるいは錯フッ化物を共存させて、
この処理液をアルミニウム合金缶に接触させる。フッ素
化合物によりアルミニウム合金表面がエッチングされ、
この際に界面でpH上昇が起こる。これにより共存する水
溶性重合体(樹脂成分)およびりん化合物が表面に析出
し樹脂皮膜を形成する。なお、りん酸ジルコニウムある
いはりん酸チタンを表面に生成させるには、りん酸とフ
ルオロジルコニウム酸(H2 ZrF6 )あるいはフルオ
ロチタン酸(H2 TiF6 )を共存させた処理液にすれ
ばよい。表面処理された缶体は水ですすがれ、未反応成
分は表面から除去される。さらに純水等ですすがれ、更
に乾燥されて、本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製缶
が得られる。なお、乾燥温度によっては表面上で重合体
が更に高分子化させることも可能である。より高い耐食
性が求められる場合には乾燥温度を高くし(180℃以
上)表面上で重合度を高めるとよい。カーボン含有量
(樹脂成分含有量に対応)およびりん含有量(りん化合
物含有量に対応)、樹脂被覆層の被覆率および厚さは、
処理液中の水溶性重合体(樹脂成分)の濃度やりん化合
物の濃度、処理温度、処理時間等により調整することが
できる。
【0022】
【実施例】以下に本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製
缶に関し、幾つかの実施例を挙げ、その有用性を比較例
と対比して示す。 〔アルミニウム合金製缶作成方法〕アルミニウム合金板
(A3004)を絞りしごき加工して作ったアルミニウ
ム合金製缶を市販の洗浄剤(登録商標パルクリーン50
0:日本パーカライジング株式会社製)の8%水溶液を
用いて75℃−40秒スプレーにて洗浄し、次いで水洗
し清浄にした後、これを缶基体として、それに下記実施
例に示す表面処理液を用いてスプレー処理を行い、次い
で水道水で水洗し、さらに3000,000Ωcm以上の
脱イオン水で10秒間スプレーした後、180℃の熱風
乾燥炉内で2分間乾燥した。
【0023】〔付着量測定方法〕作成したアルミニウム
合金製缶の樹脂被覆層の付着量を定量した。樹脂被覆層
中のカーボンの含有量は市販の表面炭素分析装置にて定
量した。サンプルサイズは32cm2 で、測定条件は50
0℃×5分とした。また、りん含有量は市販の蛍光X線
分析装置にて定量した。サンプルサイズはφ3cmとし
た。 〔樹脂被覆層の被覆率および厚さ〕作成した樹脂被覆ア
ルミニウム合金製缶の樹脂被覆層の状態を市販のXPS
(X線光電子分光分析)装置にて分析した。最表面を2
nmスパッタリングし定性分析を行った。この際検出され
た元素を定量計算し前述の計算式(IV) に従い算出し
た。また、XPS分析装置に市販のアルゴンスパッタリ
ングガンを併設し、スパッタリングにて皮膜を破壊除去
した。この際のスパッタリング時間より前述の方法にて
皮膜厚を換算した。
【0024】〔評価方法〕 (1)耐食性 樹脂被覆アルミニウム合金製缶の耐食性(耐レトルト白
化性)は、樹脂被覆アルミニウム合金製缶を未塗装の状
態で121℃×30分間レトルト処理し、この際の外観
変化により評価した。白変なしを“○”、一部白変を
“△”、全面白変を“×”で示した。 (2)塗料密着性 本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製缶に対し、サイズ
コートなしで、市販の缶外面用のインクを用い印刷し
た。これを121℃×30分間レトルト処理し、その
後、密着性を評価した。テープにて剥離を行い、剥離な
しを“○”、一部剥離を“△”、全面剥離を“×”で示
した。
【0025】(3)すべり性 すべり性は、缶外面の静摩擦係数を測定し評価した。し
たがって、静摩擦係数が低いほどすべり性に優れる。一
般に1.0以下の静摩擦係数を有していれば良好であ
る。 (4)加工性 本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製缶に市販の外面用
ホワイト塗料を10μmになるように塗装した。これを
市販のネッキングマシンを用い、202ネックインを施
した。この際のネック部の密着性を評価した。塗膜の剥
離なしを“○”、一部剥離を“△”、全面剥離を“×”
で示した。
【0026】実施例1 下記の表面処理液(1)を用い処理を行った。形成され
た樹脂被覆層の付着量、被覆率、皮膜厚さを下記に示
す。 表面処理液(1) フッ化水素酸(HF) 0.1g/L 75%りん酸(H3 PO4 ) 10.0g/L ピロリン酸ナトリウム(Na4 2 7 ・10H2 O) 3.0g/L 水溶性重合体固形分 2.0g/L pH 4.0(水酸化ナトリウムで調整) 水溶性重合体(1) n=5 X1 ,X2 =水素 Y1 ,Y2 =−CH2 N(CH3 2 平均Z基置換数=0.25 表面処理温度:40℃ 表面処理時間:20秒 カーボン含有量:20mg/m2 りん含有量 : 4mg/m2 被覆率 :95% 皮膜厚 :15nm
【0027】実施例2 下記の表面処理液(2)を用い処理を行った。形成され
た樹脂被覆層の付着量、被覆率、皮膜厚を以下に示す。 表面処理液(2) フッ化水素酸(HF) 0.05g/L フルオロジルコニウム酸(H2 r 6 ) 0.1g/L 75%りん酸(H3 PO4 ) 0.1g/L 水溶性重合体固形分 0.4g/L pH 2.5(アンモニア水で調整) 水溶性重合体(2) n=5 X1 ,X2 =−C2 5 1 ,Y2 =−CH2 N(CH2 CH2 OH)2 平均Z基置換数=0.5 表面処理温度:50℃ 表面処理時間:20秒 カーボン含有量:10mg/m2 りん含有量 : 2mg/m2 被覆率 :92% 皮膜厚 :10nm
【0028】実施例3 下記の表面処理液(3)を用い処理を行った。形成され
た樹脂被覆層の付着量、被覆率、皮膜厚を以下に示す。 表面処理液(3) フッ化水素酸(HF) 0.05g/L 75%りん酸(H3 PO4 ) 20.0g/L ピロりん酸ナトリウム(Na4 2 7 ・1OH2 O) 6.0g/L 水溶性重合体固形分 8.0g/L pH 6.0(水酸化ナトリウムで調整) 水溶性重合体(3) n=15 X1 ,X2 =−C2 5 1 ,Y2 =−CH2 N(CH2 CH2 OH)2 平均Z基置換数=1.0 表面処理温度:60℃ 表面処理時間:45秒 カーボン含有量:40mg/m2 りん含有量 : 8mg/m2 被覆率 :95% 皮膜厚 :30nm
【0029】実施例4 下記の表面処理液(4)を用い処理を行った。形成され
た樹脂被覆層の付着量、被覆率、皮膜厚を以下に示す。 表面処理液(4) フッ化水素酸(HF) 0.05g/L 75%りん酸(H3 PO4 ) 20.0g/L トリポリりん酸ナトリウム(Na5 3 10) 1.2g/L 水溶性重合体固形分 1.0g/L pH 4.0(アンモニア水で調整) 水溶性重合体(4) n=15 X1 ,X2 =水素 Y1 ,Y2 =−CH2 N(CH2 OH)2 平均Z基置換数=0.5 表面処理温度:50℃ 表面処理時間:20秒 カーボン含有量:30mg/m2 りん含有量 : 6mg/m2 被覆率 :95% 皮膜厚 :20nm
【0030】実施例5 下記の表面処理液(5)を用い処理を行った。形成され
た樹脂被覆層の付着量、被覆率、皮膜厚を以下に合わせ
示す。 表面処理液(5) フッ化水素酸(HF) 0.2g/L 75%りん酸(H3 PO4 ) 20.0g/L ピロりん酸(H4 2 7 ) 1.0g/L 水溶性重合体固形分 1.0g/L pH 3.5(アンモニア水で調整) 水溶性重合体(5) n=20 X1 ,X2 =水素 Y1 ,Y2 =−CH2 N(CH2 CH2 CH2 OH)2 平均Z基置換数=0.75 表面処理温度:40℃ 表面処理時間:20秒 カーボン含有量:15mg/m2 りん含有量 : 4mg/m2 被覆率 :93% 皮膜厚 :10nm
【0031】比較例1 下記の表面処理液(6)を用い処理を行った。形成され
た樹脂被覆層の付着量、被覆率、皮膜厚を以下に示す。 表面処理液(6) 75%りん酸(H3 PO4 ) 0.5g/L 水溶性重合体固形分 1.0g/L pH 6.0(アンモニア水で調整) 水溶性重合体(6) n=10 X1 ,X2 =水素 Y1 ,Y2 =−CH2 N(CH2 CH2 CH2 OH)2 平均Z基置換数=0.75 表面処理温度:40℃ 表面処理時間: 5秒 カーボン含有量:2mg/m2 りん含有量 :0.2mg/m2 被覆率 :70% 皮膜厚 :0.3nm
【0032】比較例2 下記の表面処理液(7)を塗布し水洗を行わないで乾燥
した。形成された樹脂被覆層の付着量、被覆率、皮膜厚
を以下に示す。 表面処理液(7) 75%りん酸(H3 PO4 ) 0.01g/L 水溶性重合体固形分 0.02g/L pH 7.0(アンモニア水で調整) 水溶性重合体(1) n=5 X1 ,X2 =水素 Y1 ,Y2 =−CH2 N(CH3 2 平均Z基置換数=0.25 カーボン含有量:20mg/m2 りん含有量 : 4mg/m2 被覆率 :80% 皮膜厚 :15nm
【0033】比較例3 市販のりん酸クロメート系の表面処理液(登録商標アロ
ジン401:日本パーカライジング株式会社製)の3%
水溶液を用い40℃20秒間スプレー処理を行った。形
成された化成皮膜の付着量を以下に示す。 クロム含有量 :20mg/m2 りん含有量 :15mg/m2
【0034】比較例4 市販のジルコニウム系の表面処理液(登録商標アロジン
404:日本パーカライジング株式会社製)の2%水溶
液を用い40℃20秒間スプレー処理を行った。形成さ
れた化成皮膜の付着量を以下に示す。 ジルコニウム含有量:12mg/m2 りん含有量 : 4mg/m2
【0035】上記実施例1〜5および比較例1〜4の評
価結果を表1に示す。
【表1】
【0036】表1の結果より明らかなように、実施例1
〜5に記載の本発明の樹脂被覆アルミニウム合金製缶
は、耐食性、密着性、すべり性および加工性とも全て優
れていた。一方、カーボン、りん含有量の少ない比較例
1の缶では耐食性、密着性、すべり性および加工性が劣
っていた。また表面処理剤の被覆率が低い比較例2の缶
では、耐食性、密着性および加工性が劣っていた。また
市販のりん酸クロメート薬剤を使用した比較例3および
市販のジルコニウム系薬剤を使用した比較例4の缶で
は、耐食性、塗料密着性、すべり性および加工性が劣っ
ていた。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る樹脂被覆アルミニウム合金
製缶は、耐食性(特に耐レトルト白化性)、塗料密着
性、すべり性および加工性において優れており、実用
上、きわめて有用なものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】樹脂被覆層被覆率は市販のXPS(X線光
電子分光分析)装置にて定量する。XPSとはサンプル
を超高真空(10-5Pa以下)にてX線で励起し、この
際に放出される光電子を分析する装置である。この光電
子の強度と感度係数より表面に存在する原子の比率を計
算することができる。なお、定量計算方法はすでに確立
されたものであり、プログラムとして市販されている。
大気にさらされたサンプルは必ず何らかの汚染を受けて
いる。このため、大気中にて清浄にしたサンプルでもX
PSで分析すると最表面にはカーボン等の汚染物が検出
される。この影響を除去するため、本発明で定義する被
覆率算出には、最表面をアルゴンで若干スパッタリング
(2nm)してから分析を行う。すなわち、XPS分析
装置に併設されている市販のアルゴンスパッタリングガ
ンを用い、表面を2nmスパッタリングし汚染物を除去
した後にX線で表面を励起し光電子を分析した。X線で
励起した後、ワイドスキャンと呼ばれる分析を行い、先
ず、表面に存在する原子の定性を行う。通常、本発明の
樹脂被覆アルミニウム合金含有製缶で検出される元素は
炭素、酸素、りん、アルミニウムが主である。定性試験
にて検出された元素について定量計算を行い、これより
アルミニウムの原子%であるAを算出する。このアルミ
ニウムの原子%であるAを用い被覆率を次式(IV)によ
り計算した。 被覆率=100−A (IV) 樹脂被覆層の厚さは前述のアルゴンスパッタリングガン
を用い測定する。この樹脂被覆層の厚さが既知(透過電
子顕微鏡等で測定)の、樹脂被覆厚さが異なるサンプル
を複数測定する。アルゴンスパッタリング−光電子分析
を数回に分けて繰り返す。上記被覆率が40原子%とな
るまで樹脂被覆層が存在したと定義し、これに要したス
パッタリングの積算時間と被膜厚の検量線を作成する。
そして、本発明のアルミニウム合金含有製缶を分析し、
被覆率が40原子%となるまでのスパッタリング積算時
間と先の検量線より樹脂被覆層厚さを算出する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 22/23 C23C 22/23 (72)発明者 深山 晋 静岡県駿東郡小山町菅沼1500番地 (72)発明者 若狭 喜一 静岡県駿東郡小山町菅沼1500番地

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金製缶基体と、前記缶基
    体の表面を被覆している樹脂被覆層とを含み、 前記樹脂被覆層が、樹脂成分とりん化合物とを含み、前
    記樹脂成分の含有量が、カーボンとして3〜60mg/m
    2 であり、 前記りん化合物の含有量がりんとして、0.5〜15mg
    /m2 であり、かつ3〜100nmの厚さを有し、 前記樹脂被覆層の、前記缶基体表面被覆率が90%以上
    である、ことを特徴とする樹脂被覆アルミニウム合金製
    缶。
  2. 【請求項2】 前記樹脂被覆層が、前記缶基体表面に、
    前記樹脂成分およびりん化合物と、フッ化水素酸又は錯
    フッ化物とを含む処理液による処理を施し、形成された
    皮膜を水洗することにより得られたものである、請求項
    1に記載の樹脂被覆アルミニウム合金製缶。
  3. 【請求項3】 前記樹脂成分が下記一般式: 【化1】 〔但し、式(I)において、X1 およびX2 は、それぞ
    れ互いに独立に、水素原子、C1 〜C5 アルキル基、ま
    たは、C1 〜C5 ヒドロキシアルキル基を表し、Y1
    よびY2 は、それぞれ互いに独立に、水素原子、また
    は、下記式(II)又は(III)により表されるZ基: 【化2】 (但し、式(II)および(III)において、R1 ,R2
    3 ,R4 およびR5 は、それぞれ互いに独立に、水素
    原子、C1 〜C10アルキル基、または、C1 〜C 10ヒド
    ロキシアルキル基から選ばれた1員を表す)を表し、前
    記重合体分子のベンゼン環に結合しているZ基の各々
    は、互いに他から異なっていてもよく、或いは他と同一
    であってもよく、前記重合体分子中の各ベンゼン環の前
    記Z基置換数の平均値は0.2〜1.0であり、かつn
    は2〜50の平均重合度を表す。〕により表される水溶
    性重合体からなる、請求項1に記載の樹脂被覆アルミニ
    ウム合金製缶。
  4. 【請求項4】 前記りん化合物が、りん酸化合物、縮合
    りん酸化合物、りん酸ジルコニウム化合物およびりん酸
    チタン化合物から選ばれる請求項1に記載の樹脂被覆ア
    ルミニウム合金製缶。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウム合金がアルミニウム−
    マンガン合金である請求項1に記載の樹脂被覆アルミニ
    ウム合金製缶。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウム合金製缶基体が絞りし
    ごき加工にて成形されたものである請求項1に記載の樹
    脂被覆アルミニウム合金製缶。
  7. 【請求項7】 前記樹脂被覆アルミニウム合金製缶が、
    さらにその外面が塗装あるいは印刷され、且つ、その内
    面が塗装され、その後、缶の開口部端側が、缶体の最大
    直径の74〜84%を直径とする開口部が残存するよう
    にネックイン加工されている請求項1に記載の樹脂被覆
    アルミニウム合金製缶。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003205945A (ja) * 2002-01-17 2003-07-22 Mitsubishi Materials Corp 金属製ボトル缶及びその製造方法
US20090220714A1 (en) * 2005-09-09 2009-09-03 Toyo Seikan Kaisha, Ltd Resin-coated seamless aluminum can and resin-coated aluminum alloy lid

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