JPH0294109A - 磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置

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JPH0294109A
JPH0294109A JP24456188A JP24456188A JPH0294109A JP H0294109 A JPH0294109 A JP H0294109A JP 24456188 A JP24456188 A JP 24456188A JP 24456188 A JP24456188 A JP 24456188A JP H0294109 A JPH0294109 A JP H0294109A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁性金属微粒子とその酸化物との混合物よりな
る磁性層を非磁性基体上に形成して成る磁気記録媒体と
その製造方法及びそれを用いた磁気記録再生装置に係り
、特に磁気特性の優れた垂直磁気記録媒体に好適な磁気
記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置
に関するものである。
〔従来の技術〕
磁気記録の分野における記録密度の向上は近年著しいも
のがある。特に垂直磁気記録方式は現在実用化されてい
る面内磁気記録方式とは異なり、記録密度が高くなるほ
ど自己減磁作用が小さくなる特徴を有し、将来の磁気記
録方式として注目を集め精力的に研究がなされている。
垂直磁気記録媒体に関しては、例えば岩崎らによってC
o−Cr合金の特性について、アイ・イー・イー・イー
、トランザクション オン マグネチックス、エム、ニ
ー、ジー14,849 (1978年)((S、Iwa
saki and K、0uchi : IEEE T
rans、 Magn、。
MAG−14,849(1978))において論じされ
ている。
Go−Cr合金は磁気異方性、飽和磁化ともに大きく、
垂直磁気記録媒体として優れた特性を備えている。とこ
ろが、Go−Cr合金は金属であるために摩耗しやすい
問題点がある。このような観点から、例えば特開昭59
−140629号に見られるように酸化物との混合物で
あるCo部分酸化膜が検討され、磁気異方性の大きな垂
直磁化膜が得られている。また、例えば、日本応用磁気
学会誌、Vol、11゜No、2.1987. p、6
1に見られるように、Fe−C。
の部分酸化膜を用いた垂直磁気記録媒体の研究も盛んに
行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記Co部分酸化膜及びFe−Co部分酸化膜
では飽和磁化(M s )が103kA/m以下の範囲
で垂直磁化膜が得られるものの、実際に磁気ヘットを用
いて記録再生を行うと再生出方が低く、磁気記録媒体と
しては不十分な特性しか得られていない。
磁気ヘッドとの摺動による耐摩耗性を改善する上で、こ
れらの磁性金属を部分的に酸化することは確かにそれな
りの効果が認められるが、上述のとおり、再生出力の点
で不十分であり、更に特性の改善が望まれていた。
本発明の目的は、この課題を解決することにあり、その
第1の目的は、記録再生出方の高い実用に供する改良さ
れた垂直磁気記録媒体を、第2の目的はその製造方法を
、そして第3の目的はそれを用いた記録再生装置をそれ
ぞれ提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記本発明の第1の目的は、非磁性基体上に磁性金属微
粒子とその酸化物から成る磁性層を形成して成る磁気記
録媒体であって、前記磁性金属微粒子を岩塩型結晶構造
を有する前記磁性金属の酸化物結晶中に分散せしめ、柱
状組織化を防ぐべく結晶粒の成長を押え、等方向な組織
構造として成ることを特徴とする磁気記録媒体により、
達成される。
そして、更に好ましい特徴点を列挙すると下記のとおり
である。
(1)上記磁性金属微粒子の短軸長が4〜30nm、よ
り好ましくは4〜20nm、長軸長が5〜40nm、よ
り好ましくは5〜25nmであると共に上記磁性層中に
含まれる前記金属微粒子の割合が体積比で20〜85%
であることを特徴とする。この短軸、長軸の軸比につい
ては、長軸長/短軸長が1.0〜10.0、より好まし
くは1.0〜5.0である。また、金属微粒子のより好
ましい割合は45〜75%である。耐摩耗性の点からは
酸化物の多い方が好ましいが、磁気特性の面からは少な
い方が良く、これら両者の関係から上記の好ましい割合
が設定される。
(2)  1−起磁性金属微粒子がコバルト、鉄、ニッ
ケル及びこれらの合金から成る群から選択されて成る少
なくとも1種から成ると共に上記その酸化物が酸化コバ
ルト、酸化鉄、酸化ニッケル及びこれらの混晶から成る
群から選択されて成る少なくとも1種の金属酸化物から
成ることを特徴とする。
(3)−,1−起磁性層中に含まれる磁性金属酸化物の
方位分散として、磁性膜面に対して垂直の方向を基準と
した場合に<1.11>方位が<100>方位より優勢
であることを特徴とする。
なお、磁性層を構成する材料としては、磁気ヘットとの
磁気特性(保磁力)を所定値に合せるためにその調整剤
として、上記磁性層中に保磁力を減少させるものとして
、T]、A Q 、 Mn、 Ta、Nb、Zrを、逆
に保磁力を増加させるものとして、W、Mo、Pt、R
u、Re等の金属を原子%で0.1〜10%含有せしめ
ることもできる。
次に、本発明の第2の目的は、酸素ガス含有雰囲低下で
磁性金属粒子を蒸発させ非磁性基体上に、磁性金属微粒
子とその酸化物から成る磁性層を蒸着により形成する磁
気記録媒体の製造方法であって、前記蒸着による磁性層
の形成速度を50nm/s以下の低速下で行うことを特
徴とする磁気記録媒体の製造方法により、達成される。
そして、好ましい上記磁性金属微粒子としては、コバル
ト、鉄及びニッケル及びこれらの合金から成る群から選
択されて成る少なくとも1種から成ることを特徴とする
が、その他必要に応じ磁気ヘッドの特性に合わせて保磁
力を調整するために保磁力の増、減可能なその他の金属
元素を加えることもできる。
磁性層の形成は、周知の電子ビーム溶解による蒸着の他
、高周波電力やマイクロ波電力印加によるプラズマ発生
装置によるスパッタリングにより容易に形成でき、酸化
物の形成は膜形成雰囲気中の酸素ガス分圧を調整するこ
とにより所定の酸素含有量を形成できる。また、蒸着速
度つまり磁性層の形成速度は、投入する電力を調整する
ことにより任意に制御可能である。この磁性層のより好
ましい形成速度は30〜0.3nm/s、更に好ましく
は3 、0−0 、3 n m / sである。0.3
nm/sより遅い速度でも可能であるが、余り遅いと必
要な膜厚を形成するのに相当の時間を要するため実用的
でない。磁性層の膜面垂直方向保磁力(HCJL)特性
の点から見ると形成速度が遅くなるほどその値は大きく
なる傾向にあるが、工業的な生産性の面から上記の好ま
しい速度が設定される。
本発明の第3の目的は、磁気記録媒体と、それを走行さ
せる駆動手段と、この磁気記録媒体に情報を記録する磁
気ヘッドと、再生ヘッドとから成る磁気記録再生装置で
あって、上記磁気記録媒体を本発明の第1の目的を達成
することのできる上記磁気記録媒体で構成して成ること
を特徴とする記録再生装置により、達成される。
再生ヘッドとしては、磁気ヘッドの他に、例えばファラ
デーもしくはカー効果などの光学的手段による光ヘット
を用いることにより、高密度で転送速度の速い、光磁気
記録再生装置を実現することができる。
以上のとおり、本発明の目的を達成するための手段につ
いて詳述してきたが、ここで以下のとおり総括してみる
これまでに報告されているCo系部分酸化膜では金属微
粒子が酸化物中で柱状のコラム構造を成し、その柱状組
織構造が垂直磁気異方性発生の主要因とされている(中
村、谷他ニジエイ・ジェイ・ニー・ピー・23 (6)
エル397 (1984年)(K。
Nakamura、 N、Tan1 et、 al、 
: J、J、A、P、 23 (6) LaO2(19
84))。しかしながら、このような従来例では、飽和
磁化(M s )の値が5−600kA/m以上の領域
では強磁性金属粒子が肥大化、もしくは隣り合った粒子
同士が接触するために、結果として、膜の面内方向の磁
気的相互作用が強まり、垂直磁気記録媒体としての充分
な垂直磁気異方性を有する薄膜が得られていない。
そこで、本発明では強磁性金属微粒子の大きさを磁性膜
厚方向に関しても微細化し、強磁性金属微粒子の柱状成
長を防いだ。その結果、後の実施例の項で述べるように
飽和磁化(M s )が5〜600k A / m以上
の領域においても、大きな垂直磁気異方性を有し、実際
に磁気ヘッドを用いた記録再生においてもこれまでにな
い良好な特性が得られるようになった。
このような部分酸化膜は従来例と同じ装置を用い酸素雰
囲気中でCo、Fe、Ni等の磁性金属を蒸着すること
により作製されるが、上述の強磁性金属の蒸着速度を従
来例のおよそ1100n/sに比べ著しく遅い50nm
/s以下、実用的には30−0.3nm/Sという遅い
速度とし、金属微粒子が成長する前に酸化被膜が形成さ
れるように工夫した点が異なる。このような方法で形成
した部分酸化膜は、後の実施例で示すように強磁性金属
微粒子は従来例で示されたような柱状の形状ではなく、
その長軸長の長さにおいても40nm以下、望ましくは
25nm以下の粒状の粒子がマトリックス状に分散され
ている構造であり、これまでに無い良好な磁気特性を有
する垂直磁気記録媒体であった。
〔作用〕
特に柱状構造の組織を持たず、酸化物中に金属微粒子を
分散せしめた構造の磁性膜が良好な垂直磁気記録特性を
有する明確な理由は明らかではないが、以下にように考
えられる。
第1図に本発明により作製した垂直磁気記録媒体の磁性
層断面の微細組織の模式図を示す。磁性層は強磁性の金
属微粒子1を酸化物2中に分散せしめた構造であり、薄
膜全体としては垂直磁気異方性を発生するような形状的
要因はほとんど無い。
しかし、実際に良好な垂直磁気記録特性を示すことから
、第1図で示すところの金属微粒子もしくはその周囲を
も含めたミクロな領域では垂直方向の磁気異方性が優勢
になっているのではないかと考えられる。なおそのミク
ロな領域で垂直磁気異方性が発生する理由は明確ではな
いが、酸化物である例えばCoo、Fe○、NiOもし
くはそれらの混晶の磁性膜面に対して垂直方向の結晶方
位分散が<100>方位に比べく111>方位が優勢で
ある場合に、特に磁気特性が優れていることから、強磁
性の金属微粒子と反強磁性の酸化物との交換相互作用に
より垂直磁気異方性を発生してぃるものと推定される。
また、−船釣に、薄膜形状で垂直磁気記録媒体を実現す
るためには垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値が薄
膜の形状磁気異方性エネルギー(2x M”s、 Ms
 :飽和磁化)に対し、Ku>2πM ” sもしくは
それに近い条件であることが必要とされていた。そのた
め、これまで実現されてきたCo−Crなどの垂直磁気
記録媒体は磁性面に対し垂直方向の柱状組織を形成し、
結晶磁気異方性と柱状組織による形状磁気異方性の相乗
効果により、Ku)2πM ’ sもしくはそれに近い
条件を満たすようにしている。なぜなら、この条件を満
たさない媒体では良好な記録再生特性が得られなかった
からである。
これに対し、本発明で得られた垂直磁気記録媒体は例え
ば飽和磁化(M s )が1200kA/mの媒体の場
合、薄膜形状で測定した垂直磁気異方性エネルギー(K
u)の値が面内形状異方性エネルギー(2πM 2s 
)の0.6倍程度であるにもかかわらず垂直磁気記録が
可能であり、これまでに無い良好な記録再生特性が得ら
れた。これは本発明で得られた垂直磁気記録媒体では、
薄膜状態で測定される垂直磁気異方性エネルギー(Ku
)は面内形状異方性エネルギー(2πM 2s )に比
べ、飽和磁化の大きな領域では小さくなるにもかかわら
ず、実際に垂直磁気記録される場合には第2図に示すよ
うに柱状に近い磁区が形成され易くなるためである。な
お、同図において、大きな矢印3は記録磁化の方向を、
そして小さな矢印3′は磁性金属微粒子1の磁化方向を
それぞれ示す。この膜面垂直方向に磁区が形成され易い
性質は、本発明の垂直磁気記録媒体が第1図に示したよ
うな金属微粒子を酸化物中に分散させた独特な構造であ
ることに起因しているためと推察される。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細な説明する。
実施例1 第3図に示した真空蒸着装置を用いてポリイミド基板4
上にGo部分酸化膜を形成した。coは電子ビーム加熱
蒸着源6を用いて溶解し、蒸着した。
また部分酸化を行うための酸素ガス導入はニードルバル
ブ8により調整した。
まず、部分酸化膜を形成する際の蒸着速度について検討
するために、基板温度を30℃と一定にして、Coの蒸
着速度を0.3.3.3o、100r+m/sとそれぞ
れ異なる条件で厚さ200nmのCo部分酸化膜から成
る磁性層を作製した。なお、形成した部分酸化膜の飽和
磁化(Ms)が約1000kA/mと同一になるように
蒸着中の酸素分圧を4 X 10−’ Torrから1
O−3T orrの範囲で調整した。これらのCo部分
酸化膜について試料振動型磁力計を用いて測定した膜面
垂直方向の保磁力(He )ならびに磁気トルクメータ
を用いて測定した垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の
値を第1表に示す。
第1表 ×比較例(従来例) Coの蒸着速度が従来の1100n/sの場合、膜面垂
直方向の保磁力は48kA/m、垂直磁気異方性エネル
ギー(Ku)の値は2.7X 105J 7m3であっ
た。
この場合、垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値は、
薄膜形状に起因する面内形状異方性エネルギー(2TM
 ” s )の半分以下である。そのため、実際に磁気
ヘッドを用いて記録を試みても、膜面垂直方向に磁化を
記録することはできなかった。
次に、Coの蒸着速度を遅くした場合、垂直方向保磁力
(He上)及び垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値
は大幅に増加する傾向が見られた。
特に、Coの蒸着速度を0.30m/sとした場合には
垂直方向保磁力(He)が140kA/m、垂直磁気異
方性エネルギー(Ku)が4.6X10’ J /m”
と大きな値が得られた。この場合、垂直磁気異方性エネ
ルギー(Ku)は薄膜形状に起因する面内形状異方性エ
ネルギー(2TM 2s )の0.7倍程度であるが、
実際に磁気ヘッドを用いて記録を試みたところ膜面垂直
方向に磁化が記録され、後述するように、これまでにな
い良好な記録再生特性が得られた。
次に蒸着条件として、基板温度を30℃、Coの蒸着速
度を0.3Tm/sと同一にし、蒸着前の酸素導入圧力
を2mPaから20mPaの間で変化させ、飽和磁化(
M s )の値が、330.520.600.850.
1000.1200kA/mのCo部分酸化膜を作製し
た。なお、膜厚はいずれも200nm程度である。これ
らのCo部分酸化膜について試料振動型磁力計を用いて
測定した磁気特性値を第2表に示す。
第2表 また、磁気トルクメータを用いて測定した00部分酸化
膜の垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値を第4図に
示す。また、これらの00部分酸化膜の記録再生特性を
ギャップ長0.2μmの磁気ヘッドを用いて測定した結
果として、低周波規格化再生比カニE1oh(巻線1タ
ーン、相対速度1m/S、トラック幅1μm、線記録密
度10kPCIにおける値)と出力半減線記録密度(D
S O)の値を第5図にまとめた。
第5図に示すように飽和磁化(M s )の値が330
から1200kA/mの範囲でいずれも良好な垂直磁気
記録特性が得られた。なお、これらの中で、飽和磁化(
M s )の値が1000kA/m及び1200k A
 / mのCo部分酸化膜では、第4図に示したように
垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値が面内形状異方
性エネルギー(2TM 2s )の値のそれぞれ0.8
及び0.6程度であるにもかかわらず、良好な垂直磁気
記録特性が得られている。
垂直磁気記録の分野において、このようなことはこれま
でに無かったことである。これは、強磁性の金属微粒子
を酸化物中に分散せしめ、かつ薄膜形状で泪測し得ない
ミクロな領域での垂直磁気異方性をもたせたことに起因
するものと推察される。
第6図(a)には上記したCo部分酸化膜の微細組織構
造を示す一例として、飽和磁化(M s )の値が52
0kA/mのCo部分酸化膜の断面方向からfR察した
透過電子顕微鏡写真を示す。なお、第6図(b)には組
織の模式図を示したものであり、1は磁性金属微粒子、
2はその酸化物マトリックスをそれぞれ示す。写真の中
で黒っぽく見える粒状の部分が金属Coの微粒子の像で
あり、10nmないし30nmの粒径の金属Coの微粒
子が、はとんど均一に膜中に分散しており、柱状構造の
ような膜面垂直方向への大きな形状磁気異方性を発生す
る構造ではない。従って、本実施例で示した00部分酸
化膜の垂直磁気異方性は柱状構造のような形状磁気異方
性が主要因ではなく、膜内部のミクロな領域、即ち酸化
物をも含む金属微粒子近傍内で発生しているものと考え
られる。
なお、上述したCo部分酸化膜にTiをCoに対して3
.5at%添加したCo部分酸化膜の磁気特性の典型例
を第4図、記録再生特性値を第5図の中に◇もしくは◆
印で示した。Tiを添加することにより、第5図中に示
したように記録再生特性が向上した。これはTiを添加
することにより、垂直方向の保磁力(Hc上)が減少し
、磁気ヘッドによる書き込み効率が向上したためである
。またTiを添加した00部分酸化膜では、第7図(a
)の透過電子顕微鏡写真に示すように、第6図(a)で
示した何も添加していない00部分酸化膜中の金属CO
の微粒子に比べ、さらに微粒子化し、微粒子の粒径は1
0nm程度になっていた。第7図(b)は第6図(b)
と同様に、組織の模式図を示した。
なお、このように粒子がより微粒子化し、保磁力が減少
する傾向はTiの他にA℃、Mn、 Ta、 Nb、Z
r等の元素を添加した場合にも見られた。なお、W、M
o、Pt、Ru、Re等の元素を添加した場合には保磁
力が増加する傾向がみられた。
以下余白 実施例2 実施例1で述べた方法と同様の方法でCo−Fe合金、
Co−Ni合金を蒸着原料に用いてCo−Fa、Go−
Ni合金の部分酸化膜を作製した。作製したGo−Fe
及びCo−Ni合金の部分酸化膜の磁気特性の例を第3
表に示す。
第3表 実施例1と同様に蒸着時の基板温度が30℃、蒸着速度
が0.3nm/sの条件では、Feを4at%添加した
場合には良好な磁気特性を得たが、Feが19at%か
ら76at%含まれるCo−Fe合金の部分酸化膜では
垂直方向の保磁力()(c上)が30k A / m以
下と小さく良好な垂直磁気記録媒体が得られなかった。
なお、蒸着時の基板温度を150℃と高くしてFeを1
9at%含有した試料NαCF−19Hで表示したGo
−Fe合金の部分酸化膜を作製した結果、第3表中に示
すように比較的良好な磁気特性が得られた。
第8図にFeを含まないCo部分酸化膜(曲線A)、F
eを4at%(曲線B)、19at%(曲線C)、61
at%(曲線D)含有するCo−Fe合金の部分酸化膜
のX線回折強度曲線を示す。良好な磁気特性を示した部
分酸化膜ではこの図の曲線A、B、Eに示すように、C
ooもしくはFeOもしくはそれらの混晶の111反射
が200反射に比べ優勢に現われている。一方垂直方向
の保磁力(Hc上)が小さく、好ましい磁気特性の得ら
れなかった部分酸化膜では曲線C,Dに示すように11
1反射に比べ200反射の方が優勢に現われている。即
ち、垂直磁気異方性が発生している部分酸化膜では、膜
面垂直方向にCoo、FeO等の岩塩型構造の酸化物の
<111>方位が<100>方位に比べ優先約に配向し
ていることが分かる。
な才辷本実施例で示したFeを4at%含むCo−Fe
合金の部分酸化膜及びN1を5at%及び10at%含
むCo−Ni合金の部分酸化膜においても実施例1で示
した記録再生特性と同様の優れた記録再生特性が得られ
た。
実施例3 実施例1−で述べた方法と同様の方法でFe及びFe−
Ni合金を蒸着原料に用いてFe及びFeN1合金の部
分酸化膜を作製した。従来例との比較のためにFe及び
Fe−Ni合金の蒸着速度は1100n/s(従来)と
0.3nm/s (本実施例)とした。
なお、蒸着時の基板温度は30℃である。また、いずれ
の部分酸化膜においても、飽和磁化(M s )が80
0kA/mとなるように酸素ガス導入量を適宜調整した
。また、本実施例で作製したFe−Ni合金の部分酸化
膜中に含まれるNiの割合はFeとN」の和に対して5
at%であった。
作製したFC及びFe−Ni合金の部分酸化膜の磁気特
性を以下の第4表に示す。
第4表 Fe及びFe−Ni合金の部分酸化膜の場合、実施例1
及び実施例2で示したCOを主成分とする部分酸化膜に
比へ垂直方向保磁力(Hc上)が小さく、特性的には劣
っているが、従来例である蒸着速度が1100n/sの
場合に比べ蒸着速度を0.3nm/sと遅くすることに
より、垂直方向保磁力(I(C,L)が2倍以上に増加
し、垂直磁気異方性が格段に向上していることが分かる
実施例4 第9図に本発明による垂直磁気記録媒体を光磁気記録再
生に応用した場合の装置の概略を示す。
同図に示すように光透過性の良いテープ14上に形成し
た垂直磁気記録媒体9をテープ送り機構(図=23 面省略)に取り付け、信号記録用の磁気ヘッド10と光
再生システム15を構成する偏光子11、レーザビーム
12、検光子13を備えた装置である。なお、垂直磁気
記録媒体9は実施例]と同じ条件で作製したものであり
、作製した垂直磁気記録媒体9の磁気特性は飽和磁化<
Ms)が520kA/m、垂直方向保磁力(Hci)が
72kA/m、垂直方向角形比(Mr/Ms)工が0.
19である。また、信号記録に使用した磁気ヘッド10
はギャップ長が0.5μm、トラック幅が5μmのもの
である。また光再生系に用いた光源は波長が830nm
の半遵体レーザーであり、17zmのスポット程に集光
した。
このように信号記録を磁気ヘッドで行い、信号再生を光
再生システムで行って記録再生特性を評価したところ、
0.7μmのビット長において、C/N比が約45dB
 (ノイズ帯域幅30kHz)の良好な特性が得られた
〔発明の効果〕
本発明による磁気記録媒体は、垂直磁気記録再生特性が
優れており、所期の目的を達成することができた。また
、この磁気記録媒体は製造方法が簡単であり、室温で作
製が可能であるから耐熱性の弱い基板上にも形成できる
。また実施例で示したように飽和磁化が1000k A
 / m以上の磁気記録媒体を作製した場合にも垂直磁
気記録が可能であり、高い記録再生出力が得られる。ま
た、磁性金属微粒子の粒径が小さいことから、高いS/
N比及び高密度磁気記録が期待でき、実用上の利点は大
きい。
また実施例では蒸着法により基板上に直接垂直磁気記録
媒体を作製した例について説明したが、例えば金属Co
を酸素ガス中で蒸発し、表面がC00で覆われた金属C
O微粒子を作製し、その粉末をフィルム上に塗布する方
法によっても優れた特性を有する垂直磁気記録媒体を得
ることができる。
また本発明による磁気記録媒体を光磁気記録再生装置に
応用した例として、実施例ではファラデー効果を利用し
た装置について示したが、カー効果を利用した場合しこ
おいても同様である。このように本発明による磁気記録
媒体を用いることにより、磁気ヘッドによる信号記録及
び光によって信号再生する光磁気記録再生装置が実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の垂直磁気記録媒体の断面構成を示した
微細組織の模式図、第2図は同しく本発明の磁気記録媒
体における磁化記録状態の模式図、第3図は本発明の磁
気記録媒体の作製に用いた電子ビーム加熱蒸着装置の概
略断面図、第4図はCo部分酸化膜の垂直磁気異方性エ
ネルギーの飽和磁化依存性、第5図はCo部分酸化膜の
記録再生特性、第6図はCo部分酸化膜断面の透過電子
顕微鏡像、第7図はT1を3.5at%添加したCo部
分酸化膜断面の透過電子顕微鏡像、第8図はC。 −Fe合金の部分酸化膜のX線回折強度曲線図、第9図
は本発明による垂直磁気記録媒体を用いた光磁気記録再
生装置の概略図である。 符号の説明 1・・・金属微粒子    2・・・酸化物3・記録磁
化     4・・ポリイミド基板・・Co蒸気流 電子ビーム加熱蒸着源 02ガス流     8・・・ニードルバルブ垂直磁気
記録媒体 10・・磁気ヘッド偏光子      12
・・レーザビーム検光子

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、非磁性基体上に磁性金属微粒子とその酸化物から成
    る磁性層を形成して成る磁気記録媒体であって、前記磁
    性金属微粒子を岩塩型結晶構造を有する前記磁性金属の
    酸化物結晶中に分散せしめ、柱状組織化を防ぐべく結晶
    粒の成長を押え、等方的な組織構造として成ることを特
    徴とする磁気記録媒体。 2、上記磁性金属微粒子の短軸長が4〜30nm、長軸
    長が5〜40nmであると共に上記磁性層中に含まれる
    前記金属微粒子の割合が体積比で20〜85%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 3、上記磁性金属微粒子がコバルト、鉄、ニッケル及び
    これらの合金から成る群から選択されて成る少なくとも
    1種から成ると共に上記その酸化物が酸化コバルト、酸
    化鉄、酸化ニッケル及びこれらの混晶から成る群から選
    択されて成る少なくとも1種の金属酸化物から成ること
    を特徴とする請求項1もしくは2記載の磁気記録媒体。 4、上記磁性層中に含まれる磁性金属酸化物の方位分散
    として、磁性膜面に対して垂直の方向を基準とした場合
    に<111>方位が<100>方位より優勢であること
    を特徴とする請求項1、2もしくは3記載の磁気記録媒
    体。 5、酸素ガス含有雰囲気下で磁性金属粒子を蒸発させ非
    磁性基体上に、磁性金属微粒子とその酸化物から成る磁
    性層を蒸着により形成する磁気記録媒体の製造方法であ
    って、前記蒸着による磁性層の形成速度を50nm/s
    以下の低速下で行うことを特徴とする磁気記録媒体の製
    造方法。 6、上記磁性金属微粒子がコバルト、鉄及びニッケル及
    びこれらの合金から成る群から選択されて成る少なくと
    も1種から成ることを特徴とする請求項5記載の磁気記
    録媒体の製造方法。 7、磁気記録媒体と、それを走行させる駆動手段と、こ
    の磁気記録媒体に情報を記録する磁気ヘッドと、再生ヘ
    ッドとから成る磁気記録再生装置であって、上記磁気記
    録媒体を請求項1、2、3もしくは4記載の磁気記録媒
    体で構成して成ることを特徴とする記録再生装置。
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