JP2898996B2 - 磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置 - Google Patents
磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁性金属微粒子とその酸化物との混合物より
なる磁性層を非磁性基体上に形成して成る磁気記録媒体
とその製造方法及びそれを用いた磁気記録再生装置に係
り、特に磁気特性の優れた垂直磁気記録媒体に好適な磁
気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装
置に関するものである。
なる磁性層を非磁性基体上に形成して成る磁気記録媒体
とその製造方法及びそれを用いた磁気記録再生装置に係
り、特に磁気特性の優れた垂直磁気記録媒体に好適な磁
気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装
置に関するものである。
磁気記録の分野における記録密度の向上は近年著しい
ものがある。特に垂直磁気記録方式は現在実用化されて
いる面内磁気記録方式とは異なり、記録密度が高くなる
ほど自己減磁作用が小さくなる特徴を有し、将来の磁気
記録方式として注目を集め精力的に研究がなされてい
る。
ものがある。特に垂直磁気記録方式は現在実用化されて
いる面内磁気記録方式とは異なり、記録密度が高くなる
ほど自己減磁作用が小さくなる特徴を有し、将来の磁気
記録方式として注目を集め精力的に研究がなされてい
る。
垂直磁気記録媒体に関しては、例えば岩崎らによって
Co−Cr合金の特性について、アイ・イー・イー・イー、
トランザクション オン マグネチックス、エム、エ
ー、ジー14、849(1978年){(S.Iwasaki and K.Ouch
i:IEEE Trans.Magn.,MAG−14,849(1978)}において論
じされている。Co−Cr合金は磁気異方性、飽和磁化とも
に大きく、垂直磁気記録媒体として優れた特性を備えて
いる。ところが、Co−Cr合金は金属であるために摩耗し
やすい問題点がある。このような観点から、例えば特開
昭59−140629号に見られるように酸化物との混合物であ
るCo部分酸化膜が検討され、磁気異方性の大きな垂直磁
化膜が得られている。また、例えば、日本応用磁気学会
誌、Vol.11,No.2,1987,p.61に見られるように、Fe−Co
の部分酸化膜を用いた垂直磁気記録媒体の研究も盛んに
行われている。
Co−Cr合金の特性について、アイ・イー・イー・イー、
トランザクション オン マグネチックス、エム、エ
ー、ジー14、849(1978年){(S.Iwasaki and K.Ouch
i:IEEE Trans.Magn.,MAG−14,849(1978)}において論
じされている。Co−Cr合金は磁気異方性、飽和磁化とも
に大きく、垂直磁気記録媒体として優れた特性を備えて
いる。ところが、Co−Cr合金は金属であるために摩耗し
やすい問題点がある。このような観点から、例えば特開
昭59−140629号に見られるように酸化物との混合物であ
るCo部分酸化膜が検討され、磁気異方性の大きな垂直磁
化膜が得られている。また、例えば、日本応用磁気学会
誌、Vol.11,No.2,1987,p.61に見られるように、Fe−Co
の部分酸化膜を用いた垂直磁気記録媒体の研究も盛んに
行われている。
しかし、上記Co部分酸化膜及びFe−Co部分酸化膜では
飽和磁化(Ms)が103kA/m以下の範囲で垂直磁化膜が得
られるものの、実際に磁気ヘッドを用いて記録再生を行
うと再生出力が低く、磁気記録媒体としては不十分な特
性しか得られていない。
飽和磁化(Ms)が103kA/m以下の範囲で垂直磁化膜が得
られるものの、実際に磁気ヘッドを用いて記録再生を行
うと再生出力が低く、磁気記録媒体としては不十分な特
性しか得られていない。
磁気ヘッドとの摺動による耐摩耗性を改善する上で、
これらの磁性金属を部分的に酸化することは確かにそれ
なりの効果が認められるが、上述のとおり、再生出力の
点で不十分であり、更に特性の改善が望まれていた。
これらの磁性金属を部分的に酸化することは確かにそれ
なりの効果が認められるが、上述のとおり、再生出力の
点で不十分であり、更に特性の改善が望まれていた。
本発明の目的は、この課題を解決することにあり、そ
の第1の目的は、記録再生出力の高い実用に供する改良
された垂直磁気記録媒体を、第2の目的はその製造方法
を、そして第3の目的はそれを用いた記録再生装置をそ
れぞれ提供することにある。
の第1の目的は、記録再生出力の高い実用に供する改良
された垂直磁気記録媒体を、第2の目的はその製造方法
を、そして第3の目的はそれを用いた記録再生装置をそ
れぞれ提供することにある。
上記本発明の第1の目的は、非磁性基体上に磁性金属
微粒子及びその磁性金属の酸化物の混合物から成る磁性
層を形成して成る磁気記録媒体であって、前記磁性金属
微粒子の長軸長が40nm以下に柱状組織化が防がれた粒状
の形状をしており、さらに前記磁性金属微粒子が岩塩型
結晶構造を有する前記酸化物結晶中に分散せしめられた
構造を有して成ることを特徴とする磁気記録媒体によ
り、達成される。
微粒子及びその磁性金属の酸化物の混合物から成る磁性
層を形成して成る磁気記録媒体であって、前記磁性金属
微粒子の長軸長が40nm以下に柱状組織化が防がれた粒状
の形状をしており、さらに前記磁性金属微粒子が岩塩型
結晶構造を有する前記酸化物結晶中に分散せしめられた
構造を有して成ることを特徴とする磁気記録媒体によ
り、達成される。
そして、更に好ましい特徴点を列挙すると下記のとお
りである。
りである。
(1)上記磁性金属微粒子の短軸長が4〜30nm、より好
ましくは4〜20nm、長軸長が5〜40nm、より好ましくは
5〜25nmであると共に上記磁性層中に含まれる前記金属
微粒子の割合が体積比で20〜85%であることを特徴とす
る。この短軸、長軸の軸比については、長軸長/短軸長
が1.0〜10.0、より好ましくは1.0〜5.0である。また、
金属微粒子のより好ましい割合は45〜75%である。耐摩
耗性の点からは酸化物の多い方が好ましいが、磁気特性
の面からは少ない方が良く、これら両者の関係から上記
の好ましい割合が設定される。
ましくは4〜20nm、長軸長が5〜40nm、より好ましくは
5〜25nmであると共に上記磁性層中に含まれる前記金属
微粒子の割合が体積比で20〜85%であることを特徴とす
る。この短軸、長軸の軸比については、長軸長/短軸長
が1.0〜10.0、より好ましくは1.0〜5.0である。また、
金属微粒子のより好ましい割合は45〜75%である。耐摩
耗性の点からは酸化物の多い方が好ましいが、磁気特性
の面からは少ない方が良く、これら両者の関係から上記
の好ましい割合が設定される。
(2)上記磁性金属微粒子がコバルト、鉄、ニッケル及
びこれらの合金から成る群から選択されて成る少なくと
も1種から成ると共に上記その酸化物が酸化コバルト、
酸化鉄、酸化ニッケル及びこれらの混晶から成る群から
選択されて成る少なくとも1種の金属酸化物から成るこ
とを特徴とする。
びこれらの合金から成る群から選択されて成る少なくと
も1種から成ると共に上記その酸化物が酸化コバルト、
酸化鉄、酸化ニッケル及びこれらの混晶から成る群から
選択されて成る少なくとも1種の金属酸化物から成るこ
とを特徴とする。
(3)上記磁性層中に含まれる磁性金属酸化物の方位分
散として、磁性膜面に対して垂直の方向を基準とした場
合に<111>方位が<100>方位より優勢であることを特
徴とする。
散として、磁性膜面に対して垂直の方向を基準とした場
合に<111>方位が<100>方位より優勢であることを特
徴とする。
なお、磁性層を構成する材料としては、磁気ヘッドと
の磁気特性(保磁力)を所定値に合せるためにその調整
剤として、上記磁性層中に保磁力を減少させるものとし
て、Ti、Al、Mn、Ta、Nb、Zrを、逆に保磁力を増加させ
るものとして、W、Mo、Pt、Ru、Re等の金属を原子%で
0.1〜10%含有せしめることもできる。
の磁気特性(保磁力)を所定値に合せるためにその調整
剤として、上記磁性層中に保磁力を減少させるものとし
て、Ti、Al、Mn、Ta、Nb、Zrを、逆に保磁力を増加させ
るものとして、W、Mo、Pt、Ru、Re等の金属を原子%で
0.1〜10%含有せしめることもできる。
次に、本発明の第2の目的は、酸素ガス含有雰囲気下
で磁性金属粒子を蒸発させ非磁性基体上に、磁性金属微
粒子とその酸化物から成る磁性層を蒸着により形成する
磁気記録媒体の製造方法であって、前記蒸着による磁性
層の形成速度を50nm/s以下の低速下で行うことを特徴と
する磁気記録媒体の製造方法により、達成される。
で磁性金属粒子を蒸発させ非磁性基体上に、磁性金属微
粒子とその酸化物から成る磁性層を蒸着により形成する
磁気記録媒体の製造方法であって、前記蒸着による磁性
層の形成速度を50nm/s以下の低速下で行うことを特徴と
する磁気記録媒体の製造方法により、達成される。
そして、好ましい上記磁性金属微粒子としては、コバ
ルト、鉄及びニッケル及びこれらの合金から成る群から
選択されて成る少なくとも1種から成ることを特徴とす
るが、その他必要に応じ磁気ヘッドの特性に合わせて保
磁力を調整するために保磁力の増、減可能なその他の金
属元素を加えることもできる。
ルト、鉄及びニッケル及びこれらの合金から成る群から
選択されて成る少なくとも1種から成ることを特徴とす
るが、その他必要に応じ磁気ヘッドの特性に合わせて保
磁力を調整するために保磁力の増、減可能なその他の金
属元素を加えることもできる。
磁性層の形成は、周知の電子ビーム溶解による蒸着の
他、高周波電力やマイクロ波電力印加によるプラズマ発
生装置によるスパッタリングにより容易に形成でき、酸
化物の形成は膜形成雰囲気中の酸素ガス分圧を調整する
ことにより所定の酸素含有量を形成できる。また、蒸着
速度つまり磁性層の形成速度は、投入する電力を調整す
ることにより任意に制御可能である。この磁性層のより
好ましい形成速度は30〜0.3nm/s、更に好ましくは3.0〜
0.3nm/sである。0.3nm/sより遅い速度でも可能である
が、余り遅いと必要な膜厚を形成するのに相当の時間を
要するため実用的でない。磁性層の膜面垂直方向保磁力
(Hc⊥)特性の点から見ると形成速度が遅くなるほどそ
の値は大きくなる傾向にあるが、工業的な生産性の面か
ら上記の好ましい速度が設定される。
他、高周波電力やマイクロ波電力印加によるプラズマ発
生装置によるスパッタリングにより容易に形成でき、酸
化物の形成は膜形成雰囲気中の酸素ガス分圧を調整する
ことにより所定の酸素含有量を形成できる。また、蒸着
速度つまり磁性層の形成速度は、投入する電力を調整す
ることにより任意に制御可能である。この磁性層のより
好ましい形成速度は30〜0.3nm/s、更に好ましくは3.0〜
0.3nm/sである。0.3nm/sより遅い速度でも可能である
が、余り遅いと必要な膜厚を形成するのに相当の時間を
要するため実用的でない。磁性層の膜面垂直方向保磁力
(Hc⊥)特性の点から見ると形成速度が遅くなるほどそ
の値は大きくなる傾向にあるが、工業的な生産性の面か
ら上記の好ましい速度が設定される。
本発明の第3の目的は、磁気記録媒体と、それを走行
させる駆動手段と、この磁気記録媒体に情報を記録する
磁気ヘッドと、再生ヘッドとから成る磁気記録再生装置
であって、上記磁気記録媒体を本発明の第1の目的を達
成することのできる上記磁気記録媒体で構成して成るこ
とを特徴とする記録再生装置により、達成される。
させる駆動手段と、この磁気記録媒体に情報を記録する
磁気ヘッドと、再生ヘッドとから成る磁気記録再生装置
であって、上記磁気記録媒体を本発明の第1の目的を達
成することのできる上記磁気記録媒体で構成して成るこ
とを特徴とする記録再生装置により、達成される。
再生ヘッドとしては、磁気ヘッドの他に、例えばファ
ラデーもしくはカー効果などの光学的手段による光ヘッ
ドを用いることにより、高密度で転送速度の遅い、光磁
気記録再生装置を実現することができる。
ラデーもしくはカー効果などの光学的手段による光ヘッ
ドを用いることにより、高密度で転送速度の遅い、光磁
気記録再生装置を実現することができる。
以上のとおり、本発明の目的を達成するための手段に
ついて詳述してきたが、ここで以下のとおり総括してみ
る。
ついて詳述してきたが、ここで以下のとおり総括してみ
る。
これまでに報告されているCo系部分酸化膜では金属微
粒子が酸化物中で柱状のコラム構造を成し、その柱状組
織構造が垂直磁気異方性発生の主要因とされている{中
村、谷他:ジェル・ジェイ・エー・ピー・23(6)エル
397(1984年)(K.Nakamura,N.Tani et.al.:J.J.A.P.23
(6)L 397(1984)}。しかしながら、このような従
来例では、飽和磁化(Ms)の値かが5〜600kA/m以上の
領域では強磁性金属粒子が肥大化、もしくは隣り合った
粒子同士が接触するために、結果として、膜の面内方向
の磁気的相互作用が強まり、垂直磁気記録媒体としての
充分な垂直磁気異方性を有する薄膜が得られていない。
粒子が酸化物中で柱状のコラム構造を成し、その柱状組
織構造が垂直磁気異方性発生の主要因とされている{中
村、谷他:ジェル・ジェイ・エー・ピー・23(6)エル
397(1984年)(K.Nakamura,N.Tani et.al.:J.J.A.P.23
(6)L 397(1984)}。しかしながら、このような従
来例では、飽和磁化(Ms)の値かが5〜600kA/m以上の
領域では強磁性金属粒子が肥大化、もしくは隣り合った
粒子同士が接触するために、結果として、膜の面内方向
の磁気的相互作用が強まり、垂直磁気記録媒体としての
充分な垂直磁気異方性を有する薄膜が得られていない。
そこで、本発明では強磁性金属微粒子の大きさを磁性
膜厚方向に関しても微細化し、強磁性金属微粒子の柱状
成長を防いだ。その結果、後の実施例の項で述べるよう
に飽和磁化(Ms)が5〜600kA/m以上の領域において
も、大きな垂直磁気異方性を有し、実際に磁気ヘッドを
用いた記録再生においてもこれまでにない良好な特性が
得られるようになった。
膜厚方向に関しても微細化し、強磁性金属微粒子の柱状
成長を防いだ。その結果、後の実施例の項で述べるよう
に飽和磁化(Ms)が5〜600kA/m以上の領域において
も、大きな垂直磁気異方性を有し、実際に磁気ヘッドを
用いた記録再生においてもこれまでにない良好な特性が
得られるようになった。
このような部分酸化膜は従来例と同じ装置を用い酸素
雰囲気中でCo、Fe、Ni等の磁性金属を蒸着することによ
り作製されるが、上述の強磁性金属の蒸着速度を従来例
のおよそ100nm/sに比べ著しく遅い50nm/s以下、実用的
には30〜0.3nm/sという遅い速度とし、金属微粒子が成
長する前に酸化被膜が形成されるように工夫した点が異
なる。このような方法で形成した部分酸化膜は、後の実
施例で示すように強磁性金属微粒子は従来例で示された
ような柱状の形状ではなく、その長軸長の長さにおいて
も40nm以下、望ましくは25nm以下の粒状の粒子がマトリ
ックス状に分散されている構造であることが、透過電子
顕微鏡を用いた観察により分かった。また、これまでに
無い磁気特性を有し、良好な記録再生特性を示す垂直磁
気記録媒体であった。
雰囲気中でCo、Fe、Ni等の磁性金属を蒸着することによ
り作製されるが、上述の強磁性金属の蒸着速度を従来例
のおよそ100nm/sに比べ著しく遅い50nm/s以下、実用的
には30〜0.3nm/sという遅い速度とし、金属微粒子が成
長する前に酸化被膜が形成されるように工夫した点が異
なる。このような方法で形成した部分酸化膜は、後の実
施例で示すように強磁性金属微粒子は従来例で示された
ような柱状の形状ではなく、その長軸長の長さにおいて
も40nm以下、望ましくは25nm以下の粒状の粒子がマトリ
ックス状に分散されている構造であることが、透過電子
顕微鏡を用いた観察により分かった。また、これまでに
無い磁気特性を有し、良好な記録再生特性を示す垂直磁
気記録媒体であった。
特に柱状構造の組織を持たず、酸化物中に金属微粒子
を分散せしめた構造の磁性膜が良好な垂直磁気記録特性
を有する明確な理由は明らかではないが、以下にように
考えられる。
を分散せしめた構造の磁性膜が良好な垂直磁気記録特性
を有する明確な理由は明らかではないが、以下にように
考えられる。
第1図に本発明により作製した垂直磁気記録媒体の磁
性層断面の微細組織の模式図を示す。磁性層は強磁性の
金属微粒子1を酸化物2中に分散せしめた構造であり、
薄膜全体としては垂直磁気異方性を発生するような形状
的要因はほとんど無い。しかし、実際に良好な垂直磁気
記録特性を示すことから、第1図で示すところの金属微
粒子もしくはその周囲をも含めたミクロな領域では垂直
方向の磁気異方性が優勢になっているのではないかと考
えられる。なおそのミクロな領域で垂直磁気異方性が発
生する理由は明確ではないが、酸化物である例えばCo
O、FeO、NiOもしくはそれらの混晶の磁性膜面に対して
垂直方向の結晶方位分散が<100>方位に比べ<111>方
位が優勢である場合に、特に磁気特性が優れていること
から、強磁性の金属微粒子と反強磁性の酸化物との交換
相互作用により垂直磁気異方性を発生しているものと推
定される。
性層断面の微細組織の模式図を示す。磁性層は強磁性の
金属微粒子1を酸化物2中に分散せしめた構造であり、
薄膜全体としては垂直磁気異方性を発生するような形状
的要因はほとんど無い。しかし、実際に良好な垂直磁気
記録特性を示すことから、第1図で示すところの金属微
粒子もしくはその周囲をも含めたミクロな領域では垂直
方向の磁気異方性が優勢になっているのではないかと考
えられる。なおそのミクロな領域で垂直磁気異方性が発
生する理由は明確ではないが、酸化物である例えばCo
O、FeO、NiOもしくはそれらの混晶の磁性膜面に対して
垂直方向の結晶方位分散が<100>方位に比べ<111>方
位が優勢である場合に、特に磁気特性が優れていること
から、強磁性の金属微粒子と反強磁性の酸化物との交換
相互作用により垂直磁気異方性を発生しているものと推
定される。
また、一般的に、薄膜形状で垂直磁気記録媒体を実現
するためには垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値が薄
膜の形状磁気異方性エネルギー(2πM2s、Ms:飽和磁
化)に対し、Ku>2πM2sもしくはそれに近い条件であ
ることが必要とされていた。そのため、これまで実現さ
れてきたCo−Crなどの垂直磁気記録媒体は磁性面に対し
垂直方向の柱状組織を形成し、結晶磁気異方性と柱状組
織による形状磁気異方性の相乗効果により、Ku>2πM2
sもしくはそれに近い条件を満たすようにしている。な
ぜなら、この条件を満たさない媒体では良好な記録再生
特性が得られなかったからである。
するためには垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値が薄
膜の形状磁気異方性エネルギー(2πM2s、Ms:飽和磁
化)に対し、Ku>2πM2sもしくはそれに近い条件であ
ることが必要とされていた。そのため、これまで実現さ
れてきたCo−Crなどの垂直磁気記録媒体は磁性面に対し
垂直方向の柱状組織を形成し、結晶磁気異方性と柱状組
織による形状磁気異方性の相乗効果により、Ku>2πM2
sもしくはそれに近い条件を満たすようにしている。な
ぜなら、この条件を満たさない媒体では良好な記録再生
特性が得られなかったからである。
これに対し、本発明で得られた垂直磁気記録媒体は例
えば飽和磁化(Ms)が1200kA/mの媒体の場合、薄膜形状
で測定した垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値が面内
形状異方性エネルギー(2πM2s)の0.6倍程度であるに
もかかわらず垂直磁気記録が可能であり、これまでに無
い良好な記録再生特性が得られた。これは本発明で得ら
れた垂直磁気記録媒体では、薄膜状態で測定される垂直
磁気異方性エネルギー(Ku)は面内形状異方性エネルギ
ー(2πM2s)に比べ、飽和磁化の大きな領域では小さ
くなるにもかかわらず、実際に垂直磁気記録される場合
には第2図に示すように柱状に近い磁区が形成され易く
なるためである。なお、同図において、大きな矢印3は
記録磁化の方向を、そして小さな矢印3′は磁性金属微
粒子1の磁化方向をそれぞれ示す。この膜面垂直方向に
磁区が形成され易い性質は、本発明の垂直磁気記録媒体
が第1図に示したような金属微粒子を酸化物中に分散さ
せた独特な構造であることに起因しているためと推察さ
れる。
えば飽和磁化(Ms)が1200kA/mの媒体の場合、薄膜形状
で測定した垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値が面内
形状異方性エネルギー(2πM2s)の0.6倍程度であるに
もかかわらず垂直磁気記録が可能であり、これまでに無
い良好な記録再生特性が得られた。これは本発明で得ら
れた垂直磁気記録媒体では、薄膜状態で測定される垂直
磁気異方性エネルギー(Ku)は面内形状異方性エネルギ
ー(2πM2s)に比べ、飽和磁化の大きな領域では小さ
くなるにもかかわらず、実際に垂直磁気記録される場合
には第2図に示すように柱状に近い磁区が形成され易く
なるためである。なお、同図において、大きな矢印3は
記録磁化の方向を、そして小さな矢印3′は磁性金属微
粒子1の磁化方向をそれぞれ示す。この膜面垂直方向に
磁区が形成され易い性質は、本発明の垂直磁気記録媒体
が第1図に示したような金属微粒子を酸化物中に分散さ
せた独特な構造であることに起因しているためと推察さ
れる。
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 第3図に示した真空蒸着装置を用いてポリイミド基板
4上にCo部分酸化膜を形成した。Coは電子ビーム加熱蒸
着源6を用いて溶解し、蒸着した。また部分酸化を行う
ための酸素ガス導入はニードルバルブ8により調整し
た。
4上にCo部分酸化膜を形成した。Coは電子ビーム加熱蒸
着源6を用いて溶解し、蒸着した。また部分酸化を行う
ための酸素ガス導入はニードルバルブ8により調整し
た。
まず、部分酸化膜を形成する際の蒸着速度について検
討するために、基板温度を30℃と一定にして、Coの蒸着
速度を0.3、3、30、100nm/sとそれぞれ異なる条件で厚
さ200nmのCo部分酸化膜から成る磁性層を作製した。な
お、形成した部分酸化膜の飽和磁化(Ms)が約1000kA/m
と同一になるように蒸着中の酸素分圧を4×10-6Torrか
ら10-3Torrの範囲で調整した。これらのCo部分酸化膜に
ついて試料振動型磁力計を用いて測定した膜面垂直方向
の保磁力(Hc)ならびに磁気トルクメータを用いて測定
した垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値を第1表に示
す。
討するために、基板温度を30℃と一定にして、Coの蒸着
速度を0.3、3、30、100nm/sとそれぞれ異なる条件で厚
さ200nmのCo部分酸化膜から成る磁性層を作製した。な
お、形成した部分酸化膜の飽和磁化(Ms)が約1000kA/m
と同一になるように蒸着中の酸素分圧を4×10-6Torrか
ら10-3Torrの範囲で調整した。これらのCo部分酸化膜に
ついて試料振動型磁力計を用いて測定した膜面垂直方向
の保磁力(Hc)ならびに磁気トルクメータを用いて測定
した垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値を第1表に示
す。
Coの蒸着速度が従来の100nm/sの場合、膜面垂直方向
の保磁力は48kA/m、垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の
値は2.7×105J/m3であった。この場合、垂直磁気異方性
エネルギー(Ku)の値は、薄膜形状に起因する面内形状
異方性エネルギー(2πM2s)の半分以下である。その
ため、実際に磁気ヘッドを用いて記録を試みても、膜面
垂直方向に磁化を記録することはできなかった。
の保磁力は48kA/m、垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の
値は2.7×105J/m3であった。この場合、垂直磁気異方性
エネルギー(Ku)の値は、薄膜形状に起因する面内形状
異方性エネルギー(2πM2s)の半分以下である。その
ため、実際に磁気ヘッドを用いて記録を試みても、膜面
垂直方向に磁化を記録することはできなかった。
次に、Coの蒸着速度を遅くした場合、垂直方向保磁力
(Hc⊥)及び垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値は大
幅に増加する傾向が見られた。特に、Coの蒸着速度を0.
3nm/sとした場合には垂直方向保磁力(Hc)が140kA/m、
垂直磁気異方性エネルギー(Ku)が4.6×105J/m3と大き
な値が得られた。この場合、垂直磁気異方性エネルギー
(Ku)は薄膜形状に起因する面内形状異方性エネルギー
(2πM2s)の0.7倍程度であるが、実際に磁気ヘッドを
用いて記録を試みたところ膜面垂直方向に磁化が記録さ
れ、後述するように、これまでにない良好な記録再生特
性が得られた。
(Hc⊥)及び垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値は大
幅に増加する傾向が見られた。特に、Coの蒸着速度を0.
3nm/sとした場合には垂直方向保磁力(Hc)が140kA/m、
垂直磁気異方性エネルギー(Ku)が4.6×105J/m3と大き
な値が得られた。この場合、垂直磁気異方性エネルギー
(Ku)は薄膜形状に起因する面内形状異方性エネルギー
(2πM2s)の0.7倍程度であるが、実際に磁気ヘッドを
用いて記録を試みたところ膜面垂直方向に磁化が記録さ
れ、後述するように、これまでにない良好な記録再生特
性が得られた。
次に蒸着条件として、基板温度を30℃、Coの蒸着速度
を0.3nm/sと同一にし、蒸着前の酸素導入圧力を2mPaか
ら20mPaの間で変化させ、飽和磁化(Ms)の値が、330、
520、600、850、1000、1200kA/mのCo部分酸化膜を作製
した。なお、膜厚はいずれも200nm程度である。これら
のCo部分酸化膜について試料振動型磁力計を用いて測定
した磁気特性値を第2表に示す。
を0.3nm/sと同一にし、蒸着前の酸素導入圧力を2mPaか
ら20mPaの間で変化させ、飽和磁化(Ms)の値が、330、
520、600、850、1000、1200kA/mのCo部分酸化膜を作製
した。なお、膜厚はいずれも200nm程度である。これら
のCo部分酸化膜について試料振動型磁力計を用いて測定
した磁気特性値を第2表に示す。
また、磁気トルクメータを用いて測定したCo部分酸化
膜の垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値を第4図に示
す。また、これらのCo部分酸化膜の記録再生特性をギャ
ップ長0.2μmの磁気ヘッドを用いて測定した結果とし
て、低周波規格化再生出力:E10k(巻線1ターン、相対
速度1m/s、トラック幅1μm、線記録密度10kFCIにおけ
る値)と出力半減線記録密度(D50)の値を第5図にま
とめた。
膜の垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値を第4図に示
す。また、これらのCo部分酸化膜の記録再生特性をギャ
ップ長0.2μmの磁気ヘッドを用いて測定した結果とし
て、低周波規格化再生出力:E10k(巻線1ターン、相対
速度1m/s、トラック幅1μm、線記録密度10kFCIにおけ
る値)と出力半減線記録密度(D50)の値を第5図にま
とめた。
第5図に示すように飽和磁化(Ms)の値が330から120
0kA/mの範囲でいずれも良好な垂直磁気記録特性が得ら
れた。なお、これらの中で、飽和磁化(Ms)の値が1000
kA/m及び1200kA/mのCo部分酸化膜では、第4図に示した
ように垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値が面内形状
異方性エネルギー(2πM2s)の値のそれぞれ0.8及び0.
6程度であるにもかかわらず、良好な垂直磁気記録特性
が得られている。
0kA/mの範囲でいずれも良好な垂直磁気記録特性が得ら
れた。なお、これらの中で、飽和磁化(Ms)の値が1000
kA/m及び1200kA/mのCo部分酸化膜では、第4図に示した
ように垂直磁気異方性エネルギー(Ku)の値が面内形状
異方性エネルギー(2πM2s)の値のそれぞれ0.8及び0.
6程度であるにもかかわらず、良好な垂直磁気記録特性
が得られている。
垂直磁気記録の分野において、このようなことはこれ
までに無かったことである。これは、強磁性の金属微粒
子を酸化物中に分散せしめ、かつ薄膜形状で計測し得な
いミクロな領域での垂直磁気異方性をもたせたことに起
因するものと推察される。
までに無かったことである。これは、強磁性の金属微粒
子を酸化物中に分散せしめ、かつ薄膜形状で計測し得な
いミクロな領域での垂直磁気異方性をもたせたことに起
因するものと推察される。
第6図(a)には上記したCo部分酸化膜の微細組織構
造を示す一例として、飽和磁化(Ms)の値が520kA/mのC
o部分酸化膜の断面方向から観察した透過電子顕微鏡写
真を示す。なお、第6図(b)には組織の模式図を示し
たものであり、1は磁性金属微粒子、2はその酸化物マ
トリックスをそれぞれ示す。写真の中で黒っぽく見える
粒状の部分が金属Coの微粒子の像であり、10nmないし30
nmの粒径の金属Coの微粒子が、ほとんど均一に膜中に分
散しており、柱状構造のような膜面垂直方向への大きな
形状磁気異方性を発生する構造ではない。従って、本実
施例で示したCo部分酸化膜の垂直磁気異方性は柱状構造
のような形状磁気異方性が主要因ではなく、膜内部のミ
クロな領域、即ち酸化物をも含む金属微粒子近傍内で発
生しているものと考えられる。
造を示す一例として、飽和磁化(Ms)の値が520kA/mのC
o部分酸化膜の断面方向から観察した透過電子顕微鏡写
真を示す。なお、第6図(b)には組織の模式図を示し
たものであり、1は磁性金属微粒子、2はその酸化物マ
トリックスをそれぞれ示す。写真の中で黒っぽく見える
粒状の部分が金属Coの微粒子の像であり、10nmないし30
nmの粒径の金属Coの微粒子が、ほとんど均一に膜中に分
散しており、柱状構造のような膜面垂直方向への大きな
形状磁気異方性を発生する構造ではない。従って、本実
施例で示したCo部分酸化膜の垂直磁気異方性は柱状構造
のような形状磁気異方性が主要因ではなく、膜内部のミ
クロな領域、即ち酸化物をも含む金属微粒子近傍内で発
生しているものと考えられる。
なお、上述したCo部分酸化膜にTiをCoに対して3.5at
%添加したCo部分酸化膜の磁気特性の典型例を第4図、
記録再生特性値を第5図の中に◇もしくは◆印で示し
た。Tiを添加することにより、第5図中に示したように
記録再生特性が向上した。これはTiを添加することによ
り、垂直方向の保磁力(Hc⊥)が減少し、磁気ヘッドに
よる書き込み効率が向上したためである。またTiを添加
したCo部分酸化膜では、第7図(a)の透過電子顕微鏡
写真に示すように、第6図(a)で示した何も添加して
いないCo部分酸化膜中の金属Coの微粒子に比べ、さらに
微粒子化し、微粒子の粒径は10nm程度になっていた。第
7図(b)は第6図(b)と同様に、組織の模式図を示
した。なお、このように粒子がより微粒子化し、保磁力
が減少する傾向はTiの他にAl、Mn、Ta、Nb、Zr等の元素
を添加した場合にも見られた。なお、W、Mo、Pt、Ru、
Re等の元素を添加した場合には保磁力が増加する傾向が
みられた。
%添加したCo部分酸化膜の磁気特性の典型例を第4図、
記録再生特性値を第5図の中に◇もしくは◆印で示し
た。Tiを添加することにより、第5図中に示したように
記録再生特性が向上した。これはTiを添加することによ
り、垂直方向の保磁力(Hc⊥)が減少し、磁気ヘッドに
よる書き込み効率が向上したためである。またTiを添加
したCo部分酸化膜では、第7図(a)の透過電子顕微鏡
写真に示すように、第6図(a)で示した何も添加して
いないCo部分酸化膜中の金属Coの微粒子に比べ、さらに
微粒子化し、微粒子の粒径は10nm程度になっていた。第
7図(b)は第6図(b)と同様に、組織の模式図を示
した。なお、このように粒子がより微粒子化し、保磁力
が減少する傾向はTiの他にAl、Mn、Ta、Nb、Zr等の元素
を添加した場合にも見られた。なお、W、Mo、Pt、Ru、
Re等の元素を添加した場合には保磁力が増加する傾向が
みられた。
実施例2 実施例1で述べた方法と同様の方法でCo−Fe合金、Co
−Ni合金を蒸着原料に用いてCo−Fe、Co−Ni合金の部分
酸化膜を作製した。作製したCo−Fe及びCo−Ni合金の部
分酸化膜の磁気特性の例を第3表に示す。
−Ni合金を蒸着原料に用いてCo−Fe、Co−Ni合金の部分
酸化膜を作製した。作製したCo−Fe及びCo−Ni合金の部
分酸化膜の磁気特性の例を第3表に示す。
実施例1と同様に蒸着時の基板温度が30℃、蒸着速度
が0.3nm/sの条件では、Feを4at%添加した場合には良好
な磁気特性を得たが、Feが19at%から76at%含まれるCo
−Fe合金の部分酸化膜では垂直方向の保磁力(Hc⊥)が
30kA/m以下と小さく良好な垂直磁気記録媒体が得られな
かった。なお、蒸着時の基板温度を150℃と高くしてFe
を19at%含有した試料No.CF−19Hで表示したCo−Fe合金
の部分酸化膜を作製した結果、第3表中に示すように比
較的良好な磁気特性が得られた。
が0.3nm/sの条件では、Feを4at%添加した場合には良好
な磁気特性を得たが、Feが19at%から76at%含まれるCo
−Fe合金の部分酸化膜では垂直方向の保磁力(Hc⊥)が
30kA/m以下と小さく良好な垂直磁気記録媒体が得られな
かった。なお、蒸着時の基板温度を150℃と高くしてFe
を19at%含有した試料No.CF−19Hで表示したCo−Fe合金
の部分酸化膜を作製した結果、第3表中に示すように比
較的良好な磁気特性が得られた。
第8図にFeを含まないCo部分酸化膜(曲線A)、Feを
4at%(曲線B)、19at%(曲線C)、61at%(曲線
D)含有するCo−Fe合金の部分酸化膜のX線回折強度曲
線を示す。良好な磁気特性を示した部分酸化膜ではこの
図の曲線A、B、Eに示すように、CoOもしくはFeOもし
くはそれらの混晶の111反射が200反射に比べ優勢に現わ
れている。一方垂直方向の保磁力(Hc⊥)が小さく、好
ましい磁気特性の得られなかった部分酸化膜では曲線
C、Dに示すように111反射に比べ200反射の方が優勢に
現われている。即ち、垂直磁気異方性が発生している部
分酸化膜では、膜面垂直方向にCoO、FeO等の岩塩型構造
の酸化物の<111>方位が<100>方位に比べ優先的に配
向していることが分かる。
4at%(曲線B)、19at%(曲線C)、61at%(曲線
D)含有するCo−Fe合金の部分酸化膜のX線回折強度曲
線を示す。良好な磁気特性を示した部分酸化膜ではこの
図の曲線A、B、Eに示すように、CoOもしくはFeOもし
くはそれらの混晶の111反射が200反射に比べ優勢に現わ
れている。一方垂直方向の保磁力(Hc⊥)が小さく、好
ましい磁気特性の得られなかった部分酸化膜では曲線
C、Dに示すように111反射に比べ200反射の方が優勢に
現われている。即ち、垂直磁気異方性が発生している部
分酸化膜では、膜面垂直方向にCoO、FeO等の岩塩型構造
の酸化物の<111>方位が<100>方位に比べ優先的に配
向していることが分かる。
なお、本実施例で示したFeを4at%含むCo−Fe合金の
部分酸化膜及びNiを5at%及び10at%含むCo−Ni合金の
部分酸化膜においても実施例1で示した記録再生特性と
同様の優れた記録再生特性が得られた。
部分酸化膜及びNiを5at%及び10at%含むCo−Ni合金の
部分酸化膜においても実施例1で示した記録再生特性と
同様の優れた記録再生特性が得られた。
実施例3 実施例1で述べた方法と同様の方法でFe及びFe−Ni合
金を蒸着原料に用いてFe及びFe−Ni合金の部分酸化膜を
作製した。従来例との比較のためにFe及びFe−Ni合金の
蒸着速度は100nm/s(従来)と0.3nm/s(本実施例)とし
た。なお、蒸着時の基板温度は30℃である。また、いず
れの部分酸化膜においても、飽和磁化(Ms)が800kA/m
となるように酸素ガス導入量を適宜調整した。また、本
実施例で作製したFe−Ni合金の部分酸化膜中に含まれる
Niの割合はFeとNiの和に対して5at%であった。
金を蒸着原料に用いてFe及びFe−Ni合金の部分酸化膜を
作製した。従来例との比較のためにFe及びFe−Ni合金の
蒸着速度は100nm/s(従来)と0.3nm/s(本実施例)とし
た。なお、蒸着時の基板温度は30℃である。また、いず
れの部分酸化膜においても、飽和磁化(Ms)が800kA/m
となるように酸素ガス導入量を適宜調整した。また、本
実施例で作製したFe−Ni合金の部分酸化膜中に含まれる
Niの割合はFeとNiの和に対して5at%であった。
作製したFe及びFe−Ni合金の部分酸化膜の磁気特性を
以下の第4表に示す。
以下の第4表に示す。
Fe及びFe−Ni合金の部分酸化膜の場合、実施例1及び実
施例2で示したCoを主成分とする部分酸化膜に比べ垂直
方向保磁力(Hc⊥)が小さく、特性的には劣っている
が、従来例である蒸着速度が100nm/sの場合に比べ蒸着
速度を0.3nm/sと遅くすることにより、垂直方向保磁力
(Hc⊥)が2倍以上に増加し、垂直磁気異方性が格段に
向上していることが分かる。
施例2で示したCoを主成分とする部分酸化膜に比べ垂直
方向保磁力(Hc⊥)が小さく、特性的には劣っている
が、従来例である蒸着速度が100nm/sの場合に比べ蒸着
速度を0.3nm/sと遅くすることにより、垂直方向保磁力
(Hc⊥)が2倍以上に増加し、垂直磁気異方性が格段に
向上していることが分かる。
実施例4 第9図に本発明による垂直磁気記録媒体を光磁気記録
再生に応用した場合の装置の概略を示す。同図に示すよ
うに光透過性の良いテープ14上に形成した垂直磁気記録
媒体9をテープ送り機構(図面省略)に取り付け、信号
記録用の磁気ヘッド10と光再生システム15を構成する偏
光子11、レーザビーム12、検光子13を備えた装置であ
る。なお、垂直磁気記録媒体9は実施例1と同じ条件で
作製したものであり、作製した垂直磁気記録媒体9の磁
気特性は飽和磁化(Ms)が520kA/m、垂直方向保磁力(H
c⊥)が72kA/m、垂直方向角形比(Mr/Ms)⊥が0.19であ
る。また、信号記録に使用した磁気ヘッド10はギャップ
長が0.5μm、トラック幅が5μmのものである。また
光再生系に用いた光源は波長が830nmの半導体レーザー
であり、1μmのスポット径に集光した。
再生に応用した場合の装置の概略を示す。同図に示すよ
うに光透過性の良いテープ14上に形成した垂直磁気記録
媒体9をテープ送り機構(図面省略)に取り付け、信号
記録用の磁気ヘッド10と光再生システム15を構成する偏
光子11、レーザビーム12、検光子13を備えた装置であ
る。なお、垂直磁気記録媒体9は実施例1と同じ条件で
作製したものであり、作製した垂直磁気記録媒体9の磁
気特性は飽和磁化(Ms)が520kA/m、垂直方向保磁力(H
c⊥)が72kA/m、垂直方向角形比(Mr/Ms)⊥が0.19であ
る。また、信号記録に使用した磁気ヘッド10はギャップ
長が0.5μm、トラック幅が5μmのものである。また
光再生系に用いた光源は波長が830nmの半導体レーザー
であり、1μmのスポット径に集光した。
このように信号記録を磁気ヘッドで行い、信号再生を
光再生システムで行って記録再生特性を評価したとこ
ろ、0.7μmのビット長において、C/N比が約45dB(ノイ
ズ帯域幅30kHz)の良好な特性が得られた。
光再生システムで行って記録再生特性を評価したとこ
ろ、0.7μmのビット長において、C/N比が約45dB(ノイ
ズ帯域幅30kHz)の良好な特性が得られた。
本発明による磁気記録媒体は、垂直磁気記録再生特性
が優れており、所期の目的を達成することができた。ま
た、この磁気記録媒体は製造方法が簡単であり、室温で
作製が可能であるから耐熱性の弱い基板上にも形成でき
る。また実施例で示したように飽和磁化が1000kA/m以上
の磁気記録媒体を作製した場合にも垂直磁気記録が可能
であり、高い記録再生出力が得られる。また、磁性金属
微粒子の粒径が小さいことから、高いS/N比及び高密度
磁気記録が期待でき、実用上の利点は大きい。
が優れており、所期の目的を達成することができた。ま
た、この磁気記録媒体は製造方法が簡単であり、室温で
作製が可能であるから耐熱性の弱い基板上にも形成でき
る。また実施例で示したように飽和磁化が1000kA/m以上
の磁気記録媒体を作製した場合にも垂直磁気記録が可能
であり、高い記録再生出力が得られる。また、磁性金属
微粒子の粒径が小さいことから、高いS/N比及び高密度
磁気記録が期待でき、実用上の利点は大きい。
また実施例では蒸着法により基板上に直接垂直磁気記
録媒体を作製した例について説明したが、例えば金属Co
を酸素ガス中で蒸発し、表面がCoOで覆われた金属Co微
粒子を作製し、その粉末をフィルム上に塗布する方法に
よっても優れた特性を有する垂直磁気記録媒体を得るこ
とができる。
録媒体を作製した例について説明したが、例えば金属Co
を酸素ガス中で蒸発し、表面がCoOで覆われた金属Co微
粒子を作製し、その粉末をフィルム上に塗布する方法に
よっても優れた特性を有する垂直磁気記録媒体を得るこ
とができる。
また本発明による磁気記録媒体を光磁気記録再生装置
に応用した例として、実施例ではファラデー効果を利用
した装置について示したが、カー効果を利用した場合に
おいても同様である。このように本発明による磁気記録
媒体を用いることにより、磁気ヘッドによる信号記録及
び光によって信号再生する光磁気記録再生装置が実現で
きる。
に応用した例として、実施例ではファラデー効果を利用
した装置について示したが、カー効果を利用した場合に
おいても同様である。このように本発明による磁気記録
媒体を用いることにより、磁気ヘッドによる信号記録及
び光によって信号再生する光磁気記録再生装置が実現で
きる。
第1図は本発明の垂直磁気記録媒体の断面構成を示した
微細組織の模式図、第2図は同じく本発明の磁気記録媒
体における磁化記録状態の模式図、第3図は本発明の磁
気記録媒体の作製に用いた電子ビーム加熱蒸着装置の概
略断面図、第4図はCo部分酸化膜の垂直磁気異方性エネ
ルギーの飽和磁化依存性、第5図はCo部分酸化膜の記録
再生特性、第6図(a)はCo部分酸化膜断面の金属組織
を示す透過電子顕微鏡写真、第6図(b)はそれに対応
した金属組織の模式図、第7図(a)はTiを3.5at%添
加したCo部分酸化膜断面の金属組織を示す透過電子顕微
鏡写真、第7図(b)はそれに対応した金属組織の模式
図、第8図はCo−Fe合金の部分酸化膜のX線回折強度曲
線図、第9図は本発明による垂直磁気記録媒体を用いた
光磁気記録再生装置の概略図である。 符号の説明 1……金属微粒子、2……酸化物 3……記録磁化、4……ポリイミド基板 5……Co蒸気流 6……電子ビーム加熱蒸着源 7……O2ガス流、8……ニードルバルブ 9……垂直磁気記録媒体、10……磁気ヘッド 11……偏光子、12……レーザビーム 13……検光子
微細組織の模式図、第2図は同じく本発明の磁気記録媒
体における磁化記録状態の模式図、第3図は本発明の磁
気記録媒体の作製に用いた電子ビーム加熱蒸着装置の概
略断面図、第4図はCo部分酸化膜の垂直磁気異方性エネ
ルギーの飽和磁化依存性、第5図はCo部分酸化膜の記録
再生特性、第6図(a)はCo部分酸化膜断面の金属組織
を示す透過電子顕微鏡写真、第6図(b)はそれに対応
した金属組織の模式図、第7図(a)はTiを3.5at%添
加したCo部分酸化膜断面の金属組織を示す透過電子顕微
鏡写真、第7図(b)はそれに対応した金属組織の模式
図、第8図はCo−Fe合金の部分酸化膜のX線回折強度曲
線図、第9図は本発明による垂直磁気記録媒体を用いた
光磁気記録再生装置の概略図である。 符号の説明 1……金属微粒子、2……酸化物 3……記録磁化、4……ポリイミド基板 5……Co蒸気流 6……電子ビーム加熱蒸着源 7……O2ガス流、8……ニードルバルブ 9……垂直磁気記録媒体、10……磁気ヘッド 11……偏光子、12……レーザビーム 13……検光子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−140629(JP,A) 特開 昭60−95721(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/66 - 5/85 C23C 14/00 - 14/14
Claims (12)
- 【請求項1】非磁性基体上に磁性金属微粒子及びその磁
性金属の酸化物の混合体から成る磁性層を形成して成る
磁気記録媒体であって、前記磁性金属微粒子の長軸長が
40nm以下に柱状組織化が防がれた粒状の形状をしてお
り、さらに前記磁性金属微粒子が岩塩型結晶構造を有す
る前記酸化物結晶中に分散せしめられた構造を有して成
ることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】上記磁性金属微粒子の短軸長が4〜30nm、
長軸長が5〜40nmであると共に上記磁性層中に含まれる
前記金属微粒子の割合が体積比で20〜85%であることを
特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】上記磁性金属微粒子がコバルト、鉄、ニッ
ケル及びこれらの合金から成る群から選択されて成る少
なくとも1種から成ると共に上記その酸化物が酸化コバ
ルト、酸化鉄、酸化ニッケル及びこれらの混晶から成る
群から選択されて成る少なくとも1種の金属酸化物から
成ることを特徴とする請求項1もしくは2記載の磁気記
録媒体。 - 【請求項4】上記磁性層中に含まれる磁性金属酸化物の
方位分散として、磁性膜面に対して垂直の方向を基準と
した場合に<111>方位が<100>方位より優勢であるこ
とを特徴とする請求項1、2もしくは3記載の磁気記録
媒体。 - 【請求項5】酸素ガス含有雰囲気下で磁性金属粒子を蒸
発させ非磁性基体上に、磁性金属微粒子とその酸化物か
ら成る磁性層を蒸着により形成する請求項1、2、3も
しくは4記載の磁気記録媒体の製造方法であって、前記
蒸着による磁性層の形成速度を50nm/s以下の低速下で行
うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項6】上記磁性金属微粒子がコバルト、鉄及びニ
ッケル及びこれらの合金から成る群から選択されて成る
少なくとも1種から成ることを特徴とする請求項5記載
の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項7】磁気記録媒体と、それを走行させる駆動手
段と、この磁気記録媒体に情報を記録する磁気ヘッド
と、再生ヘッドとから成る磁気記録再生装置であって、
上記磁気記録媒体を請求項1、2、3もしくは4記載の
磁気記録媒体で構成して成ることを特徴とする記録再生
装置。 - 【請求項8】飽和磁化が330kA/m以上1200kA/m以下の範
囲であることを特徴とする請求項1、2、3もしくは4
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項9】飽和磁化が500kA/m以上1200kA/m以下の範
囲であることを特徴とする請求項1、2、3もしくは4
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項10】飽和磁化が600kA/m以上1200kA/m以下の
範囲であることを特徴とする請求項1、2、3もしくは
4記載の磁気記録媒体。 - 【請求項11】ギャップ長が0.2μmの磁気ヘッドを用
いて記録再生したときに出力半減線記録密度が100kFCI
以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、
8、9もしくは10記載の磁気記録媒体。 - 【請求項12】ギャップ長が0.2μmの磁気ヘッドを用
いて記録再生したときに出力半減線記録密度が150kFCI
以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、
8、9もしくは10記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63244561A JP2898996B2 (ja) | 1988-09-30 | 1988-09-30 | 磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置 |
US07/321,081 US5244751A (en) | 1988-03-11 | 1989-03-09 | Perpendicular magnetic recording medium, its fabrication method and read-write machine using it |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63244561A JP2898996B2 (ja) | 1988-09-30 | 1988-09-30 | 磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0294109A JPH0294109A (ja) | 1990-04-04 |
JP2898996B2 true JP2898996B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=17120546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63244561A Expired - Lifetime JP2898996B2 (ja) | 1988-03-11 | 1988-09-30 | 磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2898996B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004090874A1 (en) | 2003-04-07 | 2004-10-21 | Showa Denko K. K. | Magnetic recording medium, method for producing thereof, and magnetic recording and reproducing apparatus. |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59140629A (ja) * | 1983-01-31 | 1984-08-13 | Hitachi Ltd | 垂直磁気記録媒体の製造方法 |
JPS59147422A (ja) * | 1983-02-09 | 1984-08-23 | Konishiroku Photo Ind Co Ltd | 磁性層の形成方法 |
JPH0661130B2 (ja) * | 1983-10-28 | 1994-08-10 | 株式会社日立製作所 | 垂直磁気記録媒体とその製造方法 |
-
1988
- 1988-09-30 JP JP63244561A patent/JP2898996B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0294109A (ja) | 1990-04-04 |
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