JPH0312139Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、天井面に固着したレールにランナー
を走行自在に設け、該ランナーにて間仕切パネル
を吊持して成る移動間仕切装置において、前記ラ
ンナーにて間仕切パネルを吊持する装置の改良に
関するものである。

〔従来の技術〕 可動式間仕切パネルの吊持装置として、先行技
術としての実開昭58−27469号公報には、間仕切
パネルの上端面に、断面下向きコ字状の受け具固
着し、該受け具の上面を構成する抑止片に、ラン
ナーから垂下した吊りボルトが嵌まる案内凹溝
を、その一端が前記抑止片の一端に開口するよう
に切き開き形成する一方、前記吊りボルトに、前
記受け具における抑止片の下面に接当して間仕切
パネルの荷重を支持する制御板と、前記受け具に
おける抑止片の上面に接するロツクナツトとを
各々螺合し、更に、前記制御板の一端部と他端部
とに、前記抑止片の一端と他端とに係合する凸部
を上向きに折り曲げ形成するようにした考案が記
載されている。

そして、このように、吊りボルトが嵌まる案内
凹溝を、受け具における抑止片の一端に開口する
と、ロツクナツトと制御板との間隔を開けておく
ことにより、吊りボルトを、制御板とロツクナツ
トとを螺合した状態のままで、受け具における抑
止片の案内凹溝に嵌め入れることができるので、
間仕切パネルへのランナーの取り付けを容易に行
うことができる利点を有する。

〔考案が解決しようとする課題〕 ところで、この種の間仕切パネルの吊持装置に
おいては、ランナーによる間仕切パネルの吊持位
置、換言すると、間仕切パネルへのランナーの取
付位置を、間仕切パネルにおける上端面の長手方
向に沿つて移動調節できるように構成しなければ
ならない場合がある。

これに対しては、前記先行技術において、制御
板の両端に、受け具における抑止片の一端と他端
とに係合する凸部を折り曲げ形成することなく、
制御板をフラツトな状態に形成することにより、
制御板を、受け具における抑止片の案内凹溝に沿
つて移動できるように構成すれば良いと考えられ
る。

ところが、前記先行技術においては、制御板を
螺合した状態のままで吊りボルトを受け具におけ
る抑止片の案内凹溝に嵌挿できるようにすること
のために、前記案内凹溝の一端を開口しているた
め、制御板の位置を案内凹溝に沿つて移動調節で
きるように構成すると、ナツトを締め忘れたりナ
ツトによる締め付けが緩かつたりした場合、間仕
切パネルを移動させるに際して、吊りボルトが案
内凹溝から外れてしまつて間仕切パネルが脱落す
ると言う不測の事態が生じる虞がある。

また、前記先行技術では、間仕切パネルの荷重
は、受け具における抑止片に作用するが、抑止片
における案内凹溝の一端が切り開かれていること
より、受け具における抑止片の曲げ強度が低下す
るため、受け具の抑止片を変形することなく間仕
切パネルを確実に吊持できるようにするには、受
け具の肉厚寸法を厚く形成しなければならず、そ
れだけ間仕切パネルの重量が増大すると言う点に
も問題がある。

本考案は、前記先行技術の利点、すなわち、間
仕切パネルへのランナーの取り付けの容易性を維
持し、しかも、間仕切パネルのランナーからの脱
落や、間仕切パネルの重量の増大と言つた不具合
を招来することなく、ランナーによる間仕切パネ
ルの吊持位置を自在に調節できるようにした吊持
装置を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、天井面に固
着したレールに走行自在に設けたランナーから垂
下した吊りボルトにて吊持するようにした可動式
間仕切パネルの上端面に、当該上端面の長手方向
に沿つて延びる凹溝を形成し、該凹溝内に、当該
凹溝の長手方向に沿つて延びる断面下向きコ字状
の吊り金具を固着し、該吊り金具における上面板
の一端部と他端部との間に、前記吊りボルトが挿
通自在な長溝孔を、前記吊り金具の長手方向に沿
つて延びるように穿設し、前記吊り金具における
上面板の下面に、前記吊りボルトが螺合する雌ね
じ孔を穿設した支持板を配設し、該支持板を、前
記吊り金具における上面板に、前記長溝孔から挿
入した固定用ボルトにて締結する構成にした。

〔考案の作用・効果〕

このように構成すると、支持板に螺合した固定
用ボルトと吊りボルトとは、長溝孔を介して支持
板に螺合しているから、支持板に螺合した固定用
ボルトを緩めると、支持板は、吊り金具における
上面板の長溝孔に沿つて、すなわち、間仕切パネ
ルにおける上端面の長手方向に沿つて自在に移動
させることができることになり、ランナーによる
間仕切パネルの吊持位置を、間仕切パネルにおけ
る上端面の長手方向に沿つて自在に調節できる。

ところで、単に支持板に吊りボルトを螺合した
に過ぎない構成であると、ランナーを間仕切パネ
ルに取り付けるに当たつては、作業者が、支持板
を吊り金具における上面板の下面に接当した状態
を保持しつつ、吊りボルトを支持板の雌ねじ孔に
螺合しなければならないため、ランナーを間仕切
パネルに取り付ける作業が極めて厄介になる。

これに対して本考案は、支持板を、吊り金具に
おける上面板に固定用ボルトにて締結するように
したもので、予め、吊り金具における上面板の下
面に支持板を締結しておくことができるから、ラ
ンナーを間仕切パネルに取り付けるに当たつて
は、吊りボルトを、長溝孔を介して支持板の雌ね
じ孔にねじ込むだけで良く、間仕切パネルへのラ
ンナーの取り付け作業を至極容易に行うことがで
きることになる。

また、吊り金具における上面板の長溝孔は、吊
り金具における上面板の一端部と他端部との間に
穿設したもので、長溝孔のいずれの端部も吊り金
具における上面板の端面に開口してはいない、換
言すると、吊り金具における上面板の長手方向に
沿つた一側縁と他側縁とが、当該上面板の一端部
と他端部とで互いに連結されているから、仮に、
固定用ボルトを締め付けることを忘れたり、締め
付けが緩かつたりしても、吊りボルトが長溝孔か
ら外れて間仕切パネルがランナーから脱落するこ
とは全くなく、安全性を確保することができるの
である。しかも、吊り金具における上面板の長手
方向に沿つた一側縁と他側縁とが、当該上面板の
一端部と他端部とで互いに連結されていることに
より、長溝孔を穿設したことのために吊り金具に
おける上面板の曲げ強度が低下することを防止で
き、吊り金具を厚肉に形成する必要がないから、
間仕切パネルの重量が増大することを回避できる
ことになる。

従つて本考案によれば、間仕切パネルへのラン
ナーの取り付けの容易性を損なつたり、間仕切パ
ネルがランナーから脱落する不測の事態や間仕切
パネルの重量の増大と言つた不具合を招来するこ
となく、ランナーによる間仕切パネルの吊持位置
を自在に調節できる効果を有する。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第４図における符号１は、室の天井面に固
着した断面下向き開口Ｃ字状の天井レールを、符
号２は、前記天井レール１の内部に走行自在に嵌
挿したローラ３４付きのランナー５にて吊持する
ようにした間仕切パネルを各々示す。

前記間仕切パネル２は、断熱性及び遮音性を有
する充填材２０を、化粧板１７を張設した補強板
材にてサンドイツチ状に挟んで三層状に構成され
ており、充填材２０の上下両端面に、断面コ字状
の水平補強枠１９を各々固着することにより、間
仕切パネル２の上下両端面に、当該上下両側端面
の長手方向に沿つて延びる開口溝３，４を形成す
る一方、充填材２０の左右両端面に、断面コ字状
の垂直補強枠１８を各々固着している。

前記間仕切パネル２における上端面の凹溝３と
下端面の凹溝４とには、各々断面コ字状の遮蔽体
６，７を上下摺動自在に装着し、上部遮蔽体６に
おける両側板の上端には天井レール１の下面に対
するゴム製等の上部シール部材１１を、下部遮蔽
体７における両側板の下端には床面１０に対する
ゴム製等の下部シール部材１２を各々取り付けて
おり、間仕切パネル２をレール１に沿つて所定位
置に移動した後、前記上下両遮蔽体６，７を、ば
ね８，９にて間仕切パネル２の外側に突出させる
ことにより、間仕切パネル２の上端面と天井レー
ル１との間、及び、間仕切パネル２の下端面と床
面１０との間を遮蔽すると共に、間仕切パネル２
の固定を行うように構成している。

前記上下両遮蔽体６，７における各側板の基端
部外面には、凹溝３，４の内側面に接当するパツ
キング材１３，１４を取り付けて、遮蔽体６，７
と凹溝３，４内面との間における遮蔽をも図つて
いる。

また、第５図に示すように、間仕切パネル２の
左右両端面には、パネルエツジ１５，１５ａを、
相隣接した間仕切パネル２のパネルエツジ１５，
１５ａが互いに嵌合するようにして形成し、更
に、間仕切パネル２における左右両パネルエツジ
１５，１５ａには、遮光性及び遮音性を向上する
ためのパツキング材１６が張設されている。

第１〜３図に示すように、上部の水平補強枠１
９における底板２１の両端寄り部位に、当該底板
２１の長手方向に沿つて延びる平面視長方形の取
付孔２２を穿設し、この取付孔２２に、断面略下
向き開口コ字状で凹溝３の長手方向に沿つて延び
る吊り金具２３を下方から挿入し、該吊り金具２
３の両側板の下端に外向きに折り曲げ形成した水
平フランジ２４を、前記水平補強枠１９における
底板２１の下面にボルト２５とナツト２６とで固
着する一方、前記吊り金具２３における上面板２
７の一端と他端との間に、前記ランナー５から垂
下した吊りボルト３３が挿脱自在な長溝孔２８
を、吊り金具２３の長手方向に沿つて延びるよう
に穿設する。

そして、前記吊り金具２３における上面板１７
の下面に、２個の雌ねじ孔２９，３０を穿設した
平面視長方形の支持板３１を配設し、該支持板３
１に穿設した一方の雌ねじ孔３０に前記吊りボル
ト３３を螺合することにより、間仕切パネル２を
ランナー５にて吊持する一方、支持板３１におけ
る他方の雌ねじ孔２９に、前記長溝孔２８から固
定用ボルト３２を螺着し、該固定用ボルト３３に
て、支持板３１を吊り金具１３の上面板２７に締
結する。符号３５は座金を示す。

以上の構成において、固定用ボルト３２及び吊
りボルト３３は長溝孔２８を介して支持板３１に
螺合しており、固定用ボルト３２を緩めると、支
持板２１は、矢印Ａで示すように、長溝孔２８の
長手方向に沿つて移動自在となるから、ランナー
５による間仕切パネル２の吊持位置を、間仕切パ
ネル２における上端面の長手方向に沿つて自在に
調節できることになる。

また、支持板３１を、長溝孔２８から挿入した
固定用ボルト３２にて吊り金具２３の上面板２７
に締結したことにより、支持板３１を、吊り金具
２３における上面板２７の下面に取付けた状態に
保持しておくことができるから、ランナー５を間
仕切パネル２に取りつけることを、至極容易に行
うことができる。

つまり、単に吊りボルト３３のみを支持板３１
に螺合して、吊りボルト３３に螺合したロツクナ
ツトにて支持板３１を吊り金具２３の上面板２７
に固定したに過ぎない構成であると、ランナー５
を間仕切パネル２に取り付けるに当たつては、作
業者は、吊り金具２３における上面板２７の下面
に支持板３１を配設した状態を保持しつつ、吊り
ボルト３３を雌ねじ孔３０にねじ込み操作しなけ
ればならないため、ランナー５を間仕切パネル２
に取り付ける作業が極めて厄介になる。

これに対して本考案では、支持板３１を吊り金
具２３の上面板２７に予め締結しておくことがで
き、予め上面板２７に締結された支持板３１の雌
ねじ孔３０に、吊りボルト３３をねじ込むだけの
作業にて、ランナー５を間仕切パネル２に取り付
けることができるから、ランナー５の取付作業を
至極容易に行うことができるのである。

しかも、吊り金具２３における上面板２７の長
溝孔２８は、その両端が上面板２７の一端にも他
端にも開口していない、換言すると、吊り金具２
３における上面板２７の長手方向に沿つた一側縁
と他側縁とが、当該上面板２７の一端部と他端部
とにおいて互いに連結されているから、固定用ボ
ルト３２にて支持板３１を上面板２７に締結する
ことを忘れたり、固定用ボルト３２による締結が
緩かつたりしても、吊りボルト３３が長溝孔２８
から外れ出ることはなく、間仕切パネル２がラン
ナー５から脱落すると言う不測の事態を確実に防
止して安全性を確保できるのである。

更に、吊り金具２３における上面板２７の長手
方向に沿つた一側縁と他側縁とが、当該上面板２
７の一端部と他端部とにおいて互いに連結されて
いることにより、吊り金具２３における上面板２
７に長溝孔２８を穿設したことのために面板２７
の曲げ強度が低下することはないから、吊り金具
２３の肉厚を厚くする必要がなく、間仕切パネル
２の重量が増大することを回避できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は要部の
分解斜視図、第２図は要部の側断面図、第３図は
要部の縦断正面図、第４図は間仕切パネルの側断
面図、第５図は間仕切パネルの平断面図である。 １……レール、２……間仕切パネル、３……凹
溝、５……ランナー、２３……吊り金具、２７…
…吊り金具の上面板、２８……長溝孔、２９，３
０……雌ねじ孔、３１……支持板、３２……固定
用ボルト、３３……吊りボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井面に固着したレールに走行自在に設けたラ
   ンナーから垂下した吊りボルトにて吊持するよう
   にした可動式間仕切パネルの上端面に、当該上端
   面の長手方向に沿つて延びる凹溝を形成し、該凹
   溝内に、当該凹溝の長手方向に沿つて延びる断面
   下向きコ字状の吊り金具を固着し、該吊り金具に
   おける上面板の一端部と他端部との間に、前記吊
   りボルトが挿通自在な長溝孔を、前記吊り金具の
   長手方向に沿つて延びるように穿設し、前記吊り
   金具における上面板の下面に、前記吊りボルトが
   螺合する雌ねじ孔を穿設した支持板を配設し、該
   支持板を、前記吊り金具における上面板に、前記
   長溝孔から挿入した固定用ボルトにて締結したこ
   とを特徴とする可動式間仕切パネルの吊持装置。