JPH031424Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はビデオ用やオーデイオ用の各種テー
プカートリツジを収納保管する収納箱に関する。

〔従来の技術〕

第４図は従来の小型のビデオ用テープカートリ
ツジの収納箱を例示しており、これはプラスチツ
ク製の身１と、これに開閉回動自在に枢支連結さ
れるプラスチツク製の蓋２とからなる。身１は矩
形の底壁３の前および左右の三辺から前側壁４お
よび左右側壁５，５を立設し、左右側壁５，５の
底壁後端縁６よりも後方に延出した部分５ａ，５
ａの各内面から枢軸７，７を一体に突設してな
る。他方、蓋２は矩形の上壁８の内面後部にテー
プカートリツジＣが前方から抜き差し可能に差し
込み装着されるポケツト９を有し、このポケツト
９の左右側面壁１０，１０が身１の左右側壁５，
５の後方延出部分５ａ，５ａに内嵌されて枢軸
７，７が第５図に示すごとくポケツト９の左右側
面壁１０，１０に設けた軸孔１１，１１に回動可
能に嵌入させて身１と蓋２が枢支連結されてい
る。

蓋２のポケツト９にテープカートリツジＣを差
し込み、蓋２を枢軸７まわりに回動させて身１の
開口上面に閉じ合わせると、蓋２の前端が身１の
前側壁４の上端縁に受止め支持され、底壁後端縁
６とポケツト９の下面壁１２の前端縁１３とがほ
ぼ面一状に突き合わされ、ポケツト９の下面壁１
２で左右側壁５，５の後方延出端間を閉塞する。
そして、この閉蓋状態では左右側壁５，５の内面
に突設してある小突起１４，１４が、ポケツト９
の左右側面壁１０，１０の外面に形成してある係
止凹部１５，１５にそれぞれ係入して蓋２を閉じ
姿勢に保持する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ここで問題になるのは蓋２を開閉するとき、い
わゆる鳴き現象が生じる場合があることである。
この鳴き現象は、蓋２を開閉するさいその回動支
点となる枢軸７がこの略全周面を軸孔１１の内周
に摺接して発生する異常な樹脂どうしの摺擦音で
耳障りとなる。これは、枢軸７と軸孔１１間のク
リアランスを大きく設定した場合は蓋２の開閉を
円滑にする反面、身１と蓋２ががたつきやすく、
また枢軸７が軸孔１１から抜け外れやすくなるた
め、これを解消すべく、できるだけ枢軸７と軸孔
１１間のクリアランスを小さく設定することに起
因する。そのようにクリアランスが微少であると
枢軸７の軸孔１１との摺動面積、摩擦抵抗が大き
くなつて蓋２の開閉時に前述した異常な鳴き音が
発生しやすいのである。また、かかる鳴き現象は
身１、蓋２の成形樹脂材料の選択如何によつても
大きく左右される。例えば、身１、蓋２共にこれ
らの成形材料コストの削減を図るために廉価な透
明ポリスチレンを用いることがあるが、この材料
では特に鳴き現象が顕著に現れる。

この考案はかかる事実に着目して、枢軸７と軸
孔１１間での接触面積を可及的に減少する枢支構
造をとることにより鳴き音の発生をできるだけ少
なくすることを目的とする。

この考案の他の目的は蓋２ががたつくことなく
円滑に開閉できるようにする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案では身１
および蓋２の一方に枢軸７が、他方に枢軸７が回
動自在に嵌入される軸孔１１がそれぞれ設けられ
て身１に対し蓋２が枢軸７まわりに開閉回動自在
に枢支連結されたテープカートリツジの収納箱を
前提としたうえで、枢軸７の周面が軸孔１１の内
周面に対し線接触状態に内接するようにしたもの
である。具体的には、第１図および第２図に示す
ごとく軸孔１１の内周面、または枢軸１１の周面
をテーパに形成して、枢軸７と軸孔１１とを線接
触状態にする。または第３図に示すごとく軸孔１
１の内周に複数の軸心方向の突条１６を円周方向
に所定間隔おきに設けて該突条１６の先端を枢軸
７の周面に線状接触させる。

〔考案の効果〕

以上のようにした本考案によれば、枢軸７と軸
孔１１が線接触するため、従来の全面接触に比し
摩擦抵抗が著しく低下減少し、枢軸７と軸孔１１
が摺接する異常音の発生がなくなる。また身１と
蓋２のがたつきを少なくするために枢軸７と軸孔
１１間の線接触部分でのクリアランスを可及的に
小さくしても蓋２を円滑に開閉することができる
に至つた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図ないし第３図に
基づき説明する。本案収納箱の全体的な構成は前
述した従来のものと実質的に同一内容であるの
で、その特徴とするところのみを説明する。

〔実施例 １〕 第１図は本考案の第１実施例を示しており、プ
ラスチツク製の蓋２の左右側面壁１０，１０に設
ける軸孔１１を外方へ漸次拡開するテーパ形状に
形成してその内周にテーパ面１１ａを形成し、他
方、同じくプラスチツク製の身１の左右側面壁
５，５の後方延出部分５ａ，５ａの各内面から軸
心方向に平行な中空ピン形状の枢軸７を一体に突
設して、この枢軸７を軸孔１１に嵌入し枢軸７の
先端部を軸孔１１のテーパ面１１ａに線接触させ
たものである。これによれば、枢軸７は軸孔１１
に対し線接触で摩擦抵抗が減少するため、異常音
の発生を防止でき、また蓋２の開閉動作が円滑で
開閉しやすくなる。そればかりか、枢軸７と軸孔
１１のテーパ面１１ａとの線接触部分でのクリア
ランスを小さくしても枢軸７の嵌入が容易に行な
えるという組み付け上の利点をも有する。

〔実施例 ２〕 第２図は本考案の第２実施例を示しており、こ
れでは蓋２側に設けられる枢軸７をこの先端に至
るに従い漸次細径とするテーパ形状としてその周
面にテーパ面７ａを形成し、他方、身１側に設け
られる軸孔１１を軸心方向に平行な孔形状に形成
して、枢軸７の根元部を軸孔１１に線接触させた
ものである。これにおいても、第１実施例と同様
に、異常音の発生防止、蓋２の開閉の円滑性、お
よび枢軸７の軸孔１１への嵌入の容易化を図り得
るという効果が得られる。

〔実施例 ３〕 第３図は本考案の第３実施例を示しており、こ
れでは身１側の枢軸７を平行な中実ピン形状に形
成し、他方、蓋２側の軸孔１１の内周に軸心方向
に長い数個の突条１６を円周方向に等間隔をおい
て一体に突設するとともに、各突条１６の先端に
アール１６ａをつけて該アール１６ａを枢軸７の
周面に接触させたものである。これにおいても異
常音の発生防止、蓋２の円滑な開閉の効果を同様
に得ることができる。

図示する実施例の全容は以上の通りであるが、
本案はこれに限られるものではない。例えば、身
１側に軸孔１１を、蓋２側に枢軸７をそれぞれ設
けるもよい。また枢軸７は中実状のものであつて
もよい。もつとも、本考案はオーデイオ用のフイ
リツプ型テープカートリツジや所謂マイクロカセ
ツトなどを収納する収納箱にも同様に適用でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示すテープカー
トリツジの収納箱の枢軸部分の断面図である。第
２図は本考案の第２実施例を示す収納箱の枢軸部
分の断面図である。第３図は本考案の第３実施例
を示す収納箱の枢軸部分の断面図である。第４図
は従来例のテープカートリツジの収納箱を開蓋状
態で示す斜視図、第５図はその収納箱の枢軸部分
の断面図である。 Ｃ……テープカートリツジ、１……身、２……
蓋、７……枢軸、１１……軸孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 身１および蓋２の一方に枢軸７が、他方に枢軸
   ７が回動自在に嵌入される軸孔１１がそれぞれ設
   けられて身１に対し蓋２が枢軸７まわりに開閉回
   動自在に枢支連結されたテープカートリツジの収
   納箱において、枢軸７の周面が軸孔１１の内周面
   に対し線接触状態に内接するようにしてあること
   を特徴とするテープカートリツジの収納箱。