JPH0529344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ドアパネルの上部に取付けられた
ドアサツシユがドアガラスより車内側に位置し、
ドアガラスを上昇した際、このドアガラスとドア
パネルの外板との面を面一にして、自動車走行時
の空気抵抗を少なくしたような車両用ドアのドア
ガラス昇降案内装置に関する。

（従来技術） 従来、ドアガラスを昇降させる車両用ドアのド
アガラス昇降案内装置は、例えば、米国特許第
4240227号明細書に記載の如き構造のものが既に
知られている。

この従来装置の場合、第１図にドアサツシユ断
面を示すように、ドアサツシユ１のドアガラス２
の周縁と対向する部分に、ガイドリブ３を連接
し、このガイドリブ３の外側面にシール部材４を
固定し、ドアガラス２の周縁内側には、ガイドブ
ロツク５を固定して、このガイドブロツク５の端
部に、ガイドリブ３の内側面と対接するリブ６を
形成し、このリブ６とドアガラス２の内側面と
で、ガイドリブ３の内側面とシール部材４の外側
面とを挟持して、ドアガラス２の昇降を案内して
いた。

このような従来装置の場合、ガイドブロツク５
はドアガラス２にビス等の固定部材（図示せず）
で固定されるのが一般的であるが、このガイドブ
ロツク５は、ドアガラス２の昇降ガイド部がドア
の前部側と後部側とに設けられるので、これらす
べてが上述のビス等の固定部材（図示せず）でビ
ス止めされると、部品点数が多いことで、取付け
作業工数が多くなり、さらにビス止め強度が弱い
ことで、締め付けたビス（図示せず）が緩み、こ
のためドアガラスががた付き、延てはドアガラス
の破損を招来する等の問題点を有する。

一方、実開昭58−108072号公報には、リヤサイ
ドガラスの内面に断面が略コ字状のガラススライ
ダを、接着剤を用いて接着固定した昇降式窓ガラ
スの案内装置が開示されているが、上述の接着固
定構造は単なる平面的な一面のみによる接着であ
るから、上述のリヤサイドガラスの昇降時の負荷
により、上述のガラススライダの剥離が生じやす
く、リヤサイドガラスのがた付きを招来する問題
点があつた。

また同公報に開示された構造は、ガイドブロツ
クをドアガラスの端部より所定距離だけ内側に配
設したものではなく、ガラススライダをリヤサイ
ドガラスの端部に配設したものであるから、サツ
シユ部分の車幅方向での寸法が大となり、室内側
へドアが突出する欠点がある。

つまり、自動車のドア構造においてはグラスラ
ンの他にドアガラスと車体とをシールするウエザ
ストツリツプ、ドアサツシユと車体とをシールす
るドアシール部材が一般的に必要であつて、ガラ
ススライダが端部に配設される関係上、上述の部
材を配設するには必然的にサツシユ部分の車幅方
向での寸法が大となる問題点があつた。

（考案の目的） この考案は、ドアガラスに取付けるガイドブロ
ツクの取付けにビス等の固定部材を用いることな
く、このガイドブロツクの取付け作業が簡単で、
かつ取付け強度が高く、さらにドアサツシユの車
幅方向の寸法短縮をも図ることができる車両用ド
アのドアガラス昇降案内装置の提供を目的とす
る。

（考案の構成） この考案は、ドアパネルの上部に取付けられた
ドアサツシユがドアガラスより車内側に位置して
いる車両用ドアにおいて、上記ドアサツシユの車
外側には、ドアガラスの昇降がガイドされるガイ
ドレールが設けられ、上記ガイドレールでガイド
されるドアガラスのガイドブロツクは、ドアガラ
スの端部より所定距離だけ内側（ドアサツシユ内
周方向側）に配設されると共に、上記ガイドブロ
ツクにはドアガラスとの接合面に取付け軸が形成
され、ドアガラスに形成された取付け孔に、上記
取付け軸の軸芯方向と直交する方向の動きを取付
け軸と取付け孔との嵌合構造で規制するように上
記取付け軸が嵌着されていて、上記接合面と取付
け軸の周面がドアガラスに接着剤で接着された車
両用ドアのドアガラス昇降案内装置であることを
特徴とする。

（考案の効果） この考案によれば、ドアガラスに取付けられる
ガイドブロツクは接着剤により接着固定される構
造であるため、ビス等の固定部材を用いる従来の
取付け構造に対して、取付け作業工数が少なく、
取付けが大幅に簡略化される。

しかも、上述のガイドブロツクの取付け軸の軸
芯方向と直交する方向への動きは、取付け軸と取
付け孔との嵌合構造で充分規制されるので、ガイ
ドブロツクの上述の動きを確実に防止することが
できる。

さらに上述の接着固定構造は、ガイドブロツク
の接合面に形成した取付け軸を、ドアガラスの取
付け孔に嵌着した状態で、その接合面と取付け軸
の周面をドアガラスに接着する構造であるから、
ドアガラスの昇降に伴う負荷は、接合面の接着抵
抗のみならず、この接合面と直交方向の取付け軸
で受け止めるので、ガイドブロツクのドアガラス
に対する固定強度を向上させることができ、さら
に取付け軸の軸心方向に対するガイドブロツクの
外れ（剥離）に対しては、接合面の直角方向の剥
離に対して、剥離方向の異なる取付け軸の軸周面
の接着抵抗で対抗し、この結果、ガイドブロツク
の取付け強度が著しく向上する。

加えて、上述のガイドブロツクをドアガラスの
端部より所定距離だけ内側（ドアサツシユ内周方
向側）に配設したので、ガイドレールを上記ガイ
ドブロツク内に位置させると共に、ドアガラスと
車体との間をシールするウエザストリツプ、並び
にドアサツシユと車体との間をシールするドアシ
ール部材を、上述の所定距離を有効利用しつつガ
イドレール位置に対して反ガイドブロツク側（ド
アサツシユの外周面側）に設けて、これらウエザ
ストリツプとドアシール部材とをガイドレールに
対して車体の前後方向に並べて配設することがで
きるので、サツシユ部分の車幅方向の寸法を可及
的抑えることができる効果がある。

（実施例） この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面は車両用ドアのドアガラス昇降案内装置を
示し、第２図において、ドア１０はドアパネル１
１の上縁部に、昇降されるドアガラス１２が上昇
した際、ドアガラス１２の車内側に位置して、こ
のドアガラス１２の周縁を囲繞するドアサツシユ
１３が取付けられ、このドアサツシユ１３のドア
ガラス１２の昇降方向と平行なドア１０の前部側
と後部側とに昇降ガイド部１４，１４が形成さ
れ、これら昇降ガイド部１４，１４は前述のドア
パネル１１の内部まで延設され、さらにドアサツ
シユ１３の上周縁の一部には、ドアガラス１２の
吸出し防止用の係止部１５が設けられている。

一方、ドアガラス１２には、上述の昇降ガイド
部１４，１４に案内されるガイドブロツク１６…
が固定され、このガイドブロツク１６…は、ドア
１０の前部側に一個、ドア１０の後部側の上下位
置に二個がそれぞれ第３図にも示すようにドアガ
ラス１２の端部１２ａより所定距離Ｌだけ内側
（ドアサツシユ内周方向側）に配設され、また前
述の吸出し防止用の係止部１５と対向するドアガ
ラス１２の上縁部には、上述の係止部１５と係合
するフツクブロツク１７が固定されている。

第３図はドア１０の後部側の上部位置のガイド
ブロツク１６部分のドアサツシユ１３の断面を示
し、ドアサツシユ１３は、略枠形の閉断面の支柱
部１８と、この支柱部１８より二枚の板材が重合
して、車外側に延設される中間リブ１９と、この
中間リブ１９のドアガラス１２側（内周側）の板
材を、ドアガラス１２の面と平行になるように屈
曲して形成した端縁リブ２０とによつて構成さ
れ、また中間リブ１９の車体４５側（外周側）の
面には、断面Ｌ字形のチヤンネル２１が固定さ
れ、このチヤンネル２１の車外側は前述の端縁リ
ブ２０の外側面と面一になるように設けられてい
る。

上述の端縁リブ２０と、チヤンネル２１との車
外側の外側面には、これらの幅と同じ幅のプレー
ト２２がスポツト溶接手段等で固定され、このプ
レート２２の面はドアガラス１２の面と平行に形
成され、中間リブ１９と、プレート２２の部分と
によつて断面Ｔ字形を形成し、ドア１０の周縁で
の内外に対して、内周フランジ部２３と、外周フ
ランジ部３４とを形成している。

上述のプレート２２と端縁リブ２０とが重合す
る内周フランジ部２３には、上下方向に延びたガ
イドレール２４が挟着されている。

上述のガイドレール２４は、断面コ字状であつ
て、芯材２５の外周面に樹脂２６を被覆して形成
され、開口部の対向一側面には、弾性変形し得る
突起２７，２７が一体形成されて、挟着部２８が
構成され、この挟着部２８が前述の内周フランジ
部２３に挟着された時、突起２７，２７が弾性変
形して、充分な挟着力を得ることができる。

また、上述のガイドレール２４の外側面の端縁
部には、ドアガラス１２の内面を外方に付勢する
リツプ２９が樹脂２６より一体形成されている。

前述のドアサツシユ１３の内周面に装着される
ガーニツシユ３０には、車内側に凹状の係止凹部
３１が、車外側に挟持片３２がそれぞれ形成さ
れ、上述の係止凹部３１はドアサツシユ１３の支
柱部１８に形成された係止突部３３と係合し、ま
た挟持片３２はガイドレール２４が挟着された
時、その車内側の端縁と中間リブ１９の面とに挟
着されて、ドアサツシユ１３の内周面に固定され
る。

前述のプレート２２と、チヤンネル２１の外端
側とが重合する外周フランジ部３４には、ウエザ
ストリツプ３５が挟着されている。

上述のウエザストリツプ３５は、その基部３６
が断面コ字状であつて、芯材３７の外周面を樹脂
３８で被覆して形成され、開口部の対向一側面に
は、弾性変形する突起３９，３９が一体形成され
て挟着部４０が構成され、この挟着部４０が前述
の外周フランジ部３４に挟着された時、突起３
９，３９が弾性変形して、充分な挟着力を得るこ
とができる。

前述のウエザストリツプ３５は、その基部３６
の樹脂３８より一体に連設されて形成され、ドア
ガラス１２の端面と対向する部分は、薄肉部４１
と、厚肉部４２との二重構造に形成され、外端辺
は薄肉部４１と、厚肉部４２との接続部分の肉厚
を薄肉にして、屈曲可能な屈曲部４３を形成し、
薄肉部４１より遊端側は厚肉にして、ドアガラス
１２の外側面と当接する当接部４４を形成し、さ
らに厚肉部４２の車体４５側にはリツプ４６が連
設され、このリツプ４６は車体４５間のシールを
行なう。

このため、薄肉部４１がドアガラス１２の端縁
で押圧されると、薄肉部４１が湾曲変形し、同時
に屈曲部４３が内側に屈曲して、当接部４４がド
アガラス１２の外側面と当接して、ドアガラス１
２を内側に押圧して、この当接部４４でもシール
することができる。

前述のウエザストリツプ３５の基部３６の内側
には、車体４５と、ドア１０との間をシールする
ドアシール部材４７が接着等によって固定され、
このドアシール部材４７の内端側には、係止片４
８が一体形成されて、チヤンネル２１の内端に屈
曲形成された係止部４９に係止されている。

一方、ドアガラス１２に固定されたガイドブロ
ツク１６は、断面コ字状に形成され、この開口部
はガイドレール２４の表裏面（内外面）でドアガ
ラス１２の昇降がガイドされるガイド部５０が形
成され、このガイド部５０がガイドレール２４に
摺接される。

第４図、第５図にも示すように、ガイドブロツ
ク１６のドアガラス１２に接合される接合面５１
は方形に形成されて、その中心部には接合面５１
に対して直角に突出する取付け軸５２が連設さ
れ、この取付け軸５２はドアガラス１２の取付け
位置に形成された取付け孔５３に嵌着され、これ
ら両者５２，５３の嵌合構造により、取付け軸５
２の軸芯方向と直交する方向の動きを規制してい
る。

また上述のガイドブロツク１６の嵌着時には、
前述の接合面５１および取付け軸５２の周面に、
適宜の接着剤５４が塗布されて接着され、この結
果、ガイドブロツク１６は接合面５１と取付け軸
５２の周面とで、ドアガラス１２に接着される。

このように構成した車両用ドアのドアガラス昇
降案内装置は、ガイドレール２４を内周フランジ
部２３に挟着する前に、ガーニツシユ３０の係止
凹部３１をドアサツシユ１３の係止突部３３に係
止して、中間リブ１９の内側に装着し、その後、
ガイドレール２４を内周フランジ部２３に挟着す
ることで、このガイドレール２４の端縁でガーニ
ツシユ３０の挟持片３２を中間リブ１９に押圧し
て、ガーニツシユ３０は固定される。

またウエザストリツプ３５およびドアシール部
材４７は、その基部３６が外周フランジ部３４に
挟着され、かつドアシール部材４７の係止片４８
がチヤンネル２１の係止部４９に係止されること
で、ドアサツシユ１３に固定される。

前述のドアガラス１２が昇降された場合、ドア
ガラス１２の内側面はガイドレール２４のリツプ
２９で外側に押圧されるので、ガイドブロツク１
６…のガイド部５０の車内側が、ガイドレール２
４の裏面側（内面側）に押圧されて、がた付きの
ない状態で昇降される。

またドアガラス１２の端縁がウエザストリツプ
３５の薄肉部４１を押圧することで、その当接部
４４がドアガラス１２の外周面を押圧して、これ
をシールする。

ドアガラス１２の昇降時にガイドブロツク１６
…は昇降に伴う負荷を受けるが、この負荷は、接
合面５１の接着抵抗のみならず、取付け軸５２の
軸周面で受け止めることができ、さらに取付け軸
５２の軸心方向に対するガイドブロツク１６の外
れ（剥離）に対しては、接合面５１の直角方向の
剥離に対して、剥離方向の異なる取付け軸５２の
軸周面の接着抵抗でも対抗することができ、ガイ
ドブロツク１６の取付け強度が向上する。

しかも、ガイドブロツク１６における取付け軸
５２の軸芯方向と直交する方向の動きは、取付け
軸５２と取付け孔５３との嵌合構造で充分規制さ
れるので、ガイドブロツク１６の上述の動きを確
実に防止することができる効果がある。

第６図、第７図は、ガイドブロツク１６の他の
接着構造を示し、取付け軸５２は中心より十文字
に切欠かれ、中心部には差込み孔５７を形成し、
この差込み孔５７には皿状のガーニツシユ５８の
差込みピン５９が差込まれる。なお、このピン５
９は差込み孔５７の径より若干太く形成されてい
る。

ガイドブロツク１６のドアガラス１２への接着
時には、その接合面５１、取付け軸５２の周面、
差込み孔５７の内周面に、適宜の接着剤５４が塗
布され、ドアガラス１２の取付け孔５３に取付け
軸５２が嵌着された後、ガーニツシユ５８の差込
みピン５９が差込み孔５７に差込まれるが、ピン
５９は孔５７よりも若干太く形成されているた
め、この差込みによつて、取付け軸５２の周面は
外方に押し広げられて、取付け孔５３に密着し、
強固に接着される。また取付け軸５２の外側面側
はガーニツシユ５８で装飾的に隠蔽される。

このようにガイドブロツク１６を構成しても、
その他の点については、先の実施例と同様の作
用、効果を奏するので、第６図、第７図において
前図と同一の部分には同一の番号を付して、その
詳しい説明を省略する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用ドアのドアガラス昇降案
内装置を示す断面図、第２図は本考案の車両用ド
アガラス昇降案内装置を示す側面図、第３図は第
２図のＡ−Ａ線矢視断面図、第４図はガイドブロ
ツクの斜視図、第５図はガイドブロツクの断面
図、第６図はガイドブロツクの他の実施例を示す
斜視図、第７図はガイドブロツクの断面図であ
る。 １１……ドアパネル、１２……ドアガラス、１
３……ドアサツシユ、１６……ガイドブロツク、
２４……ガイドレール、５１……接合面、５２…
…取付け軸、５３……取付け孔、５４……接着
剤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドアパネル１１の上部に取付けられたドアサツシ
   ユ１３がドアガラス１２より車内側に位置してい
   る車両用ドアにおいて、上記ドアサツシユ１３の
   車外側には、ドアガラス１２の昇降がガイドされ
   るガイドレール２４が設けられ、上記ガイドレー
   ル２４でガイドされるドアガラス１２のガイドブ
   ロツク１６は、ドアガラス１２の端部１２ａより
   所定距離Ｌだけ内側に配設されると共に、上記ガ
   イドブロツク１６にはドアガラス１２との接合面
   ５１に取付け軸５２が形成され、ドアガラス１２
   に形成された取付け孔５３に、上記取付け軸５２
   の軸芯方向と直交する方向の動きを取付け軸５２
   と取付け孔５３との嵌合構造で規制するように上
   記取付け軸５２が嵌着されていて、上記接合面５
   １と取付け軸５２の周面がドアガラス１２に接着
   剤５４で接着された 車両用ドアのドアガラス昇降案内装置。