JPH0315748Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のワイヤ式ウインドレギユレー
タ用スライダに関するものである。

自動車のウインドレギユレータとして、第１図
イに示すように窓ガラスＡの昇降軌跡に沿つてド
アインナパネル或は車体のインナパネル等にガイ
ドレールＢを取付け、窓ガラスＡの下縁部近傍に
直接又はブラケツトを介して取付けられたスライ
ダＣが該ガイドレールＢにスライド可能に嵌装さ
れ、窓ガラスＡがガイドレールＢに案内されて上
下昇降し得るよう構成すると共に、上記ガイドレ
ールＢに沿つて張設したワイヤＤに前記スライダ
Ｃを結合し、該ワイヤＤの上端側及び下端側を、
ドアインナパネル或は車体インナパネル等に取付
けたベースＥに回転可能に支持したドラムＦの外
周の螺旋状凹溝F′に巻きつけ固定し、操作ハンド
ルＧによる手動操作又は電動モータの駆動等にて
ドラムＦを回転させることによりワイヤＤの一方
の端部側がドラムＦに巻き込まれると同時に他方
の端部側がドラムＦより繰り出され、該ワイヤＤ
の作動によつて窓ガラスＡがガイドレールＢに案
内されて昇降作動されるようにした所謂ワイヤ式
ウインドレギユレータが一般に用いられるように
なつて来ている（例えば実開昭55−103376号公報
参照）。

尚第１図イにおいＨ，Ｈはワイヤ掛装用のプー
リである。

上記のようなワイヤ式ウインドレギユレータに
おいて、スライダＣは、窓ガラスＡの下縁部近傍
に取付けられるブラケツト１と、該ブラケツト１
に固定組合されガイドレールＢにスライド可能に
嵌装するスライドピース２及びブラケツト１に固
定されガイドレールＢのガイド面B′を挾みつけ
る案内片３等からなるのが一般的であり、上記ワ
イヤＤは第１図ロに示すようにスライドピース２
のガイドレールＢへの嵌装部分に形成した溝部２
１に挿通されワイヤＤに固定したニツプルD′を
上記溝部２１内の段部２２内に嵌合させることに
よりワイヤＤとスライダＣとを結合する手段を採
るのが普通である。

ところが上記のような従来構造では、スライダ
ＣへのワイヤＤの固定部がブラケツト１の窓ガラ
スへの取付面の裏面側にありワイヤＤがブラケツ
ト１の上記裏面側を通ることになるので、スライ
ダＣをガイドレールＢに嵌装組合せた状態のまま
でワイヤＤのニツプルD′をスライドピース２の
溝部２１の段部２２内に嵌合させて結合する作業
を行うことが極めて困難であり、スライダＣをガ
イドレールＢから一且はずしたり又はスライダＣ
を大きく傾むけたりしてワイヤＤの結合を行わな
ければならず、組付作業性が非常に悪いと言う欠
点を有していた。

本考案は上記のような従来の欠点を解消するこ
とを目的とするもので、以下本考案を第２図乃至
第５図の実施例を参照して説明する。

本考案は、第２，３図に示すように、スライダ
Ｃの構成部品であるブラケツト１の窓ガラスＡへ
の取付面（以下表面と称す）側に、ワイヤＤを挿
通させる為の断面Ｕ字状の凹部１ａを凹設すると
共に、該凹部１ａの中央部附近にワイヤＤに固定
したニツプルD′が嵌り込む係合部（図示実施例
では係合穴）１ｂを設け、ワイヤＤをブラケツト
１の表面から挿通しニツプルD′を係合部１ｂに
嵌めることにより、該ニツプルD′の端縁が約1/2
周の範囲で係合部１ｂに係合し得るようにしたも
のである。

上記凹部１ａの深さは、ブラケツト１を窓ガラ
スＡに接合固定した場合、係合部１ｂに嵌合した
ニツプルD′が凹部１ａの表面を覆う窓ガラスＡ
によつて決して係合部１ｂからはずれることがな
い程度の寸法に設定される。

尚第２，３図に示すようにブラケツト１の窓ガ
ラスへの取付面の裏面（以下単に裏面と称す）側
にはガイドレールＢにスライド可能に嵌装される
案内片３，３′等が設けられることは言う迄もな
い。

ブラケツト１に設けられる凹部１ａは、ブラケ
ツト１の表面と窓ガラスＡとの間に、ワイヤＤ及
びニツプルD′がセツトされ得るだけの隙間を確
保する為のものであるから、該凹部１ａの形状は
第２，３図のようなビード形状のものに限らず、
ブラケツト１表面側にセツトされるワイヤ及びニ
ツプルの存在空間が確保され得る任意の形状、構
造のものを採用し得る。

即ち第４図はブラケツト１の窓ガラスＡへの取
付面１１，１１のみが上方に突出し該取付面１
１，１１以外のブラケツト一般面１２がすべて取
付面に対し凹部１ａとなつており、その一般面１
２にワイヤニツプルD′が嵌合係合する係合部１
ｂを設けた例を示しており、又第５図は窓ガラス
Ａへの取付面を別部品で構成し、該取付面となる
ピース１１′，１１′を平板状のブラケツト本体１
２′の表面に固着することにより取付面に対し下
方に凹んだブラケツト本体１２′が凹部１ａを形
成し、該ブラケツト本体１２′にワイヤニツプル
D′が嵌る係合部１ｂを設けた例を示している。

上記第４図及び第５図においても図示は省略し
ているがブラケツト１の裏面側にガイドレールＢ
にスライド可能に嵌る案内片３，３′等が設けら
れることは言う迄もない。

以上のように本考案によれば、スライダ構成部
品であるブラケツトの表面側に、窓ガラスへの取
付面に対し所定寸法下方に凹む凹部を形成すると
共に該凹部にワイヤニツプル係止用の係合部を形
成しただけの極めて簡単なる構成によつて、スラ
イダをガイドレールに嵌装組付けた状態のままで
その表面側からワイヤを結合組合せることがで
き、ワイヤの結合作業はワンタツチにて極めて簡
単容易に行うことができ、組付作業の著しい向上
をもたらし得るもので、コスト低廉なることと相
俟つて実用上多大の効果をもたらし得るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは本考案を適用すべき一般的なワ
イヤ式ウインドレギユレータの正面説明図及び従
来のスライダのワイヤ結合部を示す斜視図であ
る。第２図は本考案の第１の実施例を示す斜射
図、第３図は第２図のＸ−Ｘ断面図、第４図及び
第５図はそれぞれ本考案の第２及び第３の実施例
を示す断面図である。 Ａ…窓ガラス、Ｂ…ガイドレール、Ｃ…スライ
ダ、Ｄ…ワイヤ、D′…ニツプル、１…ブラケツ
ト、１ａ…凹部、１ｂ…係合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 窓ガラスの昇降軌跡に沿つて設けられたガイ
   ドレールに、窓ガラスに取付けられたスライダ
   をスライド可能に嵌装し、該スライダに結合し
   たワイヤを作動させることにより、窓ガラスが
   ガイドレールに案内されて開閉作動するように
   したワイヤ式ウインドレギユレータにおいて、
   窓ガラスへの取付面をもつブラケツトと該ブラ
   ケツトの前記取付面の裏面側に突出しガイドレ
   ールにスライド可能なるよう嵌装される案内片
   とからなるスライダの上記ブラケツトの前記取
   付面側に、ワイヤ挿通用の凹部を形成すると共
   に、該凹部にワイヤに固定したニツプルがブラ
   ケツトの前記取付面側から嵌合できる係合部を
   形成したことを特徴とする自動車のワイヤ式ウ
   インドレギユレータ用スライダ。 (2) 凹部は、窓ガラスがブラケツトの取付面に取
   付けられた状態で、ワイヤが挿通する深さを有
   する一方、係合部は前記状態で、ニツプルが係
   合状態を維持するように形成されることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   自動車のワイヤ式ウインドレギユレータ用スラ
   イダ。