JPH031423Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案はテープカートリツジを収納保管する
収納箱に係り、収納箱内でのテープカートリツジ
のガタつき防止手段に改良を加えたものである。

〔背景技術〕

第１図ないし第３図は本考案が対象とするテー
プカートリツジの収納箱を例示しており、これは
いずれもプラスチツク製の箱本体１と透明の開閉
蓋２とからなる。

箱本体１は矩形の底壁３の三辺から前側壁４お
よび左右側壁５，５が立設され、底壁３の内面上
の中央部左右に一対の係止爪６，６が突設され、
左右側壁５，５の底壁３よりも後方へ延出した部
分５ａ，５ａの内面側に枢支軸７，７が突設され
ている。

開閉蓋２は矩形の上壁８の内面後部にテープカ
ートリツジ９が前方から抜き差し可能に挿入され
るポケツト１０を有する。

そして、ポケツト１０の左右側壁１１，１１が
箱本体１の左右側壁５，５の後方延出部分５ａ，
５ａ間に嵌合されて、枢支軸７，７がポケツト１
０の左右側壁１１，１１の各外面に開口した軸孔
１２，１２に嵌入され、これで箱本体１に開閉蓋
２が開閉回動自在に枢支連結されている。

開閉蓋２のポケツト１０にテープカートリツジ
９を前面側から挿入し、開閉蓋２を箱本体１の開
口上面に閉じ合わせると、係止爪６，６がテープ
カートリツジ９内のテープ巻回用ハブ１３，１３
にそれぞれ回り止め状に係入する。この閉蓋状態
において、開閉蓋２の上壁８の前端は箱本体１の
前側壁４の上端縁で受け止め支持され、底壁３の
後端縁３ａとポケツト１０の底面壁１４の前端縁
１４ａとがほぼ面一状に突き合わされ、ポケツト
１０の後壁１５が左右側壁５，５の後方延出部５
ａ，５ａ間の後方を閉じる。

かかる収納箱においては、従来一般に第４図に
示すごとく箱本体１の前側壁４および左右側壁
５，５の各内面にフロントリブ１６，１６および
サイドリブ１７，１７を縦方向に突設して薄肉側
壁の補強を図り、同時にこれらリブ１６，１７で
テープカートリツジ９の前後左右方向への位置ズ
レ規制を兼ねていた。そのため、輸送中の振動や
衝撃、それに落下衝撃でテープカートリツジ９が
これらリブ１６，１７に直に衝突し、該当箇所へ
の応力集中で箱本体１側が損傷を受けやすかつ
た。

〔考案の目的および概要〕

そこで本考案は、かかる従来の問題点を解消す
るために提案されたものであり、前述の基本構成
からなる収納箱において、箱本体１の前側壁４と
左右側壁５，５とが交わる左右の各内隅部に、上
端部が下がり傾斜のアール面に形成されたコーナ
ーリブ１８をそれぞれ設け、このコーナーリブ１
８がテープカートリツジ９の後側面と左右横側壁
とが交わる出隅部に接当作用するようにしたもの
である。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は本考案に係る収納箱を例
示しているが、これの基本構成は既に述べた通り
である。

本案では従来あつた前側壁４の左右のフロント
リブ１６，１６と、左右側壁５，５の前側のサイ
ドリブ１７，１７をそれぞれ省略し、その代わり
に前側壁４と左右側壁５・５とが交わる各内隅部
に、箱本体１の中央に向けて斜めに突出する縦方
向のコーナーリブ１８，１８を設け、このコーナ
ーリブ１８，１８の先端でテープカートリツジ９
の前方および左右への位置ズレ規制を行なうよう
にしたものである。

すなわち、各コーナーリブ１８の突出端は丸み
を帯びていて、テープカートリツジ９の後側面と
左右の横側面とが交わる丸みを有する出隅部の中
央に実際には僅かな〓間を以てそれぞれ接当作用
し、テープカートリツジ９が前後左右に位置ズレ
しようとするのを接当規制する。そして、テープ
カートリツジ９が真つ直ぐに前方または左右の横
外方に移動せんとするとき、その移動衝撃を各コ
ーナーリブ１８が直交状態でまともに受けず斜め
にかわして受けるようにしたものである。なお、
各リブ１８の上端部は開閉蓋２を閉じるときに上
方から案内されて来るテープカートリツジ９との
接当干渉を避けるために下り傾斜のアール面に形
成されている。

図示例の全容は以上の通りであるが、本考案は
限られるものではない。例えば、箱本体１の前側
壁４と左右側壁５，５とが交わる各内隅部におい
て、両側壁４，５に跨るリブ１８を壁状に一体形
成してもよく、つまり該内隅部をリブ１８で埋め
る形態にしてもよい。また、従来例（第４図）で
示したフロントリブ１６およびサイドリブ１７は
全面的に省略できるが、場合によつてはテープカ
ートリツジの位置ズレ防止用ではなく、専ら補強
用として残しておいてもよい。

その他、本考案が対象とする収納箱は図示例の
フイリツプス型テープカートリツジに限られず、
その他のマイクロカセツトやビデオ用テープカー
トリツジなども含むものであることは言うまでも
ない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案では箱本体１にお
いて前側壁４と左右側壁５，５とが交わる各内隅
部にコーナーリブ１８，１８をそれぞれ設けたの
で、このコーナーリブ１８，１８に働くテープカ
ートリツジ９の衝突力を前側壁４と左右側壁５と
の方向に分散させて吸収することができ、薄肉の
側壁構造にしても充分な強度を維持し、安全にテ
ープカートリツジを収納保管できる。したがつ
て、箱本体１を含めて収納箱を薄肉化して安価に
提供できることにもなる。

また、コーナーリブ１８の導入で、従来多く設
けていた補強用リブの節減が可能となり、この点
からも金型の簡素化およびプラスチツク素材の節
約を図れる利点を有する。

更に本考案の収納箱は、開閉蓋２のポケツト１
０にテープカートリツジ９の前部を挿入した状態
で開閉蓋２を箱本体１側に回動して閉合すること
により、テープカートリツジ９を収納する形態を
採るが、前記コーナーリブ１８の上端部は下り傾
斜のアール面に形成してあるので、開閉蓋２を閉
じるときに上方から案内されて来るテープカート
リツジ９が該リブ１８の上端に突つ掛かることが
ない。却つて、テープカートリツジ９の前記後方
出隅部を該リブ１８に当たり勝手になるようにし
ても、該リブ１８の上端部のアール面でテープカ
ートリツジ９を箱本体１内にスムーズに導入でき
ることになるので、収納状態におけるテープカー
トリツジ９の前後左右方向へのガタ止めも有効に
図れる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係る収納箱を例
示しており、第１図は開蓋状態での斜視図、第２
図は閉蓋状態での平面図、第３図は閉蓋状態での
縦断側面図である。また、第４図は従来例の閉蓋
状態での平面図である。 １……箱本体、２……開閉蓋、３……箱本体の
底壁、４……箱本体の前側壁、５……箱本体の左
右側壁、７……枢軸、８……開閉蓋の上壁、９…
…テープカートリツジ、９ａ……テープカートリ
ツジの後側面、９ｂ……テープカートリツジの左
右の横側面、１０……ポケツト、１１……ポケツ
トの左右側壁、１８……コーナーリブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 底壁３の三辺から前側壁４および左右側壁５，
   ５が立設された箱本体１と、 上壁８の内面側の後部にテープカートリツジ９
   が前方側から抜き差し自在に挿入されるポケツト
   １０を有する開閉蓋２とからなり、 箱本体１の左右側壁５，５の後方部に開閉蓋２
   のポケツト１０の左右側壁１１，１１が枢軸７を
   介して開閉回動自在に枢支連結されており、 箱本体１において前側壁４と左右側壁５，５と
   が交わる左右の各内隅部に、テープカートリツジ
   ９の後側面と左右の横側面とが交わる出隅部に接
   当作用するコーナーリブ１８が突出形成されてお
   り、 各リブ１８の上端部が、下り傾斜のアール面に
   形成されていることを特徴とするテープカートリ
   ツジの収納箱。