JPH11239940A - マガジン工具交換方法及びマガジン工具交換装置 - Google Patents

マガジン工具交換方法及びマガジン工具交換装置

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JPH11239940A
JPH11239940A JP32211498A JP32211498A JPH11239940A JP H11239940 A JPH11239940 A JP H11239940A JP 32211498 A JP32211498 A JP 32211498A JP 32211498 A JP32211498 A JP 32211498A JP H11239940 A JPH11239940 A JP H11239940A
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JP32211498A
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Kenichiro Morita
健一郎 森田
Toshio Yasojima
利男 八十島
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Nippei Toyama Corp
Original Assignee
Nippei Toyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工具交換のために加工機を停止することなく、
しかも作業者が安心して工具交換に専念することができ
るマガジン工具交換方法及びマガジン工具交換装置を提
供する。 【解決手段】主軸と、複数の保持部が一方向に開口した
状態で直線上に配列されてなる工具マガジンと、この工
具マガジンの一端側に設けられた工具交換装置と、他端
側に設けられた工具交換用受け部と、工具交換位置と工
具マガジンの各保持部に対応する位置と工具交換用受け
部に対応する位置との間を移動して、工具交換装置に備
えられた工具交換アームと工具マガジンの保持部と工具
交換用受け部との間で工具の受け渡しを行う工具ローダ
とを備えたマガジン工具交換装置において、工具交換用
受け部における工具交換時に、工具ローダが工具交換用
受け部に対応する位置に移動しないようにして前記工具
交換用受け部の工具を交換するマガジン工具交換方法及
びマガジン工具交換装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マガジン工具交換
方法及びマガジン工具交換装置に関し、さらに詳しくは
マシニングセンタなどの加工機械において加工を停止す
ること無く連続運転を可能とする工具交換のためのマガ
ジン工具交換方法及びマガジン工具交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工具交換装置においては、工具マ
ガジンは、円盤状に形成され、その外周に工具を着脱可
能に保持するための複数の保持溝が放射方向に開口した
状態で形成されている。しかし、この従来の工具交換装
置においては、工具マガジンは、円盤状をなしてその外
周に保持溝を有するため、工具マガジンの中心部には利
用できない大きなスペースが形成され、工具交換装置が
どうしても大型になってしまう問題があった。また、加
工中に破損した工具を交換する場合に、この交換は通常
主軸または工具マガジンを介して行なわれていた。主軸
に工具交換する場合、機械の運転を停止させる必要があ
るとともに、作業のためカバーを外したりしなければな
らず、多大な時間が浪費されることになる。複数の工具
交換では工具マガジンから工具を呼び出す都合上、前述
の作業を繰り返し行なう必要があった。
【0003】さらに、工具マガジンにて工具交換する場
合にも、工具マガジンを割出し回転させて空の保持部を
工具入替位置に割出し、この位置で作業者が新しい工具
を差し込み、または、工具マガジンにある旧工具を工具
入替位置に割出し、新工具と差し替え交換する。その
後、再び工具マガジンを割出し回転させて、新しい工具
を工具交換のための取出し位置に割出し、そこから工具
交換位置へ取り出すことで、初めて工具交換アームによ
る工具交換動作が行なわれるものであった。このため、
交換に要する時間が長くなるとともに、いずれの場合に
も、工具マガジンを介しての作業のため、機械を停止さ
せた状態で工具交換を行なう必要があり、工具交換の作
業中機械を作動することができず、加工作業の能率向上
が妨げられていた。
【0004】そこで、これらの問題点を解決するものと
して、図9に示すような工具マガジンをリニアタイプに
した工具交換装置いわゆるリニアタイプのマガジン工具
交換装置が提案されるようになってきた(特開平7−3
2238号公報)。このリニアタイプのマガジン工具交
換装置は、ベース1上に前後方向及び左右方向へ移動可
能に配設されたコラム2に上下動可能に支持されている
主軸ヘッド3に回転可能に支持された主軸4と、複数の
保持部10がー方向に開口した状態で直線上に配列され
てなる工具マガジン9と、該工具マガジン9のー端側に
設けられた工具交換装置6を備え、工具交換位置P3と
該工具マガジン9の各保持部10に対応する位置P2と
の間を駆動モータ25によって回転されるボールねじ2
7を介して移動し、該工具交換装置6に備えられた工具
交換アーム7と該工具マガジン9の保持部10との間で
工具の受け渡しを行なう工具ローダ12を備えた工具交
換装置である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この工具マ
ガジン9の保持部10には新しい工具がそれぞれ収容さ
れており(図では2個のみ示し他は省略)、主軸4に取
り付けられた工具5の交換時期が来た場合に、工具交換
装置6の工具交換アーム7により必要な新しい工具と交
換され、交換された旧工具は工具ローダ12により保持
部10の適当な位置に搬送される。そして、保持部10
内に収容された旧工具は、作業者により新工具と交換さ
れる。しかしながら、作業者による工具の交換作業が完
了するまで、安全のために加工機は停止される必要があ
り、そのために加工機の稼働率が低下してしまうという
問題があった。
【0006】そこで、本発明は、作業者による旧工具と
新工具との交換作業を加工機を停止せずに、しかも作業
者が安全に工具の交換作業を行なうことができるマガジ
ン工具交換方法及びそのためのマガジン工具交換装置を
提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために次の手段をとるものである。すなわち、請
求項1の発明は、主軸と、複数の保持部がー方向に開口
した状態で直線上に配列されてなる工具マガジンと、該
工具マガジンのー端側に設けられた工具交換装置と、該
工具マガジンの他端側に設けられた工具交換用受け部
と、工具の受け渡しを行なう工具ローダとを備えたマガ
ジン工具交換装置において、前記工具交換用受け部にお
ける工具交換時に前記工具ローダが該工具交換用受け部
に対応する位置に移動しないようにして前記工具交換用
受け部における工具交換作業を行なうことを特徴とする
マガジン工具交換方法である。
【0008】請求項2の発明は、工具ローダが、工具交
換位置と該工具マガジンの各保持部に対応する位置と該
工具交換用受け部に対応する位置との間を移動して、該
工具交換装置に備えられた工具交換アームと該工具マガ
ジンの保持部と該工具交換用受け部との間で工具の受け
渡しを行なう工具ローダである請求項1に記載のマガジ
ン工具交換方法である。
【0009】請求項3の発明は、主軸と、複数の保持部
が一方向に開口した状態で直線上に配列されてなる工具
マガジンと、該工具マガジンの一端側に設けられた工具
交換装置と、該工具マガジンの他端側に設けられた工具
交換用受け部と、工具の受け渡しを行なう工具ローダと
を備えた工具交換装置において、該工具交換用受け部に
おける工具交換時に該工具ローダが該工具交換用受け部
に対応する位置に移動させないように構成したことを特
徴とするマガジン工具交換装置である。
【0010】請求項4の発明は、工具ローダが、工具交
換位置と該工具マガジンの各保持部に対応する位置と該
工具交換用受け部に対応する位置との間を移動して、該
工具交換装置に備えられた工具交換アームと該工具マガ
ジンの保持部と該工具交換用受け部との間で工具の受け
渡しを行なう工具ローダである請求項3に記載のマガジ
ン工具交換装置である。
【0011】請求項5の発明は、工具ローダストッパ
が、さらに備えられている請求項3又は4に記載のマガ
ジン工具交換装置である。
【0012】請求項6の発明は、該工具ローダストッパ
が、前記工具マガジンの他端と前記工具交換用受け部と
の間に、該工具ローダの進行方向に対して略直角に移動
自在に設けられた請求項5に記載のマガジン工具交換装
置である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施例
に基づいて詳細に説明する。なお、図は、あくまでも説
明のためのものであり、本発明の精神を逸脱しない限り
多少の変更は許容される。図1は本発明のマガジン工具
交換装置のー例を示す正面図であるが、図1において、
加工機械Mのベース1上にはコラム2が前後方向及び左
右方向へ移動可能に配設され、該コラム2には主軸ヘッ
ド3が上下動可能に支持されている。主軸4は、主軸ヘ
ッド3に回転可能に支持され、その先端にはドリル等の
工具5が着脱自在に装着される。そして、主軸ヘッド3
が図1に鎖線で示す下方の加工位置に配置された状態
で、主軸4が回転されながら、コラム2が図示しないテ
ーブル上のワークに対して移動され、工具5によりワー
クに所定の加工が施される。
【0014】フレーム17は、ベース1上に立設されて
いる。工具交換装置6の工具交換アーム7は、主軸4の
上方に位置するように、フレーム17の側面に主軸4の
軸線と平行な軸線の周りで回動可能及び軸線方向へ進退
可能に支持され、その両端には工具把持部8が形成され
ている。そして、主軸ヘッド3が図1に実線で示す上方
位置に配置された状態で、該工具交換アーム7が軸線の
周りで回動され及び軸線方向に移動されることにより、
主軸4側の工具5と工具マガジン9側から工具交換位置
P3に移送された工具5とは、工具把持部8にて把持さ
れて同時に脱着交換される。
【0015】横長平板状の工具マガジン9は、前記工具
交換アーム7の後方(図に向かって左側)に位置するよ
うに、フレーム17上に固定され、主軸4の軸線方向に
延びている。複数の保持部10は、工具マガジン9の上
側縁に沿って前後に延びる水平な直線上に所定ピッチで
配列形成され、それぞれ同一方向の上方に向かって開口
している。なお、複数の保持部10のうちー部において
例えばフライス工具等の大径工具を保持する保持部10
は、隣接する保持部10とのピッチを所定ピッチより大
きくとって形成されている。
【0016】工具ローダ12は背後に後述の図2に示す
ナット29を有し、このナット29は駆動モータ25に
よって回転されるボールねじ27に噛み合っており、工
具ローダ12は、ボールねじ27の回転によって工具ロ
ーダ12のー部を構成する図2に示すサドル30がレー
ル26の上を滑ることにより、ボールねじ27の軸方向
に移動するように構成されている。11は工具ポット、
13は工具交換用受け部、18は制御盤である。
【0017】工具交換予報カウンタ24は、主軸4に把
持された工具5の寿命が間近いことを知らせるものであ
り、例えば工具5の稼働累積カウントが設定交換カウン
トにカウントアップしたときにグラフイックパネル上に
表示するものが挙げられる。工具交換予報カウンタ24
がカウントアップしたとき、工具ローダ12は該当工具
5を工具交換用受け部13に搬送するとともに、カウン
トアップが図示していない表示灯又は警告音により作業
者に伝えられる。
【0018】図1において、フレーム17の側面に設け
られた台16には、ショックアブソーバ14が設けら
れ、その上部に工具交換用受け部13が取り付けられて
いる。後述の工具ローダストッパが上昇して工具ローダ
ストッパの上昇端が確認されるとともに図示しないロッ
クが外れて工具交換用受け部13を手動で動かすことが
可能になり、工具交換用受け部13を鎖線の位置から実
線の位置まで、また実線の位置から鎖線の位置まで移動
できるようになっている。これにより、用済み後の工具
5を交換用の新しい工具5と交換して、交換用の新しい
工具5を収容した工具交換用受け部13を工具マガジン
9と同ーの高さに待機させることができる。なお、15
Aはピストンで、15Bはシリンダである。ショックア
ブソーバ14にかえて他の緩衝材を用いたり、ピストン
15Aを自動で下降したり又は元に戻すようにしても良
い。
【0019】また、台16に設けられたシリンダ22の
ピストン20には、工具ローダストッパのー例としての
工具ローダストップ板19がー体にまたは適宜の部材に
より取り付けられている。ここで、作業者が工具交換用
受け部13において新旧工具を交換するときには、工具
ローダ12は、シーケンス制御されており、工具交換用
受け部13に対応する位置P1の領域外即ち図1に示す
領域R内で停止しているか又は該領域R内で所定の動作
をしているので、該工具ローダ12が前記領域Rの外に
出ることはない。
【0020】しかしながら、工具ローダ12が万一暴走
して領域Rから前記P1の領域に侵入する場合に備える
ため、工具ローダストップ板19が設けられる。該工具
ローダストップ板19は、工具交換用受け部13に対応
する位置P1の領域への工具ローダ12の進行を遮るも
のであればどのような形状のものでも良く、また、材質
としては金属性が好ましい。なお、工具ローダストッパ
は、図2に示したもの以外に本発明の精神に叶うもので
あれば、どのようなタイプのものでも良い。図2におい
ては、工具ローダ12の万一の暴走に備えて、工具ロー
ダ12の構成部材であるサドル30を工具ローダストッ
プ板19に当接させる例が示される。なお、サドル30
にかえてナット29の移動を遮るように工具ローダスト
ップ板19を設けても良い。
【0021】近接スイッチ45は、シリンダ22に取り
付けられ、後述の押釦スイッチ23(上側)をONにし
てピストン20が上昇したときに、該ピストン20の下
端を検知して工具ローダストップ板19の上昇端を確認
するものである。近接スイッチ46も、押釦スイッチ2
3(下側)をONにしてピストン20が下降したとき
に、該ピストン20の下端を検知して前記工具ローダス
トップ板19の下降端を確認するものである。
【0022】押釦スイッチ23(上側)をONにするこ
とにより、シーケンス自動制御により、工具ローダ12
が位置P1を退去後該工具ローダストップ板19が図1
に示す鎖線の位置のように上昇するとともに、駆動モー
タ25への動力供給がストップされて工具ローダ12が
領域R内に停止せしめられるか又は動力供給がストップ
されずに工具ローダ12が領域R内で必要な動作をしつ
つ工具交換用受け部13の対応する位置P1の領域内に
移動しないようになっている。
【0023】他方、押釦スイッチ23(下側)をONに
して工具ローダストップ板19が下降しているときに
は、工具ローダ12は、駆動モータ25が回転している
ため、ボールねじ27に噛み合っている工具ローダ12
の図2に示すナット29の回転により工具交換用受け部
13の対応する位置P1まで移動することができ、ま
た、加工機Mの呼出しにより工具交換用受け部13にお
いてある工具を工具交換位置P3に運ぶこともできる。
【0024】押釦スイッチ23は、工具交換開始及びス
トッパ入り(上昇)指示と、工具交換完了及びストッパ
抜き(下降)指示とを切替えるものであり、シーケンス
自動制御において必要な指示をシリンダ22、工具ロー
ダ12に伝えるものである。また、工具ローダストップ
板19の上昇、下降の程度は必要に応じて制御される。
【0025】図2は、図1の工具ローダ12とボールね
じ27と工具マガジン9との関係を示す斜視図である。
但し、工具ポットと工具は省略されている。図2におい
て、工具ローダ12を構成するサドル30は、2本のレ
ール26、26に懸架され、また、サドル30に取り付
けられたナット29は、駆動モータ25によって回転さ
れるボールねじ27に噛み合っている。したがって、サ
ドル30ひいては工具ローダ12は、ボールねじ27の
回転につれ、該レール26上をレール方向に移動するこ
とになる。
【0026】サドル30の中央部には回動軸21が設け
られ、該回動軸21の下方部分にはカム溝31に係合す
るカム44が固着されており、サドル30が図面に向か
って右方向に進行する場合に、カム44がカム溝31の
湾曲部31aに規制されるため回動軸21は反時計方向
に回動し、回動軸21に固着されたアーム47および該
アーム47に固着された回動体39も、該回動軸21を
中心に反時計方向に回動するように構成されている。
【0027】前記回動体39にはシリンダ38が取り付
けられ、ピストンロッド40が該シリンダ38内を上下
に摺動可能に設けられ、該ピストンロッド40の下部に
フック部材43が取り付けられている。また、ー対の把
持アーム41は回動体39に取り付けられている。28
は軸受け部である。工具ローダストップ板19は、鎖線
の矢印の如く上昇したときの状態を示し、また実線の矢
印に示す方向に下降するように構成されている。
【0028】図3は、工具マガジン9に収納状態の工具
ポット11を示す平面図であるが、同図において工具ポ
ット11は工具マガジン9の各保持部10に着脱可能に
保持され、その外面には保持部10の両側縁に係合する
第1係合溝35が形成される。テーパ孔32は工具ポッ
ト11の中心に形成され、該テーパ孔32には工具5の
ホルダー33が着脱可能に嵌挿される。また、工具ポッ
ト11の端部には4箇所より中心に向かってバネによっ
て付勢された4個のロックボール36が取り付けられ、
工具5は、工具ポット11に挿入されたとき、ホルダー
33の先端のプルスタッド34の部分にて該ロックボー
ル36により抜け止め係止されている。また、工具ポッ
ト11には、後述の工具ローダ12のフック部材43に
係脱するピン42が突設されている。
【0029】図4は、図1の工具ローダ12及び工具マ
ガジン9に収納状態の工具ポット11の部分を拡大して
示す部分正面図であるが、同図は、該工具ローダ12の
フック部材43の係合溝37が、工具マガジン9の保持
部10に存在する工具ポット11のピン42に係合した
状態を示すものである。フック部材43とともに工具把
持部を構成するー対の把持アーム41は、回動体39に
垂設されている。そして、サドル30が工具マガジン9
の各保持部10と対応する位置に移動されたとき、各保
持部10に保持された工具ポット11の第1係合溝35
に対して、把持アーム41は上方から対応配置される。
【0030】受け渡し用シリンダ38は、回動体39上
に配設されている。フック部材43は、受け渡し用シリ
ンダ38のピストンロッド40の先端に固定され、その
前面には水平方向に延びる係合溝37が形成されてい
る。そして、受け渡し用シリンダ38によりフック部材
43が下方位置に配置された状態で、サドル30が工具
マガジン9の各保持部10と対応する位置に移動された
とき、図4において矢印方向に見た側面図である図5に
示すように、工具ポット11上のピン42がフック部材
43の係合溝37に進入して係合がおこなわれる。その
後、受け渡し用シリンダ38にてフック部材43が鎖線
に示すように上昇されることにより、工具ポット11が
保持部10から抜き取られて把持アーム41間に挿入把
持される。
【0031】他方、工具を工具マガジン9に挿入する場
合には、工具ローダ12が該工具ポット11を把持した
状態で、サドル30の移動により工具マガジン9の保持
部10と対応する位置に移動された後、受け渡し用シリ
ンダ38にてフック部材43が実線に示すように下降さ
れることにより、工具ポット11が保持部10に嵌挿保
持される。その後、工具ローダ12がサドル30の移動
により保持部10と対応する位置から離間移動されるこ
とにより、工具ポット11のピン42がフック部材43
の係合溝37から離脱される。
【0032】図6は、工具交換装置の要部平面図である
が、同図において工具ローダ12を構成するサドル30
は、同じく工具ローダ12を構成するナット29がボー
ルねじ27と噛み合うことにより、駆動モータ25の運
転によりボールねじ27を介して工具交換用受け部13
に対応する位置P1と工具交換位置P3との間において
レール上を前後方向に直線移動可能に懸架されている。
【0033】工具ローダ12を構成する回動軸21は、
前記サドル30の中央部に回動可能に支持され、該回動
軸21の下方部分には図2に示すようにカム44が固着
されている。カム44は、ボールねじ27に沿って延び
るようにフレーム17上に形成され、且つ工具交換アー
ム7と対応する側のー端部には湾曲部31aが形成され
ているカム溝31に係合する。回動軸21にはアーム4
7が固着され、さらに該アーム47の先端には回動体3
9が固着されており、前記回動体39に受け渡し用シリ
ンダ38が設けられている。サドル30が工具交換位置
P3と対応するー端部側に移動されたとき、湾曲部31
aの作用によりカム44を介して回動軸21が反時計方
向に回動し、アーム47に固着された回動体39に図6
の反時計方向の回動力が生起される。
【0034】そして、工具ローダ12がフック部材43
にて工具ポット11を把持した状態で、サドル30の移
動により工具交換位置P3と対応する前進位置に移動さ
れたときには、カム44とカム溝31の湾曲部31aと
の係合により、工具ローダ12の回動体39が図6の反
時計方向に回動される。これにより、工具5はその軸線
が主軸4の軸線方向と合致した工具交換位置P3に位置
される。
【0035】次いで、図1に示す工具交換アーム7の進
退動作と回動動作により、主軸4と工具ローダ12の工
具ポット11との間で、工具5が同時に脱着交換され
る。その後、工具ローダ12がサドル30の移動により
後方位置(図に向かって左方向)に復帰すると、カム溝
31の作用により、工具ローダ12上の工具5はその軸
線が横向きになるように回動体39とともに回動され
る。
【0036】図7は、加工機連続運転中における工具交
換予報カウンタが工具交換のカウントアップしたときの
工具交換のー手順を示すブロック図である。同図におい
て、加工機連続運転中に工具交換予報カウンタ24が工
具交換のカウントアップをしたとき、工具ローダ12は
工具交換用受け部13に対応する位置P1に移動し、工
具を置く。
【0037】作業者が工具交換開始の押釦スイッチ23
(上側)をONにすると、工具ローダ12は位置P1か
ら離れ、該工具ローダ12がP1の領域外にいることが
確認されると、シリンダ22のピストン20が上昇する
とともに、工具ローダストップ板19も上昇し、ピスト
ン20の下端が近接スイッチ45により検知されて工具
ローダストップ板19の上昇端が確認されるとともに、
駆動モータ25への動力供給がストップされ工具ローダ
12はP1の領域外即ち領域R(図1参照)内で停止
し、工具交換用受け部13の下降を防止するロック(図
示せず)が外され、工具交換用受け部13を手動で所定
の下方位置に下降することができ、工具交換が可能にな
る。
【0038】なお、工具ローダ12がP1の領域内にい
ることが確認されると、工具ローダ12は位置P1の領
域外に移動された後、工具ローダストップ板19が上昇
する。また、ストップ板上昇端が確認されない場合に
は、工具ローダストップ板19が上昇する。
【0039】ついで、作業者による工具交換が行われた
後、作業者が工具交換完了の押釦スイッチ23(下側)
をONにすると、工具ローダストップ板19が下降しピ
ストン20の下端が近接スイッチ46により検知されて
工具ローダストップ板19の下降端が確認され、もとの
上方の位置に復した工具交換用受け部13に前記のロッ
クがかけられ、駆動モータ25への動力供給が開始さ
れ、工具ローダ12は、移動停止を解除され、位置P1
の領域内へ移動することができる。
【0040】そして、工具交換完了の押釦スイッチをO
Nにしない間は、工具交換可能状態が続く。また、スト
ップ板下降端が確認されない場合には、再度工具ローダ
ストップ板が下降する。なお、これらの一連の制御動作
は、シーケンス自動制御により定められており、これら
の一連の過程においても、加工機は連続運転されてい
る。
【0041】図8は、加工機連続運転中において、工具
交換開始からの工具交換の一手順を示す他の実施例のブ
ロック図であり、図7の場合に比べて大きく異なる点
は、工具交換時に工具ローダ12が位置P1の領域外即
ち領域R(図1参照)内にいる場合であっても、工具ロ
ーダ12はシーケンス自動制御の指令を受けて必要な動
作をすることにある。
【0042】同図において、作業者が工具交換開始の押
釦スイッチ23(上側)をONにすると、工具ローダ1
2がP1の領域外にいるか否かが確認され、工具ローダ
12がP1の領域外にいることが確認されると工具ロー
ダストップ板19が自動的に上昇し、工具ローダ12が
位置P1の領域内にいることが確認されると、工具ロー
ダ12が位置P1の領域外に即ちRの領域(図1参照)
内に自動的に移動した後、工具ローダストップ板19が
上昇し、ピストン20の下端が近接スイッチ45により
検知されてストップ板上昇端が確認され、工具交換可能
となる。この場合、図1に図示しないロックが解除され
て工具交換用受け部13を手動で下降させることができ
る。なお、ストップ板上昇端確認が行われない場合に
は、再度工具ローダストップ板19は上昇する。
【0043】ついで、作業者による工具交換が行われた
後、工具交換完了の押釦スイッチ23(下側)をONに
すると、工具ローダストップ板19が下降し、ピストン
20の下端が近接スイッチ46により検知されて工具ロ
ーダストップ板19の下降端が確認されるとともに図1
に実線で示す位置に復した工具交換用受け部13が下降
しないようにロックがかかり、工具ローダ12の位置P
1の領域内への移動が可能となる。そして、ストップ板
19の下降端が確認されないときには、再度、工具ロー
ダストップ板19は下降する。なお、いままでに述べて
きた一連の制御動作は、シーケンス自動制御によって行
なわれる。
【0044】実施例1 図1において、主軸ヘッド3が鎖線で示す下方の加工位
置に配置された状態で、主軸4が回転されながら、コラ
ム2が図示しないテーブル上のワークに対して移動さ
れ、工具5によりワークに所定の加工が施される。工具
交換予報カウンタ24により、主軸4上の工具5の寿命
の間近いことがカウントアップされたときには、図1に
示す工具交換装置の工具交換位置P3にて図6に示す要
領で工具交換が行なわれ、該工具5は工具ローダ12に
より工具交換用受け部13に運ばれる。
【0045】工具交換予報カウンタ24の作動後に、作
業者が工具交換を行なうときには、工具交換開始及びス
トッパ入り指示の押釦スイッチ23(上側)をONにす
る。工具ローダ12がP1の領域外にいることが自動的
に確認されると工具ローダストップ板19が上昇してピ
ストン20の下端が近接スイッチ45により検知されて
ストップ板上昇端が確認されるとともに工具交換用受け
部13のロック(図示しない)が外され、また、駆動モ
ータ25への動力供給が停止され、工具ローダ12はP
1の領域外即ち領域R(図1参照)内に停止する(図7
参照)。なお、加工機は連続運転の状態にある。
【0046】作業者が手動で工具交換用受け部13を降
下して新旧の工具を交換する。工具交換が完了したとき
には、工具交換完了及びストッパ抜き指示の押釦スイッ
チ23(下側)をONにする。工具ローダストップ板1
9は下降し、ピストン20の下端が近接スイッチ46に
より検知されて工具ローダストップ板19の下降端が確
認され、ショックアブソーバ14の働きにより図1の実
線の如くもとの上方の位置に復した工具交換用受け部1
3に前記のロックがかけられるとともに、駆動モータ2
5への動力が供給され、工具ローダ12は位置P1の領
域内に移動することができることになる。なお、工具交
換予報カウンタ24がカウントアップした旧工具が工具
交換用受け部13に置かれている場合にあっても、加工
機より加工のために該工具が呼ばれたとき工具ローダス
トップ板19が下降しているかぎり工具ローダ12は工
具交換用受け部13の工具を取りに行き、工具交換装置
6に供給して、加工を続行する。
【0047】実施例2 上述の実施例1では、押釦スイッチ23(上側)をON
にすることにより、工具ロ一ダストップ板19が図1に
示す鎖線の位置に上昇するとともに、駆動モータ25へ
の動力供給が停止されて、工具ローダ12が工具交換用
受け部13の対応する位置P1に移動しないようにした
が、本実施例では駆動モータへの動力供給を停止するこ
となく、また、工具ローダ12は工具交換時においても
領域R(図1参照)内で必要な動作をするものである。
なお、いうまでもないが、実施例2にあっても実施例1
と同じくシーケンス自動制御が採用されている。
【0048】図1及び図8に基づいて本実施例を説明す
る。加工機連続運転中に旧工具が工具交換用受け部13
に搬送されて工具交換作業が行われる場合、作業者が工
具開始の押釦スイッチ23(上側)をONにすると(図
8参照)、制御盤18内に設けられた図示しない制御装
置により、工具ローダ12が工具交換用受け部13に対
応する位置P1の領域外にいるか否かが確認される。こ
のとき、工具ローダ12が対応する位置P1の領域内に
いるときには、工具ローダ12は位置P1の領域外即ち
図1に示す領域R内に移動される。
【0049】工具ローダ12が所望の位置にあることを
確認した後に、シリンダ22のピストン20が上昇し、
工具ローダストップ板19が工具マガジン9の他端と工
具交換用受け部13との間を図1の鎖線に示す如く上昇
する。工具ローダストップ板19の上昇端の確認は、近
接スイッチ45が該ピストン20の下端を検知すること
により行われ、工具ローダストップ板19は上昇した状
態で停止する。なお、前記の確認が行われた後、工具交
換用受け部13のロックが解除され、手動で下方に移動
させることができる。
【0050】工具ローダ12は、前記領域R内において
シーケンス制御されつつ必要な動作、例えば加工機の指
示を受けて搬送などの所定の動作を行う。このように、
工具ローダ12は、工具交換時に領域R内のみで動作す
るように制御されているので、作業者の安全が確保さ
れ、さらに万一に備えて工具ローダストップ板19が上
昇して作業者を保護し、二重の安全対策が講じられてい
る。
【0051】作業者が工具交換用受け部13を所定の位
置に下降させて新旧の工具を交換し、又は空の状態の工
具交換用受け部13に新工具を補給する。工具交換後、
作業者が工具交換完了の押釦スイッチ23(下側)をO
Nにすると、工具ローダストップ板19が下降し、ピス
トン20の下端が近接スイッチ46により検知されて工
具ローダストップ板19の下降端が確認されるととも
に、図1に実線で示すように元の位置にもどった工具交
換用受け部13に図示しないロックがかけられ下降が防
止され、工具ローダ12の移動領域の規制が解除され
る。なお、この一連の過程においても、加工機は連続運
転中である。本実施例では、作業者は、工具交換開始押
釦スイッチをONにするだけで、万全の安全対策が講じ
られた工具交換可能状態において工具交換作業を行うこ
とができ、しかも加工機は連続運転中であり、また、工
具ローダ12は工具交換中にあっても所定の動作をして
いるので、生産性の向上は顕著であった。
【0052】
【発明の効果】請求項1及び2の発明によれば、加工機
の連続運転中に作業者が工具交換作業をする際に、工具
ローダが工具交換用受け部に対応する位置に来ないよう
に制御されており、したがって作業者は安全に工具を交
換することができるとともに、加工機を停止することな
く連続運転させることができるので、安全面と生産性の
両面から顕著な効果が奏される。
【0053】請求項3及び4の発明によれば、加工機の
連続運転中に作業者が工具交換用受け部における工具交
換作業をする際に、工具ローダが工具交換用受け部に対
応する位置に来ないように制御され、工具交換時の安全
性と加工機の連続運転による生産性の両面に優れたマガ
ジン工具交換装置が提供される。
【0054】請求項5及び6の発明によれば、加工機の
連続運転中に作業者が工具交換作業をする際に、工具ロ
ーダが工具交換用受け部に対応する位置にこないように
制御されるとともに、万一に備えてさらに工具ローダス
トッパが設けられ、二重に安全対策が講じられ、しかも
工具交換時においても加工機を連続運転できる特徴を備
えたマガジン工具交換装置が提供されるという顕著な効
果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマガジン工具交換装置の正面図であ
る。
【図2】図1の工具ローダとボールねじと工具マガジン
との関係を示す斜視図である。
【図3】工具マガジンに収納状態の工具ポットを示す平
面図である。
【図4】図1の工具ローダ及び工具マガジンに収納状態
の工具ポットの部分を拡大して示す部分正面図である。
【図5】図4において矢印方向に見た工具ローダに係合
した工具ポットを示す側面図である。
【図6】工具交換装置の要部平面図である。
【図7】工具交換の手順を示すブロック図である。
【図8】工具交換の手順を示す別のブロック図である。
【図9】従来の工具交換装置の正面図である。
【符号の説明】
M 加工機 1 ベース 2 コラム 3 主軸ヘッド 4 主軸 5 工具 6 工具交換装置 7 工具交換アーム 8 工具把持部 9 工具マガジン 10 保持部 11 工具ポット 12 工具ローダ 13 工具交換用受け部 14 ショックアブソーバ 19 工具ローダストップ板 21 回動軸 23 押釦スイッチ 24 工具交換予報カウンタ 27 ボールねじ 29 ナット 30 サドル 31 カム溝 35 第1係合溝 37 係合溝 38 受け渡し用シリンダ 39 回動体 40 ピストンロッド 41 把持アーム 42 ピン 43 フック部材 44 カム 45 近接スイッチ(上昇端確認) 46 近接スイッチ(下降端確認) 47 アーム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主軸と、複数の保持部が一方向に開口した
    状態で直線上に配置されてなる工具マガジンと、該工具
    マガジンの一端側に設けられた工具交換装置と、該工具
    マガジンの他端側に設けられた工具交換用受け部と、工
    具の受け渡しを行う工具ローダとを備えたマガジン工具
    交換装置において、工具交換用受け部における工具交換
    時に前記工具ローダが該工具交換用受け部に対応する位
    置に移動しないようにして前記工具交換用受け部におけ
    る工具交換作業を行なうことを特徴とするマガジン工具
    交換方法。
  2. 【請求項2】工具ローダが、工具交換位置と該工具マガ
    ジンの各保持部に対応する位置と該工具交換用受け部に
    対応する位置との間を移動して、該工具交換装置に備え
    られた工具交換アームと該工具マガジンの保持部と該工
    具交換用受け部との間で工具の受け渡しを行なう工具ロ
    ーダである請求項1に記載のマガジン工具交換方法。
  3. 【請求項3】主軸と、複数の保持部がー方向に開口した
    状態で直線上に配列されてなる工具マガジンと、該工具
    マガジンのー端側に設けられた工具交換装置と、該工具
    マガジンの他端側に設けられた工具交換用受け部と、工
    具の受け渡しを行なう工具ローダとを備えた工具交換装
    置において、該工具交換用受け部における工具交換時に
    該工具ローダが該工具交換用受け部に対応する位置に移
    動させないように構成したことを特徴とするマガジン工
    具交換装置。
  4. 【請求項4】工具ローダが、工具交換位置と該工具マガ
    ジンの各保持部に対応する位置と該工具交換用受け部に
    対応する位置との間を移動して、該工具交換装置に備え
    られた工具交換アームと該工具マガジンの保持部と該工
    具交換用受け部との間で工具の受け渡しを行なう工具ロ
    ーダである請求項3に記載のマガジン工具交換装置。
  5. 【請求項5】工具ローダストッパが、さらに備えられて
    いる請求項3又は4に記載のマガジン工具交換装置。
  6. 【請求項6】該工具ローダストッパが、前記工具マガジ
    ンの他端と前記工具交換用受け部との間に、該工具ロー
    ダの進行方向に対して略直角に移動自在に設けられた請
    求項5に記載のマガジン工具交換装置。
JP32211498A 1997-12-02 1998-11-12 マガジン工具交換方法及びマガジン工具交換装置 Pending JPH11239940A (ja)

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