JPH042802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、接着ウインドのモールデイング取付
構造に関する。

ｂ 従来の技術 従来のウインドガラスの取付方法として、直接
ウインドガラスを車体に開設した窓用開口部に接
着剤により接着して取付けるものがある。この取
付方法にて取付けられたウインドガラスの周縁部
と車体との間には、その間〓を塞ぐための帯状の
モールデイングが装着されている。

ｃ 考案が解決しようとする課題 このような従来のウインドガラスの取付方法に
あつては、接着剤によるウインドガラスの浮き上
りを防止して外観などを損なわないようにするた
め、接着剤が硬化するまでの間、治具，テープな
どの押え手段にてウインドガラスを車体側に押圧
していなければならなかつた。そのため、ウイン
ドガラスの取付作業が煩雑となり、作業性が悪い
という欠点があつた。また、押え手段を必要とす
るので、それだけ費用が嵩み、製品のコスト高を
招来するという欠点もあつた。

本考案はこのような実情に鑑みてなされたもの
であつて、その目的は、上述の如き各種の欠点を
解消し得る接着ウインドのモールデイング取付構
造を提供することにある。

ｄ 課題を解決するための手段 上記従来技術の有する課題を解決するために、
本考案においては、接着剤により直接ウインドガ
ラスを車体の窓用開口部に接着して取付けるとと
もに、前記ウインドガラスの周端縁部と車体との
間の間隙を塞ぐようにモールデイングを取付ける
接着ウインドのモールデイング取付構造におい
て、前記窓用開口部を構成する車体の内周縁部を
断面略コ字状に形成し、該断面略コ字状の内周縁
部の片側にオープニングトリムをウインドガラス
の内側表面と当接するように嵌着する一方、前記
モールデイングを、車体の外表面に沿つて配置さ
れる頭部と、該頭部の内側面に巾方向へ間隔を置
いて形成される突条片および係合突起とによつて
構成し、前記モールデイングの長手方向に沿つて
形成される突条片の側面に前記ウインドガラスの
周端縁部と嵌合する嵌合溝を設け、前記係合突起
をモールデイングの長手方向に沿つて所定の間隔
を置き複数配設すると共に、前記係合突起に対応
して前記車体に複数の取付孔を穿設し、前記オー
プニングトリムが嵌着された車体の窓用開口部に
接着剤を塗布したウインドガラスを接着し、該ウ
インドガラスの周端縁部と車体との間の間隙に前
記突条片を押し込み、該突条片の嵌合溝に前記ウ
インドガラスの周端縁部を嵌合させると共に、前
記車体の取付孔に前記係合突起を挿入し、前記車
体の内周縁部、オープニングトリム、ウインドガ
ラスおよび突条片によつて囲まれた空間に接着剤
を充填した状態で前記モールデイングを取付るよ
うにしている。

ｅ 実施例 以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示すもの
で、図において、１は前部車体、２は前部車体１
に開設された窓用開口部、３は接着剤４にて窓用
開口部２に直接接着して取付けられるフロントウ
インドガラス、５はフロントピラーであつて、フ
ロントピラー５は両端部を互いにスポツト溶接に
て固着するアウターパネル６とインナーパネル７
とによつて構成されている。そして、窓用開口部
２を構成するアウターパネル６およびインナーパ
ネル７の内周縁部は、断面略コ字状に形成されて
いる。また、フロントウインドガラス３の周端縁
部とアウターパネル６との間には間〓８が形成さ
れており、この間〓８を塞ぐようにモールデイン
グ９が取付けられている。

上記モールデイング９は、同一断面を有する帯
状の押し出し成形品であつて、車体１の外表面に
沿つて配置される頭部１０と、この頭部１０の内
側面に巾方向へ一定の間隔を置いて一体的に形成
される突条片１１および係合突起１２とによつて
構成されている。これら突条片１１および係合突
起１２のうち、間隔８に押し込まれる突条片１１
は、モールデイング９の長手方向に沿つて薄肉状
に形成されており、その外側面にはフロントウイ
ンドガラス３の周端縁部と嵌合するための嵌合溝
１１ａが形成されている。

また、係合突起１２は、これを一定の長さに等
間隔又は所定の間隔を置いてプレス等で切欠くこ
とにより、モールデイング９の長手方向に沿つて
複数配設されている（第３図参照）。これら係合
突起１２は、後述する取付孔に係止し得るような
形状に形成されている。

一方、上記アウターパネル６には、モールデイ
ング９を取付けるための取付孔１３が係合突起１
２に対応する箇所に複数配設されている。また、
１４は接着剤４のはみ出しを防止するためのオー
プニングトリムであつて、フロントウインドガラ
ス３の内側表面に当接するようにインナーパネル
７の端部に嵌着されている。しかして、フロント
ウインドガラス３に塗布される接着剤４は、アウ
ターパネル６の内周縁部、オープニングトリム１
４、フロントウインドガラス３および突条片１１
によつて囲まれる空間に充填されるようになつて
いる。

上記構成のモールデイング９を車体１に取付け
るには、まずインナーパネル７の端部にオープニ
ングトリム１４を嵌着すると共に、接着剤４を塗
布したフロントウインドガラス３を前部車体１の
窓用開口部２に直接接着して取付ける。次いで、
モールデイング９の突条片１１を間〓８に押し込
んで当該間隙８を塞ぐと共に、フロントウインド
ガラス３の周端縁部を突条片１１の嵌合溝１１ａ
に嵌合させる。それと同時に、モールデイング９
の各係合突起１２をアウターパネル６の取付孔１
３にそれぞれ挿入して係止させ、アウターパネル
６の内周縁部、オープニングトリム１４、フロン
トウインドガラス３および突条片１１によつて囲
まれた空間に接着剤４を充填した状態でモールデ
イング９を前部車体１に取付ける。なお、モール
デイング９の取付作業の順序は本実施例に限られ
るものではなく、その他の適当な作業順序に従つ
て行なうことも可能である。

以上、本考案の一実施例につき述べたが、本考
案は既述の実施例に限定されるものではなく、本
考案の技術的思想に基づいて各種の変形および変
更が可能である。

例えば、既述の実施例においては、自動車の前
部車体１に取付けるモールデイング９につき述べ
たが、自動車の後部車体に取付ける場合にも本考
案を適用できることは言う迄もない。

ｆ 考案の効果 上述の如く、本考案に係る接着ウインドのモー
ルデイング取付構造によれば、接着されるウイン
ドガラスはオープニングトリムに当接して接着方
向への移動規制を受けると共に、その周端縁部が
突条片の嵌合溝に嵌合されるので、ウインドガラ
スを容易に位置決めすることができる。また、ウ
インドガラスを窓用開口部に接着する接着剤は、
四方を囲まれた空間内に配置されて外部にはみ出
すことがなく、モールデイングの押し込みに伴う
圧力を受けて空間の隅々まで入り込んで〓間がな
くなるため、接着効果を高めることができ、従来
の如く、治具、テープ等の浮き上り防止用押え手
段を用いることなく、車体に接着されたウインド
ガラスの浮き上りを確実に防止でき、良好な外観
を得ることができるとともに、品質向上および製
品のコストダウンが図れる。さらに、モールデイ
ングは、突条片および係合突起を外部から内方を
向けて押し込むことにより取付けられる帯状に形
成され、かつ係合突起を挿入する車体側の取付孔
も小さくてよいので、限られたスペースでも充分
に取付けることができ、取付作業が容易となる
上、剛性、振動、騒音などに対しても有利であ
る。しかも、モールデイングを覆うための別部品
が不要となり、部品点数および取付工程数を削減
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る接着ウインドのモールデイン
グ取付構造の一実施例を示すものであつて、第１
図は上記実施例を適用してモールデイングを取付
けた自動車の前部車体付近の斜視図、第２図は第
１図におけるＡ−Ａ線水平断面図、第３図は上記
実施例に用いるモールデイングの斜視図である。 １……前部車体、２……窓用開口部、３……フ
ロントウインドガラス、４……接着剤、５……フ
ロントピラー、６……アウターパネル、７……イ
ンナーパネル、８……間〓、９……モールデイン
グ、１０……頭部、１１……突条片、１１ａ……
嵌合溝、１２……係合突起、１３……取付孔、１
４……オープニングトリム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接着剤により直接ウインドガラスを車体の窓用
   開口部に接着して取付けるとともに、前記ウイン
   ドガラスの周端縁部と車体との間の間隙を塞ぐよ
   うにモールデイングを取付ける接着ウインドのモ
   ールデイング取付構造において、前記窓用開口部
   を構成する車体の内周縁部を断面略コ字状に形成
   し、該断面略コ字状の内周縁部の片側にオープニ
   ングトリムをウインドガラスの内側表面と当接す
   るように嵌着する一方、前記モールデイングを、
   車体の外表面に沿つて配置される頭部と、該頭部
   の内側面に巾方向へ間隔を置いて形成される突条
   片および係合突起とによつて構成し、前記モール
   デイングの長手方向に沿つて形成される突条片の
   側面に前記ウインドガラスの周端縁部と嵌合する
   嵌合溝を設け、前記係合突起をモールデイングの
   長手方向に沿つて所定の間隔を置き複数配設する
   と共に、前記係合突起に対応して前記車体に複数
   の取付孔を穿設し、前記オープニングトリムが嵌
   着された車体の窓用開口部に接着剤を塗布したウ
   インドガラスを接着し、該ウインドガラスの周端
   縁部と車体との間の間隙に前記突条片を押し込
   み、該突条片の嵌合溝に前記ウインドガラスの周
   端縁部を嵌合させると共に、前記車体の取付孔に
   前記係合突起を挿入し、前記車体の内周縁部、オ
   ープニングトリム、ウインドガラスおよび突条片
   によつて囲まれた空間に接着剤を充填した状態で
   前記モールデイングを取付るようにしたことを特
   徴とする接着ウインドのモールデイング取付構
   造。