JPH029832B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は、縫い目形成手段を含むミシン本体
に対し、キヤリツジ上に配設されて被縫製物を支
持するパレツトを所定の縫製プログラムに従い移
動させて、所要の縫製を行うようにした縫製機械
に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種の縫製機械としては、例えば特公
表昭58−500745号公報に示されているように、キ
ヤリツジに対しパレツトを自動的に脱着交換する
装置を設けて、パレツトに対する被縫製物の着脱
作業を簡素化したものが提案されている。この従
来装置においては、縫製完了後の被縫製物を支持
したパレツトがミシン本体の縫製加工部からその
下方の排出位置に落下排出されるとともに、新し
い被縫製物を支持したパレツトが縫製加工部の上
方のセツト位置から縫製加工部に落下供給され
て、パレツトの交換が行われるようになつてい
る。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、この従来装置においては、パレツト
の落下時にそのパレツトに対し衝撃が加わるた
め、パレツトやその交換装置を傷付けたり、パレ
ツトに支持された被縫製物に位置ずれが生じて、
その被縫製物の所定位置に正確に縫製を行うこと
ができなかつたりするという問題点があつた。

又、前記の従来装置においては、パレツトのセ
ツト位置と排出位置とが同一箇所になくて上下方
向に大きく離れているため、パレツトに対する被
縫製物の着脱作業を一定位置で行うことができ
ず、下方の排出位置に排出されたパレツトを引き
出して、別の場所でそのパレツトに対し縫製終了
後の被縫製物の取外し及び新しい被縫製物の取付
けを行い、その後パレツトを持ち上げてセツト位
置にセツトしなければならず、作業が非常に煩雑
であつて多大な労力と時間を必要とするという問
題点もあつた。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） この発明は、前記のような問題点に着目してな
されたものであつて、その第一発明は、縫い目形
成手段４，６を含むミシン本体２と、 そのミシン本体２に対し、被縫製物２０を支持
したパレツト１４Ａ，１４Ｂを所定の縫製プログ
ラムに従つて移動可能に支持するキヤリツジ１３
と、 そのキヤリツジ１３に対し前記パレツト１４
Ａ，１４Ｂを出入れする第１の移送装置３２と、 前記パレツト１４Ａ，１４Ｂを載置可能な複数
の面４４，５９を有し、その各面４４，５９を、
前記キヤリツジ１３のパレツト支持面に対し択一
的にほぼ対向させるように移動可能な第２の移送
装置４２とを備えている。

又、第二発明は、前記第一発明の構成におい
て、第２の移送装置４２にパレツト１４Ａ，１４
Ｂを載置するための上下一対の面４４，５９を設
け、その各面４４，５９を、キヤリツジ１３のパ
レツト支持面に対し択一的にほぼ対向させるよう
に上下往復移動可能にし、一方の面５９をパレツ
ト１４Ａ，１４Ｂの両側下面を載置可能な一対の
面から構成するとともに、その一対の面をパレツ
ト１４Ａ，１４Ｂの下から外方へ開くようにし、
さらに、一方の面５９が退避移動する際から第２
の移送装置４２の動作に伴い他方の面４４が前記
パレツト１４Ａ，１４Ｂに接近又は当接するまで
の間、そのパレツト１４Ａ，１４Ｂを保持する保
持装置６９を設けている。

（作用） 従つて、この発明の縫製機械においては、キヤ
リツジ１３に対するパレツト１４Ａ，１４Ｂの脱
着交換に際し、そのパレツト１４Ａ，１４Ｂに衝
撃が加わるおそれは全くなく、パレツト１４Ａ，
１４Ｂやその交換装置が変形あるいは破損した
り、パレツト１４Ａ，１４Ｂに支持された被縫製
物２０に位置ずれが生じたりするのを確実に防止
することができる。又、この発明では、パレツト
１４Ａ，１４Ｂの排出及び供給を第２の移送装置
４２の一つの載置面５９上で行うことができ、そ
のパレツト１４Ａ，１４Ｂに対する被縫製物２０
の着脱作業を一定位置で労力を要することなく短
時間に行うことができる。

（実施例） 以下、この発明の一実施例を図面に従つて詳細
に説明する。

さて、この実施例の縫製機械においては、第
２，３，８図に示すように機台１上にミシン本体
２が装置されるとともに、機台１の後部にベツド
部３が配設されている。ミシン本体２の後端下部
には針４が上下動可能に設けられるとともに、ベ
ツド部３の下部にはボビンホルダーを介して下糸
ボビン５を着脱可能に収納する糸輪捕捉器６が設
けられ、この針４と糸輪捕捉器６とにより縫い目
形成手段が構成されている。なお、第８図は前方
から見た斜視図、第２図及び第３図は後方から見
た斜視図であり、作業者は第８図の前部側に位置
する。

前記ミシン本体２の後方において機台１の左右
両側には前後方向（Ｙ方向）へ平行に延びる一対
の支持レール７が配設固定されている。その支持
レール７上には上面に左右方向（Ｘ方向）へ延び
る案内レール８を設けた移動フレーム９がＹ方向
へ移動可能に支持され、前記支持レール７上のラ
ツク１０とフレーム９側の回転軸１１両端の歯車
１２との噛合に基づいて移動案内されるようにな
つている。前記移動フレーム９上の案内レール８
にはキヤリツジ１３がＸ方向へ移動可能に支持さ
れ、その上面には一対のパレツト１４Ａ，１４Ｂ
が交互に脱着支持されて、クランプ１５により固
定されるようになつている。

前記パレツト１４Ａ，１４Ｂの一側部には正面
形ほぼＬ字状の把持部材１６が取着され、第２，
３，５図に示すようにその平面部には一対のパレ
ツト１４Ａ，１４Ｂを識別するための検出孔１７
Ａ，１７Ｂが各パレツト１４Ａ，１４Ｂにおいて
前後方向に位置をずらせて形成されている。パレ
ツト１４Ａ，１４Ｂ上には保持枠１８が蝶番１９
により開閉可能に取付けられ、パレツト１４Ａ，
１４Ｂ上の所定位置に被縫製物２０を載置した状
態で、この保持枠１８を閉じて一対のクランプ２
１を締付けることにより、パレツト１４Ａ，１４
Ｂと保持枠１８との間に被縫製物２０を張設保持
できるようになつている。

前記移動フレーム９の後方において機台１上に
はＸ方向送りモータ２２が配設され、このモータ
２２の回転に伴い歯車２３，２４、スプライン軸
２５、そのスプライン軸２５に沿つて移動可能な
図示しない歯車、及びキヤリツジ１３の後縁に沿
つて延びるラツク２６を介して、キヤリツジ１３
がＸ方向へ移動されて、そのキヤリツジ１３上の
パレツト１４Ａ，１４Ｂに対し同方向への送りが
付与されるようになつている。又、Ｘ方向送りモ
ータ２２の近傍において機台１上にはＹ方向送り
モータ２７が配設され、このモータ２７の回転に
伴い歯車２８及び移動フレーム９の後方に突出す
るラツク２９を介して、移動フレーム９がＹ方向
に移動されて、キヤリツジ１３上のパレツト１４
Ａ，１４Ｂに対し同方向への送りが付与されるよ
うになつている。

そして、このミシンの縫製動作時には、前記Ｘ
方向及びＹ方向送りモータ２２，２７が所定の縫
製プログラムに従つて回転され、キヤリツジ１３
上のパレツト１４Ａ，１４Ｂが第２図に示すよう
に針板３の縫製加工面上においてＸ方向及びＹ方
向に適宜移動されて、針４と糸輪捕捉器６との協
働によりパレツト１４Ａ，１４Ｂ上の被縫製物２
０に縫い目が形成されるようになつている。又、
一つの被縫製物２０に対する一サイクルの縫製動
作が終了した時点で、Ｘ、Ｙ方向送りモータ２
２，２７の回転に基づいて、キヤリツジ１３上の
パレツト１４Ａ，１４Ｂが前記針板３の縫製加工
面上から後述するパレツト交換装置３０に近接す
るパレツト交換位置に移動されるようになつてい
る。なお、第３図は下糸ボビン５の交換位置を示
す。

そこで、前記パレツト交換装置３０の構成を第
１図及び第４〜７図に従つて詳細に説明すると、
この交換装置３０の機枠３１上には第１の移送装
置を構成する出入用シリンダ３２が配設され、そ
のピストンロツド３３が前記針板３の縫製加工面
とほぼ同一平面上において前記交換位置に移動配
置されたキヤリツジ１３上のパレツト１４Ａ，１
４Ｂの把持部材１６と対応し得るようになつてい
る。ピストンロツド３３の先端にはほぼチヤンネ
ル状の連結部材３４が中央部において固定され、
その両端下面には一対の案内片３５が取着されて
いる。

第５〜７図に示すように前記連結部材３４上に
は一対の爪部材３６が支軸３７により回動可能に
支持され、それらの先端において縫製機械１４
Ａ，１４Ｂ上の把持部材１６の起元部に両側から
係合して、ピストンロツド３３とパレツト１４
Ａ，１４Ｂとを連結するようになつている。各爪
部材３６に跨がるように、連結部材３４の一方の
起元片には一対のほぼ門形の規制板３８が取付け
られ、爪部材と係合してその回動範囲を規制する
ようになつている。両爪部材３６間には係脱用シ
リンダ３９が配設され、そのシリンダ部及びピス
トンロツドの先端が結合体４０，４１を介して各
爪部材３６に結合されていて、このシリンダ３９
の作動により両爪部材３６をパレツト１４Ａ，１
４Ｂの把持部材１６に対し係脱回動させるように
なつている。

第４，５，７図に示すように前記パレツト交換
位置と出入用シリンダ３２との間において機枠３
１には第２の移送装置を構成する昇降体４２が昇
降可能に配設され、そのフレーム４３上にはパレ
ツト１４Ａ，１４Ｂ用の下部載置面４４を形成す
る載置台４５が支持されている。昇降体４２のフ
レーム４３には上下方向に延びる３本の案内棒４
６が支持アーム４７等を介して取着され、機枠３
１上に設けられた案内軸受体４８に摺動可能に貫
通して、昇降体４２の昇降動作を案内するように
なつている。

前記昇降体４２の下方において機枠３１には昇
降用シリンダ４９が配設され、その上方に延びる
ピストンロツド５０の先端が昇降体４２のフレー
ム４３に固定されていて、このシリンダ４９の作
動により昇降体４２を昇降させるようになつてい
る。前記各案内棒４６の下端にはストツパリング
５１が上下位置調節可能に取付けられ、機枠３１
又は案内軸受体４８の下面に係合して、昇降体４
２の上昇位置を規制するようになつている。又、
各案内棒４６の近傍において機枠３１にはストツ
パねじ５２が上下位置調節可能に螺合され、昇降
体４２のフレーム４３下面に突出する係合突起５
３に係合して、昇降体４２の下降位置を規制する
ようになつている。

第４，５，７図に示すように前記昇降体４２上
の一対の支持アーム４７に対応して昇降体４２の
フレーム４３上には一対の支持ブラケツト５４が
取付けられ、その支持アーム４７及び支持ブラケ
ツト５４上には左右で一対をなすように取付板５
５がそれぞれ突出固定されている。前記下部載置
面４４の上方前後両側に位置するように、左右各
一対の取付板５５の上端部間には載置板５６が左
右両側下面の軸支部５７において支軸５８により
回動可能に支持され、それらの内側段差部上には
パレツト１４Ａ，１４Ｂ用の上部載置面５９が形
成されている。

前記両載置板５６の下方において昇降体４２の
フレーム４３上には一対の回動用シリンダ６０が
取付アーム６１を介して回動可能に支持され、そ
の上方に延びるピストンロツド６２の先端が結合
体６３を介して各載置板５６の外側下面に結合さ
れている。そして、両載置板５６はこのシリンダ
６０により回動されて、第７図に実線で示すよう
に上部載置面５９上でパレツト１４Ａ，１４Ｂを
載置可能な載置位置と、同図に鎖線で示すように
載置状態のパレツト１４Ａ，１４Ｂから下部外方
に離隔退避した退避位置とに配置されるようにな
つている。又、前記載置板５６が作用位置に配置
された状態で昇降体４２が昇降されることによ
り、上部及び下部載置面５９，４４が前記針板３
上の縫製加工面とほぼ同一平面上に択一的に配置
されて、前記出入用シリンダ３２によるパレツト
１４Ａ，１４Ｂの移送方向と対応配置されるよう
になつている。

第４〜７図に示すように前記昇降体４２の左右
両側において機枠３１上には支持板６４がそれぞ
れ架設され、前記出入用シリンダ３２のピストン
ロツド３３が設入又は突出された状態において、
その先端の連結部材３４が案内片３５を介してこ
の支持板６４上に支持されるようになつている。
一方の支持板６４の上面には前後一対の案内片６
５が設けられ、前記出入用シリンダ３２のピスト
ンロツド３３の没入動作により連結部材３４に連
結されたパレツト１４Ａ，１４Ｂが前記交換位置
から昇降体４２の上部載置面４５上に移送される
際、パレツト１４Ａ，１４Ｂの前後両側縁に係合
してその移送を案内するようになつている。前記
両支持板６４の内側において昇降体４２上の載置
板５６と対向するように、機枠３１には前後各一
対の案内板６６が配設され、昇降体４２の上部又
は下部載置面５９，４４上に載置されるパレツト
１４Ａ，１４Ｂの前後両側縁に係合して、その前
後位置を規制するようになつている。

第４，５図に示すように前記両支持板６４の下
面には回動軸６７が軸支体６８を介してそれぞれ
回動可能に支持され、それらの中間部には保持装
置を構成する各一対の保持部材６９が内側に向か
つて突出固定されるとともに、一端部には回動レ
バー７０が固定されている。各回動レバー７０と
対応するように機枠３１上には一対の回動用シリ
ンダ７１が取付アーム７２を介して回動可能に支
持され、その上方に延びるピストンロツド７３の
先端が結合体７４を介して回動レバー７０に結合
されている。

そして、前記保持部材６９はこのシリンダ７１
の作動により回動レバー７０及び回動軸６７を介
して回動され、第４図に鎖線で示すように昇降体
４２側に突出して昇降体４２上のパレツト１４
Ａ，１４Ｂを保持する保持位置と、同図に実線で
示すようにその保持位置から下部外方に離隔退避
した退避位置とに配置されるようになつている。
又、この実施例においては、前記のように下降位
置にある昇降体４２上の載置板５６が退避位置に
回動されて、上部載置面５９がパレツト１４Ａ，
１４Ｂの下面より離間した時点から、昇降体４２
の上昇に伴い載置台４５上の下部載置面４４が前
記パレツト１４Ａ，１４Ｂの下面に接近又は当接
するまでの間、前記保持部材６９が保持位置に配
置されて、パレツト１４Ａ，１４Ｂを保持するよ
うになつている。

第４，５図に示すように前記昇降体４２のフレ
ーム４３には一対の検出スイツチ７５Ａ，７５Ｂ
が取付板７６，７７を介して取付けられ、昇降体
４２の下部載置面５９上にパレツト１４Ａ，１４
Ｂが載置された状態において、把持部材１６上の
検出孔１７Ａ，１７Ｂと対応し、いずれのパレツ
ト１４Ａ，１４Ｂが載置されているかを識別する
ようになつている。

なお、第８図に示す７８，７９はパレツト載置
部を示し、いずれか一方に未縫製のパレツト１４
Ａ，１４Ｂが、他方に縫製終了後のパレツト１４
Ａ，１４Ｂが載置される。

次に、前記のように構成された縫製機械につい
て、パレツト交換装置３０の作用を特に第１図ａ
〜ｄに従つて説明する。

さて、第１図ａ第４図は、キヤリツジ１３に支
持された一方のパレツト１４Ａ上の被縫製物２０
に対する縫製動作が終了し、そのパレツト１４Ａ
が針板３の縫製加工面上から原点位置を通つてパ
レツト交換装置３０に近接する交換位置に移動配
置された状態を示すものである。

この状態においては、出入用シリンダ３２のピ
ストンロツド３３が引込み位置にあるとともに、
連結部材３４上の爪部材３６が第６図に鎖線で示
す解放位置に配置されている。又、昇降体４２は
下降位置にあつて、上部載置面５９を有する載置
板５６が第７図に実線で示す載置位置に配置され
るとともに、載置台４５の下部載置面４４上には
縫製しようとする新しい被縫製物２０を装着した
他方のパレツト１４Ｂが載置されている。さら
に、この時点では、保持部材６９が第４図に実線
で示す退避位置に配置されている。

この状態において、まず前記出入用シリンダ３
２のピストンロツド３３が突出動作され、その先
端の連結部材３４が第４図に鎖線で示すように交
換位置にあるパレツト１４Ａの把持部材１６に対
応する。その後、連結部材３４上の係脱用シリン
ダ３９が収縮動作され、爪部材３６が第６図に実
線で示すように把持部材１６と係合する係合位置
に回動されて、ピストンロツド３３とパレツト１
４Ａとが連結される。そして、この状態で出入用
シリンダ３２のピストンロツド３３が引込み動作
されて、前記パレツト１４Ａが交換位置のキヤリ
ツジ１３上から昇降体４２の上部載置面５９上に
移動される。その後、係脱用シリンダ３９の伸長
動作に伴い、爪部材３６が第６図に鎖線で示す解
放位置に回動されて把持部材１６から離脱され、
前記パレツト１４Ａは第１図ａに鎖線で示すよう
に上部載置面５９上に載置される。

この状態で昇降用シリンダ４９のピストンロツ
ド５０が突出動作されて昇降体４２が上昇位置ま
で上昇され、第１図ｂに示すように下部載置面４
４上に載置されているパレツト１４Ｂが交換位置
にあるキヤリツジ１３の上面とほぼ同一平面上に
配置されるとともに、パレツト１４Ｂの把持部材
１６が出入用シリンダ３２上の連結部材３４に対
応配置される。その後、係脱用シリンダ３９の収
縮動作に伴う爪部材３６の係合位置への回動によ
り、出入用シリンダ３２のピストンロツド３３と
パレツト１４Ｂとが連結され、この状態でピスト
ンロツド３３の突出動作により、パレツト１４Ｂ
が昇降体４２の下部載置面４４上から交換位置の
キヤリツジ１３上に移動されるとともに、前記爪
部材３６の解放位置への回動に伴つてそのパレツ
ト１３上に載置される。

そして、このキヤリツジ１３上に載置されたパ
レツト１４Ｂをクランプ１５によりキヤリツジ１
３に固定した状態で、起動スイツチ等が操作され
ると、所定の縫製プログラムに従いパレツト１４
Ｂが針板３の縫製加工面上で移動されて、針４及
び糸輪捕捉器６の協働により、パレツト１４Ｂ上
の被縫製物２０に対し縫目が形成される。又、こ
の縫製開始と同時に出入用シリンダ３２のピスト
ンロツド３３が引込み動作され、連結部材３４が
第１図ｂ及び第４図に示す引込み位置が配置され
る。従つて、この状態で昇降体４２の上部載置面
５９上に載置されているパレツト１４Ａから縫製
終了後の被縫製物２０を取外すとともに、そのパ
レツト１４Ａに新しい被縫製物２０を取付けるこ
とにより、被縫製物２０の脱着交換作業を一箇所
において容易かつ迅速に行うことができる。

その後、図示しない脱着完了スイツチ等が操作
されると、昇降用シリンダ４９のピストンロツド
５０が引込み動作されて、昇降体４２が下降位置
まで下降され、上部載置面５９上に載置されてい
るパレツト１４Ａが保持部材６９と対応配置され
る。そして、この状態で回動用シリンダ７１のピ
ストンロツド７３の突出動作により、保持部材６
９が第４図に鎖線で示す保持位置に回動されてパ
レツト１４Ａの両側下方に配置されるとともに、
回動用シリンダ６０のピストンロツド６２の突出
動作により、一対の載置板５６が第７図に鎖線で
示す退避位置に回動されて、上部載置面５９がパ
レツト１４Ａの下面から離間退避される。それに
より、パレツト１４Ａは第１図ｃに示すように上
部載置面５９上から保持部材６９上に受渡され
て、その保持部材６９上に保持される。

この状態で昇降用シリンダ４９のピストンロツ
ド５０の突出動作により昇降体４２が上昇位置ま
で上昇され、第１図ｄに示すように昇降体４２の
下部載置面４４が前記保持部材６９上に保持され
ているパレツト１４Ａの下面に接近配置される。
その後、回動用シリンダ７１のピストンロツド７
３の引込み動作により、保持部材６９が第４図に
実線で示す退避位置に回動され、パレツト１４Ａ
が保持部材６９上から下部載置面４４上に受渡さ
れてその面上に載置される。そして、この状態か
ら昇降用シリンダ４９のピストンロツド５０の引
込み動作により、昇降体４２が下部位置まで下降
され、第１図ａに示すように載置板５６上の上部
載置面５９が針板３の縫製加工面とほぼ同一平面
上に配置されて待機状態になり、前記パレツト１
４Ｂ上の被縫製物２０に対する縫製動作の終了を
待つ。

なお、この発明は前記実施例のほかに、例えば
第１図ｂに示す昇降体４２の上昇位置において上
部載置面５９上のパレツト１４Ａに対する被縫製
物２０の脱着交換を行うことなく、第１図ｃに示
すように昇降体４２が下降位置まで下降された状
態で被縫製物２０の脱着交換を行い、その後のス
イツチ操作等に伴い保持部材６９の保持位置への
回動が行われて、それ以降、前記実施例と同様に
作動するよう構成する等、この発明の趣旨から逸
脱しない範囲で任意に変更して具体化することも
可能である。

発明の効果 以上詳述したようにこの発明は、キヤリツジ１
３に対するパレツト１４Ａ，１４Ｂの脱着交換に
際し、そのパレツト１４Ａ，１４Ｂに衝撃が加わ
るおそれは全くなく、パレツト１４Ａ，１４Ｂや
その交換装置が変形あるいは破損したり、パレツ
ト１４Ａ，１４Ｂに支持された被縫製物２０に位
置ずれが生じたりするのを確実に防止することが
できる。又、この発明では、パレツト１４Ａ，１
４Ｂの排出及び供給を第２の移送装置４２の一つ
の載置面５９上で行うことができ、そのパレツト
１４Ａ，１４Ｂに対する被縫製物２０の着脱作業
を一定位置で労力を要することなく短時間に行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ〜ｄはこの発明を具体化した縫製機械
において特にパレツト交換装置の作用を説明する
ための略体正面図、第２図は縫製機械のミシン本
体部分を示す斜視図、第３図は縫製終了に伴いキ
ヤリツジ上のパレツトが下糸ボビン交換位置に移
動配置された状態を示す部分斜視図、第４図はパ
レツト交換装置の構成を部分破断正面図、第５図
は第４図のＢ−Ｂ線における部分縮小断面図、第
６図は第５図の連結部材部分を拡大して示す部分
断面図、第７図は第４図のＣ−Ｃ線における部分
拡大断面図、第８図は縫製装置全体を示す斜視図
である。 図において２はミシン本体、４は針、６は針と
協働して縫い目形成手段を構成する糸輪捕捉器、
１３はキヤリツジ、１４Ａ，１４Ｂはパレツト、
１６は把持部材、２０は被縫製物、２２はＸ方向
送りモータ、２７はＹ方向送りモータ、３０はパ
レツト交換装置、３２は第１の移送装置を構成す
る出入用シリンダ、３４は連結部材、３６は爪部
材、４２は第２の移送装置を構成する昇降体、４
４は下部載置面、４５は載置台、４９は昇降用シ
リンダ、５６は載置板、５９は上部載置面、６０
は回動用シリンダ、６９は保持装置を構成する保
持部材、７１は回動用シリンダである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 縫い目形成手段４，６を含むミシン本体２
   と、 そのミシン本体２に対し、被縫製物２０を支持
   したパレツト１４Ａ，１４Ｂを所定の縫製プログ
   ラムに従つて移動可能に支持するキヤリツジ１３
   と、 そのキヤリツジ１３に対し前記パレツト１４
   Ａ，１４Ｂを出入れする第１の移送装置３２と、 前記パレツト１４Ａ，１４Ｂを載置可能な複数
   の面４４，５９を有し、その各面４４，５９を、
   前記キヤリツジ１３のパレツト支持面に対し択一
   的にほぼ対向させるように移動可能な第２の移送
   装置４２と を備える縫製機械。 ２ 縫い目形成手段４，６を含むミシン本体２
   と、 そのミシン本体２に対し、被縫製物２０を支持
   したパレツト１４Ａ，１４Ｂを所定の縫製プログ
   ラムに従つて移動可能に支持するキヤリツジ１３
   と、 そのキヤリツジ１３に対し前記パレツト１４
   Ａ，１４Ｂを出入れする第１の移送装置３２と、 前記パレツト１４Ａ，１４Ｂを載置可能な上下
   一対の面４４，５９を有し、その各面４４，５９
   を、前記キヤリツジ１３のパレツト支持面に対し
   択一的にほぼ対向させるように上下方向に往復移
   動可能な第２の移送装置４２と、 その第２の移送装置４２の一方の面５９は前記
   パレツト１４Ａ，１４Ｂの両側下面を載置可能な
   一対の面からなりそれぞれ前記パレツト１４Ａ，
   １４Ｂの下から外方へ開くように退避可能である
   ことと、 前記一方の面５９が退避移動する際から第２の
   移送装置４２の動作に伴い他方の面４４が前記パ
   レツト１４Ａ，１４Ｂに接近又は当接するまでの
   間、そのパレツト１４Ａ，１４Ｂを保持する保持
   装置６９と を備える縫製機械。