JP2507574B2 - 垂直磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置 - Google Patents
垂直磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置Info
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Landscapes
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は垂直磁気記録媒体とその製造方法及びそれを
用いた磁気記録再生装置に関する。
用いた磁気記録再生装置に関する。
垂直磁気記録媒体としては、Co−Cr合金が知られてお
り、磁気異方性、飽和磁化ともに大きく、垂直磁気記録
媒体として優れた特性を備えている。ところが金属膜で
あるため摩耗に弱く、磁気ヘッドの摺動特性を低下する
という問題があった。この点を解消し、耐摩耗性の観点
から例えばCoの部分酸化膜が検討され、磁気異方性の大
きな垂直磁化膜が得られている。この種の磁気記録媒体
に関連するものとして、例えば特開昭59−140629号及び
ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライト・フィジ
ックス,23巻、No.6,L397(1984年)〔Jpn.J.Appl.Phy
s.,Vol.23,No.6,L397(1984)〕等が挙げられる。
り、磁気異方性、飽和磁化ともに大きく、垂直磁気記録
媒体として優れた特性を備えている。ところが金属膜で
あるため摩耗に弱く、磁気ヘッドの摺動特性を低下する
という問題があった。この点を解消し、耐摩耗性の観点
から例えばCoの部分酸化膜が検討され、磁気異方性の大
きな垂直磁化膜が得られている。この種の磁気記録媒体
に関連するものとして、例えば特開昭59−140629号及び
ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライト・フィジ
ックス,23巻、No.6,L397(1984年)〔Jpn.J.Appl.Phy
s.,Vol.23,No.6,L397(1984)〕等が挙げられる。
しかし、上記Co系磁性金属の部分酸化膜は、飽和磁化
が1000kA/m以下の範囲で垂直磁化膜が実現するものの、
実際に記録再生を行うと、再生出力及び出力半減記録密
度ともに低く、磁気記録媒体としては不十分な特性しか
得られていない。
が1000kA/m以下の範囲で垂直磁化膜が実現するものの、
実際に記録再生を行うと、再生出力及び出力半減記録密
度ともに低く、磁気記録媒体としては不十分な特性しか
得られていない。
本発明の目的はこの問題を解消することにあり、その
第1の目的は記録再生特性を向上させた改良された垂直
磁気記録媒体を、第2の目的はそれを製造する方法を、
そして第3の目的はこの垂直磁気記録媒体を用いた磁気
記録再生装置をそれぞれ提供することにある。
第1の目的は記録再生特性を向上させた改良された垂直
磁気記録媒体を、第2の目的はそれを製造する方法を、
そして第3の目的はこの垂直磁気記録媒体を用いた磁気
記録再生装置をそれぞれ提供することにある。
上記第1の目的は、所定の形状を有する非磁性基体上
に、直接もしくは高透磁率層を介して少なくともコバル
ト及びその酸化物を含む混合体から成る垂直磁気記録用
磁性膜を形成した磁気記録媒体であって、この磁性膜の
膜面に対して垂直方向に磁場を印加して磁化曲線を測定
した時の、第1象限における減磁曲線に対して印加磁場
零付近で第1の接線を引いた時、この減磁曲線のショル
ダ部が前記第1の接線と交わるか、もしくは交わらなく
とも高磁場の飽和磁化領域で引いた第2の接線と前記第
1の接線と減磁曲線のショルダ部で囲まれた面積Sを飽
和磁化Msで除した値R=S/Msが10kA/m以下である特性を
有する垂直磁気記録媒体により、達成される。
に、直接もしくは高透磁率層を介して少なくともコバル
ト及びその酸化物を含む混合体から成る垂直磁気記録用
磁性膜を形成した磁気記録媒体であって、この磁性膜の
膜面に対して垂直方向に磁場を印加して磁化曲線を測定
した時の、第1象限における減磁曲線に対して印加磁場
零付近で第1の接線を引いた時、この減磁曲線のショル
ダ部が前記第1の接線と交わるか、もしくは交わらなく
とも高磁場の飽和磁化領域で引いた第2の接線と前記第
1の接線と減磁曲線のショルダ部で囲まれた面積Sを飽
和磁化Msで除した値R=S/Msが10kA/m以下である特性を
有する垂直磁気記録媒体により、達成される。
つまり、本発明者らは、磁性膜面に垂直方向に磁場を
印加して測定した時の磁化曲線が、上述のとおりある特
定形状を有していることが極めて有効であることを見出
した。本発明はこの知見に基づいてなされたもので、以
下図面によりこの特性改善の要因となる磁化曲線の形状
について説明する。
印加して測定した時の磁化曲線が、上述のとおりある特
定形状を有していることが極めて有効であることを見出
した。本発明はこの知見に基づいてなされたもので、以
下図面によりこの特性改善の要因となる磁化曲線の形状
について説明する。
第1図及び第2図は本発明の磁性膜の典型的な垂直方
向の磁化曲線を示したものである。そして、第3図は従
来の垂直磁性膜の例を示したものである。
向の磁化曲線を示したものである。そして、第3図は従
来の垂直磁性膜の例を示したものである。
まず、第3図に示した従来の垂直磁化膜においては、
磁場を減少させながら測定した磁化曲線の減磁曲線6の
ショルダ部4の形状が丸味をおびており、この部分にお
ける磁化反転が極めて緩慢に起こっている。
磁場を減少させながら測定した磁化曲線の減磁曲線6の
ショルダ部4の形状が丸味をおびており、この部分にお
ける磁化反転が極めて緩慢に起こっている。
これに対し、第1図に示した本発明による垂直磁性膜
の磁化曲線では、印加磁場が零付近で引いた第1の接線
1と減磁曲線6のショルダ部2とが交差し、ショルダ部
2は接線1の左側の低磁場領域に存在している。また、
ショルダ部が接線1の左側に存在しない場合でも、第2
図に示したようにショルダ部3における減磁曲線が、零
磁場付近での第1の接線1と、高磁場の飽和磁化領域で
引いた第2の接線5との交点の極めて近くに存在してい
る。
の磁化曲線では、印加磁場が零付近で引いた第1の接線
1と減磁曲線6のショルダ部2とが交差し、ショルダ部
2は接線1の左側の低磁場領域に存在している。また、
ショルダ部が接線1の左側に存在しない場合でも、第2
図に示したようにショルダ部3における減磁曲線が、零
磁場付近での第1の接線1と、高磁場の飽和磁化領域で
引いた第2の接線5との交点の極めて近くに存在してい
る。
本発明者らは、このようにショルダ部3もしくは4が
第1の接線1の右側に存在する場合、これら第1の接線
1と第2の接線5と減磁曲線のショルダ部3もしくは4
とで囲まれた領域の面積をSとしたとき、このSを飽和
磁化Msで除した値R=S/Msが小さいほど記録再生特性が
優れており、実用上上述のとおりR=10kA/m以下(零を
含む)が好ましいことを見出したものである。それ故、
前述の第3図のR値は、第2図のそれと比較して著しく
大きいことがわかる。この面積Sは、第1、第2の接線
1もしくは5とショルダ部3もしくは4の減磁曲線から
容易に求めることができる。上記第1図と第2図に示し
た垂直磁化膜に共通していることは、磁化曲線(減磁曲
線)のショルダ部2、3の形状の角形性が極めて鋭く、
この部分での磁化反転が極めて急峻である点にある。
第1の接線1の右側に存在する場合、これら第1の接線
1と第2の接線5と減磁曲線のショルダ部3もしくは4
とで囲まれた領域の面積をSとしたとき、このSを飽和
磁化Msで除した値R=S/Msが小さいほど記録再生特性が
優れており、実用上上述のとおりR=10kA/m以下(零を
含む)が好ましいことを見出したものである。それ故、
前述の第3図のR値は、第2図のそれと比較して著しく
大きいことがわかる。この面積Sは、第1、第2の接線
1もしくは5とショルダ部3もしくは4の減磁曲線から
容易に求めることができる。上記第1図と第2図に示し
た垂直磁化膜に共通していることは、磁化曲線(減磁曲
線)のショルダ部2、3の形状の角形性が極めて鋭く、
この部分での磁化反転が極めて急峻である点にある。
また、上記第2の目的は、非磁性基体上に、酸素含有
雰囲気中で少なくともコバルトを含む金属粒子を蒸着す
ることにより、部分酸化コバルト金属粒子を含む飽和磁
化Msが400〜1200kA/m、より好ましくは600〜1100kA/mの
磁性膜を形成する工程と、前記磁性膜を非還元性雰囲気
中、150〜220℃にて熱処理する工程とを有して成る垂直
磁気記録媒体の製造方法により、達成される。
雰囲気中で少なくともコバルトを含む金属粒子を蒸着す
ることにより、部分酸化コバルト金属粒子を含む飽和磁
化Msが400〜1200kA/m、より好ましくは600〜1100kA/mの
磁性膜を形成する工程と、前記磁性膜を非還元性雰囲気
中、150〜220℃にて熱処理する工程とを有して成る垂直
磁気記録媒体の製造方法により、達成される。
上記飽和磁化Msの調整は、蒸着時の雰囲気中における
酸素分圧を調整することにより、周知の方法で任意にコ
ントロールすることができる。なお、蒸着時の非磁性基
体は、常温に保持してもよいが、好ましくは30〜80℃で
ある。80℃を越え例えば100℃のような高温では特性向
上が望めず好ましくない。
酸素分圧を調整することにより、周知の方法で任意にコ
ントロールすることができる。なお、蒸着時の非磁性基
体は、常温に保持してもよいが、好ましくは30〜80℃で
ある。80℃を越え例えば100℃のような高温では特性向
上が望めず好ましくない。
さらにまた、上記第3の目的は、上記垂直磁気記録媒
体を磁気記録再生媒体とした磁気記録再生装置に用いる
ことにより、達成される。これにより、記録再生特性が
大幅に改善され、極めて高い記録密度を有する磁気記録
再生装置を実現することができる。また、上記磁気記録
再生装置において、記録再生媒体への信号の記録を磁気
ヘッドで、信号の読出しを例えばファラディもしくはカ
ー効果などの光学的手段を用いた光学ヘッドで構成する
ことにより、高密度で転送速度の速い光磁気記録再生装
置を実現することができる。
体を磁気記録再生媒体とした磁気記録再生装置に用いる
ことにより、達成される。これにより、記録再生特性が
大幅に改善され、極めて高い記録密度を有する磁気記録
再生装置を実現することができる。また、上記磁気記録
再生装置において、記録再生媒体への信号の記録を磁気
ヘッドで、信号の読出しを例えばファラディもしくはカ
ー効果などの光学的手段を用いた光学ヘッドで構成する
ことにより、高密度で転送速度の速い光磁気記録再生装
置を実現することができる。
本発明の垂直磁化膜を用いることにより記録再生特性
が向上する詳細な理由は明らかでないが、以下のように
推察できる。本発明による垂直磁化膜の特徴は、第1
図、第2図に示したように、磁化曲線のショルダ部の角
形性が鋭角的になっている点にある。このことは前述し
たように、磁化反転が極めて急峻に起こっていることを
示している。このような特性を持つ磁気記録媒体では、
磁気記録を行った時の空間分解能が向上し、その結果、
記録密度特性の向上と再生出力の大幅な向上がもたらさ
れたものと考えられる。
が向上する詳細な理由は明らかでないが、以下のように
推察できる。本発明による垂直磁化膜の特徴は、第1
図、第2図に示したように、磁化曲線のショルダ部の角
形性が鋭角的になっている点にある。このことは前述し
たように、磁化反転が極めて急峻に起こっていることを
示している。このような特性を持つ磁気記録媒体では、
磁気記録を行った時の空間分解能が向上し、その結果、
記録密度特性の向上と再生出力の大幅な向上がもたらさ
れたものと考えられる。
次に、光磁気記録装置に本発明による磁性薄膜を記録
媒体として用いた時の、各構成要素の作用を説明する。
第4図に本発明による光磁気記録装置の一例を示した。
この例は、垂直磁化膜が、その飽和磁化が約800kA/m以
下の時に光の透過性がよくなる性質を利用したものであ
る。まず、光透過性のよい基板8の上に、磁性膜を形成
し記録媒体とする。この記録媒体は一定速(v)で送ら
れ、磁気ヘッド10を通過する時に磁気記録と同じ原理に
基づき信号の記録が行われる。この時、信号は磁性膜の
大きな垂直磁気異方性により、磁化方向は矢印で示した
ように上向きあるいは下向きとして記録される。次に信
号情報の読出しは、ファラディ効果を利用してなされ
る。すなわち偏向子11を通って直線偏向された光12は磁
性膜の一点に収束され、磁性膜に対して垂直入射し、磁
性膜を透過して基板の裏面に到達する。この時、磁化方
向の上向き、下向きに対応して光の偏向面が回転する。
この偏向面の回転を検光子13によって読取り、それを電
気信号に変換することによって信号の再生が行われる。
媒体として用いた時の、各構成要素の作用を説明する。
第4図に本発明による光磁気記録装置の一例を示した。
この例は、垂直磁化膜が、その飽和磁化が約800kA/m以
下の時に光の透過性がよくなる性質を利用したものであ
る。まず、光透過性のよい基板8の上に、磁性膜を形成
し記録媒体とする。この記録媒体は一定速(v)で送ら
れ、磁気ヘッド10を通過する時に磁気記録と同じ原理に
基づき信号の記録が行われる。この時、信号は磁性膜の
大きな垂直磁気異方性により、磁化方向は矢印で示した
ように上向きあるいは下向きとして記録される。次に信
号情報の読出しは、ファラディ効果を利用してなされ
る。すなわち偏向子11を通って直線偏向された光12は磁
性膜の一点に収束され、磁性膜に対して垂直入射し、磁
性膜を透過して基板の裏面に到達する。この時、磁化方
向の上向き、下向きに対応して光の偏向面が回転する。
この偏向面の回転を検光子13によって読取り、それを電
気信号に変換することによって信号の再生が行われる。
上記した光磁気記録再生のシステムは、本発明の垂直
磁性膜が光を透過し易い性質を用いたものであり、ま
た、信号の記録に磁気ヘッドを用いたのは、磁性膜のキ
ュリー点が300℃以上であり、通常の光磁気記録で用い
られているレーザ加熱による熱記録方式が採用できない
ためである。
磁性膜が光を透過し易い性質を用いたものであり、ま
た、信号の記録に磁気ヘッドを用いたのは、磁性膜のキ
ュリー点が300℃以上であり、通常の光磁気記録で用い
られているレーザ加熱による熱記録方式が採用できない
ためである。
また、第4図で示した方法の他に、光の反射を用いた
カー(Kerr)効果により信号の再生を行う方法を用いれ
ば、光が透過しない磁性膜でも記録媒体として用いるこ
とが可能となる。
カー(Kerr)効果により信号の再生を行う方法を用いれ
ば、光が透過しない磁性膜でも記録媒体として用いるこ
とが可能となる。
以上、本発明による垂直磁性膜の効果とその機能を説
明したが、この磁性膜は成膜時における基板温度が80℃
以下、好ましくは30〜60℃の条件で、飽和磁化Msの範囲
を400〜1200kA/m、より好ましくは600〜1100kA/mに設定
することによって作製することができる。さらに、これ
らの磁性膜を例えば空気中、あるいは窒素ガスのごとき
不活性ガス中といった非還元性雰囲気中、150〜220℃の
範囲で熱処理することによって、磁化曲線のショルダ部
がより鋭角的になり、記録再生特性を向上させることが
可能となる。特に飽和磁化Msが400〜600kA/mの磁性膜に
ついては、この熱処理が必須であり極めて有効である。
もちろんMsが600kA/m以上の磁性膜についても、この熱
処理は有効であるが、このようにMsの大きいものの場合
には熱処理を省略することも可能である。
明したが、この磁性膜は成膜時における基板温度が80℃
以下、好ましくは30〜60℃の条件で、飽和磁化Msの範囲
を400〜1200kA/m、より好ましくは600〜1100kA/mに設定
することによって作製することができる。さらに、これ
らの磁性膜を例えば空気中、あるいは窒素ガスのごとき
不活性ガス中といった非還元性雰囲気中、150〜220℃の
範囲で熱処理することによって、磁化曲線のショルダ部
がより鋭角的になり、記録再生特性を向上させることが
可能となる。特に飽和磁化Msが400〜600kA/mの磁性膜に
ついては、この熱処理が必須であり極めて有効である。
もちろんMsが600kA/m以上の磁性膜についても、この熱
処理は有効であるが、このようにMsの大きいものの場合
には熱処理を省略することも可能である。
以下、本発明の詳細を実施例を用いて説明する。
実施例1 第5図に示した真空蒸着装置を用いて、微量な酸素を
導入しながらCoの蒸着を行った。金属Coを電子ビーム加
熱法(蒸着源14)により溶解し、蒸着速度が約1nm/sに
なるようにフィラメント電流を調整した。また酸素の導
入量はニードルバルブ15により調節して酸素分圧を3×
10-3〜10-2Paの範囲で変化させ、種々の飽和磁化値をも
つ試料を作製した。つまり、周知のように酸素分圧の大
きさと飽和磁化Msの大きさとは相反するものであるた
め、分圧を大きくすればMsは小さくなり、分圧を小さく
すればMsは大きくなる。したがって飽和磁化の調整は試
料に見合った酸素分圧に制御することにより行った。基
板16には、厚さ20μmのポリイドミフィルムを用いた。
また、基板温度は30℃とした。このような条件で、飽和
磁化の異なる5種類(試料番号#1〜#5)の膜厚250n
mのCo/Co酸化物混合垂直磁性膜を作製した。これらの試
料の磁気特性を試料振動型磁力計(VSM)を用いて測定
した。その結果を第1表に示した。
導入しながらCoの蒸着を行った。金属Coを電子ビーム加
熱法(蒸着源14)により溶解し、蒸着速度が約1nm/sに
なるようにフィラメント電流を調整した。また酸素の導
入量はニードルバルブ15により調節して酸素分圧を3×
10-3〜10-2Paの範囲で変化させ、種々の飽和磁化値をも
つ試料を作製した。つまり、周知のように酸素分圧の大
きさと飽和磁化Msの大きさとは相反するものであるた
め、分圧を大きくすればMsは小さくなり、分圧を小さく
すればMsは大きくなる。したがって飽和磁化の調整は試
料に見合った酸素分圧に制御することにより行った。基
板16には、厚さ20μmのポリイドミフィルムを用いた。
また、基板温度は30℃とした。このような条件で、飽和
磁化の異なる5種類(試料番号#1〜#5)の膜厚250n
mのCo/Co酸化物混合垂直磁性膜を作製した。これらの試
料の磁気特性を試料振動型磁力計(VSM)を用いて測定
した。その結果を第1表に示した。
なお、表中に示した⊥、はそれぞれ印加磁界が膜面
に垂直方向、膜面内方向であることを示している。
に垂直方向、膜面内方向であることを示している。
なお、この表中には各試料の磁化曲線の形状をも示し
ており、Aは本発明の実施例となる第1図に示した形
状、Bも本発明の実施例となる第2図に示した形状、そ
してCは比較例となる従来の第3図に示した形状になっ
ていることを表わしている。形状B、Cについては、シ
ョルダ部における角形性の程度を表わすために、第3図
に示した斜線部分の面積Sを飽和磁化Msで除した値R=
S/Ms(単位はkA/m)をも併記した。この値Rが小さいも
のほど角形性に優れていることを示している。
ており、Aは本発明の実施例となる第1図に示した形
状、Bも本発明の実施例となる第2図に示した形状、そ
してCは比較例となる従来の第3図に示した形状になっ
ていることを表わしている。形状B、Cについては、シ
ョルダ部における角形性の程度を表わすために、第3図
に示した斜線部分の面積Sを飽和磁化Msで除した値R=
S/Ms(単位はkA/m)をも併記した。この値Rが小さいも
のほど角形性に優れていることを示している。
この表から、明らかなように試料#2及び#3は角形
性が優れており熱処理前においても磁化曲線A、Bを示
している。一方、試料#4は熱処理前はCであるが、熱
処理後はBであり、R値も15から2に向上している。試
料#1及び#5は熱処理を施してもCであり、十分な特
性が得られない。
性が優れており熱処理前においても磁化曲線A、Bを示
している。一方、試料#4は熱処理前はCであるが、熱
処理後はBであり、R値も15から2に向上している。試
料#1及び#5は熱処理を施してもCであり、十分な特
性が得られない。
なお、熱処理は、各試料を空気中、200℃において15
分間行った。熱処理を行ったことによって、飽和磁化等
のマクロな磁気特性には大きな変化がみられなかった
が、上述のとおり#2〜#4の試料については磁化曲線
の形状に変化が見られ、ショルダ部の角形性が鋭角的に
なった。
分間行った。熱処理を行ったことによって、飽和磁化等
のマクロな磁気特性には大きな変化がみられなかった
が、上述のとおり#2〜#4の試料については磁化曲線
の形状に変化が見られ、ショルダ部の角形性が鋭角的に
なった。
実施例2 上記実施例1で作製した試料を円板状に切り抜き、記
録再生特性の評価を行った。用いた磁気ヘッドは非晶質
状のCo−Nb−Zr薄膜をMn−Znフェライトのブロックでは
さみ込んだMIG(Metal in Gap)タイプのものであり、
そのギャップ長は0.2μmである。記録再生特性は、相
対速度2m/sとし、媒体表面に潤滑剤を塗布し、磁気ヘッ
ドを接触させながら測定した。
録再生特性の評価を行った。用いた磁気ヘッドは非晶質
状のCo−Nb−Zr薄膜をMn−Znフェライトのブロックでは
さみ込んだMIG(Metal in Gap)タイプのものであり、
そのギャップ長は0.2μmである。記録再生特性は、相
対速度2m/sとし、媒体表面に潤滑剤を塗布し、磁気ヘッ
ドを接触させながら測定した。
代表的な記録再生特性として試料#3と#5の再生出
力の記録密度依存性を第6図に示した。図から明らかな
ごとく、磁化曲線のショルダ部が鋭角的な磁化変化をす
る試料#3の方が、高密度領域における再生出力が高
く、出力半減記録密度(D50)も150kFCIと優れている。
また#3の試料では孤立再生波形が双峰状になって、典
型的な垂直磁気記録がされているのに対して、#5の試
料では、マクロな磁気特性においては垂直磁化膜になっ
ているにもかかわらず、孤立再生波形は単峰状で垂直磁
気記録が行われていない。第7図に試料#1〜#5とそ
れらを熱処理した時の、飽和磁化と線記録密度10kFCIに
おける再生出力(E10k)の関係、第8図に飽和磁化と出
力半減線記録密度(D50)の関係を示した。
力の記録密度依存性を第6図に示した。図から明らかな
ごとく、磁化曲線のショルダ部が鋭角的な磁化変化をす
る試料#3の方が、高密度領域における再生出力が高
く、出力半減記録密度(D50)も150kFCIと優れている。
また#3の試料では孤立再生波形が双峰状になって、典
型的な垂直磁気記録がされているのに対して、#5の試
料では、マクロな磁気特性においては垂直磁化膜になっ
ているにもかかわらず、孤立再生波形は単峰状で垂直磁
気記録が行われていない。第7図に試料#1〜#5とそ
れらを熱処理した時の、飽和磁化と線記録密度10kFCIに
おける再生出力(E10k)の関係、第8図に飽和磁化と出
力半減線記録密度(D50)の関係を示した。
まず、熱処理前の試料(実線で示す)においては、磁
化曲線の形状が鋭角的な#2と#3の試料において、高
い再生出力と記録密度特性の得られることがわかる。さ
らにこれらの試料を熱処理すると、#1と#5を除いて
他の試料で記録再生特性が向上する。特に#4の試料で
の特性向上が著しい。これは熱処理によって磁化曲線の
形状がタイプCからタイプBへと変化し、ショルダ部が
鋭角的な変化を示すようになったためである。
化曲線の形状が鋭角的な#2と#3の試料において、高
い再生出力と記録密度特性の得られることがわかる。さ
らにこれらの試料を熱処理すると、#1と#5を除いて
他の試料で記録再生特性が向上する。特に#4の試料で
の特性向上が著しい。これは熱処理によって磁化曲線の
形状がタイプCからタイプBへと変化し、ショルダ部が
鋭角的な変化を示すようになったためである。
次に本発明による垂直磁化膜を光磁気記録再生装置に
応用した例について述べる。
応用した例について述べる。
実施例3 第4図に示したようにテープ送り機構(図面省略)
と、信号記録用の磁気ヘッド10と光再生システム11、1
2、13を備えた装置を作製した。また記録媒体は、酸素
分圧が9×10-3Pa、膜厚が50nmであること以外は、実施
例1と同じ条件で作製した。磁性膜の熱処理も空気中、
200℃で15分間施した。作製した試料の磁気特性はMs=6
20kA/m、抗磁力Hc⊥72kA/m、Hc25kA/m、角形比(Mr/M
s)⊥=0.2、(Mr/Ms)=0.1、R=2kA/mで磁化曲線
のショルダ部の形状は第2図に示したBタイプのもので
あった。また使用した磁気ヘッドのタイプは前述したも
のと同じであるがギャップ長は0.5μm、トラック幅は
5μmとした。光磁気記録においてはトラック幅は1μ
m程度あれば十分であり、このトラック幅は狭い方が望
ましいが、本実施例ではヘッド加工の都合上5μm程度
としたものである。光再生系に用いた光源(図示省略)
は、波長830nmの半導体レーザであり1μmのスポット
径に集光されている。記録媒体試料をテープ状に切り取
り、作製した光磁気記録再生装置でその記録再生特性を
評価したところ、0.7μmのビット長において、信号対
雑音比(S/N比)約45dB(ノイズ帯域30kHz)の良好な特
性が得られた。
と、信号記録用の磁気ヘッド10と光再生システム11、1
2、13を備えた装置を作製した。また記録媒体は、酸素
分圧が9×10-3Pa、膜厚が50nmであること以外は、実施
例1と同じ条件で作製した。磁性膜の熱処理も空気中、
200℃で15分間施した。作製した試料の磁気特性はMs=6
20kA/m、抗磁力Hc⊥72kA/m、Hc25kA/m、角形比(Mr/M
s)⊥=0.2、(Mr/Ms)=0.1、R=2kA/mで磁化曲線
のショルダ部の形状は第2図に示したBタイプのもので
あった。また使用した磁気ヘッドのタイプは前述したも
のと同じであるがギャップ長は0.5μm、トラック幅は
5μmとした。光磁気記録においてはトラック幅は1μ
m程度あれば十分であり、このトラック幅は狭い方が望
ましいが、本実施例ではヘッド加工の都合上5μm程度
としたものである。光再生系に用いた光源(図示省略)
は、波長830nmの半導体レーザであり1μmのスポット
径に集光されている。記録媒体試料をテープ状に切り取
り、作製した光磁気記録再生装置でその記録再生特性を
評価したところ、0.7μmのビット長において、信号対
雑音比(S/N比)約45dB(ノイズ帯域30kHz)の良好な特
性が得られた。
本実施例では記録媒体中の透過光を利用するファラデ
ィ効果を用いて信号の読出しを行ったが、カー効果によ
る読出し方式を用いれば、反射光を利用するので磁性膜
の膜厚を0.1μm以上にできるため、比較的長いビット
長からも反磁界が減少することが期待でき、書込む磁化
量が増える点で有利となる。また、カー効果読出し方式
を用いれば次のような利点もある。本実施例では信号の
記録をリングヘッドを用いて行ったが、磁性層と基板の
間にパーマロイなどの高透磁率層を設けた、いわゆる2
層膜媒体を用いることが可能となり、その場合には信号
の記録を単磁極型ヘッドを用いて行えばより理想的な垂
直磁気記録が可能となり、高いS/N特性を得ることが可
能となる。
ィ効果を用いて信号の読出しを行ったが、カー効果によ
る読出し方式を用いれば、反射光を利用するので磁性膜
の膜厚を0.1μm以上にできるため、比較的長いビット
長からも反磁界が減少することが期待でき、書込む磁化
量が増える点で有利となる。また、カー効果読出し方式
を用いれば次のような利点もある。本実施例では信号の
記録をリングヘッドを用いて行ったが、磁性層と基板の
間にパーマロイなどの高透磁率層を設けた、いわゆる2
層膜媒体を用いることが可能となり、その場合には信号
の記録を単磁極型ヘッドを用いて行えばより理想的な垂
直磁気記録が可能となり、高いS/N特性を得ることが可
能となる。
さらに、2層膜媒体を用いた場合には、高透磁率層を
光の反射層として用いることが可能となり、磁性層の厚
さを薄くした場合にカー回転角のエンハンスメント効果
を期待することができる。
光の反射層として用いることが可能となり、磁性層の厚
さを薄くした場合にカー回転角のエンハンスメント効果
を期待することができる。
なお、本発明による磁性膜は十分に強い摺動強度をも
つが、磁性層の表面にカーボン、ホウ素、炭化物、窒化
物、ホウ化物などの保護膜を形成すればより強い記録媒
体を得ることが可能である。特に光磁気記録において
は、記録ビット長が比較的長いため、保護膜が光を透過
するのであれば、50nm以上の厚さであっても、磁気記録
は可能である。
つが、磁性層の表面にカーボン、ホウ素、炭化物、窒化
物、ホウ化物などの保護膜を形成すればより強い記録媒
体を得ることが可能である。特に光磁気記録において
は、記録ビット長が比較的長いため、保護膜が光を透過
するのであれば、50nm以上の厚さであっても、磁気記録
は可能である。
実施例4 第9図は、磁化曲線のショルダ部の形状を示すR値=
S/Msと低周波規格化再生出力(E10k)の関係を示す。試
料の磁化膜は実施例1と同様にして作成したものであ
り、曲線aは飽和磁化Msが800〜1100kA/mの範囲のも
の、bはMs600〜800kA/m、cはMs400〜600kA/mの試料に
ついて測定した結果である。
S/Msと低周波規格化再生出力(E10k)の関係を示す。試
料の磁化膜は実施例1と同様にして作成したものであ
り、曲線aは飽和磁化Msが800〜1100kA/mの範囲のも
の、bはMs600〜800kA/m、cはMs400〜600kA/mの試料に
ついて測定した結果である。
第10図は、R値と出力半減線記録密度D50の関係を示
したものであり、曲線a、b、cはそれぞれ第9図と同
一の試料についての測定結果である。
したものであり、曲線a、b、cはそれぞれ第9図と同
一の試料についての測定結果である。
これら、第9図、第10図から、好ましい記録再生特性
であるE10kが0.07μVpp/μm、m/s、turn以上、D50が1
40kFCI以上の両特性を得るためには、Rが10kA/m以下に
することが必要なことがわかる。
であるE10kが0.07μVpp/μm、m/s、turn以上、D50が1
40kFCI以上の両特性を得るためには、Rが10kA/m以下に
することが必要なことがわかる。
第11図は、蒸着後の磁化膜に施す熱処理と記録再生特
性の関係を示したものである。試料は実施例1と同様に
して作成したが、成膜時の飽和磁化Msは、730kA/mのも
のである。図から明らかなように熱処理温度が150℃以
上になるとE10k、D50ともに向上する。熱処理温度は200
℃近傍で最も大きくなるが、余り温度が高くなるとMsが
変動し易くなる、基板との間に歪が生じる、基板が樹脂
からなる場合にその耐熱性などの理由から実用上、その
上限は220℃程度となる。
性の関係を示したものである。試料は実施例1と同様に
して作成したが、成膜時の飽和磁化Msは、730kA/mのも
のである。図から明らかなように熱処理温度が150℃以
上になるとE10k、D50ともに向上する。熱処理温度は200
℃近傍で最も大きくなるが、余り温度が高くなるとMsが
変動し易くなる、基板との間に歪が生じる、基板が樹脂
からなる場合にその耐熱性などの理由から実用上、その
上限は220℃程度となる。
以上の実施例においてはCoとCoの酸化物混合垂直磁化
膜を例にあげたが、その他Coに例えばFeやNiのごとき磁
性金属を添加した磁性膜においても上記実施例と同様の
効果が得られていることを確認している。また添加元素
として非磁性のTi、Cr、Mn、Cu、Zr、V、Al、Mo、W、
Re、Ru、Pt、Nb、Bi等を添加した場合にも同様である。
特にBiについては、光磁気効果を向上させる働きのある
ことも確認されている。
膜を例にあげたが、その他Coに例えばFeやNiのごとき磁
性金属を添加した磁性膜においても上記実施例と同様の
効果が得られていることを確認している。また添加元素
として非磁性のTi、Cr、Mn、Cu、Zr、V、Al、Mo、W、
Re、Ru、Pt、Nb、Bi等を添加した場合にも同様である。
特にBiについては、光磁気効果を向上させる働きのある
ことも確認されている。
本発明によれば、以上説明したように少なくともコバ
ルト金属とその酸化物とを含む混合垂直磁化膜の記録再
生特性を大幅に向上させることが可能となる。したがっ
てそれを用いた磁気記録再生装置の再生出力と記録密度
とを向上させることができる。
ルト金属とその酸化物とを含む混合垂直磁化膜の記録再
生特性を大幅に向上させることが可能となる。したがっ
てそれを用いた磁気記録再生装置の再生出力と記録密度
とを向上させることができる。
また、本発明による磁性膜が50nm程度の厚さで光をよ
く透過する性質と、光磁気効果をもつ性質を用いること
により、磁気ヘッド書込み、光再生のシステムをもつ光
磁気記録再生装置が可能となる。
く透過する性質と、光磁気効果をもつ性質を用いること
により、磁気ヘッド書込み、光再生のシステムをもつ光
磁気記録再生装置が可能となる。
第1図は本発明による垂直磁化膜の膜面垂直方向におけ
る磁化曲線、第2図は本発明による垂直磁化膜の膜面垂
直方向における他の磁化曲線の例、第3図は比較例とな
る従来の垂直磁化膜の磁化曲線、第4図は本発明による
磁性膜を用いた光磁気記録再生装置の概略図、第5図は
磁性膜を作製するのに用いた真空蒸着装置の概略図、第
6図は本発明による垂直磁化膜の再生出力の記録密度依
存性とその比較例、第7図は本発明による垂直磁化膜の
飽和磁化と低周波規格化再生出力の関係を示した特性曲
線図、第8図は同じく飽和磁化と出力半減線記録密度の
関係を示した特性曲線図、第9図はR値と再生出力との
関係を示した特性曲線図、第10図は同じくR値と出力半
減線記録密度の関係を示した特性曲線図、そして、第11
図は磁化膜の熱処理温度と記録再生出力との関係を示し
た特性曲線図である。 1…減磁曲線の磁場零付近における第1の接線 2、3、4…減磁曲線の“ショルダ部” 5…減磁曲線の高磁場における第2の接線 6…試料の膜面垂直方向に磁場を印加した時の磁化曲線
において、磁場を減少させながら測定した減磁曲線
る磁化曲線、第2図は本発明による垂直磁化膜の膜面垂
直方向における他の磁化曲線の例、第3図は比較例とな
る従来の垂直磁化膜の磁化曲線、第4図は本発明による
磁性膜を用いた光磁気記録再生装置の概略図、第5図は
磁性膜を作製するのに用いた真空蒸着装置の概略図、第
6図は本発明による垂直磁化膜の再生出力の記録密度依
存性とその比較例、第7図は本発明による垂直磁化膜の
飽和磁化と低周波規格化再生出力の関係を示した特性曲
線図、第8図は同じく飽和磁化と出力半減線記録密度の
関係を示した特性曲線図、第9図はR値と再生出力との
関係を示した特性曲線図、第10図は同じくR値と出力半
減線記録密度の関係を示した特性曲線図、そして、第11
図は磁化膜の熱処理温度と記録再生出力との関係を示し
た特性曲線図である。 1…減磁曲線の磁場零付近における第1の接線 2、3、4…減磁曲線の“ショルダ部” 5…減磁曲線の高磁場における第2の接線 6…試料の膜面垂直方向に磁場を印加した時の磁化曲線
において、磁場を減少させながら測定した減磁曲線
Claims (5)
- 【請求項1】所定の形状を有する非磁性基体上に、直接
もしくは高透磁率層を介して少なくともコバルト及びそ
の酸化物を含む混合体から成る垂直磁気記録用磁性膜を
形成した磁気記録媒体であって、この磁性膜の膜面に対
して垂直方向に磁場を印加して磁化曲線を測定した時
の、第1象限における減磁曲線に対して印加磁場零付近
で第1の接線を引いた時、この減磁曲線のショルダ部が
前記第1の接線と交わるか、もしくは交わらなくとも高
磁場の飽和磁化領域で引いた第2の接線と前記第1の接
線と減磁曲線のショルダ部で囲まれた面積Sを飽和磁化
Msで除した値R=S/Msが10kA/m以下である特性を有する
垂直磁気記録媒体。 - 【請求項2】上記磁性膜の飽和磁化Msを600〜1200kA/m
とした請求項1記載の垂直磁気記録媒体。 - 【請求項3】非磁性基体上に、酸素含有雰囲気中で少な
くともコバルトを含む金属粒子を蒸着することにより、
部分酸化コバルト金属粒子を含む飽和磁化Msが400〜120
0kA/mの磁性膜を形成する工程と、前記磁性膜を非還元
性雰囲気中、150〜220℃にて熱処理する工程とを有して
成る垂直磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項4】請求項1もしくは2記載の垂直磁気記録媒
体を磁気記録再生媒体とした磁気記録再生装置。 - 【請求項5】請求項4記載の磁気記録再生装置におい
て、信号の記録は磁気ヘッドで、信号の読出しは光学ヘ
ッドで行う構成とした光磁気記録再生装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63326376A JP2507574B2 (ja) | 1988-12-26 | 1988-12-26 | 垂直磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置 |
US07/321,081 US5244751A (en) | 1988-03-11 | 1989-03-09 | Perpendicular magnetic recording medium, its fabrication method and read-write machine using it |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63326376A JP2507574B2 (ja) | 1988-12-26 | 1988-12-26 | 垂直磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02173926A JPH02173926A (ja) | 1990-07-05 |
JP2507574B2 true JP2507574B2 (ja) | 1996-06-12 |
Family
ID=18187113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63326376A Expired - Lifetime JP2507574B2 (ja) | 1988-03-11 | 1988-12-26 | 垂直磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2507574B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3930281B2 (ja) * | 2001-09-27 | 2007-06-13 | 株式会社東芝 | 垂直磁気記録再生装置におけるノイズを低下する方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5774826A (en) * | 1980-10-24 | 1982-05-11 | Sekisui Chem Co Ltd | Magnetic recording medium |
JP2546268B2 (ja) * | 1987-05-22 | 1996-10-23 | ソニー株式会社 | 垂直磁気記録媒体 |
-
1988
- 1988-12-26 JP JP63326376A patent/JP2507574B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02173926A (ja) | 1990-07-05 |
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