JPH0313549A - 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法 - Google Patents
熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法Info
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- JPH0313549A JPH0313549A JP14833889A JP14833889A JPH0313549A JP H0313549 A JPH0313549 A JP H0313549A JP 14833889 A JP14833889 A JP 14833889A JP 14833889 A JP14833889 A JP 14833889A JP H0313549 A JPH0313549 A JP H0313549A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、アルミニウム合金製熱交換器に用いられるフ
ィン材の製造方法に関し、特に冷却水や作動流体の通路
材(管材または形材)にフィン材をろう付けによって熱
交換器を組み立てる場合に、ろう付は時の加熱に対して
優れた耐高温座屈性を示すと共に、ろう付は後冷却水や
作動流体の通路材に対する犠牲陽極効果及び高強度でコ
ルゲーション加工性に優れたアルミニウム合金フィン材
の製造方法に関するものである。
ィン材の製造方法に関し、特に冷却水や作動流体の通路
材(管材または形材)にフィン材をろう付けによって熱
交換器を組み立てる場合に、ろう付は時の加熱に対して
優れた耐高温座屈性を示すと共に、ろう付は後冷却水や
作動流体の通路材に対する犠牲陽極効果及び高強度でコ
ルゲーション加工性に優れたアルミニウム合金フィン材
の製造方法に関するものである。
[従来の技術]
従来、アルミニウム合金製熱交換器は、自動車などのラ
ジェータ、エアコン、インタークーラーやオイルクーラ
ーなどの熱交換器として使用されている。
ジェータ、エアコン、インタークーラーやオイルクーラ
ーなどの熱交換器として使用されている。
アルミニウム合金製熱交換器は、例えば第1図(1)(
2)並びに第2図に示すように、Al−Cu系合金、A
l−Mn系合金、A、l −Mn −Cu系合金など
の作動流体通路材料(管あるいは形材が使用される)l
a、lbおよび4に、作動流体通路材料に比較して電気
化学的に卑な合金のフィン材2.3が、ろう付けにより
組み立てられている。この場合、通路材料あるいはフィ
ン材のいずれか一方または両方にAl−Si系やAl−
31−Mg系ろう材をクラッドしたプレージングシート
が用いられる。そして、電気化学的に卑なフィン材の犠
牲陽極効果を利用して作動流体通路材料が防食されてい
る。また、フィン材は、ろう付は時の高温加熱によって
、その強度が著しく低下して、変形したり、ろう材中の
Stがフィン材中に拡散して座屈したりするため、この
加熱によって変形しないように優れた耐高温座屈性が要
求される。したがって、アルミニウム合金フィン材には
、従来からAl−Mn系の合金が用いられ、これにさら
に上記特性を加味するために種々の元素が添加されてい
るものが提案されている。例えば、電気化学的に卑にす
るためにZ n s S nなどが添加されたものが提
案されている。しかし、Sn。
2)並びに第2図に示すように、Al−Cu系合金、A
l−Mn系合金、A、l −Mn −Cu系合金など
の作動流体通路材料(管あるいは形材が使用される)l
a、lbおよび4に、作動流体通路材料に比較して電気
化学的に卑な合金のフィン材2.3が、ろう付けにより
組み立てられている。この場合、通路材料あるいはフィ
ン材のいずれか一方または両方にAl−Si系やAl−
31−Mg系ろう材をクラッドしたプレージングシート
が用いられる。そして、電気化学的に卑なフィン材の犠
牲陽極効果を利用して作動流体通路材料が防食されてい
る。また、フィン材は、ろう付は時の高温加熱によって
、その強度が著しく低下して、変形したり、ろう材中の
Stがフィン材中に拡散して座屈したりするため、この
加熱によって変形しないように優れた耐高温座屈性が要
求される。したがって、アルミニウム合金フィン材には
、従来からAl−Mn系の合金が用いられ、これにさら
に上記特性を加味するために種々の元素が添加されてい
るものが提案されている。例えば、電気化学的に卑にす
るためにZ n s S nなどが添加されたものが提
案されている。しかし、Sn。
Znなどの元素を含有する場合はろう付は性(高温座屈
性)が不良になりやすいので、例えば、5nSZnのほ
かにMgSMn5Feを調整した合金鋳塊を、加熱・熱
間圧延および70%以上の冷間圧延を行い、軟化処理後
15〜30%の冷間圧延仕上げする方法(特開昭58−
81070号)またSn、ZnのほかにM g s M
n s F e 5StSZrを調整した合金鋳塊を
、加熱、熱間圧延および70%以上の冷間圧延を行い、
軟化処理後15〜30%の冷間圧延仕上げする方法(特
開昭80−215729号)等が提案されている。これ
らにおいては焼鈍(軟化)は300〜450℃で実施す
ることがろう付性の観点から重要とされている。
性)が不良になりやすいので、例えば、5nSZnのほ
かにMgSMn5Feを調整した合金鋳塊を、加熱・熱
間圧延および70%以上の冷間圧延を行い、軟化処理後
15〜30%の冷間圧延仕上げする方法(特開昭58−
81070号)またSn、ZnのほかにM g s M
n s F e 5StSZrを調整した合金鋳塊を
、加熱、熱間圧延および70%以上の冷間圧延を行い、
軟化処理後15〜30%の冷間圧延仕上げする方法(特
開昭80−215729号)等が提案されている。これ
らにおいては焼鈍(軟化)は300〜450℃で実施す
ることがろう付性の観点から重要とされている。
[発明が解決しようとする課題]
従来使用され、または提案されてきた、上記Al−Mn
系合金フィン材に対して、最近は軽量化のほかにコスト
低減などの要求が強く、これに対応するためには構成材
料を薄肉化したり、安価な材料が要求されるようになっ
た。
系合金フィン材に対して、最近は軽量化のほかにコスト
低減などの要求が強く、これに対応するためには構成材
料を薄肉化したり、安価な材料が要求されるようになっ
た。
しかしながら、上記のようなフィン材を従来の方法で製
造すると、引張強さは17〜20kgf/m112程度
、耐力は16〜19kg1’/mm ’程度(特開昭5
8−31070号、特開昭80−215729号)にな
り、薄肉化すると強度不足が生じる。すなわち、フィン
をコルゲート加工した後のスプリングバックが小さいた
めに、自由長が短くなったり、あるいはコルゲートと作
動流体通路構成部材を組み付けるときフィンがつぶれる
という、いわゆる常温座屈が発生する。
造すると、引張強さは17〜20kgf/m112程度
、耐力は16〜19kg1’/mm ’程度(特開昭5
8−31070号、特開昭80−215729号)にな
り、薄肉化すると強度不足が生じる。すなわち、フィン
をコルゲート加工した後のスプリングバックが小さいた
めに、自由長が短くなったり、あるいはコルゲートと作
動流体通路構成部材を組み付けるときフィンがつぶれる
という、いわゆる常温座屈が発生する。
また、最終冷間圧延の加工度を高くし、フィン材の引張
り強さを23〜29kgf/m+* 2、耐力を22〜
28kgr/mu2にすると上記の問題は解決するが、
ろう付は時に再結晶粒が小さくなり、フィン材(あるい
はフィン材の芯材)中にろう材中のSiが拡散し、高温
座屈が生じる。
り強さを23〜29kgf/m+* 2、耐力を22〜
28kgr/mu2にすると上記の問題は解決するが、
ろう付は時に再結晶粒が小さくなり、フィン材(あるい
はフィン材の芯材)中にろう材中のSiが拡散し、高温
座屈が生じる。
本発明の目的は、優れた強度耐高温座屈性、犠牲陽極性
および成形加工性を有するアルミニウム合金フィン材を
安価に製造する方法を提供するものである。
および成形加工性を有するアルミニウム合金フィン材を
安価に製造する方法を提供するものである。
[課遅を解決するための手段]
本発明者らは、Al−Mn系合金の強度高温座屈性およ
び成形加工性について、組成および製造条件について種
々研究を重ねた結果、鋳塊の均質化処理条件を適正化す
ること、最終冷間圧延前の焼鈍を低温度で行うことによ
り、完全に再結晶させないこと、を組合せれば、高い強
度と耐高温座屈性を兼備したフィン材にできることを知
見した。また、熱間圧延の加熱温度、最終冷間圧延の加
工度を適性に保つことが必要であることを見出し、本発
明を完成した。すなわち、本発明の要旨は、Mn :
0.3〜1.5%、Z n : O,l=1
.0 %、 Fe:0.05〜0.7 %、 Mg
: 0.05〜0.7 %、S i : 0.35%以
下を含存し、さらに必要に応じCr : 0.05〜0
.35%、Zr:0.05〜0.35 % 、 T
i : 0.05〜0.35% 、 V
二 0.05〜0.35%のうち1種または2種以上
を含有し、残部が不可避的不純物およびAlからなる合
金の鋳塊を、400〜560℃で均質化処理し、400
〜560℃に加熱して、熱間圧延した後、冷間圧延を施
し、240℃以上300℃未満で中間焼鈍した後、さら
に5〜40%の圧下率で冷間仕上げ圧延を行う、熱交換
器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法である
。
び成形加工性について、組成および製造条件について種
々研究を重ねた結果、鋳塊の均質化処理条件を適正化す
ること、最終冷間圧延前の焼鈍を低温度で行うことによ
り、完全に再結晶させないこと、を組合せれば、高い強
度と耐高温座屈性を兼備したフィン材にできることを知
見した。また、熱間圧延の加熱温度、最終冷間圧延の加
工度を適性に保つことが必要であることを見出し、本発
明を完成した。すなわち、本発明の要旨は、Mn :
0.3〜1.5%、Z n : O,l=1
.0 %、 Fe:0.05〜0.7 %、 Mg
: 0.05〜0.7 %、S i : 0.35%以
下を含存し、さらに必要に応じCr : 0.05〜0
.35%、Zr:0.05〜0.35 % 、 T
i : 0.05〜0.35% 、 V
二 0.05〜0.35%のうち1種または2種以上
を含有し、残部が不可避的不純物およびAlからなる合
金の鋳塊を、400〜560℃で均質化処理し、400
〜560℃に加熱して、熱間圧延した後、冷間圧延を施
し、240℃以上300℃未満で中間焼鈍した後、さら
に5〜40%の圧下率で冷間仕上げ圧延を行う、熱交換
器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法である
。
また、さらにMn : 0.3〜1.5%、Zn:0
.1〜1.0%、F e : 0.05〜0.7%、M
g:0.05〜0.7%、S i : 0.35%以下
を含有し、さらに必要によりCr : 0.05〜0.
35%、Zr:0.05〜0.35%、T i : 0
.05〜0.35%、V : 0.05〜0.35%の
うち1種または2種以上を含有し、残部が不可避的不純
物およびAlからなる合金の鋳塊を、400〜560℃
で均質化処理した後、Al−Si系またはAl−9i
−Mg系合金を皮材として複合したものを、400〜5
50℃に加熱して熱間圧延した後、冷間圧延を施し、2
40℃以上300℃未満で中間焼鈍した後、さらに5〜
40%の圧下率で冷間仕上げ圧延を行う、強度の高い熱
交換器用フィン材の製造方法である。
.1〜1.0%、F e : 0.05〜0.7%、M
g:0.05〜0.7%、S i : 0.35%以下
を含有し、さらに必要によりCr : 0.05〜0.
35%、Zr:0.05〜0.35%、T i : 0
.05〜0.35%、V : 0.05〜0.35%の
うち1種または2種以上を含有し、残部が不可避的不純
物およびAlからなる合金の鋳塊を、400〜560℃
で均質化処理した後、Al−Si系またはAl−9i
−Mg系合金を皮材として複合したものを、400〜5
50℃に加熱して熱間圧延した後、冷間圧延を施し、2
40℃以上300℃未満で中間焼鈍した後、さらに5〜
40%の圧下率で冷間仕上げ圧延を行う、強度の高い熱
交換器用フィン材の製造方法である。
[作 用]
次に本発明が上記の通り、その合金の成分組成範囲およ
び製造条件を限定した理由について説明する。
び製造条件を限定した理由について説明する。
Mn
Mnはフィン材の強度向上、成形加工性の改良および耐
高温座屈性の改良のために0.3〜1.5%含有させる
。その含有量が0.3%未満では、その・効果が十分で
なく、1.5%を越えると効果が飽和するばかりでなく
、自然電極電位が貴になり、犠牲陽極効果が失われる。
高温座屈性の改良のために0.3〜1.5%含有させる
。その含有量が0.3%未満では、その・効果が十分で
なく、1.5%を越えると効果が飽和するばかりでなく
、自然電極電位が貴になり、犠牲陽極効果が失われる。
Mn
Znは、フィン材を電気化学的に卑にして犠牲陽極効果
を付与するために0.5〜2.0%含有させる。その含
有量が0.5%未満では効果が十分でなく2.0%を越
えるとろう付は時、蒸発量が多くなり、ろう付は炉の清
掃回数が増すために好ましくない。
を付与するために0.5〜2.0%含有させる。その含
有量が0.5%未満では効果が十分でなく2.0%を越
えるとろう付は時、蒸発量が多くなり、ろう付は炉の清
掃回数が増すために好ましくない。
Fe
Feは、Mnと共存することにより高温座屈性、成形加
工性を高める。また、Mnの固溶量を減少させて熱伝導
度を高めるとともに、フィン材の電位を卑にし、犠牲陽
極効果を高めるために0.05〜0.70%含有させる
。その含有量が0゜0526未満では効果が十分でなく
、0.70%を越えるとろう付は時の再結晶粒が微細
になり、耐高温座屈性が劣化する。特に、本発明のよう
に強度を高くするために焼鈍温度を低くして完全再結晶
させない場合には、ろう付時の再結晶粒が微細になりや
すい傾向を有するので、Feが0.70%を越えること
は避けなければならない。
工性を高める。また、Mnの固溶量を減少させて熱伝導
度を高めるとともに、フィン材の電位を卑にし、犠牲陽
極効果を高めるために0.05〜0.70%含有させる
。その含有量が0゜0526未満では効果が十分でなく
、0.70%を越えるとろう付は時の再結晶粒が微細
になり、耐高温座屈性が劣化する。特に、本発明のよう
に強度を高くするために焼鈍温度を低くして完全再結晶
させない場合には、ろう付時の再結晶粒が微細になりや
すい傾向を有するので、Feが0.70%を越えること
は避けなければならない。
Mg
Mgは、電位を卑にして犠牲陽極効果を高めると共に強
度を向上させる。下限未満では効果が十分でなく、上限
を越えるとろう付は性が低下する。
度を向上させる。下限未満では効果が十分でなく、上限
を越えるとろう付は性が低下する。
t
Siは不純物であるが、0.35%を越えると自己耐食
性を害するので、0.35%以下とするのが好ましい。
性を害するので、0.35%以下とするのが好ましい。
Cr s Z r s T is V
C「、Z「、Ti5Vはいずれも耐高温座屈性を改善す
るために0,05〜0,35%含有させる。
るために0,05〜0,35%含有させる。
それらの含有量が0.05%未満ではその効果が十分で
な(,0,35%を越えると粗大な金属間化合物が生成
し、フィン材の製造が困難になる。
な(,0,35%を越えると粗大な金属間化合物が生成
し、フィン材の製造が困難になる。
次に製造条件を限定した理由について説明する。
上記のような組成の合金は、溶解−鋳造−均質化処理→
熱間圧延−冷間圧延−中間焼鈍一最終冷間圧延の工程に
より製造される。また、複合材の場合は、鋳塊の均質化
処理まで同一工程であるが、これにAl−5i系あるい
はAl−31−Mg系の合金皮材を合わせ、熱間圧延以
降の工程を行い、製造される。これらいずれの場合とも
均質化処理と熱間圧延前の加熱は、兼ねてもよい。また
、中間焼鈍は、1回に限らず2回以上実施してもよい。
熱間圧延−冷間圧延−中間焼鈍一最終冷間圧延の工程に
より製造される。また、複合材の場合は、鋳塊の均質化
処理まで同一工程であるが、これにAl−5i系あるい
はAl−31−Mg系の合金皮材を合わせ、熱間圧延以
降の工程を行い、製造される。これらいずれの場合とも
均質化処理と熱間圧延前の加熱は、兼ねてもよい。また
、中間焼鈍は、1回に限らず2回以上実施してもよい。
これらの工程に於て均質化処理、熱間圧延および最終冷
間圧延は、次の条件で行わなければならない。
間圧延は、次の条件で行わなければならない。
均質化処理温度
本発明のように、焼鈍温度が低く再結晶を完全にさせな
い場合には、ろう付は時の再結晶粒が微細になって耐高
温座屈性が不良になりやすいので、鋳塊均質化処理の温
度は特に厳密に守らなければならない。そして、Mn系
化合物を十分析出させ、高い耐高温座屈性を得るために
、400〜560℃の温度範囲で行うことが必要である
。その温度が400℃未満ではM−n系化合物(A I
−Mn、 A 1−Mn−F e、 A I −Mn
−Si、 A l −Mn−F e−8iなどの化合物
)の析出が十分でないため、ろう付は時のフィン材の再
結晶粒が微細になり、耐高温座屈性が劣化する。また、
560℃を越えると焼鈍時に再結晶しやすく、最終フィ
ン材の強度が低くなりやすい。また、ろう付は時の再結
晶粒が微細になり、耐高温座屈性が劣化する。
い場合には、ろう付は時の再結晶粒が微細になって耐高
温座屈性が不良になりやすいので、鋳塊均質化処理の温
度は特に厳密に守らなければならない。そして、Mn系
化合物を十分析出させ、高い耐高温座屈性を得るために
、400〜560℃の温度範囲で行うことが必要である
。その温度が400℃未満ではM−n系化合物(A I
−Mn、 A 1−Mn−F e、 A I −Mn
−Si、 A l −Mn−F e−8iなどの化合物
)の析出が十分でないため、ろう付は時のフィン材の再
結晶粒が微細になり、耐高温座屈性が劣化する。また、
560℃を越えると焼鈍時に再結晶しやすく、最終フィ
ン材の強度が低くなりやすい。また、ろう付は時の再結
晶粒が微細になり、耐高温座屈性が劣化する。
熱間圧延
熱間圧延前の加熱温度は、圧延加工性や最終フィン材の
強度および十分な耐高温座屈性を得るために、400〜
560℃の範囲が好ましい。この温度が400℃未満で
は圧延時耳割れが激しく、加工性が悪くなる。また、5
60℃を越えると焼鈍時に再結晶しやすく、最終フィン
材の強度が低下する。また、ろう付は時の再結晶粒が微
細になり、耐高温座屈性が劣化する。さらに、A l−
S i系、A l−S i −Mg系合金を皮材として
合せ材とする場合には、皮材を溶融させないように55
0℃以下で行う必要がある。熱間圧延の上限温度は鋳塊
の均質化処理温度の場合と同様に特に厳密に守らなけれ
ばならない。
強度および十分な耐高温座屈性を得るために、400〜
560℃の範囲が好ましい。この温度が400℃未満で
は圧延時耳割れが激しく、加工性が悪くなる。また、5
60℃を越えると焼鈍時に再結晶しやすく、最終フィン
材の強度が低下する。また、ろう付は時の再結晶粒が微
細になり、耐高温座屈性が劣化する。さらに、A l−
S i系、A l−S i −Mg系合金を皮材として
合せ材とする場合には、皮材を溶融させないように55
0℃以下で行う必要がある。熱間圧延の上限温度は鋳塊
の均質化処理温度の場合と同様に特に厳密に守らなけれ
ばならない。
焼鈍温度
焼鈍温度を通常より低くして行うことにより、耐高温座
屈性と成形加工に必要な強度を得るために240℃以上
300℃未満で行う必要がある。
屈性と成形加工に必要な強度を得るために240℃以上
300℃未満で行う必要がある。
この温度が240℃未満ではろう付は時の再結晶粒が微
細になり、耐高温座屈性が劣化する。また、300℃以
上では、再結晶が部分的に生じ始め、最終フィン材の強
度が低くなる。
細になり、耐高温座屈性が劣化する。また、300℃以
上では、再結晶が部分的に生じ始め、最終フィン材の強
度が低くなる。
最終冷間圧延
本発明は最終の冷間圧延を適切な圧下率で行うことによ
って強度を上げるとともに、ろう付は時の温度でフィン
材が再結晶を起こし、ろう材をフィン材に拡散させない
ようにして、耐高温座屈性を高めようとするものであり
、5〜40%の圧下率が必要である。その値が5%未満
では強度が低くなる。また、40%を越えると、ろう付
は時の再結晶粒が微細になり、耐高温座屈性が劣化する
。
って強度を上げるとともに、ろう付は時の温度でフィン
材が再結晶を起こし、ろう材をフィン材に拡散させない
ようにして、耐高温座屈性を高めようとするものであり
、5〜40%の圧下率が必要である。その値が5%未満
では強度が低くなる。また、40%を越えると、ろう付
は時の再結晶粒が微細になり、耐高温座屈性が劣化する
。
その他の工程、すなわち、溶解、鋳造、焼鈍前の冷間圧
延等は常法に従って行う。なお、鋳塊均質化処理と熱間
圧延の加熱は、かねて1回で行ってもよい。また、焼鈍
は1回に限らず2回以上行ってもよい。その場合は、最
終冷間圧延の直前の焼鈍において、上記温度範囲を守れ
ばよい。
延等は常法に従って行う。なお、鋳塊均質化処理と熱間
圧延の加熱は、かねて1回で行ってもよい。また、焼鈍
は1回に限らず2回以上行ってもよい。その場合は、最
終冷間圧延の直前の焼鈍において、上記温度範囲を守れ
ばよい。
[実施例]
実施例1
第1表に示す組成の合金を溶解・鋳造した。
そして、N081〜N018の合金について、鋳塊均質
化処理、熱間圧延を行い、厚さ 2■とした後、冷間圧
延、焼鈍および最終冷間圧延により厚さ0.08mmの
裸フィン材を得た。
化処理、熱間圧延を行い、厚さ 2■とした後、冷間圧
延、焼鈍および最終冷間圧延により厚さ0.08mmの
裸フィン材を得た。
第1表
製造条件は第2表の通りである。得られたフィン材につ
いて引張試験を行いまた、10’ Torr以下の真空
中で800℃、3分間の加熱を行った後、自然電極電位
を測定した。自然電極電位は、酢酸でpH3に調整した
3%NaC1溶液中で1時間浸漬後にn1定した。また
、フィン材にコルゲート加工を施し、3003合金を芯
材、4004合金を皮材とする両面クラッドのプレート
材(作動流体通路材料)と組み合わせて、第1図のよう
なドロンカップ型コアを組立て、これを真空ろう付けし
たときの、ろう付は状況を調べた。
いて引張試験を行いまた、10’ Torr以下の真空
中で800℃、3分間の加熱を行った後、自然電極電位
を測定した。自然電極電位は、酢酸でpH3に調整した
3%NaC1溶液中で1時間浸漬後にn1定した。また
、フィン材にコルゲート加工を施し、3003合金を芯
材、4004合金を皮材とする両面クラッドのプレート
材(作動流体通路材料)と組み合わせて、第1図のよう
なドロンカップ型コアを組立て、これを真空ろう付けし
たときの、ろう付は状況を調べた。
以上の結果をまとめて第2表に示す。
本発明例のNo、IA、2A、2B、2C,2D、3A
、4A、5A、6A7A、8Aは、引張強度が24kg
1’/mm2以上、耐力が23kg!’/mm’以上と
高く、自然電極電位が−730から一770IIIVと
電気化学的に卑であり、ろう付は状況も良好である。
、4A、5A、6A7A、8Aは、引張強度が24kg
1’/mm2以上、耐力が23kg!’/mm’以上と
高く、自然電極電位が−730から一770IIIVと
電気化学的に卑であり、ろう付は状況も良好である。
これに対し、比較例のNo、lB、3B、4B、5B、
6B、7B。
6B、7B。
8Bは、いずれも鋳塊の均質化処理温度が560℃と高
いため、引張強さが21kgf’/mm ’以下、耐力
が20kgr/關2以下と低い。No、2Bは、やはり
鋳塊の均質化処理温度が560℃と高く、引張強さは2
3kgf/■’とやや高いもののろう付は時にフィンの
座屈が発生した。また、No、2Fは、熱間圧延前の加
熱温度が560℃と高いため、引張強さが20kgf’
/m+e 2、耐力19kgf/mm2と低い。
いため、引張強さが21kgf’/mm ’以下、耐力
が20kgr/關2以下と低い。No、2Bは、やはり
鋳塊の均質化処理温度が560℃と高く、引張強さは2
3kgf/■’とやや高いもののろう付は時にフィンの
座屈が発生した。また、No、2Fは、熱間圧延前の加
熱温度が560℃と高いため、引張強さが20kgf’
/m+e 2、耐力19kgf/mm2と低い。
No、lG、3C,4G、5G、6C,7C,8Cは、
いずれも最終冷間圧延の加工度が45%と高く、ろう付
は時の再結晶粒が微細になるため、フィンに座屈が生じ
た。
いずれも最終冷間圧延の加工度が45%と高く、ろう付
は時の再結晶粒が微細になるため、フィンに座屈が生じ
た。
No、2Gは、焼鈍温度が200℃と低く、ろう付は時
の再結晶粒が微細になるため、フィンに座屈が生じた。
の再結晶粒が微細になるため、フィンに座屈が生じた。
No、211は焼鈍温度が340℃と高いために、再結
晶が生じ、フィン材の引張強度が19kgr/m12耐
力が18kgf’/mm2と低下した。
晶が生じ、フィン材の引張強度が19kgr/m12耐
力が18kgf’/mm2と低下した。
No、21は焼鈍温度が340℃と高く、また、最終冷
間圧延の加工度も50%と高めたため、引張強さは25
kgf/m+* 2と高くなったものの、ろう付は時の
再結晶粒が微細になるため、フィンに座屈が生じた。
間圧延の加工度も50%と高めたため、引張強さは25
kgf/m+* 2と高くなったものの、ろう付は時の
再結晶粒が微細になるため、フィンに座屈が生じた。
No、2Jは、最終冷間圧延の加工度を3%と低くした
ものであり、フィンの強度が引張強さ22kg(’/m
m ’ 、耐力21kgf’/mm2と低下した。
ものであり、フィンの強度が引張強さ22kg(’/m
m ’ 、耐力21kgf’/mm2と低下した。
実施例2
次に第1表のNo、2.8.7の合金を溶解、連続鋳造
し、厚さ30+a+s、幅175mm、長さ 175
amの鋳塊を、第3表に示す温度で均質化処理を施した
後、長さ方向に切断の後、鋳塊長さ方向を厚さ21mm
とし、幅150m■、長さ 150 mmの芯材素材と
した。
し、厚さ30+a+s、幅175mm、長さ 175
amの鋳塊を、第3表に示す温度で均質化処理を施した
後、長さ方向に切断の後、鋳塊長さ方向を厚さ21mm
とし、幅150m■、長さ 150 mmの芯材素材と
した。
一方、JIS4004合金(Al−10%Si−15%
Mg合金)を同様に鋳造、重刑し、480℃にて熱間圧
延を行い、厚さ 4.5mmの皮材とした。
Mg合金)を同様に鋳造、重刑し、480℃にて熱間圧
延を行い、厚さ 4.5mmの皮材とした。
この皮材を芯材の両面に重ね合わせ、第3表に示す条件
で熱間圧延、冷間圧延、焼鈍および最終冷間圧延を経て
厚さ0.12mmのブレージングフィン材を製造した。
で熱間圧延、冷間圧延、焼鈍および最終冷間圧延を経て
厚さ0.12mmのブレージングフィン材を製造した。
クラツド率は片面15%の両面クラッドフィン材である
。得られたフィン材を用いて上記と同様に引張試験、ろ
う付は加熱後の自然電極電位の測定を行った。また、コ
ルゲート加工を行った後、A 1−0.40Cu −0
,15Mn合金の押出形材と組み合わせて第2図のよう
なサーペンタイン型コアを組立、真空ろう付けを行った
ときのろう付は状況を調べた。以上の結果をまとめて第
3表に示す。
。得られたフィン材を用いて上記と同様に引張試験、ろ
う付は加熱後の自然電極電位の測定を行った。また、コ
ルゲート加工を行った後、A 1−0.40Cu −0
,15Mn合金の押出形材と組み合わせて第2図のよう
なサーペンタイン型コアを組立、真空ろう付けを行った
ときのろう付は状況を調べた。以上の結果をまとめて第
3表に示す。
本発明例のNo、2A’、2B’、2C′、8A’、7
A’は、引張強度力24kgf/IIIm ’以上、耐
力が23kgr/m+s 2以上と高く、自然電極電位
が−730から一760mVと電気化学的に卑であり、
ろう付は状況も良好である。
A’は、引張強度力24kgf/IIIm ’以上、耐
力が23kgr/m+s 2以上と高く、自然電極電位
が−730から一760mVと電気化学的に卑であり、
ろう付は状況も良好である。
これに対し、比較例のNo、2D’、7B’は、いずれ
も鋳塊の均質化処理温度が560℃と高いため、引張強
さが21kgf/ms’以下、耐力力20kg!’/m
m 2と低い。
も鋳塊の均質化処理温度が560℃と高いため、引張強
さが21kgf/ms’以下、耐力力20kg!’/m
m 2と低い。
また、No、8B’は鋳塊の均質化処理温度が560℃
と高く、最終圧延の加工度が50%と高いため、引張強
さは28kgf’/arm2と高いもののフィンに座屈
が生じた。
と高く、最終圧延の加工度が50%と高いため、引張強
さは28kgf’/arm2と高いもののフィンに座屈
が生じた。
No、2B’は焼鈍温度が220℃と低く、フィンに座
屈が生じた。
屈が生じた。
No、6C’は、焼鈍温度が340℃と高く、引張強度
が19kgf’/s+* ’ 、耐力が18kgf’/
mu’と低くなった。
が19kgf’/s+* ’ 、耐力が18kgf’/
mu’と低くなった。
No、2F’、7C’は、いずれも最終圧延の加工度が
50%と高いため、フィンに座屈が生じた。
50%と高いため、フィンに座屈が生じた。
[発明の効果]
本発明によれば、高い強度と耐高温座屈性、さらに犠牲
陽極作用を有するフィン材を提供することができる。熱
交換器のフィンを薄肉化することが可能となり、熱交換
器の軽量化、コスト低減に寄与することができる。
陽極作用を有するフィン材を提供することができる。熱
交換器のフィンを薄肉化することが可能となり、熱交換
器の軽量化、コスト低減に寄与することができる。
第1図(a)はドロンカップ型エバポレータの斜視図、
同(b)は同正面図、第2図はサーペンタイン型コアの
正面図を示す。 la、lb、4・・・作動流体通路材料、2.3・・・
フィン材。
同(b)は同正面図、第2図はサーペンタイン型コアの
正面図を示す。 la、lb、4・・・作動流体通路材料、2.3・・・
フィン材。
Claims (4)
- (1)Mn:0.3〜1.5%(重量%、以下同じ)、
Zn:0.1〜1.0%、Fe:0.05〜0.7%、
Mg:0.05〜0.7%、Si:0.35%以下を含
有し、残部が不可避的不純物およびAlからなる合金の
鋳塊を、400〜560℃で均質化処理し、400〜5
60℃に加熱して熱間圧延した後、冷間圧延を施し、2
40℃以上300℃未満で焼鈍をした後、さらに、5〜
40%の圧下率で冷間仕上げ圧延を行うことを特徴とす
る熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方
法。 - (2)Mn:0.3〜1.5%、Zn:0.1〜1.0
%、Fe:0.05〜0.7%、Mg:0.05〜0.
7%、Si:0.35%以下を含有し、更にCr:0.
05〜0.35%、Zr:0.05〜0.35%、Ti
:0.05〜0.35%、V:0.05〜0.35%の
うち1種または2種以上を含有し、残部が不可避的不純
物およびAlからなる合金の鋳塊を、400〜560℃
で均質化処理し、400〜560℃に加熱して熱間圧延
した後、冷間圧延を施し、240℃以上300℃未満で
焼鈍した後、さらに、5〜40%の圧下率で冷間仕上げ
圧延を行うことを特徴とする熱交換器用高強度アルミニ
ウム合金フィン材の製造方法。 - (3)Mn:0.3〜1.5%、Zn:0.1〜1.0
%、Fe:0.05〜0.7%、Mg:0.05〜0.
7%、Si:0.35%以下を含有し、残部が不可避的
不純物およびAlからなる合金の鋳塊を、 400〜560℃で均質化処理したものを芯材とし、こ
れにAl−Si系あるいはAl−Si−Mg系合金を皮
材として合せ材としたものを、400〜550℃に加熱
して熱間圧延した後、冷間圧延を施し、240℃以上3
00℃未満で焼鈍をした後、さらに、5〜40%の圧下
率で冷間仕上げ圧延を行うことを特徴とする熱交換器用
高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法。 - (4)Mn:0.3〜1.5%、Zn:0.1〜1.0
%、Fe:0.05〜0.7%、Mg:0.05〜0.
7%、Si:0.35%以下を含有し、更にCr:0.
05〜0.35%、Zr:0.05〜0.35%、Ti
:0.05〜0.35%、V:0.05〜0.35%の
うち1種または2種以上を含有し、残部が不可避的不純
物およびAlからなる合金の鋳塊を、400〜560℃
で均質化処理したものを芯材とし、これにAl−Si系
あるいはAl−Si−Mg系合金を皮材として合せ材と
したものを、 400〜550℃に加熱して熱間圧延した後、冷間圧延
を施し、240℃以上300℃未満で焼鈍した後、さら
に 5〜40%の圧下率で冷間仕上げ圧延を行うことを
特徴とする熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14833889A JP2874764B2 (ja) | 1989-06-13 | 1989-06-13 | 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14833889A JP2874764B2 (ja) | 1989-06-13 | 1989-06-13 | 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0313549A true JPH0313549A (ja) | 1991-01-22 |
JP2874764B2 JP2874764B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=15450536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14833889A Expired - Fee Related JP2874764B2 (ja) | 1989-06-13 | 1989-06-13 | 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2874764B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0394037A (ja) * | 1989-09-05 | 1991-04-18 | Furukawa Alum Co Ltd | 気相ろう付け用アルミニウム合金フィン材 |
JPH03104838A (ja) * | 1989-09-19 | 1991-05-01 | Furukawa Alum Co Ltd | 気相ろう付け用アルミニウム合金犠牲フィン材 |
JPH03122238A (ja) * | 1989-10-05 | 1991-05-24 | Furukawa Alum Co Ltd | 気相ろう付け用アルミニウム合金フィン材 |
-
1989
- 1989-06-13 JP JP14833889A patent/JP2874764B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0394037A (ja) * | 1989-09-05 | 1991-04-18 | Furukawa Alum Co Ltd | 気相ろう付け用アルミニウム合金フィン材 |
JPH03104838A (ja) * | 1989-09-19 | 1991-05-01 | Furukawa Alum Co Ltd | 気相ろう付け用アルミニウム合金犠牲フィン材 |
JPH03122238A (ja) * | 1989-10-05 | 1991-05-24 | Furukawa Alum Co Ltd | 気相ろう付け用アルミニウム合金フィン材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2874764B2 (ja) | 1999-03-24 |
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