JP3052915B2 - 垂直磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体及びその製造方法

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JP3052915B2
JP3052915B2 JP9300659A JP30065997A JP3052915B2 JP 3052915 B2 JP3052915 B2 JP 3052915B2 JP 9300659 A JP9300659 A JP 9300659A JP 30065997 A JP30065997 A JP 30065997A JP 3052915 B2 JP3052915 B2 JP 3052915B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、垂直磁気記録媒
体及びその製造方法に関し、詳しくは、コンピュ−タ等
の記憶装置の1つであり、各種データを垂直磁気記録方
式で記憶する磁気ディスク等に用いて好適な垂直磁気記
録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パ−ソナルコンピュ−タやワ−ク
ステ−ション等の処理の高速化や処理データの大規模化
ないしは装置の小型化に伴って、それらの記憶装置の1
つである磁気ディスクを大容量化・小型化する必要があ
り、磁気ディスクはさらなる高記録密度化が要求されて
いる。しかし、現在広く普及している、磁性層の水平方
向(膜面方向)に磁化してデータを記憶する水平磁気記
録方式で高記録密度化しようとすると、記録ビットの微
細化に伴う記録磁化の熱揺らぎの問題や、記録ヘッドの
記録能力を超えかねない高保磁力化の問題が発生してし
まう。すなわち、高記録密度化を実現するためには、必
然的に記録ビットが小さくなるが、記録ビットがあまり
にも小さくなると、記録時に発生する熱エネルギの影響
が無視できなくなり、記録磁化が熱によって容易に動
き、記録磁化が消失してしまう場合がある。この記録磁
化が熱のために動き易くなる現象を記録磁化の熱揺らぎ
という。また、水平磁気記録方式で高記録密度化する場
合、記録媒体の高保磁力化は避けられないが、その保磁
力以上の磁場を発生させなければならない記録ヘッドの
記録能力に限界があるため、記録媒体の保磁力をあまり
高くできない。したがって、水平磁気記録方式での高記
録密度化には限界があるのである。
【0003】そこで、これらの問題を解決しつつ、磁気
ディスクの記録密度を大幅に向上できる記録方式とし
て、従来から、磁性層の垂直方向(膜厚方向)に磁化し
てデータを記憶する垂直磁気記録方式が検討されてい
る。この垂直磁気記録方式に用いられる垂直磁気記録媒
体の1つとして、例えば、「日本応用磁気学会誌、Vol.
8,No.1,1984,p.17」に開示されているよう
に、高透磁率の軟磁性膜と高い垂直異方性を有する垂直
磁化膜とからなる2層膜構造の垂直磁気記録媒体があ
る。図47は、上記文献に開示された従来の垂直磁気記
録媒体1の概略構造を示す要部断面図である。垂直磁気
記録媒体1は、ガラスやアルミニウム(Al)等の非磁
性材料からなる基板2上に、例えば、パーマロイ(ニッ
ケル(Ni)及び鉄(Fe)からなる合金)膜で構成さ
れた軟磁性膜(裏打ち層)3と、例えば、コバルト(C
o)やクロム(Cr)を含んだ合金膜で構成された垂直
磁化膜4とが順に形成されて構成されている。しかしな
がら、上記垂直磁気記録媒体1においては、垂直磁化膜
4の結晶粒がC軸(垂直軸)を磁化容易軸として持つ度
合いを示す垂直配向性が悪いため、垂直磁化膜4自体の
垂直方向の保持力HC⊥が小さくなり、その結果、デー
タの記録特性や再生出力が低下する等、記録再生特性が
劣化してしまうという欠点があった。
【0004】そこで、上記垂直磁化膜の垂直配向性を改
善するために、特開昭61−34722号公報には、ポ
リアミド系の耐熱性フィルム等の非磁性材料からなる基
板上に、パーマロイ膜で構成された軟磁性膜と、チタン
(Ti)、酸化シリコン(SiO2)、あるいはアモル
ファス等で構成された非磁性薄膜と、CoCr膜で構成
された垂直磁化膜とが順に形成された垂直磁気記録媒体
が開示されている。また、特開平6−103555号公
報には、Al等の非磁性基板上に、パーマロイ膜で構成
された軟磁性膜と、Co、Cr及びタンタル(Ta)か
らなり、Co,Cr,Taの各組成量を膜厚方向に変化
させたCoCrTa膜で構成された垂直磁化膜とが順に
形成された垂直磁気記録媒体が開示されている。CoC
rTa膜は、B−Hループの角張り性が良く、垂直方向
の保持力HC⊥が高く、結晶学的な垂直配向性を示す指
数が小さいことが知られている(「Masauki Sagoi eta
l., J.Appl. Phys. 67(10), 15 May 1990」参照)。し
かし、上記いずれの垂直磁気記録媒体も、軟磁性膜とし
てパーマロイ膜を用いている以上、垂直磁化膜の垂直配
向性はさほど改善されない。また、特開平6−1035
55号公報に開示された垂直磁気記録媒体を例えばスパ
ッタ法により作製するには、CoCrTa膜の膜厚方向
における各Co,Cr,Taの組成に合わせた複数種類
のターゲットを用意する必要があり、材料費がその分増
加すると共に、複数種類のターゲットを適時切り替えて
スパッタすることができる専用のスパッタ装置が必要で
ある。
【0005】これに対して、特開昭57−36435号
公報には、ガラス等で構成された基板上に、センダスト
(シリコン(Si)、Fe及びAlからなる合金)膜で
構成された軟磁性膜と、CoCr膜で構成された垂直磁
化膜とが順に形成された垂直磁気記録媒体が開示されて
いる。この垂直磁気記録媒体においては、基板上に、体
心立方格子(body-centeredcubic lattice)を空間格子
とした結晶構造を有するセンダスト膜が結晶最密面であ
る格子面(110)面を配向面として形成され、その配
向面上に、六方最密充填(hcp;hexagonal closest
packing)格子を空間格子とした結晶構造を有するCo
Cr膜が格子面(001)面(C面、垂直方向)を配向
面として形成されている。また、本出願人は、特願平0
9−030523号に開示されているように、ガラス基
板やNiP/Al合金基板上に、NiP膜やFe膜等で
構成された第1の軟磁性膜と、センダスト膜で構成され
た第2の軟磁性膜と、CoCrTa膜やCoCr膜で構
成された垂直磁化膜とが順に形成された垂直磁気記録媒
体を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開昭
57−36435号公報に開示された従来の垂直磁気記
録媒体においては、センダスト膜の格子面(110)面
とCoCr膜の格子面(001)面との格子整合性、す
なわち、センダスト膜とCoCr膜の界面における相性
が良好でないため、垂直磁化膜が所望の比率となる完全
なCoCr膜として成長するまでに必要な、結晶性の乱
れた成長初期層の膜厚が大きくなってしまうが、この成
長初期層は膜厚が厚いほど結晶粒の増大を促進するた
め、記録再生の際の媒体ノイズが大きくなるという欠点
があった。また、センダスト膜の格子面(110)面と
CoCr膜の格子面(001)面との格子整合性が良好
でないことにより、CoCr膜の垂直配向性が悪いた
め、データを高密度で記録した場合、隣接する記録ビッ
トからの干渉が大きくなり、再生出力電圧が早く減衰し
てしまう、すなわち、再生出力電圧の記録密度に対する
特性が良好でないという問題があった。これに対して、
上記特願平09−030523号に開示された従来の垂
直磁気記録媒体は、多層構造にしたりアニール処理する
必要があるため、その分製造工程及び製造時間が増え、
垂直磁気記録媒体の価格が上昇してしまうという欠点が
あった。
【0007】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、安価かつ簡単に作製できると共に、記録再生の
際の媒体ノイズを低減でき、しかも再生出力電圧の記録
密度に対する特性を向上させることができる垂直磁気記
録媒体及びその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明に係る垂直磁気記録媒体は、基
板上に、体心立方格子を空間格子とした結晶構造を有
し、格子面(200)面を配向面として形成された軟磁
性膜と、六方最密充填格子を空間格子とした結晶構造を
有する垂直磁化膜とが順に形成されてなることを特徴と
している。
【0009】また、請求項2記載の発明に係る垂直磁気
記録媒体は、基板上に、体心立方格子を空間格子とした
結晶構造を有し、格子面(200)面を配向面として形
成された結晶配向性制御膜と、体心立方格子を空間格子
とした結晶構造を有し、格子面(200)面を配向面と
して形成された軟磁性膜と、六方最密充填格子を空間格
子とした結晶構造を有する垂直磁化膜とが順に形成され
てなることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の垂
直磁気記録媒体に係り、前記軟磁性膜が、鉄、シリコ
ン、アルミニウム、チタン、ルテニウム、コバルト、窒
素の中から選択された、いずれか2つ以上の元素からな
る合金膜であることを特徴としている。
【0011】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至3のいずれか1に記載の垂直磁気記録媒体に係り、上
記垂直磁化膜は、クロムの原子百分率が30パーセント
以下のコバルト、クロム及びタンタルからなる合金膜、
又は、クロムの原子百分率が30パーセント以下のコバ
ルト及びクロムからなる合金膜であることを特徴として
いる。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれか1に記載の垂直磁気記録媒体に係り、前記軟磁
性膜が、鉄、シリコン、アルミニウム、チタン、ルテニ
ウム、コバルト、窒素の中から選択された、いずれか2
つ以上の元素からなる合金膜であることを特徴としてい
る。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の
いずれか1に記載の垂直磁気記録媒体に係り、上記基板
は、ニッケル、リン及びアルミニウムからなる合金基
板、ガラス基板、カーボン基板、シリコン基板、又は、
サファイア基板であることを特徴としている。
【0014】
【0015】また、請求項7記載の発明に係る垂直磁気
記録媒体の製造方法は、基板上に、体心立方格子を空間
格子とした結晶構造を有する軟磁性膜を格子面(20
0)面を配向面として形成する第1の工程と、前記軟磁
性膜上に、六方最密充填格子を空間格子とした結晶構造
を有する垂直磁化膜を形成する第2の工程とからなるこ
とを特徴としている。
【0016】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の垂直磁気記録媒体の製造方法に係り、前記第1の工
程の前に、基板上に、体心立方格子を空間格子とした結
晶構造を有する結晶配向性制御膜を格子面(200)面
を配向面として形成する第3の工程を行うことを特徴と
している。
【0017】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載の垂直磁気記録媒体の製造方法に係り、前記結晶配向
性制御膜が、バナジウム、クロム、ニオブ、モリブデン
の中から選択された、いずれか1つの元素からなる膜、
あるいは、いずれか2つ以上の元素からなる合金膜であ
ることを特徴としている。
【0018】また、請求項10記載の発明は、請求項7
乃至9のいずれか1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方
法に係り、前記垂直磁化膜が、クロムの原子百分率が3
0パーセント以下のコバルト、クロム及びタンタルから
なる合金膜、又は、クロムの原子百分率が30パーセン
ト以下のコバルト及びクロムからなる合金膜であること
を特徴としている。
【0019】また、請求項11記載の発明は、請求項7
乃至10のいずれか1に記載の垂直磁気記録媒体の製造
方法に係り、前記軟磁性膜が、鉄、シリコン、アルミニ
ウム、チタン、ルテニウム、コバルト、窒素の中から選
択された、いずれか2つ以上の元素からなる合金膜であ
ることを特徴としている。
【0020】また、請求項12記載の発明は、請求項7
乃至11のいずれか1に記載の垂直磁気記録媒体の製造
方法に係り、前記基板が、ニッケル、リン及びアルミニ
ウムからなる合金基板、ガラス基板、カーボン基板、シ
リコン基板、又は、サファイア基板であることを特徴と
している。
【0021】
【作用】この発明の構成によれば、軟磁性膜を、単独で
又は結晶配向性制御膜と共に、垂直磁化膜の格子面(0
01)面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配
向面として形成しているので、垂直磁化膜の垂直配向性
が改善されると共に、垂直磁化膜の成長初期層の膜厚を
薄くすることができる。また、この垂直磁気記録媒体
は、多くても3層構造である。さらに、この発明の構成
による製造方法によれば、アニール処理したり、垂直磁
化膜を構成する各元素の各組成量を膜厚方向に変化させ
る必要はない。したがって、垂直磁気記録媒体を安価か
つ簡単に作製できると共に、記録再生の際の媒体ノイズ
を低減でき、しかも再生出力電圧の記録密度に対する特
性を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。 A.第1の実施例 図1はこの発明の第1の実施例である垂直磁気記録媒体
11の概略構造を示す要部断面図である。垂直磁気記録
媒体11は、直径2.5インチの円形のガラス基板12
上に、センダスト膜で構成された軟磁性膜13と、C
o:78at%,Cr:19at%,Ta:3at%の
組成を有し、六方最密充填格子を空間格子とした結晶構
造を有するCoCrTa膜で構成された垂直磁化膜14
とが順に形成されて構成されている。ここで、at%と
は、原子百分率(atomic percent)をいい、物質全体の
原子数を100とした場合のある元素の原子数をいう。
今の場合、Coの原子数が78、Crの原子数が19、
Taの原子数が3である。以下、この垂直磁気記録媒体
11の製造方法について説明する。まず、ガラス基板1
2上にスパッタ法により6インチのFeSiAlタ−ゲ
ットを用いて、基板温度を200゜C〜300゜Cの範
囲内の所定の温度に保持しつつ、センダスト膜で構成さ
れた軟磁性膜13を500nm成膜する。成膜条件は、初
期真空度5×10-7mTorrにおいて、投入電力0.5k
w、アルゴン(Ar)ガス圧4mTorr、成膜速度3nm/sec
とした。次に、軟磁性膜13上に、Co:78at%,
Cr:19at%,Ta:3at%の組成を有するCo
CrTaタ−ゲットを用いてスパッタ法によりCoCr
Ta膜で構成された垂直磁化膜14を100nmを成膜す
る。
【0023】ここで、図2に、センダスト膜を成膜した
時の基板温度と、センダスト膜の結晶配向性及びCoC
rTa膜の垂直配向性との関係を示す。センダスト膜の
結晶配向性はX線回折法を用いて測定しており、図2に
示す数値は、センダスト膜の格子面(110)面及び
(200)面それぞれから反射されたX線の回折強度
(単位:カウント/秒、cps;counts per second)であ
る。このX線の回折強度が大きいということは、その格
子面の方向にセンダスト膜の結晶粒が配向していること
を意味する。また、CoCrTa膜の垂直配向性もX線
回折法を用いて測定しており、単色のX線を、CoCr
Ta膜の格子面(002)面(C面、垂直方向)により
X線が反射された場合の回折強度がピークになる方向か
らCoCrTa膜の表面に入射させ、垂直磁気記録媒体
をブラック角の付近で回転させたときに得られる回折強
度のX線の反射角(2θ)に対する変化を測定する。こ
の回折強度のX線の反射角(2θ)に対する変化を表す
曲線をロッキングカーブといい、ある結晶軸の回りの結
晶配向性(今の場合、C軸の回りの結晶配向性、すなわ
ち、垂直配向性)の分散を表しており、図2に示す数値
は、このロッキングカ−ブにおいて回折強度が1/2に
低下する角度幅(半値幅)Δθ50(図2では簡単にCo
CrTa膜の半値幅Δθ50と表示、以下この表現を用い
る。)である。したがって、このCoCrTa膜の半値
幅Δθ50の値が小さいほど、CoCrTa膜の結晶粒は
C軸方向に配向しており、その配向性の分散が小さい、
すなわち、垂直配向性が良好であるということになる。
【0024】図2から分かるように、センダスト膜を成
膜した時の基板温度を100゜Cから変化させ、200
゜C以上にすることによって、センダスト膜は格子面
(110)面から格子面(200)面に配向性を変えて
いる。そして、CoCrTa膜の半値幅Δθ50は、セン
ダスト膜成膜時の基板温度が200゜C以上、すなわ
ち、センダスト膜が格子面(200)面を配向面として
形成されている場合では、センダスト膜成膜時の基板温
度が200゜C未満、すなわち、センダスト膜が格子面
(110)面を配向面として形成されている場合に比べ
て、ほぼ半減している。これは、センダスト膜の格子面
(200)面とCoCrTa膜の格子面(001)面と
の格子整合性が良好であることを表している。つまり、
センダスト膜を、CoCrTa膜の格子面(001)面
と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向面とし
て形成することにより、CoCrTa膜の半値幅Δθ50
がほぼ半減していることから、CoCrTa膜の垂直配
向性が改善されていると考えられる。
【0025】ここで、図3〜図5に、上記製造方法で作
製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、記
録密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体S
/Nの特性を示す。図3〜図5において、各曲線aは、
成膜時の基板温度を200゜C〜300゜Cの範囲内の
所定の温度でセンダスト膜を形成後、CoCrTa膜を
形成した場合の特性を表す曲線、各曲線bは、成膜時の
基板温度を200゜C未満の所定の温度でセンダスト膜
を形成後、CoCrTa膜を形成した場合の特性を表す
曲線である。また、記録密度の単位は、kFRPI(kilo Fl
ux Reverse PerInch)であり、例えば、1kFRPIは垂直
磁気記録媒体の1インチ当たり1,000回磁化反転の
あるデジタル信号の記録状態を意味している。これらの
記録再生特性は、記録用のリングヘッドと再生用の磁気
抵抗素子とが複合されたID/MR(Inductive / Magn
etoresistive)複合ヘッドを用いて測定し、記録トラッ
ク幅は4mm、再生トラック幅は3mm、記録ギャップ長は
0.4mm、再生ギャップ長は0.32mmである。そし
て、記録電流の振幅を10mA、センス電流を12mA、周
速度を12.7m/s、浮上量を45nm、ノイズのバンド
帯域を45MHzとした条件下で評価した。
【0026】図3によれば、センダスト膜成膜時の基板
温度を、200゜C〜300゜Cの範囲内とすることに
より(曲線a)、200゜未満にする場合(曲線b)に
比較して、全記録密度において媒体ノイズが小さく、ノ
イズ特性が非常に優れていることが分かる。これは、セ
ンダスト膜を、CoCrTa膜の格子面(001)面と
格子整合性が良好な格子面(200)面を配向面として
形成することにより、CoCrTa膜の成長初期層の膜
厚を薄くすることができ、低ノイズ化が実現できたもの
と考えられる。また、図4によれば、センダスト膜成膜
時の基板温度を、200゜C〜300゜Cの範囲内とす
ることにより(曲線a)、200゜未満にする場合(曲
線b)に比較して、記録密度の増大に伴う再生出力電圧
の減衰が遅く、高記録密度まで高い再生出力電圧を確保
でき、高記録密度の実現が容易となることが分かる。こ
れは、センダスト膜を、CoCrTa膜の格子面(00
1)面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向
面として形成することにより、CoCrTa膜の垂直配
向性が改善され、再生出力電圧の記録密度に対する特性
が向上したものと考えられる。さらに、図5によれば、
センダスト膜成膜時の基板温度を、200゜C〜300
゜Cの範囲内とすることにより(曲線a)、200゜未
満にする場合(曲線b)に比較して、全記録密度におい
て媒体S/Nが2〜6dB良好であり、高品質で高記録密
度を実現できることが分かる。すなわち、センダスト膜
を、CoCrTa膜の格子面(001)面と格子整合性
が良好な格子面(200)面を配向面として形成するこ
とにより、高品質の高記録密度の実現が容易となる。
【0027】B.第2の実施例 次に、第2の実施例について説明する。この例の垂直磁
気記録媒体は、図1に示す構造と同様の概略構造を有
し、その製造方法、垂直磁化膜の組成及び軟磁性膜の成
膜条件も6インチのFeSiタ−ゲットを用いる他は上
記した第1の実施例と同様であり、直径2.5インチの
円形のガラス基板上に、膜厚500nmのFeSi膜で構
成された軟磁性膜と、膜厚100nmのCoCrTa膜で
構成された垂直磁化膜とが順に形成されて構成されてい
る。
【0028】図6に、FeSi膜を成膜した時の基板温
度と、FeSi膜の結晶配向性及びCoCrTa膜の垂
直配向性との関係を示す。測定方法及び図6に示す各数
値の意味は上記第1の実施例と同様である。図6から分
かるように、FeSi膜を成膜した時の基板温度を10
0゜Cから変化させ、200゜C以上にすることによっ
て、上記第1の実施例のセンダスト膜の場合と同様、上
記基板温度200゜Cを境に、FeSi膜は格子面(1
10)面から格子面(200)面に配向性を変えてお
り、それに伴って、CoCrTa膜の半値幅Δθ50も、
上記第1の実施例の場合と同様、ほぼ半減している。す
なわち、上記基板温度を200゜C以上とすることによ
り、FeSi膜の配向面がCoCrTa膜の格子面(0
01)面との格子整合性が良好な格子面(200)面に
変化し、CoCrTa膜の垂直配向性が改善されている
と考えられる。
【0029】次に、図7〜図9に、上記製造方法で作製
した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、記録
密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体S/
Nの特性を示す。図7〜図9において、各曲線aは、成
膜時の基板温度を200゜C〜300゜Cの範囲内の所
定の温度でFeSi膜を形成後、CoCrTa膜を形成
した場合の特性を表す曲線、各曲線bは、成膜時の基板
温度を200゜C未満の所定の温度でFeSi膜を形成
後、CoCrTa膜を形成した場合の特性を表す曲線で
ある。これらの記録再生特性を測定するヘッドその他の
測定条件及び評価条件は上記第1の実施例と同様であ
る。図7によれば、FeSi膜成膜時の基板温度を、2
00゜C〜300゜Cの範囲内とすることにより(曲線
a)、200゜未満にする場合(曲線b)に比較して、
全記録密度において媒体ノイズが小さく、ノイズ特性が
非常に優れていることが分かる。これは、FeSi膜
を、CoCrTa膜の格子面(001)面と格子整合性
が良好な格子面(200)面を配向面として形成するこ
とにより、CoCrTa膜の成長初期層の膜厚を薄くす
ることができ、低ノイズ化が実現できたものと考えられ
る。また、図8によれば、FeSi膜成膜時の基板温度
を、200゜C〜300゜Cの範囲内とすることにより
(曲線a)、200゜未満にする場合(曲線b)に比較
して、記録密度の増大に伴う再生出力電圧の減衰が遅
く、高記録密度まで高い再生出力電圧を確保でき、高記
録密度の実現が容易となることが分かる。これは、Fe
Si膜を、CoCrTa膜の格子面(001)面と格子
整合性が良好な格子面(200)面を配向面として形成
することにより、CoCrTa膜の垂直配向性が改善さ
れ、再生出力電圧の記録密度に対する特性が向上したも
のと考えられる。さらに、図9によれば、FeSi膜成
膜時の基板温度を、200゜C〜300゜Cの範囲内と
することにより(曲線a)、200゜未満にする場合
(曲線b)に比較して、全記録密度において媒体S/N
が1〜2dB良好であり、高品質で高記録密度を実現でき
ることが分かる。すなわち、FeSi膜を、CoCrT
a膜の格子面(001)面と格子整合性が良好な格子面
(200)面を配向面として形成することにより、高品
質の高記録密度の実現が容易となる。
【0030】C.第3の実施例 次に、第3の実施例について説明する。この例の垂直磁
気記録媒体は、図1に示す構造と同様の概略構造を有
し、その製造方法、垂直磁化膜の組成及び軟磁性膜の成
膜条件も6インチのFeAlタ−ゲットを用いる他は上
記した第1の実施例と同様であり、直径2.5インチの
円形のガラス基板上に、膜厚500nmのFeAl膜で構
成された軟磁性膜と、膜厚100nmのCoCrTa膜で
構成された垂直磁化膜とが順に形成されて構成されてい
る。
【0031】図10に、FeAl膜を成膜した時の基板
温度と、FeAl膜の結晶配向性及びCoCrTa膜の
垂直配向性との関係を示す。測定方法及び図10に示す
各数値の意味は上記第1の実施例と同様である。図10
から分かるように、FeAl膜を成膜した時の基板温度
を100゜Cから変化させ、200゜C以上にすること
によって、第1の実施例のセンダスト膜の場合と同様、
上記基板温度200゜Cを境に、FeAl膜は格子面
(110)面から格子面(200)面に配向性を変えて
おり、これに伴って、CoCrTa膜の半値幅Δθ
50も、第1の実施例の場合と同様、ほぼ半減している。
すなわち、上記基板温度を200゜C以上とすることに
より、FeAl膜の配向面がCoCrTa膜の格子面
(001)面との格子整合性が良好な格子面(200)
面に変化し、CoCrTa膜の垂直配向性が改善されて
いると考えられる。
【0032】次に、図11〜図13に、上記製造方法で
作製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、
記録密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体
S/Nの特性を示す。図11〜図13において、各曲線
aは、成膜時の基板温度を200゜C〜300゜Cの範
囲内の所定の温度でFeAl膜を形成後、CoCrTa
膜を形成した場合の特性を表す曲線、各曲線bは、成膜
時の基板温度を200゜C未満の所定の温度でFeAl
膜を形成後、CoCrTa膜を形成した場合の特性を表
す曲線である。これらの記録再生特性を測定するヘッド
その他の測定条件及び評価条件は上記第1の実施例と同
様である。図11によれば、FeAl膜成膜時の基板温
度を、200゜C〜300゜Cの範囲内とすることによ
り(曲線a)、200゜未満にする場合(曲線b)に比
較して、全記録密度において媒体ノイズが小さく、ノイ
ズ特性が非常に優れていることが分かる。これは、Fe
Al膜を、CoCrTa膜の格子面(001)面と格子
整合性が良好な格子面(200)面を配向面として形成
することにより、CoCrTa膜の成長初期層の膜厚を
薄くすることができ、低ノイズ化が実現できたものと考
えられる。また、図12によれば、FeAl膜成膜時の
基板温度を、200゜C〜300゜Cの範囲内とするこ
とにより(曲線a)、200゜未満にする場合(曲線
b)に比較して、記録密度の増大に伴う再生出力電圧の
減衰が遅く、高記録密度まで高い再生出力電圧を確保で
き、高記録密度の実現が容易となることが分かる。これ
は、FeAl膜を、CoCrTa膜の格子面(001)
面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向面と
して形成することにより、CoCrTa膜の垂直配向性
が改善され、再生出力電圧の記録密度に対する特性が向
上したものと考えられる。さらに、図13によれば、F
eAl膜成膜時の基板温度を、200゜C〜300゜C
の範囲内とすることにより(曲線a)、200゜未満に
する場合(曲線b)に比較して、全記録密度において媒
体S/Nが2〜5dB良好であり、高品質で高記録密度を
実現できることが分かる。すなわち、FeAl膜を、C
oCrTa膜の格子面(001)面と格子整合性が良好
な格子面(200)面を配向面として形成することによ
り、高品質の高記録密度の実現が容易となる。
【0033】D.第4の実施例 次に、第4の実施例について説明する。この例の垂直磁
気記録媒体は、図1に示す構造と同様の概略構造を有
し、その製造方法及び垂直磁化膜の組成は上記した第1
の実施例と同様であり、軟磁性膜の成膜条件も基板温度
を100゜Cに設定すると共に、Arガスのガス圧を1
0〜30mTorrの範囲内の所定のガス圧に設定する他
は、上記した第1の実施例と同様であり、直径2.5イ
ンチの円形のガラス基板上に、膜厚500nmのセンダス
ト膜で構成された軟磁性膜と、膜厚100nmのCoCr
Ta膜で構成された垂直磁化膜とが順に形成されて構成
されている。
【0034】図14に、センダスト膜を成膜した時のA
rガスのガス圧と、センダスト膜の結晶配向性及びCo
CrTa膜の垂直配向性との関係を示す。測定方法及び
図14に示す各数値の意味は上記第1の実施例と同様で
ある。図14から分かるように、センダスト膜を成膜し
た時のArガスのガス圧を40mTorrから変化させ、3
0mTorr以下にすることによって、上記ガス圧30mTorr
を境に、センダスト膜は格子面(110)面から格子面
(200)面に配向性を変えており、それに伴って、C
oCrTa膜の半値幅Δθ50も、上記第1の実施例の場
合と同様、ほぼ半減している。すなわち、上記Arガス
のガス圧を30mTorr以下とすることにより、センダス
ト膜の配向面がCoCrTa膜の格子面(001)面と
の格子整合性が良好な格子面(200)面に変化し、C
oCrTa膜の垂直配向性が改善されていると考えられ
る。
【0035】次に、図15〜図17に、上記製造方法で
作製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、
記録密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体
S/Nの特性を示す。図15〜図17において、各曲線
aは、成膜時のArガスのガス圧を10mTorrとしてセ
ンダスト膜を形成後、CoCrTa膜を形成した場合の
特性を表す曲線、各曲線bは、成膜時のArガスのガス
圧を40mTorrとしてセンダスト膜を形成後、CoCr
Ta膜を形成した場合の特性を表す曲線である。これら
の記録再生特性を測定するヘッドその他の測定条件及び
評価条件は上記第1の実施例と同様である。図15によ
れば、センダスト膜成膜時のArガスのガス圧を10mT
orrとすることにより(曲線a)、40mTorrとする場合
(曲線b)に比較して、全記録密度において媒体ノイズ
が小さく、ノイズ特性が非常に優れていることが分か
る。これは、センダスト膜を、CoCrTa膜の格子面
(001)面と格子整合性が良好な格子面(200)面
を配向面として形成することにより、CoCrTa膜の
成長初期層の膜厚を薄くすることができ、低ノイズ化が
実現できたものと考えられる。また、図16によれば、
センダスト膜成膜時のArガスのガス圧を10mTorrと
することにより(曲線a)、40mTorrとする場合(曲
線b)に比較して、記録密度の増大に伴う再生出力電圧
の減衰が遅く、高記録密度まで高い再生出力電圧を確保
でき、高記録密度の実現が容易となることが分かる。こ
れは、センダスト膜を、CoCrTa膜の格子面(00
1)面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向
面として形成することにより、CoCrTa膜の垂直配
向性が改善され、再生出力電圧の記録密度に対する特性
が向上したものと考えられる。さらに、図17によれ
ば、センダスト膜成膜時のArガスのガス圧を10mTor
rとすることにより(曲線a)、40mTorrとする場合
(曲線b)に比較して、全記録密度において媒体S/N
が2〜3dB良好であり、高品質で高記録密度を実現でき
ることが分かる。すなわち、センダスト膜を、CoCr
Ta膜の格子面(001)面と格子整合性が良好な格子
面(200)面を配向面として形成することにより、高
品質の高記録密度の実現が容易となる。
【0036】E.第5の実施例 次に、第5の実施例について説明する。この例の垂直磁
気記録媒体は、図1に示す構造と同様の概略構造を有
し、その製造方法、垂直磁化膜の組成及び軟磁性膜の成
膜条件も6インチのFe、Si、Al、ルテニウム(R
u)及びTiからなるタ−ゲットを用いる他は上記した
第4の実施例と同様であり、直径2.5インチの円形の
ガラス基板上に、膜厚500nmのFeSiAlRuTi
膜で構成された軟磁性膜と、膜厚100nmのCoCrT
a膜で構成された垂直磁化膜とが順に形成されて構成さ
れている。
【0037】図18に、FeSiAlRuTi膜を成膜
した時のArガスのガス圧と、FeSiAlRuTi膜
の結晶配向性及びCoCrTa膜の垂直配向性との関係
を示している。測定方法及び図18に示す各数値の意味
は、上記第1の実施例と同様である。同図から分かるよ
うに、FeSiAlRuTi膜を成膜した時のArガス
のガス圧を40mTorrから変化させ、30mTorr以下にす
ることによって、上記ガス圧30mTorrを境に、FeS
iAlRuTi膜は格子面(110)面から格子面(2
00)面に配向性を変えており、それに伴って、CoC
rTa膜の半値幅Δθ50も、上記第1の実施例の場合と
同様、ほぼ半減している。すなわち、上記Arガスのガ
ス圧を30mTorr以下とすることにより、FeSiAl
RuTi膜の配向面がCoCrTa膜の格子面(00
1)面との格子整合性が良好な格子面(200)面に変
化し、CoCrTa膜の垂直配向性が改善されていると
考えられる。
【0038】次に、図19〜図21に、上記製造方法で
作製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、
記録密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体
S/Nの特性を示す。図19〜図21において、各曲線
aは、成膜時のArガスのガス圧を10mTorrとしてF
eSiAlRuTi膜を形成後、CoCrTa膜を形成
した場合の特性を表す曲線、各曲線bは、成膜時のAr
ガスのガス圧を40mTorrとしてFeSiAlRuTi
膜を形成後、CoCrTa膜を形成した場合の特性を表
す曲線である。これらの記録再生特性を測定するヘッド
その他の測定条件及び評価条件は上記第1の実施例と同
様である。図19によれば、FeSiAlRuTi膜成
膜時のArガスのガス圧を10mTorrとすることにより
(曲線a)、40mTorrとする場合(曲線b)に比較し
て、全記録密度において媒体ノイズが小さく、ノイズ特
性が非常に優れていることが分かる。これは、FeSi
AlRuTi膜を、CoCrTa膜の格子面(001)
面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向面と
して形成することにより、CoCrTa膜の成長初期層
の膜厚を薄くすることができ、低ノイズ化が実現できた
ものと考えられる。また、図20によれば、FeSiA
lRuTi膜成膜時のArガスのガス圧を10mTorrと
することにより(曲線a)、40mTorrとする場合(曲
線b)に比較して、記録密度の増大に伴う再生出力電圧
の減衰が遅く、高記録密度まで高い再生出力電圧を確保
でき、高記録密度の実現が容易となることが分かる。こ
れは、FeSiAlRuTi膜を、CoCrTa膜の格
子面(001)面と格子整合性が良好な格子面(20
0)面を配向面として形成することにより、CoCrT
a膜の垂直配向性が改善され、再生出力電圧の記録密度
に対する特性が向上したものと考えられる。さらに、図
21によれば、FeSiAlRuTi膜成膜時のArガ
スのガス圧を10mTorrとすることにより(曲線a)、
40mTorrとする場合(曲線b)に比較して、全記録密
度において媒体S/Nが1〜2dB良好であり、高品質で
高記録密度を実現できることが分かる。すなわち、Fe
SiAlRuTi膜を、CoCrTa膜の格子面(00
1)面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向
面として形成することにより、高品質の高記録密度の実
現が容易となる。
【0039】F.第6の実施例 次に、第6の実施例について説明する。この例の垂直磁
気記録媒体は、図1に示す構造と同様の概略構造を有
し、その製造方法、垂直磁化膜の組成及び軟磁性膜の成
膜条件も6インチのFe、Ta及び窒素(N)からなる
タ−ゲットを用いる他は上記した第4の実施例と同様で
あり、直径2.5インチの円形のガラス基板上に、膜厚
500nmのFeTaN膜で構成された軟磁性膜と、膜厚
100nmのCoCrTa膜で構成された垂直磁化膜とが
順に形成されて構成されている。
【0040】図22に、FeTaN膜を成膜した時のA
rガスのガス圧と、FeTaN膜の結晶配向性及びCo
CrTa膜の垂直配向性との関係を示す。測定方法及び
図22に示す各数値の意味は上記第1の実施例と同様で
ある。図22から分かるように、FeTaN膜を成膜し
た時のArガスのガス圧を40mTorrから変化させ、3
0mTorr以下にすることによって、上記ガス圧30mTorr
を境に、FeTaN膜は格子面(110)面から格子面
(200)面に配向性を変えており、それに伴って、C
oCrTa膜の半値幅Δθ50も、上記第1の実施例の場
合と同様、ほぼ半減している。すなわち、上記Arガス
のガス圧を30mTorr以下とすることにより、FeTa
N膜の配向面がCoCrTa膜の格子面(001)面と
の格子整合性が良好な格子面(200)面に変化し、C
oCrTa膜の垂直配向性が改善されていると考えられ
る。
【0041】次に、図23〜図25に、上記製造方法で
作製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、
記録密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体
S/Nの特性を示す。図23〜図25において、各曲線
aは、成膜時のArガスのガス圧を10mTorrとしてF
eTaN膜を形成後、CoCrTa膜を形成した場合の
特性を表す曲線、各曲線bは、成膜時のArガスのガス
圧を40mTorrとしてFeTaN膜を形成後、CoCr
Ta膜を形成した場合の特性を表す曲線である。これら
の記録再生特性を測定するヘッドその他の測定条件及び
評価条件は上記第1の実施例と同様である。図23によ
れば、FeTaN膜成膜時のArガスのガス圧を10mT
orrとすることにより(曲線a)、40mTorrとする場合
(曲線b)に比較して、全記録密度において媒体ノイズ
が小さく、ノイズ特性が非常に優れていることが分か
る。これは、FeTaN膜を、CoCrTa膜の格子面
(001)面と格子整合性が良好な格子面(200)面
を配向面として形成することにより、CoCrTa膜の
成長初期層の膜厚を薄くすることができ、低ノイズ化が
実現できたものと考えられる。また、図24によれば、
FeTaN膜成膜時のArガスのガス圧を10mTorrと
することにより(曲線a)、40mTorrとする場合(曲
線b)に比較して、記録密度の増大に伴う再生出力電圧
の減衰が遅く、高記録密度まで高い再生出力電圧を確保
でき、高記録密度の実現が容易となることが分かる。こ
れは、FeTaN膜を、CoCrTa膜の格子面(00
1)面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向
面として形成することにより、CoCrTa膜の垂直配
向性が改善され、再生出力電圧の記録密度に対する特性
が向上したものと考えられる。さらに、図25によれ
ば、FeTaN膜成膜時のArガスのガス圧を10mTor
rとすることにより(曲線a)、40mTorrとする場合
(曲線b)に比較して、全記録密度において媒体S/N
が1〜4dB良好であり、高品質で高記録密度を実現でき
ることが分かる。すなわち、FeTaN膜を、CoCr
Ta膜の格子面(001)面と格子整合性が良好な格子
面(200)面を配向面として形成することにより、高
品質の高記録密度の実現が容易となる。
【0042】G.第7の実施例 次に、第7の実施例について説明する。この例の垂直磁
気記録媒体は、図1に示す構造と同様の概略構造を有
し、その製造方法、垂直磁化膜の組成及び軟磁性膜の成
膜条件も6インチのFeCoタ−ゲットを用いる他は上
記した第4の実施例と同様であり、直径2.5インチの
円形のガラス基板上に、膜厚500nmのFeCo膜で構
成された軟磁性膜と、膜厚100nmのCoCrTa膜で
構成された垂直磁化膜とが順に形成されて構成されてい
る。
【0043】図26に、FeCo膜を成膜した時のAr
ガスのガス圧と、FeCo膜の結晶配向性及びCoCr
Ta膜の垂直配向性との関係を示す。測定方法及び図2
6に示す各数値の意味は上記第1の実施例と同様であ
る。図26から分かるように、FeCo膜を成膜した時
のArガスのガス圧を40mTorrから変化させ、30mTo
rr以下にすることによって、上記ガス圧30mTorrを境
に、FeCo膜は格子面(110)面から格子面(20
0)面に配向性を変えており、それに伴って、CoCr
Ta膜の半値幅Δθ50も、上記第1の実施例の場合と同
様、ほぼ半減している。すなわち、上記Arガスのガス
圧を30mTorr以下とすることにより、FeCo膜の配
向面がCoCrTa膜の格子面(001)面との格子整
合性が良好な格子面(200)面に変化し、CoCrT
a膜の垂直配向性が改善されていると考えられる。
【0044】次に、図27〜図29に、上記製造方法で
作製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、
記録密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体
S/Nの特性を示す。図27〜図29において、各曲線
aは、成膜時のArガスのガス圧を10mTorrとしてF
eCo膜を形成後、CoCrTa膜を形成した場合の特
性を表す曲線、各曲線bは、成膜時のArガスのガス圧
を40mTorrとしてFeCo膜を形成後、CoCrTa
膜を形成した場合の特性を表す曲線である。これらの記
録再生特性を測定するヘッドその他の測定条件及び評価
条件は上記第1の実施例と同様である。図27によれ
ば、FeCo膜成膜時のArガスのガス圧を10mTorr
とすることにより(曲線a)、40mTorrとする場合
(曲線b)に比較して、全記録密度において媒体ノイズ
が小さく、ノイズ特性が非常に優れていることが分か
る。これは、FeCo膜を、CoCrTa膜の格子面
(001)面と格子整合性が良好な格子面(200)面
を配向面として形成することにより、CoCrTa膜の
成長初期層の膜厚を薄くすることができ、低ノイズ化が
実現できたものと考えられる。また、図28によれば、
FeCo膜成膜時のArガスのガス圧を10mTorrとす
ることにより(曲線a)、40mTorrとする場合(曲線
b)に比較して、記録密度の増大に伴う再生出力電圧の
減衰が遅く、高記録密度まで高い再生出力電圧を確保で
き、高記録密度の実現が容易となることが分かる。これ
は、FeCo膜を、CoCrTa膜の格子面(001)
面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向面と
して形成することにより、CoCrTa膜の垂直配向性
が改善され、再生出力電圧の記録密度に対する特性が向
上したものと考えられる。さらに、図29によれば、F
eCo膜成膜時のArガスのガス圧を10mTorrとする
ことにより(曲線a)、40mTorrとする場合(曲線
b)に比較して、全記録密度において媒体S/Nが3〜
8dB良好であり、高品質で高記録密度を実現できること
が分かる。すなわち、FeCo膜を、CoCrTa膜の
格子面(001)面と格子整合性が良好な格子面(20
0)面を配向面として形成することにより、高品質の高
記録密度の実現が容易となる。
【0045】H.第8の実施例 次に、第8の実施例について説明する。図30はこの発
明の第8の実施例である垂直磁気記録媒体21の概略構
造を示す要部断面図である。垂直磁気記録媒体21は、
直径2.5インチの円形のガラス基板22上に、体心立
方格子を空間格子とした結晶構造を有するバナジウム
(V)膜で構成された結晶配向性制御膜23と、FeS
i膜で構成された軟磁性膜24と、Co:78at%,
Cr:19at%,Ta:3at%の組成を有するCo
CrTa膜で構成された垂直磁化膜25とが順に形成さ
れて構成されている。以下、この垂直磁気記録媒体21
の製造方法について説明する。まず、ガラス基板22上
にスパッタ法により6インチのVタ−ゲットを用いて、
基板温度を200゜Cに保持しつつ、V膜で構成された
結晶配向性制御膜23を20nm成膜した後、スパッタ法
により6インチのFeSiタ−ゲットを用いて、基板温
度を100゜Cに保持しつつ、FeSi膜で構成された
軟磁性膜24を500nm成膜する。成膜条件は、上記し
た第1の実施例と同様である。次に、軟磁性膜24上
に、Co:78at%,Cr:19at%,Ta:3a
t%の組成を有するCoCrTaタ−ゲットを用いてス
パッタ法によりCoCrTa膜で構成された垂直磁化膜
25を100nmを成膜する。
【0046】図31に、結晶配向性制御膜23としてV
膜を設けた場合と設けなかった場合の、FeSi膜の結
晶配向性及びCoCrTa膜の垂直配向性について示
す。測定方法及び図31に示す各数値の意味は上記第1
の実施例と同様である。図31から分かるように、Fe
Si膜を形成する前にV膜を形成することによって、F
eSi膜は、基板温度を100゜Cに保持しつつ形成し
ても、格子面(110)面から格子面(200)面に配
向性を変えており、それに伴って、CoCrTa膜の半
値幅Δθ50は、著しくて低下している。すなわち、上記
V膜を設けることにより、FeSi膜の配向面がCoC
rTa膜の格子面(001)面との格子整合性が良好な
格子面(200)面に変化し、CoCrTa膜の垂直配
向性が改善されていると考えられる。これは、V膜が格
子面(200)面を配向面として形成され、その配向面
上に、FeSi膜がエピタキシャル成長するためと考え
られる。
【0047】次に、図32〜図34に、上記製造方法で
作製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、
記録密度に対する媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体S
/Nの特性を示す。これらの図において、各曲線aは、
V膜を設けた場合の特性を表す曲線、各曲線bは、V膜
を設けなかった場合の特性を表す曲線である。これらの
記録再生特性を測定するヘッドその他の測定条件及び評
価条件は上記第1の実施例と同様である。図32によれ
ば、V膜を設けることにより(曲線a)、V膜を設けな
かった場合(曲線b)に比較して、全記録密度において
媒体ノイズが小さく、ノイズ特性が非常に優れているこ
とが分かる。これは、FeSi膜を、CoCrTa膜の
格子面(001)面と格子整合性が良好な格子面(20
0)面を配向面として形成することにより、CoCrT
a膜の成長初期層の膜厚を薄くすることができ、低ノイ
ズ化が実現できたものと考えられる。また、図33によ
れば、V膜を設けることにより(曲線a)、V膜を設け
なかった場合(曲線b)に比較して、記録密度の増大に
伴う再生出力電圧の減衰が遅く、高記録密度まで高い再
生出力電圧を確保でき、高記録密度の実現が容易となる
ことが分かる。これは、FeSi膜を、CoCrTa膜
の格子面(001)面と格子整合性が良好な格子面(2
00)面を配向面として形成することにより、CoCr
Ta膜の垂直配向性が改善され、再生出力電圧の記録密
度に対する特性が向上したものと考えられる。さらに、
図34によれば、V膜を設けることにより(曲線a)、
V膜を設けなかった場合(曲線b)に比較して、全記録
密度において媒体S/Nが2〜6dB良好であり、高品質
で高記録密度を実現できることが分かる。すなわち、F
eSi膜を、CoCrTa膜の格子面(001)面と格
子整合性が良好な格子面(200)面を配向面として形
成することにより、高品質の高記録密度の実現が容易と
なる。
【0048】I.第9の実施例 次に、第9の実施例について説明する。この例の垂直磁
気記録媒体は、図30に示す構造と同様の概略構造を有
しており、直径2.5インチの円形のガラス基板上に、
体心立方格子を空間格子とした結晶構造を有し、Cr:
50at%,ニオブ(Nb):50at%の組成を有す
るCrNb膜で構成された結晶配向性制御膜と、FeC
o膜で構成された軟磁性膜と、Co:78at%,C
r:19at%,Ta:3at%の組成を有するCoC
rTa膜で構成された垂直磁化膜とが順に形成されて構
成されている。以下、この垂直磁気記録媒体の製造方法
について説明する。まず、ガラス基板上にスパッタ法に
よりCr:50at%,Nb:50at%の組成を有す
る6インチのCrNbタ−ゲットを用いて、基板温度を
200゜Cに保持しつつ、CrNb膜で構成された結晶
配向性制御膜を20nm成膜した後、スパッタ法により6
インチのFeCoタ−ゲットを用いて、基板温度を10
0゜Cに保持しつつ、FeCo膜で構成された軟磁性膜
を500nm成膜する。成膜条件は、上記した第1の実施
例と同様である。次に、軟磁性膜上に、Co:78at
%,Cr:19at%,Ta:3at%の組成を有する
CoCrTaタ−ゲットを用いてスパッタ法によりCo
CrTa膜で構成された垂直磁化膜を100nmを成膜す
る。
【0049】図35に、結晶配向性制御膜としてCrN
b膜を設けた場合と設けなかった場合のFeCo膜の結
晶配向性及びCoCrTa膜の垂直配向性についてそれ
ぞれ示す。測定方法及び図35に示す各数値の意味は第
1の実施例と同様である。同図から分かるように、Fe
Co膜を形成する前にCrNb膜を形成することによっ
て、FeCo膜は、基板温度を100゜Cに保持しつつ
形成しても、格子面(110)面から格子面(200)
面に配向性を変えており、それに伴って、CoCrTa
膜の半値幅Δθ50は、著しくて低下している。すなわ
ち、上記CrNb膜を設けることにより、FeCo膜の
配向面がCoCrTa膜の格子面(001)面との格子
整合性が良好な格子面(200)面に変化し、CoCr
Ta膜の垂直配向性が改善されていると考えられる。こ
れは、CrNb膜が格子面(200)面を配向面として
形成され、その配向面上に、FeCo膜がエピタキシャ
ル成長するためと考えられる。
【0050】次に、図36〜図38に、上記製造方法で
作製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、
記録密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体
S/Nの特性を示す。図36〜図38において、各曲線
aは、CrNb膜を設けた場合の特性を表す曲線、各曲
線bは、CrNb膜を設けなかった場合の特性を表す曲
線である。これらの記録再生特性を測定するヘッドその
他の測定条件及び評価条件は上記第1の実施例と同様で
ある。図36によれば、CrNb膜を設けることにより
(曲線a)、CrNb膜を設けなかった場合(曲線b)
に比較して、全記録密度において媒体ノイズが小さく、
ノイズ特性が非常に優れていることが分かる。これは、
FeCo膜を、CoCrTa膜の格子面(001)面と
格子整合性が良好な格子面(200)面を配向面として
形成することにより、CoCrTa膜の成長初期層の膜
厚を薄くすることができ、低ノイズ化が実現できたもの
と考えられる。また、図37によれば、CrNb膜を設
けることにより(曲線a)、CrNb膜を設けなかった
場合(曲線b)に比較して、記録密度の増大に伴う再生
出力電圧の減衰が遅く、高記録密度まで高い再生出力電
圧を確保でき、高記録密度の実現が容易となることが分
かる。これは、FeCo膜を、CoCrTa膜の格子面
(001)面と格子整合性が良好な格子面(200)面
を配向面として形成することにより、CoCrTa膜の
垂直配向性が改善され、再生出力電圧の記録密度に対す
る特性が向上したものと考えられる。さらに、図38に
よれば、CrNb膜を設けることにより(曲線a)、C
rNb膜を設けなかった場合(曲線b)に比較して、全
記録密度において媒体S/Nが1〜4dB良好であり、高
品質で高記録密度を実現できることが分かる。すなわ
ち、FeCo膜を、CoCrTa膜の格子面(001)
面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向面と
して形成することにより、高品質の高記録密度の実現が
容易となる。
【0051】J.第10の実施例 次に、第10の実施例について説明する。この例の垂直
磁気記録媒体は、図30に示す構造と同様の概略構造を
有しており、直径2.5インチの円形のガラス基板上
に、体心立方格子を空間格子とした結晶構造を有し、C
r:80at%,モリブデン(Mo):20at%の組
成を有するCrMo膜で構成された結晶配向性制御膜
と、FeAl膜で構成された軟磁性膜と、Co:78a
t%,Cr:19at%,Ta:3at%の組成を有す
るCoCrTa膜で構成された垂直磁化膜とが順に形成
されて構成されている。以下、この垂直磁気記録媒体の
製造方法について説明する。まず、ガラス基板上にスパ
ッタ法によりCr:80at%,Mo:20at%の組
成を有する6インチのCrMoタ−ゲットを用いて、基
板温度を200゜Cに保持しつつ、CrMo膜で構成さ
れた結晶配向性制御膜を20nm成膜した後、スパッタ法
により6インチのFeAlタ−ゲットを用いて、基板温
度を100゜Cに保持しつつ、FeAl膜で構成された
軟磁性膜を500nm成膜する。成膜条件は、上記した第
1の実施例と同様である。次に、軟磁性膜上に、Co:
78at%,Cr:19at%,Ta:3at%の組成
を有するCoCrTaタ−ゲットを用いてスパッタ法に
よりCoCrTa膜で構成された垂直磁化膜を100nm
を成膜する。
【0052】図39に、結晶配向性制御膜としてCrM
o膜を設けた場合と設けなかった場合の、FeAl膜の
結晶配向性及びCoCrTa膜の垂直配向性についてそ
れぞれ示す。測定方法及び図39に示す各数値の意味は
上記第1の実施例と同様である。同図から分かるよう
に、FeAl膜を形成する前にCrMo膜を形成するこ
とによって、FeAl膜は、基板温度を100゜Cに保
持しつつ形成しても、格子面(110)面から格子面
(200)面に配向性を変えており、それに伴って、C
oCrTa膜の半値幅Δθ50は、著しくて低下してい
る。すなわち、上記CrMo膜を設けることにより、F
eAl膜の配向面がCoCrTa膜の格子面(001)
面との格子整合性が良好な格子面(200)面に変化
し、CoCrTa膜の垂直配向性が改善されていると考
えられる。これは、CrMo膜が格子面(200)面を
配向面として形成され、その配向面上に、FeAl膜が
エピタキシャル成長するためと考えられる。
【0053】次に、図40〜図42に、上記製造方法で
作製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、
記録密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体
S/Nの特性を示す。図40〜図42において、各曲線
aは、CrMo膜を設けた場合の特性を表す曲線、各曲
線bは、CrMo膜を設けなかった場合の特性を表す曲
線である。これらの記録再生特性を測定するヘッドその
他の測定条件及び評価条件は上記第1の実施例と同様で
ある。図40によれば、CrMo膜を設けることにより
(曲線a)、CrMo膜を設けなかった場合(曲線b)
に比較して、全記録密度において媒体ノイズが小さく、
ノイズ特性が非常に優れていることが分かる。これは、
FeAl膜を、CoCrTa膜の格子面(001)面と
格子整合性が良好な格子面(200)面を配向面として
形成することにより、CoCrTa膜の成長初期層の膜
厚を薄くすることができ、低ノイズ化が実現できたもの
と考えられる。また、図41によれば、CrMo膜を設
けることにより(曲線a)、CrMo膜を設けなかった
場合(曲線b)に比較して、記録密度の増大に伴う再生
出力電圧の減衰が遅く、高記録密度まで高い再生出力電
圧を確保でき、高記録密度の実現が容易となることが分
かる。これは、FeAl膜を、CoCrTa膜の格子面
(001)面と格子整合性が良好な格子面(200)面
を配向面として形成することにより、CoCrTa膜の
垂直配向性が改善され、再生出力電圧の記録密度に対す
る特性が向上したものと考えられる。さらに、図42に
よれば、CrMo膜を設けることにより(曲線a)、C
rMo膜を設けなかった場合(曲線b)に比較して、全
記録密度において媒体S/Nが1〜2dB良好であり、高
品質で高記録密度を実現できることが分かる。すなわ
ち、FeAl膜を、CoCrTa膜の格子面(001)
面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向面と
して形成することにより、高品質の高記録密度の実現が
容易となる。
【0054】K.第11の実施例 次に、第11の実施例について説明する。この例の垂直
磁気記録媒体は、図30に示す構造と同様の概略構造を
有しており、直径2.5インチの円形のガラス基板上
に、体心立方格子を空間格子とした結晶構造を有し、C
r:50at%,V:20at%,Nb:20at%,
Mo:10at%の組成を有するCrVNbMo膜で構
成された結晶配向性制御膜と、センダスト膜で構成され
た軟磁性膜と、Co:78at%,Cr:19at%,
Ta:3at%の組成を有するCoCrTa膜で構成さ
れた垂直磁化膜とが順に形成されて構成されている。以
下、この垂直磁気記録媒体の製造方法について説明す
る。まず、ガラス基板上にスパッタ法によりCr:50
at%,V:20at%,Nb:20at%,Mo:1
0at%の組成を有する6インチのCrVNbMoタ−
ゲットを用いて、基板温度を200゜Cに保持しつつ、
CrVNbMo膜で構成された結晶配向性制御膜を20
nm成膜した後、スパッタ法により6インチのFeSiA
lタ−ゲットを用いて、基板温度を100゜Cに保持し
つつ、センダスト膜で構成された軟磁性膜を500nm成
膜する。成膜条件は、上記した第1の実施例と同様であ
る。次に、軟磁性膜上に、Co:78at%,Cr:1
9at%,Ta:3at%の組成を有するCoCrTa
タ−ゲットを用いてスパッタ法によりCoCrTa膜で
構成された垂直磁化膜を100nmを成膜する。
【0055】図43に、結晶配向性制御膜としてCrV
NbMo膜を設けた場合と設けなかった場合の、センダ
スト膜の結晶配向性及びCoCrTa膜の垂直配向性に
ついて示す。測定方法及び図43に示す各数値の意味は
上記第1の実施例と同様である。図43から分かるよう
に、センダスト膜を形成する前にCrVNbMo膜を形
成することによって、センダスト膜は、基板温度を10
0゜Cに保持しつつ形成しても、格子面(110)面か
ら格子面(200)面に配向性を変えており、それに伴
って、CoCrTa膜の半値幅Δθ50は、著しくて低下
している。すなわち、上記CrVNbMo膜を設けるこ
とにより、センダスト膜の配向面がCoCrTa膜の格
子面(001)面との格子整合性が良好な格子面(20
0)面に変化し、CoCrTa膜の垂直配向性が改善さ
れていると考えられる。これは、CrVNbMo膜が格
子面(200)面を配向面として形成され、その配向面
上に、センダスト膜がエピタキシャル成長するためと考
えられる。
【0056】次に、図44〜図46に、上記製造方法で
作製した垂直磁気記録媒体の記録再生特性、すなわち、
記録密度に対する、媒体ノイズ、再生出力電圧及び媒体
S/Nの特性を示す。図44〜図46において、各曲線
aは、CrVNbMo膜を設けた場合の特性を表す曲
線、各曲線bは、CrVNbMo膜を設けなかった場合
の特性を表す曲線である。これらの記録再生特性を測定
するヘッドその他の測定条件及び評価条件は上記第1の
実施例と同様である。図44によれば、CrVNbMo
膜を設けることにより(曲線a)、CrVNbMo膜を
設けなかった場合(曲線b)に比較して、全記録密度に
おいて媒体ノイズが小さく、ノイズ特性が非常に優れて
いることが分かる。これは、センダスト膜を、CoCr
Ta膜の格子面(001)面と格子整合性が良好な格子
面(200)面を配向面として形成することにより、C
oCrTa膜の成長初期層の膜厚を薄くすることがで
き、低ノイズ化が実現できたものと考えられる。また、
図45によれば、CrVNbMo膜を設けることにより
(曲線a)、CrVNbMo膜を設けなかった場合(曲
線b)に比較して、記録密度の増大に伴う再生出力電圧
の減衰が遅く、高記録密度まで高い再生出力電圧を確保
でき、高記録密度の実現が容易となることが分かる。こ
れは、センダスト膜を、CoCrTa膜の格子面(00
1)面と格子整合性が良好な格子面(200)面を配向
面として形成することにより、CoCrTa膜の垂直配
向性が改善され、再生出力電圧の記録密度に対する特性
が向上したものと考えられる。さらに、図46によれ
ば、CrVNbMo膜を設けることにより(曲線a)、
CrVNbMo膜を設けなかった場合(曲線b)に比較
して、全記録密度において媒体S/Nが2〜5dB良好で
あり、高品質で高記録密度を実現できることが分かる。
すなわち、センダスト膜を、CoCrTa膜の格子面
(001)面と格子整合性が良好な格子面(200)面
を配向面として形成することにより、高品質の高記録密
度の実現が容易となる。
【0057】以上、この発明の実施例を図面を参照して
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られる
ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述
の実施例においては、センダスト膜その他の軟磁性膜の
組成については何等示していないが、これらはいずれも
一般的な組成のものを用いれば良い。また、軟磁性膜
は、上記各実施例において示した合金膜に限定されず、
要するに、体心立方格子を空間格子とした結晶構造を有
し、格子面(200)面を配向面として基板上に形成さ
れるものであれば良く、例えば、Fe、Si、Al、R
u、Ti、N、あるいはCoのいずれか2つ以上の元素
からなる合金膜であっても良い。また、上述の実施例に
おいては、垂直磁化膜は、全てCo:78at%,C
r:19at%,Ta:3at%の組成を有するCoC
rTa膜で構成する例を示したが、これに限定されな
い。要するに、格子面(001)面が軟磁性膜の(20
0)面に配向されるものであれば、どのようなものでも
良い。例えば、CoCrTa膜であれば、Crが30a
t%以下のもの、また、CoCr膜であれば、Crが3
3at%以下のものを用いれば良い。さらに、上述の実
施例においては、基板は、全てガラス基板で構成する例
を示したが、これに限定されない。例えば、NiP/A
l合金基板、カーボン(C)基板、Si基板、あるいは
サファイア基板でも良い。加えて、上述の実施例におい
ては、垂直磁化膜、軟磁性膜及び結晶配向性制御膜はい
ずれもArガスを用いてスパッタ法により形成する例を
示したが、これに限定されず、クリプトン(Kr)ガス
を用いても良いし、蒸着法や化学蒸着(CVD)法など
他の成膜方法でももちろん良い。
【0058】また、上述の第1〜第3の実施例において
は、軟磁性膜成膜時の基板温度を200゜C〜300゜
Cの範囲内の所定の温度に設定する例を示したが、これ
に限定されず、要するに、基板温度は200゜以上であ
って、軟磁性膜が形成できる温度であれば良い。さら
に、上述の第4〜第7の実施例においては、軟磁性膜成
膜時のArガスのガス圧を10〜30mTorrの範囲内の
所定のガス圧に設定する例を示したが、これに限定され
ず、要するに、Arガスのガス圧は30mTorr以下であ
って、軟磁性膜が形成できるガス圧であれば良い。加え
て、上述の第8〜第11の実施例においては、結晶配向
性制御膜として、V膜、CrNb膜、CrMo膜及びC
rVNbMo膜を用いる例を示したが、これに限定され
ない。例えば、Cr、Nb、Moそれぞれの単独の膜、
Cr、V、Nb、Moをそれぞれを2つ以上組み合わせ
た合金膜、あるいはCr、V、Nb、Moのいずれか、
あるいはそれぞれを2つ以上組み合わせたものと、結晶
配向性制御膜として体心立方格子を空間格子とした結晶
構造を損なわない範囲で他の元素を含む合金系膜であれ
ば良い。また、上述の第1〜第3の実施例、第4〜第7
の実施例、及び第8〜第11の第11の実施例において
は、それぞれ個別に、軟磁性膜成膜時の基板温度やAr
ガスのガス圧を設定した例について述べたが、これに限
定されず、それぞれの軟磁性膜の成膜条件を組み合わせ
ても良く、この場合には、より著しい効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、軟磁性膜を、単独で又は結晶配向性制御膜と共
に、垂直磁化膜の格子面(001)面と格子整合性が良
好な格子面(200)面を配向面として形成しているの
で、垂直磁化膜の垂直配向性が改善されると共に、垂直
磁化膜の成長初期層の膜厚を薄くすることができる。ま
た、この垂直磁気記録媒体は、多くても3層構造であ
る。さらに、この発明の構成による製造方法によれば、
アニール処理したり、垂直磁化膜を構成する各元素の各
組成量を膜厚方向に変化させる必要はない。したがっ
て、垂直磁気記録媒体を安価かつ簡単に作製できると共
に、記録再生の際の媒体ノイズを低減でき、しかも再生
出力電圧の記録密度に対する特性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例である垂直磁気記録媒
体の概略構造を示す要部断面図である。
【図2】同実施例におけるセンダスト膜成膜時の基板温
度と、センダスト膜の結晶配向性及びCoCrTa膜の
垂直配向性との関係を示す図である。
【図3】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密度
に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図4】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密度
に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図5】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密度
に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施例におけるFeSi膜成
膜時の基板温度と、FeSi膜の結晶配向性及びCoC
rTa膜の垂直配向性との関係を示す図である。
【図7】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密度
に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図8】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密度
に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図9】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密度
に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図10】この発明の第3の実施例におけるFeAl膜
成膜時の基板温度と、FeAl膜の結晶配向性及びCo
CrTa膜の垂直配向性との関係を示す図である。
【図11】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図12】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図13】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図14】この発明の第4の実施例におけるセンダスト
膜成膜時のArガスのガス圧と、センダスト膜の結晶配
向性及びCoCrTa膜の垂直配向性との関係を示す図
である。
【図15】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図16】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図17】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図18】この発明の第5の実施例におけるFeSiA
lRuTi膜成膜時のArガスのガス圧と、FeSiA
lRuTi膜の結晶配向性及びCoCrTa膜の垂直配
向性との関係を示す図である。
【図19】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図20】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図21】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図22】この発明の第6の実施例におけるFeTaN
膜成膜時のArガスのガス圧と、FeTaN膜の結晶配
向性及びCoCrTa膜の垂直配向性との関係を示す図
である。
【図23】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図24】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図25】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図26】この発明の第7の実施例におけるFeCo膜
成膜時のArガスのガス圧と、FeCo膜の結晶配向性
及びCoCrTa膜の垂直配向性との関係を示す関係図
である。
【図27】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図28】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図29】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図30】この発明の第8の実施例である垂直磁気記録
媒体の概略構造を示す要部断面図である。
【図31】同実施例において結晶配向性制御膜としてV
膜を設けた場合と、設けなかった場合の、FeSi膜の
結晶配向性及びCoCrTa膜の垂直配向性を示す図で
ある。
【図32】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図33】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図34】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図35】この発明の第9の実施例において結晶配向性
制御膜としてCrNb膜を設けた場合と設けなかった場
合の、FeCo膜の結晶配向性及びCoCrTa膜の垂
直配向性を示す図である。
【図36】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図37】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図38】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図39】この発明の第10の実施例において結晶配向
性制御膜としてCrMo膜を設けた場合と設けなかった
場合の、FeAl膜の結晶配向性及びCoCrTa膜の
垂直配向性を示す図である。
【図40】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図41】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図42】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図43】この発明の第11の実施例において結晶配向
性制御膜としてCrVNbMo膜を設けた場合と設けな
かった場合の、センダスト膜の結晶配向性及びCoCr
Ta膜の垂直配向性を示す図である。
【図44】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体ノイズの特性を示す図である。
【図45】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する再生出力電圧の特性を示す図である。
【図46】同実施例における垂直磁気記録媒体の記録密
度に対する媒体S/Nの特性を示す図である。
【図47】従来の垂直磁気記録媒体の概略構造を示す要
部断面図である。
【符号の説明】
1,11,21 垂直磁気記録媒体 2,12,22 基板 3,13,24 軟磁性膜 4,14,25 垂直磁化膜 23 結晶配向性制御膜

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、体心立方格子を空間格子とし
    た結晶構造を有し、格子面(200)面を配向面として
    形成された軟磁性膜と、六方最密充填格子を空間格子と
    した結晶構造を有する垂直磁化膜とが順に形成されてな
    ることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 基板上に、体心立方格子を空間格子とし
    た結晶構造を有し、格子面(200)面を配向面として
    形成された結晶配向性制御膜と、体心立方格子を空間格
    子とした結晶構造を有し、格子面(200)面を配向面
    として形成された軟磁性膜と、六方最密充填格子を空間
    格子とした結晶構造を有する垂直磁化膜とが順に形成さ
    れてなることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記結晶配向性制御膜は、バナジウム、
    クロム、ニオブ、モリブデンの中から選択された、いず
    れか1つの元素からなる膜、あるいは、いずれか2つ以
    上の元素からなる合金膜であることを特徴とする請求項
    2記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記垂直磁化膜は、クロムの原子百分率
    が30パーセント以下のコバルト、クロム及びタンタル
    からなる合金膜、又は、クロムの原子百分率が30パー
    セント以下のコバルト及びクロムからなる合金膜である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の
    垂直磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記軟磁性膜は、鉄、シリコン、アルミ
    ニウム、チタン、ルテニウム、コバルト、窒素の中から
    選択された、いずれか2つ以上の元素からなる合金膜で
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記
    載の垂直磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記基板は、ニッケル、リン及びアルミ
    ニウムからなる合金基板、ガラス基板、カーボン基板、
    シリコン基板、又は、サファイア基板であることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の垂直磁気記
    録媒体。
  7. 【請求項7】 基板上に、体心立方格子を空間格子とし
    た結晶構造を有する軟磁性膜を格子面(200)面を配
    向面として形成する第1の工程と、 前記軟磁性膜上に、六方最密充填格子を空間格子とした
    結晶構造を有する垂直磁化膜を形成する第2の工程とか
    らなることを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の工程の前に、基板上に、体心
    立方格子を空間格子とした結晶構造を有する結晶配向性
    制御膜を格子面(200)面を配向面として形成する第
    3の工程を行うことを特徴とする請求項7記載の垂直磁
    気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記結晶配向性制御膜は、バナジウム、
    クロム、ニオブ、モリブデンの中から選択された、いず
    れか1つの元素からなる膜、あるいは、いずれか2つ以
    上の元素からなる合金膜であることを特徴とする請求項
    8記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記垂直磁化膜は、クロムの原子百分
    率が30パーセント以下のコバルト、クロム及びタンタ
    ルからなる合金膜、又は、クロムの原子百分率が30パ
    ーセント以下のコバルト及びクロムからなる合金膜であ
    ることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1に記載
    の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記軟磁性膜は、鉄、シリコン、アル
    ミニウム、チタン、ルテニウム、コバルト、窒素の中か
    ら選択された、いずれか2つ以上の元素からなる合金膜
    であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1
    に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記基板は、ニッケル、リン及びアル
    ミニウムからなる合金基板、ガラス基板、カーボン基
    板、シリコン基板、又は、サファイア基板であることを
    特徴とする請求項7乃至11のいずれか1に記載の垂直
    磁気記録媒体の製造方法。
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