JP2514912B2 - エンジンの動弁装置 - Google Patents

エンジンの動弁装置

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JP2514912B2
JP2514912B2 JP62051701A JP5170187A JP2514912B2 JP 2514912 B2 JP2514912 B2 JP 2514912B2 JP 62051701 A JP62051701 A JP 62051701A JP 5170187 A JP5170187 A JP 5170187A JP 2514912 B2 JP2514912 B2 JP 2514912B2
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修 佐渡
俊治 益田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエンジンの動弁装置、特にエンジンの運転状
態に応じて吸気バルブや排気バルブの作動状態を切換え
得るようにした動弁装置の改良に関する。
(従来の技術) 自動車用等のエンジンにおいては、広い運転領域にわ
たって良好な吸、排気性能が得られるように該エンジン
の運転状態に応じて吸、排気バルブの開閉タイミング
(バルブタイミング)を変化させ得るようにした所謂バ
ルブタイミング可変機構付きの動弁装置が備えられるこ
とがある。この種の動弁装置には、バルブ駆動用のカム
としてカム軸のスライドによってプロフィルが変化する
立体カムを用い、これによってバルブタイミングないし
バルブリフト量を連続的に変化させるようにしたもの
や、互いにプロフィルの異なる低速用カムと高速用カム
の2種類のカムをカム軸に設け、エンジンの低速回転時
と高速回転時とで両カムを選択的に切換えることにより
バルブタイミングを可変とするようにしたもの等があ
る。
後者のような動弁装置の1例は実開昭61−58605号公
報に示されている。これは、低速用及び高速用の各カム
を有するカム軸と、一端がロッカアーム軸に回転自在に
支持され且つ他端が吸気バルブ又は排気バルブに当接す
ると共に略中間部に上記低速用カムに当接するスリッパ
ーを有する主ロッカアームと、この主ロッカアームと共
通のロッカアーム軸に一端が回転自在に支持され且つ上
記高速用カムに当接するスリッパーを有する副ロッカア
ームと、これらの主ロッカアームと副ロッカアームとを
連動状態及び非連動状態に択一的に切換えるプランジャ
等でなる切換手段とを備えた構成である。これによれ
ば、エンジンの高速回転時には主、副ロッカアームを連
動状態にすることにより上記高速用カムに従って上記バ
ルブを開閉作動させることができ、また低速回転時には
主、副ロッカアームを非連動状態にすることにより上記
低速用カムに従って上記バルブを開閉作動させることが
できるので、エンジンの高速回転時と低速回転時とで夫
々最適のバルブタイミングが得られることになる。
ところで、エンジンの動弁系に用いられるロッカアー
ムには、中間部がロッカアーム軸に揺動自在に支持され
て一端がバルブステムへの当接部とされ且つ他端がカム
軸におけるカムへの当接部とされた通常のロッカアーム
と、例えばシリンダヘッドに設けられた支持部に一端が
揺動自在に支持されて他端がバルブステムへの当接部と
され且つその略中間部分にカムへの当接部が設けられた
所謂スイングアームとがある。後者のスイングアームに
は、上記のようなロッカアーム軸が不要であることか
ら、通常のロッカアームに比べてレイアウト上の自由度
が大きく、またその慣性質量も小さくなるなどの利点が
ある。
(発明が解決しようとする問題点) 然るに、従来のスイングアームにおいては、その支点
つまりシリンダヘッド側への該アームの支持部が1つし
か設けられていなかったために、カム軸に高速用カムと
低速用カムとを並設してなる上記のバルブタイミング可
変機構付き動弁装置に該スイングアームを適用した場
合、次のような不具合が生じる可能性がある。
即ち、上記動弁装置においてスイングアームはエンジ
ンの運転状態に応じて上記低速用カム又は高速用カムの
うちのいずれか一方に選択的に当接することとなるが、
その際、一方のカムとの当接時にスイングアームにおけ
る該カムへの当接部と支点とがオフセットした状態とな
るため、スイングアーム全体が上記カムへの当接部側に
倒れ易くなるのである。
本発明は、カム軸に低速用カムと高速用カムとを並設
してなるバルブタイミング可変機構付きの動弁装置に関
する上記のような問題に対処するもので、通常のロッカ
アームに比べてレイアウト上の自由度が大きく、しかも
慣性質量も小さくなるスイングアームを利用することが
でき、しかも上記したようなアームの倒れをも防止する
ことが可能な動弁装置を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記目的達成のため本発明は、吸気バルブ又は排気バ
ルブの駆動用カム軸に低速用カムと高速用カムとをカム
軸方向に並設し、エンジンの低速回転時には上記低速用
カムがロッカアームを介して上記吸気バルブ又は排気バ
ルブを駆動する一方、エンジンの高速回転時には上記高
速用カムが上記ロッカアームを介して上記吸気バルブ又
は排気バルブを駆動するようにしたエンジンの動弁装置
において、上記ロッカアームを、一端部に、エンジン本
体に固定されたピボット頭部と当接し、該ピボット頭部
と一対の略球形を形成した支点を有するスイングアーム
構造とし、そのスイングアームの支点を上記両カムに対
応させてカム軸方向に2個並設したことを特徴とする。
(作用) 上記の構成によれば、吸気バルブ又は排気バルブとカ
ム軸との間に介装されるロッカアームにスイングアーム
構造を採用したので、通常のロッカアームを用いる場合
に比べてレイアウトの面で有利となるだけでなく、動弁
系の慣性質量も小さくすることができる。その場合、上
記スイングアーム式ロッカアームにはその支点が上記カ
ム軸における低速用及び高速用の両カムに対応させてカ
ム軸方向に2個並設されているため、両カムのいずれか
一方とスイングアーム式ロッカアームとの当接時におけ
る該アームの倒れを未然に防止することができる。換言
すれば上記低速用及び高速用カムの各カムがカム軸に並
設されたバルブタイミング可変機構付きの動弁装置にお
いて、一般に通常のロッカアームよりもレイアウト上の
自由度が大きく、慣性質量が小さい等の利点を有するス
イングアームを、該アームの倒れという問題を生じさせ
ることなく利用することが可能となる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
この実施例は、1気筒について2つの吸気バルブと2
つの排気バルブとを有する4バルブ式エンジンにおい
て、特に上記2つの吸気バルブのうちの1つの吸気バル
ブに対して本発明の動弁装置を適用した場合に関するも
のである。
第1図及び第2図に示すように、エンジン1のシリン
ダヘッド2には、その一側面から燃焼室3に通じる吸気
ポート4が形成されていると共に、その吸気ポート4の
燃焼室3への開口部にはこれを開閉する吸気バルブ5が
備えられている。この吸気バルブ5は、シリンダヘッド
2に圧入されたバルブガイドブッシュ6にそのステム部
が摺動自在に挿入されていることにより、該ブッシュ6
に案内されてその軸方向に往復動し得るようになってい
る。その場合、吸気バルブ5の上部にはバルブコッタ7
を介してバルブリテーナ8が装着されており、該リテー
ナ8とバルブスプリングシート9との間に、該バルブ5
を閉方向に付勢するバルブスプリング10が設けられてい
る。
一方、上記シリンダヘッド2の上部には、上記吸気バ
ルブ5に対応するスイングアーム式ロッカアーム(以
下、この実施例においてスイングアームという)11と、
このスイングアーム11を介して上記吸気バルブ5を開閉
駆動するカム軸12とが設けられている。このうち、カム
軸12は、エンジン1のシリンダ列方向つまり図示しない
クランク軸と平行に配置されて、該クランク軸に同期し
て回転駆動されるように構成されている。そして、この
場合においてカム軸12には上記スイングアーム11を介し
て吸気バルブ5を駆動する手段として、プロフィルの異
なる高速用カム13と低速用カム14の2つのカムがカム軸
方向に並設されている。ここで、このカム軸12は、その
ジャーナル部12aの下半部がシリンダヘッド2の上部に
形成された軸受用壁部2aにおける半円形の軸受部2bに支
承された上で、該軸受部2bに図示しない軸受キャップが
取り付けられていることにより、上記のように回転自在
に保持されており、更にはこの状態で該カム軸12の上方
がカムケースカバー15によって覆われるようになってい
る。
然して、本発明の特徴として、上記スイングアーム11
は次のように構成されている。
即ち、スイングアーム11は、その一端部が上記吸気バ
ルブ5のバルブステム頭部に当接するバルブ当接部11a
とされ且つその反対側の端部に支点部11b,11bが形成さ
れているが、その場合、特に該支点部11b,11bは、上記
高速用及び低速用の各カム13,14に対応してカム軸方向
に2個並設された構成とされている。そして、これらの
支点部11b,11bは各々略半球形とされており、その下面
の球面上凹部がシリンダヘッド上部中央側に装着された
ピボットとしての油圧式バルブラッシュアジャスタ(以
下、ラッシュアジャスタと略称する)16,16の上記球面
状凹部と対応する球面状頭部に当接されて、夫々回転自
在に支持されている。尚、これらのラッシュアジャスタ
16,16は、周知のようにバルブ隙間を自動的に調整する
ものである。即ち、簡単に言えば、各ラッシュアジャス
タ16は、夫々、アジャスタボデー16aにプランジャ16bを
出退可能に嵌装し、シリンダヘッド2に形成されたオイ
ル通路2cからアジャスタボデー16aを介してプランジャ1
6aの突出量を変化させることにより、上記バルブ当接部
11aと吸気バルブ5との間の隙間(バルブ隙間)がゼロ
になるように自動的に調整するようになっている。
また、この実施例においては、該スイングアーム11に
おける支点部11b,11bとバルブ当接部11aとの間の部分が
枠状に形成され、その枠状部11cに、上記カム軸12に対
して平行に軸部17が配設されていると共に、該軸部17に
ローラ18が軸方向移動可能に備えられて、上記カム軸12
における高速用カム13又は低速用カム14の一方に選択的
に当接するようになっている。その場合に、ローラ18を
低速用カム14に当接させる方向に付勢するリターンスプ
リング19が上記軸部17に装着されている一方、該ローラ
18をそのリターンスプリング19に抗して高速用カム13に
当接させる方向に移動させるプランジャ20が備えられて
いる。
このプランジャ20は、上記シリンダヘッド2の軸受用
壁部2aに形成されたプランジャ装着孔2dに出退可能に装
着されており、そのスイングアーム11側に突出した先端
部が上記ローラ18の一側面に当接されている。そして、
エンジン1の高速回転時には、シリンダヘッド2におけ
るオイル通路2cからオイル供給通路2eを介してプランジ
ャ装着孔2d内のプランジャ後端面側に加圧オイルが供給
され、これに伴ってプランジャ20がローラ18側に突出す
ることにより、該ローラ18がリターンスプリング19に抗
して上記の高速用カム当接方向に移動されるようになっ
ている。尚、エンジン1の低速回転時には上記プランジ
ャ20に対して作動圧が供給されないが、この場合は、プ
ランジャ20及びローラ18はリターンスプリング19のスプ
リング力により第2図の位置つまり低速用カム14との当
接位置に保持されるようになっている。ここで、プラン
ジャ20とスイングアーム11との干渉を避けるため、該ア
ーム11の枠状部11cにはプランジャ20の突出位置に対応
させて切欠部11dが形成されている。
上記の構成によれば、エンジン1の低速回転時にはス
イングアーム11におけるローラ18が第2図に示す位置に
あってカム軸12における低速用カム14に当接する。そし
て、この状態でカム軸12が所定方向に回転することによ
り、ローラ18が低速用カム14のカム面に摺接しながら回
転すると共に、スイングアーム11全体がその支点部11b,
11bを中心として所定のバルブ開閉方向に揺動し、これ
に伴って吸気バルブ5がバルブガイドブッシュ6に案内
されながらその軸方向に往復動することになる。従っ
て、この状態においては、吸気バルブ5はスイングアー
ム11を介して低速用カム14によって開閉駆動されるが、
その場合、該スイングアーム11には2つの支点部11b,11
bがカム軸方向に並設され且つそのうちの一方が低速用
カム14に対応位置されているので、その一方の支点部11
bとカム当接部(ローラ18)と低速用カム14の三者が同
一面(図例ではカム軸12に対して直交する面)上に並ぶ
ことになる。これにより、エンジン1の低速回転時にお
けるスイングアーム11の倒れが防止されることになる。
一方、エンジン1の高速回転時には、上記ローラ18が
プランジャ20によってリターンスプリング19側に押され
てカム軸12における高速用カム13に当接する位置まで移
動される。従って、この状態においては、吸気バルブ5
はスイングアーム11を介して高速用カム13によって開閉
駆動されるが、その際、該スイングアーム11における上
記2つの支点部11b.11bのうちの他方は高速用カム13に
対応させて設けられていることから、この場合は、その
他方の支点部11bとカム当接部(ローラ18)と高速用カ
ム13の三者が同一面上ないし略同一面上に並ぶことにな
る。これにより、エンジン1の高速回転時におけるスイ
ングアーム11の倒れが上記低速回転時の場合と同様にし
て防止されることになる。
また、上記の構成によれば、エンジン1がいずれの回
転状態にある場合でも、高速用及び低速用の各カム13,1
4に夫々対応するスイングアーム部分が上記2つの支点
部11b,11bで支持されるから、該スイングアーム11の倒
れを一層確実に防止することができる。
このように上記構成においては、エンジン1の低速回
転時と高速回転時とで吸気バルブ5のバルブタイミング
を切換え得るようにした動弁系に、通常のロッカアーム
ではなくスイングアームを採用しているにも拘らず、該
アームの倒れという問題が生じないことになる。従っ
て、この種の動弁系に通常のロッカアームを採用した場
合に比べて、レイアウトの点で有利となるだけでなく、
その慣性質量も小さくなる。
特に、上記実施例の場合は、スイングアーム11におけ
るカム当接部を移動式ローラ18で構成し、このローラ18
をカム軸方向に移動させることにより高速用カム13又は
低速用カム14の一方に選択的に当接させ、これよってエ
ンジン1の高速回転時と低速回転時とで吸気バルブ5の
バルブタイミングを切換えるようにしたから、1つの吸
気バルブに対して主、副2つのロッカアームを備えた従
来の動弁装置に比べても慣性質量が小さくなる。
(発明の効果) 以上のように本発明によれば、吸気バルブ又は排気バ
ルブのバルブタイミングをエンジンの運転状態に応じて
切換え得るようにした動弁装置において、ロッカアーム
にスイングアーム構造を採用した上で、そのアームの倒
れを防止し得るように構成したので、レイアウト上の自
由度が大きく、しかも慣性質量が小さいといったスイン
グアームの利点を有効に活用することができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の1実施例を示すもので、第1図は該実施
例に係るエンジンの動弁装置を示す縦断面図、第2図は
該動弁装置の平面図である。 1……エンジン、5……吸気バルブ、11……ロッカアー
ム(スイングアーム)、11b……支点(支点部)、12…
…カム軸、13……高速用カム、14……低速用カム、16…
…ピボット(ラッシュアジャスタ)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気バルブ又は排気バルブの駆動用カム軸
    に低速用カムと高速用カムとをカム軸方向に並設し、エ
    ンジンの低速回転時には上記低速用カムがロッカアーム
    を介して上記吸気バルブ又は排気バルブを駆動する一
    方、エンジンの高速回転時には上記高速用カムが上記ロ
    ッカアームを介して上記吸気バルブ又は排気バルブを駆
    動するようにしたエンジンの動弁装置において、上記ロ
    ッカアームを、一端部に、エンジン本体に固定されたピ
    ボット頭部と当接し、該ピボット頭部と一対の略球形を
    形成した支点を有するスイングアーム構造とし、且つそ
    のスイングアームの支点を上記両カムに対応させて上記
    カム軸方向に2個並設したことを特徴とするエンジンの
    動弁装置。
JP62051701A 1987-03-05 1987-03-05 エンジンの動弁装置 Expired - Lifetime JP2514912B2 (ja)

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