JPH0224326Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ドアパネルの上部に取付けられた
ドアサツシユがドアガラスより車内側に位置し、
ドアガラスを上昇した際、このドアガラスとドア
パネルの外板との面を面一にして、自動車走行時
の空気抵抗を少なくしたフラツシユサーフエイス
ドアに関し、さらに詳しくは、この種ドアのドア
ガラスを昇降させるガイド構造に関する。

（従来技術） 上述のフラツシユサーフエイスドアのドアガラ
スを昇降させるガイド構造は、たとえば、米国特
許第4240227号明細書で従来知られている。

この従来構造の場合、第１図のドアサツシユ断
面に示すように、ドアサツシユ１のドアガラス２
の周縁と対向する部分に、ガイドリブ３を連設
し、このガイドリブ３の外側面にシール部材４を
固定し、ドアガラス２の周縁内側には、ガイドブ
ロツク５を固定して、このガイドブロツク５の端
部に、ガイドリブ３の内側面と対接するリブ６を
形成し、このリブ６とドアガラス２の内側面と
で、ガイドリブ３の内面側とシール部材４の外側
面とを挟持して、ドアガラス２の昇降をガイドし
ていた。

このような従来構造の場合、ガイドブロツク５
はドアガラス２にビス等で固定されるのが一般的
であるが、このガイドブロツク５は、ドアガラス
２の昇降ガイド部がドアの前部側と後部側とに設
けられるので、これら総てがビス止めされると、
部品点数が多いことで、作業工数が多くなる問題
点を有する。

一方、ドアの前部側および後部側の総てを接着
剤で固定すると、ドアガラスの組込みは、ドアの
インナパネルおよびアウタパネルが組立てられた
後に、ドアガラスが昇降する開口部からドアガラ
スが差込まれるので、この開口部が狭いために、
上述のガイドブロツクが開口部に引掛かり、ドア
ガラスの差込み作業が困難となり、しかもドア前
後のガイドブロツクを同時に、前後のガイドレー
ルに係合させるので、ドアガラスの差込みが拗れ
ると前後のガイドブロツクを同時に係合させるこ
とも困難となる等の問題点を有する。

（考案の目的） この考案の目的は、ドアガラスの組込みが容易
にできるドアガラスのガイド構造を備えたフラツ
シユサーフエイスドアの提供にある。

（考案の構成） この考案は、ドアサツシユのガイドレールにガ
イドされて昇降するドアガラスのガイドブロツク
を、ドアの前部側と後部側との内、一方は接着
し、他方はビス等で着脱可能に取付けたフラツシ
ユサーフエイスドアであることを特徴とする。

（考案の効果） この考案によれば、ドアガラスの前部側と後部
側との内、一方の着脱可能なガイドブロツクを取
外した状態で、ドアの開口部に差込むので、この
差込み時には、接着された片側のガイドブロツク
のみに注意を払うことで、ドアガラスの差込みが
容易にでき、さらに接着された側のガイドブロツ
クをガイドレールに係合した後、取外した側のガ
イドブロツクを取付けることで、前後のガイドレ
ールに対するガイドブロツクの係合が、片側ずつ
確実にでき、その結果、ドアガラスの組込みが簡
単、かつ確実に行なうことができる。

（実施例） この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面はフラツシユサーフエイスドアを示し、第
２図において、フラツシユサーフエイスドア１０
はドアパネル１１の上縁部に、昇降されるドアガ
ラス１２が上昇した際、ドアガラス１２の車内側
に位置して、その周縁を囲繞するドアサツシユ１
３が取付けられ、このドアサツシユ１３のドアガ
ラス１２の昇降方向と平行なドア１０の前部側と
後部側とに昇降ガイド部１４，１４が形成され、
これら昇降ガイド部１４，１４は前述のドアパネ
ル１１の内部まで延設され、さらにドアサツシユ
１３の上周縁の一部には、ドアガラス１２の吸出
し防止の係止部１５が設けられている。

一方、ドアガラス１２には、上述の昇降ガイド
部１４，１４にガイドされるガイドブロツク１６
ａ，１６ｂが固定され、このガイドブロツク１６
ａ，１６ｂは、ドア１０の前部側に一個１６ａ、
ドア１０の後部側の上下位置に二個１６ｂがそれ
ぞれ設けられ、また前述の吸出し防止の係止部１
５と対向するドアガラス１２の上縁部には、上述
の係止部１５と係合するフツクブロツク１７が固
定されている。

第３図は車体後部側の上部位置のガイドブロツ
ク１６ｂ部分のドアサツシユ１３の断面を示し、
ドアサツシユ１３は、ほぼ枠形の閉断面の支柱部
１８と、この支柱部１８より二枚の板材が重合し
て、車外側に延設される中間リブ１９と、この中
間リブ１９のドアガラス１２側（内周側）の板材
を、ドアガラス１２の面と平行になるように屈曲
して形成した端縁リブ２０とによつて構成され、
また中間リブ１９の車体側（外周側）の面には、
断面Ｌ字形のチヤンネル２１が固定され、このチ
ヤンネル２１の車外側は前述の端縁リブ２０の外
側面と面一になるように設けられている。

上述の端縁リブ２０と、チヤンネル２１との車
外側の外側面には、これらの幅と同じ幅のプレー
ト２２がスポツト溶接等で固定され、このプレー
ト２２の面はドアガラス１２の面と平行に形成さ
れ、中間リブ１９と、プレート２２の部分とによ
つて断面Ｔ字形を形成し、ドア１０の周縁での内
外に対して、内周フランジ部２３と、外周フラン
ジ部３４とを形成している。

上述のプレート２２と端縁リブ２０とが重合す
る内周フランジ部２３には、上下方向に伸びたガ
イドレール２４が挾着されている。

上述のガイドレール２４は、断面コの字形であ
つて、芯材２５の外周面に樹脂２６を被覆して形
成され、開口部の対向一側面には、弾性変形し得
る突起２７，２７が連設されて挾着部２８が形成
され、この挾着部２８が前述の内周フランジ部２
３に挾着されたとき、突起２７，２７が弾性変形
して、充分な挾着力を得ることができる。

また、上述のガイドレール２４の外側面の端縁
部には、ドアガラス１２の内面を外方に付勢する
リツプ２９が樹脂２６より連設されている。

前述のドアサツシユ１３の内周面に装着される
ガーニツシユ３０には、車内側に凹状の係止凹部
３１が、車外側に挟持片３２がそれぞれ形成さ
れ、上述の係止凹部３１はドアサツシユ１３の支
柱部１８に形成された係止突部３３と係合し、ま
た挟持片３２はガイドレール２４が挾着されたと
き、その車内側の端縁と中間リブ１９の面とに挾
着されて、ドアサツシユ１３の内周面に固定され
る。

前述のプレート２２と、チヤンネル２１の外端
側とが重合する外周フランジ部３４には、ウエザ
ストリツプ３５が挾着されている。

上述のウエザストリツプ３５は、その基部３６
が断面コの字形であつて、芯材３７の外周面を樹
脂３８で被覆して形成され、開口部の対向一側面
には、弾性変形する突起３９，３９が連設されて
挾着部４０が形成され、この挾着部４０が前述の
外周フランジ部３４に挾着されたとき、突起３
９，３９が弾性変形して、充分な挾着力を得るこ
とができる。

前述のウエザストリツプ３５は、その基部３６
の樹脂３８より連設されて形成され、ドアガラス
１２の端面と対向する部分は、薄肉部４１と、厚
肉部４２との二重構造に形成され、外端辺は薄肉
部４１と、厚肉部４２との接続部分の肉厚を薄肉
にして、屈曲可能な屈曲部４３を形成し、薄肉部
４１より遊端側は厚肉にして、ドアガラス１２の
外側面と当接する当接部４４を形成し、さらに厚
肉部４２の車体４５側にはリツプ４６が連設さ
れ、このリツプ４６は車体４５間のシールを行な
う。

そのため、薄肉部４１がドアガラス１２の端縁
で押圧されると、薄肉部４１が湾曲変形し、同時
に屈曲部４３が内側に屈曲して、当接部４４がド
アガラス１２の外側面と当接して、これを内側に
押圧して、この当接部４４でもシールすることが
できる。

前述のウエザストリツプ３５の基部３６の内側
には、車体４５と、ドア１０との間をシールする
ドアシール部材４７が接着等によつて固定され、
このドアシール部材４７の内端側には、係止片４
８が連設形成されて、チヤンネル２１の内端に屈
曲形成された係止部４９に係止されている。

一方、ドアガラス１２に固定されたガイドブロ
ツク１６ｂは、断面コの字形に形成され、その開
口部はガイドレール２４の表裏面（内外面）でド
アガラス１２の昇降がガイドされるガイド部５０
が形成され、このガイド部５０がガイドレール２
４に摺接される。

第４図、第５図にも示すように、ガイドブロツ
ク１６ｂのドアガラス１２に接合される接合面５
１は方形に形成されて、その中心部には取付け軸
５２が連設され、この取付け軸５２はドアガラス
１２の取付け位置に形成された取付け孔５３に嵌
着され、この嵌着時には、前述の接合面５１およ
び取付け軸５２の周面に、適宜の接着剤５４が塗
布されて接着され、その結果、ガイドブロツク１
６ｂは接合面５１と取付け軸５２の周面とで、ド
アガラス１２に接着される。

第６図、第７図はドア１０の前部側のガイドブ
ロツク１６ａを示し、外観的な形状は、前述のド
ア１０の後部側のガイドブロツク１６ｂと同様
に、ガイド部５０、接合面５１、取付け軸５２を
有し、またドアガラス１２の取付け位置には、取
付け孔５３が形成されるが、取付け軸５２の中心
部には、ネジ孔５５が刻設され、このネジ孔５５
には、ビス５６が螺合し、ガイドブロツク１６ａ
がドアガラス１２の取付け孔５３に嵌着されたと
き、ビス５６によつて固定される。そのため、ビ
ス５６の着脱により、このガイドブロツク１６ａ
は着脱可能となる。

このように構成したフラツシユサーフエイスド
ア１０は、ガイドレール２４を内周フランジ部２
３に挾着する前に、ガーニツシユ３０の係止凹部
３１をドアサツシユ１３の係止突部３３に係止し
て、中間リブ１９の内側に装着し、その後、ガイ
ドレール２４を内周フランジ部２３に挾着するこ
とで、その端縁でガーニツシユ３０の挟持片３２
を中間リブ１９に押圧して、ガーニツシユ３０は
固定される。

またウエザストリツプ３５およびドアシール部
材４７は、その基部３６が外周フランジ部３４に
挾着され、かつドアシール部材４７の係止片４８
がチヤンネル２１の係止部４９に係止されること
で、ドアサツシユ１３に固定される。

ドアガラス１２をドア１０に組込む時は、前部
側のガイドブロツク１６ａを取外した状態で、ド
ア１０の上縁開口部より差込み、後部側のガイド
ブロツク１６ｂのガイド部５０をガイドレール２
４に嵌込み、ついでドアガラス１２の後部側を後
方に押付けたることによつて、前部側を後方にず
らせ、この状態で前部側のガイドブロツク１６ａ
をドアガラス１２に取付け固定することによつ
て、ドアガラス１２を組込むことができる。

前述のドアガラス１２が昇降された場合、ドア
ガラス１２の内側面はガイドレール２４のリツプ
２９で外側に押圧されるので、ガイドブロツク１
６ａ，１６ｂのガイド部５０の車内側が、ガイド
レール２４の裏面側（内面側）に押圧されて、ガ
タ付きのない状態で昇降される。

またドアガラス１２の端縁がウエザストリツプ
３５の薄肉部４１を押圧することで、その当接部
４４がドアガラス１２の外周面を押圧して、これ
をシールする。

第８図、第９図は、前述の接着されるガイドブ
ロツク１６ｂの他の接着剤を示し、取付け軸５２
は中心より十文字に切欠かれ、中心部には差込み
孔５７を形成し、この差込み孔５７には皿状のガ
ーニツシユ５８の差込みピン５９が差込まれる。
なお、このピン５９は差込み孔５７の径より若干
太く形成されている。

ガイドブロツク１６ｂのドアガラス１２への接
着時には、その接合面５１、取付け軸５２の周
面、差込み孔５７の内周面に、適宜の接着剤５４
が塗布され、ドアガラス１２の取付け孔５３に取
付け軸５２が嵌着された後、ガーニツシユ５８の
差込みピン５９が差込み孔５７に差込まれるが、
ピン５９は孔５７よりも若干太く形成されている
ため、この差込みによつて、取付け軸５２の周面
は外方に押し広げられて、取付け孔５３に密着
し、強固に接着される。また取付け軸５２の外側
面側はガーニツシユ５８で装飾的に隠蔽される。

このようにガイドブロツク１６ｂを構成するも
よい。

なお、上述の実施例では、ガイドブロツク１６
ａ，１６ｂは、ドア１０の前部側を着脱可能にし
たが、ドア１０の後部側を着脱可能にし、前部側
を接着して構成するもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドアサツシユの断面図、以下は
この考案の一実施例を示し、第２図はフラツシユ
サーフエイスドアの側面図、第３図は第２図中の
Ａ−Ａ線視断面図、第４図は接着側のガイドブロ
ツクの斜視図、第５図はその断面図、第６図は着
脱側のガイドブロツクの斜視図、第７図はその断
面図、第８図は接着側のガイドブロツクの他の例
を示す斜視図、第９図はその断面図である。 １０……フラツシユサーフエイスドア、１１…
…ドアパネル、１２……ドアガラス、１３……ド
アサツシユ、１４……昇降ガイド部、１６ａ，１
６ｂ……ガイドブロツク、２４……ガイドレー
ル、５１……接合面、５２……取付け軸、５４…
…接着剤、５５……ネジ孔、５６……ビス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドアパネルの上部に取付けられたドアサツシユ
   がドアガラスより車内側に位置しているドアであ
   つて、 ドアサツシユの車外側には、ドアの前部側と後
   部側とに、上下方向に伸びたガイドレールによつ
   て昇降ガイド部が形成され、 昇降されるドアガラスには、上記ガイドレール
   でガイドされるガイドブロツクが、ドアの前部側
   と後部側とに設けられ、該両ブロツクの内、一方
   のガイドブロツクは接着され、他方のガイドブロ
   ツクはねじ部材で着脱可能に取付けられているこ
   とを特徴とする フラツシユサーフエイスドア。