JPH03156114A - 可変バルブタイミング式動弁装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用エンジンにおいて吸、排気バルブの開
閉時期、即ちバルブタイミングを各運転条件により可変
に制御する可変バルブタイミング式動弁装置に関し、詳
しくは、低速用と高速用の２種類のカムで選択動作する
方式に関する。

〔従来の技術〕

車両用エンジンの自然吸気では、吸、排気バルブのバル
ブタイミングが体積効率、アイドル安定性、低速性能、
高速性能等に大きく影響を及ぼす。

即ち、上死点付近で吸、排気バルブが共に開いている期
間のオーバラップが大きいと、高速時に排気慣性等を利
用して吸気が促進され、体積効率と共に性能が向上する
。一方、アイドリング時には吹返しゃ吹抜けを招いて安
定性を損うことになり、このためアイドリング時にはオ
ーバラップを小さくする方がよい。そこで、エンジンの
広い運転領域で常に安定性と高い性能を発揮するには、
低速と高速でそれに適したバルブタイミングに可変制御
することが要求される。

そこで、かかる可変バルブタイミングの制御手段として
既に種々の方式が提案されている。その１つとして、低
速用と高速用の２組のカム、ロッカアームを有し、低速
と高速時に２組のロッカアームを分離または結合したり
、或いは各ロッカアームのエンドピボットの位置を変え
てバルブを開閉動作し、低速カムによる狭開角、高速カ
ムによる広間角のバルブタイミングに制御するものがあ
る。

そこで従来、上記機械的分離、結合の可変バルブタイミ
ング式動弁装置に関しては、例えば特開昭６２−３２２
０６号公報の先行技術がある。ここで、ロッカシャフト
により支持される２つのロッカアームの一方をバルブ側
に連結し、両口ツカアームの中間のスリッパに低速用と
高速用のカムを摺接する。また、２つのロッカアームの
中間でそれと直角な方向に両者にまたがって連結切換手
段を内蔵し、この切換手段は油圧によるピストン。

スプリングが付勢されたストッパを同軸上に配置して、
分離または結合することが示されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、上記先行技術のものにあっては、低速用と高
速用のカムが共にロッカアームに対しスリッパで摺接し
て駆動するため、第５図の特性から明らかなように、特
に低速時にはスリッパにオイルの油膜が形成し難くなり
、フリクショントルクが大幅に増大して燃費等の悪化を
招く。また、高速時には連結切換手段により２組のロッ
カアームを結合して一緒に揺動する構成であるため、ロ
ッカアーム全体の重量が増して高速作動時に慣性質量の
影響を受ける。更に、連結切換手段による分離、結合の
場合は、ロッカアーム同士、ピストンとガイド孔との間
等に多少のクリアランスが必要であるため、バルブとロ
ッカアームとの間にハイドロリックラッシュアジャスタ
等の調整手段を使用することが難しい等の問題がある。

本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、低速用と高速用の２組ノカム、ロッカ
アームを選択する方式において、低速用にローラフォロ
アを用いて駆動トルクを低減し、高速時には高速用ロッ
カアームのみ揺動して高速性能を向上し、ハイドロリッ
クラッシュアジャスタの使用も可能な可変バルブタイミ
ング式動弁装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本発明の可変バルブタイミン
グ式動弁装置は、バルブのステムエンド側にエンドピボ
ット式の高速用ロッカアームを連結し、上記高速用ロッ
カアームの隣りに低速用ロッカアームを、上記高速用ロ
ッカアームに対し着脱可能に連結して配置し、上記低速
用ロッカアームにはローラフォロアを設け、上記ローラ
フォロアに狭開角低リフトの低速カムを接し、上記高速
用ロッカアームのスリッパには広開角高リフトの高速カ
ムを摺接し、上記高速用ロッカアームの端部のピボット
を各運転条件に応じて昇降するように構成し、上記ピボ
ットの上昇時では、上記低速カムのベース円が上記ロー
ラフォロアに接した時、上記高速用ロッカアームのスリ
ッパと上記高速カムのベ高速用ロッカアームの間に所定
の間隙を設定するものである。

〔作　　　用〕

上記構成に基づき、バルブに対してエンドピボット式の
高速用ロッカアームが連結し、この上に１つのスイング
アーム式の低速用ロッカアームが連結または分離可能に
組合わされる。そこで、低速時にエンドピボットの下降
により高速用ロッカアームが高速カムと非接触に後退す
ると、低速カムによりローラフォロアを介して高速、低
速用ロッカアームが連結状態で揺動し、バルブをリフト
して狭開角で開閉する。また、高速時にピボットが上昇
すると、高速用ロッカアームが高速カムのランプ部とリ
フト部に接しそのリフト量により低速用ロッカアームか
ら分離して単独に揺動し、バルブをリフトして広間角で
開閉する。一方、上記高速時において高速カムのベース
サークルでは高速用ロッカアームのスリッパが非接触し
、低速時と同様に低速カムのベースサークルに基づきバ
ルブ全開位置が規制され、ハイドロリンクラッシュアジ
ャスタによるバルブクリアランスの零調整を行うように
なる。

〔実　施　例〕

以Ｆ、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図ないし第３図において、４バルブ式エンジンの２
つの吸気バルブに適用し、ハイドロリックラッシュアジ
ャスタを用いた実施例について述べると、符号ｌはシリ
ンダヘッド、２は吸（排）気ボート（以下ポートと称す
る）であり、このポート２に２個のバルブ３．３′が設
けられる。バルブ３は、バルブガイド４により移動可能
に支持され、傘部３ａがバルブシート５に着座して閉じ
るようになっており、ステムエンド３ｂのリテーナ６に
バルブスプリング７がバルブ３を閉じる方向に付勢され
ている。他方のバルブ３′　も全く同一に取付けられ、
これらのバルブ３．３′　に、バルブタイミング可変の
ダブルオーバヘッドカムシャフト（ＤＯＨＣ）型動弁装
置ＩＯが設けられる。

ＤＯＨＣ型動弁装置１０は、２個のバルブ３，３′と対
応する位置に２個のエンドピボット式の高速用ロッカア
ーム１１．１１’が配置され、これらの間にスイングア
ーム式の低速用ロッカアーム１２が配置され、これら３
つの高速用、低速用ロッカアーム１１．１１’　、　１
２の途中の上方にカムシャフト１３が直交して装架され
ている。カムシャフト１３では、上述のロッカアームの
配置と同一に左右に高速カム１４．１４’が形成され、
これらの間に１つの低速カム１５が形成されている。

低速カム１５は、小径のベースサークル１５ａに対し狭
開角低リフトのリフト部１５ｃが形成され、第４図に示
すように、ベースサークル＋５ａからリフト部１５ｃへ
移行する際に、ランプ１５ｂが生ずる。

また高速カム１４は、大径のベースサークル１４ａに対
し広間色直リフトのリフト部１４ｃが形成され、このラ
ンプ部１４ｂは低速カム１５のランプ１５ｂに比べて傾
きが大きく設定される。

高速用ロッカアーム１１について述べると、一端にピボ
ット受けｌｌａを、他端にバルブ３との連結部１１ｂを
有し、中間の上部にスリッパｌｌｃが形成されて、この
スリッパｌｌｃに高速カム１４が摺接可能になっている
。連結部１１ｂの上部には、低速用ロッカアーム１２と
の凸型に湾曲した係合溝１１ｄが上方を開いて着脱可能
に形成され、連結部ｔｔｂには、ハイドロリックラッシ
ュアジャスタ１Ｂがアジャスタピストン１６ａを下方に
突出して収容設置される。そしてアジャスタピストンｌ
ｅａをバルブ３のステムエンド３ｂに当接し、油圧によ
りバルブクリアランスを零調整している。一方、ピボッ
ト受けｌｌａ側では、シリンダヘッド１の油圧室１７に
ピボット１８が昇降可能に立設され、このピボット１８
にピボット受けｌｌａが球面接触して高速用ロッカアー
ム１１を支持し、かつピボット１８の昇降により後述す
る高速カム１４のリフト部１４ａに対し高速用ロッカア
ーム１１のスリッパｌｉｅを接触または離間するように
なっている。他の高速用ロッカアーム１１′　も全く同
一に構成され、同一部分には同一符号にダッシュを付し
て説明を省略する。

低速用ロッカアーム１２は、一端の軸受部１２ａをロッ
カシャフト２０に嵌合して揺動可能に支持される。低速
用ロッカアーム１２の先端の左右にはビン２１が突出し
て高速用ロッカアーム１１．１．１’の結合溝１１ｄ、
１１’　ｄの上に係合可能になっている。このときピン
２１の直径より係合溝ｌｉｄの曲率を大きくする。更に
ロストモーションスプリング２２が付勢しである。また
低速用ロッカアーム１２の中間の溝！２ｂには、ローラ
フォロア２３が一端上方に露出して回転可能に設置され
、このローラフォロア２３に低速カムＩ５がロストモー
ションスプリング２２により常に接するように保持され
る。

一方、ピボット１８の油圧室１７の油圧回路２５には切
換弁２Ｂが設けられて、例えばエンジン回転数が設定値
以下の低速時には、油圧室１７にドレンし、設定値以上
の高速時には、油圧室１７に油圧を導入するように構成
されている。

ここで低速と高速時に、バルブ全開位置が低速カム、高
速カム１４のベースサークル１５ａ　、　１４ａで各別
に規制されると、ハイドロリックラッシュアジャスタ１
６も各別に調整作用してバルブ全閉位置に狂いが生じる
。そこでこの対策として、第３図のようにピボットＩ８
の上昇の高速時において、低速カム１５のベースサーク
ル１５ａが低速用ロッカアーム１２のローラフォロア２
３に接した際、低速カム１５のベースサークル１５ａの
バルブ全閉位置では、高速カム１４のベースサークル１
４ａと高速用ロッカアーム１１のスリッパＩｌｃとの間
に、第３図に示す間隙γをもたせ、高速カム１４のベー
スサークル１４ａが高速用ロッカアーム１１のスリッパ
ｌｌｃに非接触とし、低速カム１５のベースサークル＋
５ａに基づいてバルブ全開位置を規制する。こうして低
速および高速時に、共にバルブ３の全開位置は低速カム
１５のみで定めるようになっている。

次いて、かかる構成の動弁装置の作用について述べる。

先ず、低速時には、切換弁２６により油圧室１７がドレ
ンすることで、ピボット１８．　１８’　は下降して高
速用ロッカアーム１１．１１’が共に後ろ下がりに傾き
、高速カム１４．１４’　とは接触不能に後退位置する
。このため低速用ロッカアーム１２が、ピン２１と係合
溝１１ｄ、１１’　ｄとの係合により常に高速用ロッカ
アーム１１．１１’の連結部１１ｂ、１１’　ｂ、ハイ
ドロリックラッシュアジャスタ１６．１６’を介してバ
ルブ３．３′　に連結した状態になる。そこで、低速カ
ム１５が回転すると、ローラフォロア２３を介して低速
用ロッカアーム１２がロッカシャフト２０を支点にして
揺動し、更に高速用ロッカアーム１１．１１’　も−緒
に揺動しながら２個のバルブ３．３′をｉ　時ニストロ
ークして開閉動作する。そしてこの場合は、低速カム１
５のリフト部１５ｃによりバルブ３．３′　を低リフト
して、第４図の曲線１Ｌのように狭開角のバルブタイミ
ングになり、アイドル安定性、低速の出力性能を向上す
る。

一方、この低速時には低速カム１５にローラフォロア２
３が接し、ローラフォロア２３の転勤により小さいフリ
クションで低速用ロッカアーム１２を揺動する。また、
低速用ロッカアーム１２に対し高速用ロッカアーム１１
．１１’　　も−緒に動作して、ロッカアーム全体の重
量、慣性質量が増大するが、低速のため、加速度も小さ
く、ロッカアームｔｉ、　ｔｔ’を付勢するスプリング
１７．１７’のスプリング力も小さくてすみ、フリクシ
ラン増加はほとんどない。

次いで、所定のエンジン回転数以上の高速時には、切換
弁２６により油圧室１７に油圧が導入されてピボット１
８．１８’を上昇する。このため、高速用ロッカアーム
１１．　ｉｔ’が共に略水平に復帰位置し、高速カム１
４．１４’のリフト部１４ｃがスリッパｌｌｃ。

１１’　ｃに摺接する。そして広開角高リフトのリフト
部１４ｃにより、高速用ロッカアームｉｉ、　ｔｔ’が
ピボットｔｓ、　ｔｇ’　を支点にして揺動し、バルブ
８゜３′を直接ストロークして開動作し、低速カム１５
のベースサークル１５ａが低速用ロッカアーム１２のロ
ーラフォロア２３に接触するとバルブ３，３′　は閉動
作し、第５図の曲線Ｊ！、＋＋のように広開角のバルブ
タイミングで高速性能を発揮する。この時、高速カム１
４のベースサークル１４ａと、高速用ロッカアーム１１
のスリッパｌｌｃ、１１’　ｃとの間に間隙γがあるた
め、バルブ３．３′の閉動作は低速カム１５によって行
われる。

一方、高速カム１４．１４’　によるリフト時には、ス
プリング２２による作用、低速カム１５とのリフト量の
違いにより、低速用ロッカアーム１２のピン２１が係合
溝ｌｉｄ、１１’　ｄから外れ、高速用ロッカアーム１
１．１１’　は低速用ロッカアーム１２から自動的に分
離する。このためバルブ３，３′は、高速用ロッカアー
ム１１．１１’のみによる重量、慣性質量の小さい状態
で応答よく開閉動作する。また、この場合は、高速カム
１４．１４’のリフト部１４ｃ、１４’　ｅがスリッパ
１１ｅ、１１’　ｃに摺接するが、高速時の流体潤滑で
油膜が形成され、高速用ロッカアーム１１゜１１’を小
さいフリクションで揺動する。

更に、上述の高速時において低速カム１５のベースサー
クル１４ａが低速用ロッカアーム１２のローラフォロア
２８に摺接することで、係合溝１１ｄ、ｌｌ’　ｄが低
速用ロッカアーム１２のピン２１に一時的に係合し、バ
ルブ３の全閉位置が規制される。このため、ハイドロリ
ックラッシュアジャスタＩ６によるバルブクリアランス
の零調整は、高速時にも低速時と同様に低速カム１５の
ベースサークル１５ａに基づき一括して行われる。従っ
て、高速カム１４．　１４’　とスリツドｌｌｃ、１１
’　Ｃ、ピボット受けｌｌａ、ｌｌａ’　とピボット１
８．　１８’　との間のガタ、誤差により、ハイドロリ
ックランンユアジャスタ１６が調整作用してバルブ３の
全閉位置を変動することが回避される。

以」二、本発明の実施例について述べたが、低速カム１
５と高速カム１４．１４’のベースサークル１５ａ。

１４ａ、１４’　ａが同一の場合にも適用できる。また
、１つのバルブに対し同様に構成した場合にも適用でき
る。

〔発明の効果〕

以上述べてきたように、本発明によれば、低速用と高速
用の２組のカム、ロッカアームを用い、選択的にバルブ
動作してバルブタイミングを可変制御する動弁装置にお
いて、低速用にロラフォロアを介してロッカアームを揺
動するので、フリクションが大幅に低減して燃費等を向
上し得る。

さらに、高速時には低速用ロッカアームが分離し、スリ
ッパ式摺接の採用で小型軽量化することができ、このた
め高速ではバルブ開閉の動作性。

応答性が向上して出力性能も向上し得る。

さらにまた、低速用にスイングアーム式ロッカアームを
用い、高速用にエンドピボット式ロッカアームを用い、
エンドピボットの昇降で切換える構成であるから、切換
手段の構造、制御が容易化し、切換えも確実化する。ま
た、切換えのためのクリアランス等が必要になり、カム
により最適に各バルブタイミングを設定できる。

なお、ここで低速用ロッカアームはスイングアーム方式
に限定するものではない。

また、ピボット上昇の高速時においてベースサクルでは
高速用のカムとロッカアームとを非接触し、低速カムの
ベースサークルに基づいて低速時と同様にバルブ全開位
置を規制するので、その全開位置の狂いが防止される。

このため、ハイドロリックラッシュアジャスタを用いて
バルブクリアランスを常に適正に零調整し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の可変バルブタイミング式動弁装置の実
施例を示す分解斜視図、 第２図は同平面図、 第３図は同側面図、 第４図はバルブリフトカーブの特性図、第５図はスリッ
パとローラフォロアの場合のフリクションを示す図であ
る。 ３．３′・・・バルブ、ｌＯ・・・動弁装置、１１．１
１’・・・高速用ロッカアーム、ｌｉｅ、１１’　ｃ・
・・スリッパ、１２・・・低速用ロッカアーム、１４．
１４’　・・・高速カム、１４ｂ・・・ランプ部、１４
ｃ・・・リフト部、１５・・・低速カム、１８・・・ピ
ボット、２３・・・ローラフォロア第１図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）バルブのステムエンド側にエンドピボット式の高
   速用ロッカアームを連結し、 上記高速用ロッカアームの隣りに低速用ロッカアームを
   、上記高速用ロッカアームに対し着脱可能に連結して配
   置し、 上記低速用ロッカアームにはローラフォロアを設け、上
   記ローラフォロアに狭開角低リフトの低速カムを接し、 上記高速用ロッカアームのスリッパには広開角高リフト
   の高速カムを摺接し、 上記高速用ロッカアームの端部のピボットを各運転条件
   に応じて昇降するように構成し、 上記ピボットの上昇時では、上記低速カムのベース円が
   上記ローラフォロアに接した時、上記高速用ロッカアー
   ムのスリッパと上記高速カムのベース円との間に所定の
   間隙を設定することを特徴とする可変バルブタイミング
   式動弁装置。
2. （２）バルブのステムエンドと高速用ロッカアームとの
   間に、ハイドロリックラッシュアジャスタを介設するこ
   とを特徴とする請求項（１）記載の可変バルブタイミン
   グ式動弁装置。