JPH0312916B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明の全自動洗濯機、遠心脱水機等における
脱水制御装置に関するものである。

（従来技術とその問題点） 従来、形崩れや布いたみ、布絡み及びしわ等が
気になるデリケートな衣類については、半絞り状
態（衣類から水滴が落ちない程度）で脱水動作を
終了するソフト脱水を行なつているが、そのソフ
ト脱水は開始から終了まで強脱水時と同様の高い
回転数で行なつていた為、衣類は脱水動作の終了
まで非常に大きな遠心力を受けて脱水槽の内壁に
押し付けられることになり、形崩れや布いたみ、
しわ等の発生を充分に抑えることができないこと
になつていた。

又、回転数を低く抑えれば、衣類の形崩れや布
いたみ、しわ等の発生を抑えることができるが、
脱水の開始から終了まで低い回転数で行なうと、
脱水実行時間が非常に長くなり、時間の無駄を招
くものである。

（発明の目的） 本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、脱
水動作途中の適当なタイミングで回転数を低減さ
せることによつて脱水実行時間を短時間に抑え、
その上形崩れや布いたみ、しわ等の発生を軽減す
ることができ、効果的なソフト脱水を実行できる
ようにしたものである。

（発明の効果） 本発明は、脱水槽から飛散した水滴の衝突の都
度電気信号を発生する脱水センサーと、該センサ
ーの電気信号の発生状況を基に脱水槽の回転速度
の減速時期を判定する減速時期判定手段と、該判
定手段からの信号によつて上記脱水槽の回転用モ
ータの回転速度を減速させる減速制御手段と、上
記脱水センサーの電気信号の発生状況を基にソフ
ト脱水の終了時期を判定するソフト脱水終了判定
手段とを備え、ソフト脱水時は、脱水センサーか
ら比較レベルV₁以上の出力がある一定周期で表
れ始めた時点や、該脱水センサーからホールド回
路を介して出力される出力電圧が、予め設定され
た基準電圧V₃を越えた時点を上記減速時期判定
手段で判定し、上記減速制御手段で上記モータを
減速させるとともに、上記脱水センサーから上記
比較レベルV₁以上の出力がなくなり、上記ホー
ルド回路からの出力電圧が予め設定された基準電
圧V₂以下になつた時点を上記ソフト脱水終了判
定手段で判定して上記モータを停止させるような
構成とし、所期の目的を達成するものである。

（実施例） 以下図面に示した本発明の実施例について詳細
に説明する。

第１図は本発明の実施例における脱水機の制御
系を示すブロツク図である。第１図において、１
は脱水受槽、２は脱水槽、３は脱水槽２の回転用
モータ、４はモータ３を制御するモータ制御部、
５は脱水槽２から飛び出す水滴を検知する検知
部、６は検知部５からの信号により脱水の推移を
判定する判定部、７はシーケンス制御部、８は操
作スイツチ部である。上記検知部５は、脱水槽２
から飛び出した水滴が衝突し該衝突の都度起電力
（電気信号）を発生する圧電素子等よりなる脱水
センサー、該脱水センサーの出力信号を増幅する
増幅回路、上記脱水センサーからの小さな出力信
号を削除するために一定電圧と比較し一定電圧以
上の時のみ出力するように設けられた比較回路、
及び該比較回路から入力があつた時にCR時定数
で長い時間をかけて放電させ一定周期内でで入力
信号がある場合に基準電圧より下がらないように
するホールド回路等よりなる。又、判定部６は検
知部５の出力変化によりセンサーの電気信号の発
生状況を検出しこれを基に回転数の減速時期及び
ソフト脱水の終了時期を判定する機能等を有する
ものである。

第２図のａは上記増幅回路の出力信号をモデル
的に示したもので、脱水センサーに水滴が衝突し
た時に通常よりも大きな出力があり、この出力が
比較レベルV₁以上の大きさになると比較回路か
ら信号が出力される。比較レベルV₁以上の出力
が表わされる間隔は脱水開始当初回転数が低い為
に長く、回転数の上昇に従つて徐々に短くなつて
行き、やがて定数回転数に達すると短い周期で
次々と比較レベルV₁以上の出力が表われること
になる。そして、衣類に含まれる水分量が少なく
なると、脱水センサーに衝突する水滴の数が減少
し、水滴の大きも小さくなることになり、比較レ
ベルV₁以上の出力が表われる間隔は長くなつて
行き、やがて比較レベルV₁以上の出力が表われ
なくなる。このような増幅回路の出力が比較回路
を介してホールド回路に入力されると、ホールド
回路は第２図のｂに示すような信号を出力するこ
とになる。そして、ホールド回路の出力が基準電
圧V₂を下回る点をみると、その点は第２図のｃ
に示すように脱水率の変化が急激から緩慢になる
ところ（Ｓ点）であり、この時衣類は半絞り状態
にある。従つて、ホールド回路の出力が基準電圧
V₂を下回る点を検出することにより、ソフト脱
水の終了を判定することができる。尚、衣類を実
際に絞り切る為には、脱水開始から半絞り状態に
なるまで要した時間に、さらに一定の時間（例え
ば４分）が必要なことが実験から求められてい
る。

一方、衣類における形崩れやしわ等の発生状況
を検討してみると、衣類の形崩れ、布いたみ、し
わ等の発生は、衣類に含まれている水分量が多い
場合には少なく、水分量が少なくなればなる程多
くなるものであり、又布たみ等は第３図に示すよ
うに脱水槽の回転数の増加に比例して大きくなる
ものである。従つて、衣類に多量の水分が含まれ
ている間は脱水槽を高速度で回転させ、水分があ
る程度少なくなつた頃に脱水槽の回転数を減少さ
せるようにすれば、脱水時間、衣類の形崩れ、布
いたみやしわ等の軽減等の面よりも最も効果的で
ある。然るに、本実施例では、比較レベルV₁以
上の出力がある一定周期（極短い時間）内で表わ
れ始めた点を検出し、この点よりｘ時間経過した
時点S₁で脱水槽の回転を減速するものである。即
ち、脱水センサーに衝突する水滴の数が減少、或
いは大きさが小さくなり始めた点かこの少し前に
脱水槽を減速制御するものであり、この減速時期
は半絞り状態の略1/2の状態に相当する。

上記構成において、今、操作スイツチ部８によ
りソフト脱水の実行を選定すると、シーケンス制
御部７は第４図に示すフローチヤートのように制
御し、ソフト脱水を実行する。

ソフト脱水がスタートすると、モータ制御部４
によりモータ３を高速度（例えば900rpm）で回
転させ、脱水を開始する一方、タイマーをスター
トさせ、比較レベルV₁以上の出力が一定の周期
内で表われ始めたか否かを判定する。そして、比
較レベルV₁以上の出力が一定周期内で表われ始
めたことを判定すると、その後ｘ時間の経過によ
つてモータ３の回転をモータ制御部４により高速
度から低速度（例えば450rpm）に切換え、脱水
を継続する。

脱水の継続により脱水槽から飛散し脱水センサ
ーに衝突する水滴の数が減少しかつ大きさが小さ
くなり、ホールド回路の出力が基準電圧V₂を下
回わると、ソフト脱水の終了を判定して、モータ
３即ち脱水槽２の回転を停止し、タイマーをスト
ツプして脱水作業を終了する。

而して、このようなソフト脱水によれば、形崩
れ、布いたみ及びしわ等が気になる衣類を比較的
短い時間で脱水して、しかも形崩れ、布いたみや
しわ等の発生を少なく抑えることができる。

尚、回転数の減速時期の判定は、ホールド回路
の出力電圧により行なうこともできる。予め、実
験データ等により求めた基準電圧V₃を設定し、
ホールド回路の出力電圧が基準電圧V₃を越えた
点を検出し、この点を基に回転数の減速時期を判
定すればよい。

（発明の効果） 以上の如く本発明によれば、脱水動作途中の適
当なタイミングで回転数を減少させることによつ
て脱水実行時間を短時間に抑え、その上形崩れや
布いたみ、しわ等の発生を軽減でき、効果的なソ
フト脱水を実行することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における脱水機の制御
系を示すブロツク図、第２図は同上各部の出力と
脱水率との関係を示す図、第３図は布いたみと脱
水槽の回路数との関係を示す図、第４図は制御フ
ローチヤートである。 ２：脱水槽、３：モータ、５：検知部、４：判
定手段、７：シーケンス制御部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 脱水槽から飛散した水滴の衝突の都度電気信
   号を発生する脱水センサーと、該センサーの電気
   信号の発生状況を基に脱水槽の回転速度の減速時
   期を判定する減速時期判定手段と、該判定手段か
   らの信号によつて上記脱水槽の回転用モータの回
   転速度を減速させる減速制御手段と、上記脱水セ
   ンサーの電気信号の発生状況を基にソフト脱水の
   終了時期を判定するソフト脱水終了判定手段とを
   備え、 ソフト脱水時は、脱水センサーから比較レベル
   V₁以上の出力がある一定周期で表れ始めた時点
   や、該脱水センサーからホールド回路を介して出
   力される出力電圧が、予め設定された基準電圧
   V₃を越えた時点を上記減速時期判定手段で判定
   し、上記減速制御手段で上記モータを減速させる
   とともに、 上記脱水センサーから上記比較レベルV₁以上
   の出力がなくなり、上記ホールド回路からの出力
   電圧が予め設定された基準電圧V₂以下になつた
   時点を上記ソフト脱水終了判定手段で判定して上
   記モータを停止させるようにしたことを特徴とす
   る脱水制御装置。