JPH031304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車用シートフレームのスライドレ
ールに関する。

従来の技術 従来のスライドレールの断面形状はアツパレー
ルの垂直立上り部分を中心として左右対称のもの
が典型であつた。これはスライドレールが受ける
荷重のバランスがよくその意味において性能上の
問題はないが、横幅が比較的大きくなり、特に小
型車において車内スペースが制限されている場合
に問題がある。このため、上述の型式の半幅の断
面形状のものが提案され、一部採用されているの
が現状である。

考案が解決しようとする問題点 ところが半幅の断面形状のスライドレールでは
どうしてもガタ、すなわちフレームを取付ける側
のアツパレールがロアレールに対して揺動するた
めの横揺れが発生し易い。

またアツパ、ロア両レール間でどうしても上下
方向のそそびが生じ易い。すなわち上下方向にガ
タがある。

問題点を解決するための手段 本考案は上述の問題を解決し最小限の幅でしか
もガタないしは横揺を防止した半幅形式の断面形
状のシートフレーム用スライドレールを提供する
ことを目的とする。

すなわち本考案は、Ｊ字状に折り曲げかつその
先端を内側にさらに直角に折り曲げたアツパレー
ルと、このアツパレールの底部を余裕をもつて外
方から覆う上向きのコ字状の下部を有し、このコ
字状の下部の片側が上方に延び前記アツパレール
のＪ字の曲つた先端をこえて内方に延び下方に曲
つて終る上部を形成したロアレールと、前記アツ
パレールの底部と前記ロアレールの下部のふたつ
の内隅部との間に配設した荷重負担用のボール
と、前記アツパレールのＪ字の先端の直角に折り
曲げた部分と前記ロアレールの上部との間に形成
された空所に前記直角に折り曲げた部分の有する
若干の弾性変形を利用して挿置されたボールとを
包含して成る、シートフレームのスライドレール
にある。

作 用 本考案によれば、案内用のボールは上下方向の
ガタなくおさえられる。

実施例 以下本考案を添付図面に例示したその好適な実
施例について詳述する。

第１図は本考案の実施例を示す。このスライド
レールはアツパレール１とロアレール２とを包含
する。アツパレール１は下部がＪ字状に曲げてあ
り、その先端はさらに内方に直角に曲げ、水平な
フランジ７を形成している。このアツパレール１
の垂直立上り部分とＪ字状の先端との間には溝３
が形成されている。

このようなＪ字状のアツパレール１の下部のＪ
字に曲つたところの外方を、或る程度の余裕をも
つて外側から覆うように、上向きのコ字状に折り
曲げたロアレール２がある。このロアレール２の
一方の垂直立上り部分２₁の延長部分を折り曲げ
て、その先端を上述のアツパレール１の溝３内に
まで曲げ込んである。この先端を符号８で示す。
このように曲げ込んだ先端がかかえ込む空間は溝
４である。

さて、前述のアツパレール１のＪ字状の底部外
面とロアレール２の底部内面との間の余裕部に
は、荷重負担用のボール５，５が両者に当接する
ように配設してある。こられのボール５，５はそ
れぞれロアレール２の底部内面の隅部およびアツ
パレール１の底部外面の角部に介在するようにし
て配設してある。このためここにおいて左右のブ
レは生じない。

また、ロアレール２のなす上部の溝４には、案
内用のボール６が配設してある。このボール６は
アツパレール１のＪ字の先端の水平フランジ７上
に乗り、上ではロアレール２の内壁に密接してい
る。

第２図に示すようにこの溝４におけるアツパレ
ール２のフランジ７の上面とロアレール２の上部
内壁との間隔ｈはボール６の直径よりわずかに短
いものとしてあり、第３図に若干誇張して示すよ
うに、フランジ７の弾性変形を利用してボール６
をゆるみなくはめ込むのである。

この際第４図に示すように水平のフランジ７の
上面に溝９を形成しておくと、ボール６の安定が
一層よくなる。

考案の効果 一般にＪ字状のアツパレールは噛合部が片側で
あるため、軽量ではあるものの強度が弱い欠点が
ある。またガタ、横揺れも大きい。

しかし上述の本考案によれば、Ｊ字状のアツパ
レールの先端を直角に折り曲げてフランジ７を形
成させてあるので、構造的に強くなり、第５図に
示すように点線１′へと曲げる力Ｗに対して大変
に強くなるばかりか、上述のようにここの部分の
若干の弾性変形を利用して、距離ｈより若干大き
な直径のボール６を嵌入せしめるので、上下方向
のあそびを全くなくすことができる。このためア
ツパレールの上下動は完全になくなり、その上ボ
ール５，５とボール６とによる三点支持がきわめ
て効果的に行なわれる。このため、使用中に感ず
る不快なブレはないし横振れを全く回避すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は
その断面図、第３図は案内用のボールを嵌入させ
た時の状況を説明する部分拡大図、第４図はアツ
パレールの水平なフランジに溝を設けた変形例を
示す部分拡大図、第５図は荷重が加わつた時の状
態を示す本考案スライドレールの斜視図である。 １……アツパレール、２……ロアレール、２₁
……垂直立上り部分、３，４……溝、５，６……
ボール、７……フランジ、８……ロアレールの先
端、９……溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ Ｊ字状に折り曲げかつその先端を内側にさら
   に直角に折り曲げたアツパレールと、このアツ
   パレールの底部を余裕をもつて外方から覆う上
   向きのコ字状の下部を有し、このコ字状の下部
   の片側が上方に延び前記アツパレールのＪ字の
   曲つた先端をこえて内方に延び下方に曲つて終
   る上部を形成したロアレールと、前記アツパレ
   ールの底部と前記ロアレールの下部のふたつの
   内隅部との間に配設した荷重負担用のボール
   と、前記アツパレールのＪ字の先端の直角に折
   り曲げた部分と前記ロアレールの上部との間に
   形成された空所に前記直角に折り曲げた部分の
   有する若干の弾性変形を利用して挿置されたボ
   ールとを包含して成る、シートフレームのスラ
   イドレール。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載のスライ
   ドレールにおいて、前記アツパレールの先端の
   直角に折り曲がた部分の上面にボールの案内用
   の溝を設けた、シートフレームのスライドレー
   ル。