JPS6235626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用座席等のシートバツクに用いら
れるヘツドレストのフレーム構造体に係り、特に
ヘツドレストステーをシートバツク側に固定し、
ヘツドレスト本体をヘツドレストステーに対して
上下方向に移動させて高さの調整を行なうように
したヘツドレストにおけるフレーム構造体に関す
る。

従来のシートバツク上部に上下動調整出来る様
に装着されるヘツドレストはヘツドレスト本体を
ヘツドレストステーに固定し、このヘツドレスト
ステーをシートバツクに配設した係合部に対して
上下に移動させることによつて高さ調整が行なわ
れていた。

このためヘツドレストステーが長くなり、シー
トバツク内の係合部の構造も複雑で部品点数が多
くなると共に重量アツプやコストアツプを招き組
立作業も煩雑に成る欠点を有していた。

叙上の欠点を解除するために、例えば実公昭49
−4714号公報に開示されているものの如くシート
バツクにヘツドレストステーを固定し、ヘツドレ
スト本体内にヘツドレストステーと係合される係
合部を上下方向に所要間隔で複数設けてヘツドレ
スト本体をヘツドレストステーに対して上下方向
に移動させることによりヘツドレストの高さ調整
を行なうようにしたものである。

これはヘツドレストステーによつて支持される
ヘツドレストのフレームは、Ｕ字状に折曲させて
ヘツドレストステーを単に内部に挿通する構造で
あるため、フレームに荷重がかかつた場合にフレ
ームが変形し、ヘツドレストを上下に移動調節す
るのが困難になる虞れがある。

そこで本考案は、ヘツドレストのフレームの剛
性を向上することを目的とするものである。

斯る目的を達成するための本考案に係るヘツド
レストのフレーム構造体は合成樹脂製略直方体状
の外装体と、該外装体の下部に一体成形すると共
に、 該外装体内に配設して、下部より略Ｕ字状ヘツ
ドレストステーの上端部を挿入する内装体とから
なり、該内装体はヘツドレストステーの上端部と
係合する係合部を上下方向に所要の間隔をおいて
複数設け、前記外装体には、前記内装体の係合部
の少なくとも変形時において、その係合部に底部
が当接する内装体変形防止用の凹溝を設けて内装
体を補強し、内装体に加わる荷重を外装体に分散
させることにより、内装体の揺動、ねじれ等の変
形を防止したものである。

以下本考案の詳細を第１図乃至第１２図につい
て説明する。

第１図は本考案によるフレーム構造体を備えた
ヘツドレストＨを車両用座席Ｓのシートバツク
Sbに装着した場合を示し、第２図はヘツドレス
トのフレーム構造体の一例の組立斜視図を示すも
ので、フレーム構造体を構成する外装体１は合成
樹脂で略直方体状に成形し、その下部に内装体２
が一体に成形され、その内装体２の内部にヘツド
レストステー３を挿入し所要位置にセツトされ
る。４は前記外装体１の下面に取付けられて内装
体２の開口を閉口しヘツドレストステー３を抜け
止めする閉口板であり、セツトスクリユー５によ
つて周縁に穿つた透孔６を通し、外装体の下面１
ａに固着される。ヘツドレストステー３は第６図
に示されるように略〓字状と成され、脚部３ａ，
３ｂの先端近傍にはバツクSbのシートフレーム
Sfに配設した支持部材７にセツテイングするため
の切欠き部３ｃ，３ｄを有し、この切欠部３ｃ，
３ｄを支持部材７に係止させることにより、ヘツ
ドレストステー３をシートフレームSfに対して固
定する。

外装体１は例えばブロー成型によつて合成樹脂
材料で内装体２と一体成型する。この外装体１と
内装体２の断面斜視図を第５図に示し、同図から
明らかな様に断面〓状と成され、内装体２内と外
装体１との間は空洞と成されており、外装体１の
前後面には内装体２における膨出状の係合部２
ａ，２ｂの上下方向に当接するように、或いは、
係合部２ａ，２ｂが変形した際に当接するよう
に、内装体２の変形防止用の凹溝１ｂ，１ｂが設
けられ、この凹溝１ｂ，１ｂによつて内装体２の
揺れ、変形を防止する。また、内装体２内に設け
た複数の係合部２ａ，２ｂはその内径がヘツドレ
ストステー３の直径と同じかやや小さめの直径と
成すを可とし、係合部２ａ，２ｂに連続するスト
ツパー部８ａ，８ｂは第３図及び第４図に示すよ
うに中央部でヘツドレストステー３の直径より充
分に小さい間隔Ｄと成されている。このように形
成された外装体１の外周面にパツド９を配して、
表皮１０により被覆すると、ヘツドレスト本体Ｈ
が構成される。

なお、前記外装体１の凹溝１ｂ，１ｂは図示す
るように内装体２の係合部２ａ，２ｂに対して直
角方向に配設してもいるが、斜方向に交差状に配
設しても良い。

そこでヘツドレストステー３を内装体２内に挿
入した時、第１のストツパー部８ｂを押し拡げて
係合部２ｂ内に係合すればストツパー部８ｂはヘ
ツドレストフレーム自体の有するバネ性で元の状
態に復帰し、ヘツドレストステー３を第１の係合
部２ｂ位置に確実に係止する。またヘツドレスト
ステー３の第２の係合部２ａに対する係合離脱も
上述と同様に第２のストツパー部８ａが押し拡げ
られることにより行なわれる。

第７図は外装体１に縦、横方向に前記凹溝１ｂ
を設けて、外装体１のねじれ、変形を防止したも
のである。

以上の実施例においてヘツドレストステー３は
シートバツク７ｂのシートフレームSfに支持部材
７を介して固定するように構成されているがヘツ
ドレストステー３をシートフレームSfに溶接等に
より固着してもよく、またシートフレームSfに一
体的に形成してもよいことは勿論である。

本考案は叙上の如く、フレーム構造体が合成樹
脂製の外装体と、この外装体の一部に一体成形し
た内装体とから構成され、その内装体にヘツドレ
ストステーを挿入する構造であるため、合成樹脂
材によるブロー成形等の簡単な加工により形成で
きて、組立作業も簡略化され、コストダウンが可
能となり、しかもヘツドレスト自体の軽量化も可
能となることは勿論、内装体の上下方向に間隔を
おいて設けた係合部に、該係合部が荷重によつて
変形した際に、その係合部に底部が当接する凹溝
を外装体に設けたので、内装体に加わる荷重が係
合部より外装体側に分散され、内装体の揺動、ね
じれなどによる変形を防止することができる。そ
のため、ヘツドレストステーに対する内装体の係
合状態が確実であり、またヘツドレストの上下移
動調節を円滑に行ない得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるフレーム構造体を有する
ヘツドレストを備えた一例の車両用座席の一部截
断した斜視図、第２図は本考案によるヘツドレス
トのフレーム構造体の一例を示す斜視図、第３図
は第２図のＡ−Ａ線拡大断面図、第４図は第２図
のＢ−Ｂ線拡大断面図、第５図は断面図斜視図、
第６図はヘツドレストステーの一例の斜視図、第
７図は本考案によるヘツドレストステーを備えた
他例の斜視図である。 １は外装体、１ｂ，１ｄ，１ｆは外装体の凹
溝、２は内装体、２ａ，２ｂ，２ｃは係合部、３
はヘツドレストステーを夫々示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 合成樹脂製略直方体状の外装体と、該外装体
   の下部に一体成形されており、 該外装体内に配設して、下部より略Ｕ字状ヘ
   ツドレストステーの上端部を挿入する内装体と
   からなり、該内装体はヘツドレストステーの上
   端部と係合する係合部を上下方向に所要の間隔
   をおいて複数設け、前記外装体には、前記内装
   体の係合部の少なくとも変形時において、その
   係合部に底部が当接する内装体変形防止用の凹
   溝を設けてなるヘツドレストのフレーム構造
   体。 (2) 前記外装体の凹溝は、内装体の係合部に対し
   て直角方向、又は斜方向に交差状に配設してな
   る前記実用新案登録請求の範囲第１項記載のヘ
   ツドレストのフレーム構造体。