JPH028349A - 冷間加工性および溶接性に優れた引張り強さが55Kgf/mm↑2以上の高張力熱延鋼帯 - Google Patents

冷間加工性および溶接性に優れた引張り強さが55Kgf/mm↑2以上の高張力熱延鋼帯

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JPH028349A
JPH028349A JP15791488A JP15791488A JPH028349A JP H028349 A JPH028349 A JP H028349A JP 15791488 A JP15791488 A JP 15791488A JP 15791488 A JP15791488 A JP 15791488A JP H028349 A JPH028349 A JP H028349A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は直流バット溶接時の溶接性に優れ、しかもつ
ば張り出しくバーリング)加工等の冷間加工性が良好で
あって、特に自動車のホイール用に好適な引張り強さが
55kgf/mm2以上の熱延高張力鋼帯に関する。
例えば自動車の燃費改善対策の一つとして車体の軽量化
を図ることが有効であり、使用鋼板の薄肉化と安全性の
面から構造部材に高張力熱延鋼板を使用する比率が益々
増大する傾向にある。
ところで、自動車用構造部材としての高張力熱延鋼板に
要求される特性としては、引張り強さが55kgf/m
m”級以上の高強度であってしかも加工性に優れること
の他に、これら構造部材の組立てが直流ハラ1〜溶接、
フラッシュハツト溶接あるいは点溶接等によって行われ
るためその溶接性に優れていることが栽木的に重要であ
る。自動車部品の中で特に高張力鋼化志向の強いホイー
ルリムに適用する高能率製造ラインでの溶接法は従来の
フラッシュハツト溶接に比較して、生産性および作業環
境の観点でより優れる直流ハフH8接へと検量している
。この直流バット溶接法における溶接部での熱履歴は、
従来のン容接法に比べてより過酷な条件すなわち急熱、
急冷の熱−リ゛イクルとなるので、溶接部硬さが高くな
り易く、高張力熱延鋼板が備えている範囲の溶接性では
溶接部の耐疲労破壊等に対する十分な信頼性を確保する
ことが困難である。一般に高強度のもの程C当量は高く
なるから、溶接性改善に関する要求は使用飼料が高強度
化する程切実な問題となってくる。また、ボイールリJ
、にド艮らず1.C,i Q容士妾を/li!4ずボイ
ールディスクにおいても事情は同しである。
一般に鋼材の溶接性を示す指杼として、例えばC+Mn
/ 6 +Si/24−1−Cr/ 5 +Mo/ 6
 +V/ 8 十Ni/12で計算されるC当量が用い
られており、実際にもこのC当量の低い鋼材を用いれば
溶接部での硬化が抑制され割れ感受性、疲労特性が向−
1−することが知られている。したがって、ホ・イール
リムのように特に溶接性が重要な特性となるような用途
に使用される自動車用高張力熱延鋼帯の場合は、C当量
を徹底して低減することが肝要である。
(従来の技術) 従来このような用途の高張力鋼板のC量の範囲は溶接性
を考慮して通常0.05〜0.15wLχ (以下単に
%と示す)が選択されているが、このようなC量の範囲
で引張り強さが55kgf/mm2以上の高強度を得る
ために一般にはMn量を1.3%以上とするか、Mn量
の少ない場合ならばSiを1.0%以上は鋼成分として
含ませるか、もしくはMn量およびSi量を0.80〜
1.3χの範囲に下げておいて、巻取りをたとえば50
0°C未満となるような低温度領域で行って、ミクロ組
織中にヘイナイト相やマルテンサイト相を多量に含む組
織とすることによって高強度化を図る手段などが採用さ
れている。
しかしながら、Mn量やSi量を高めた場合、いずれに
しても0’51の上昇は避けられず、得られる溶接性の
水(1!′には限界があること、また低温変態相による
強化を利用する場合は、まず製造に際して低温領域まで
過冷却されることにより鋼板製造時に形状が悪化し、材
質の不均質性が増大するといった製造上での不具合の他
に、C当量が0.20χに満たないような成分を選択し
た場合には溶接時の熱影響により強化の母体である低温
変態相が焼戻されて逆に軟化し、溶接部において必要な
高強度を維持出来ないといった使用上の不具合いを生ず
ることになる。ちなみに、上記した溶接部での軟化によ
る問題を回避しようとすれば、従来の製造方法のC当量
の下限はほぼ0.20χであって、したがってC当量の
低減には自ずから限界が生じるのである。
すなわちたとえば、特開昭61−264159号公報に
は直流ハツト)容接用に適した引張り強さが55kgf
/mm2級のホイールリム用品張力鋼板に関し、直流ハ
ツト溶接性を考慮してC当量を従来の高張力鋼板よりも
低減せしめた成分範囲とすることについて開示されてい
るが、達成できるC当量の低下はまだ不十分でまた引張
り強さが55kg4/mm2級においてようやく達成で
きる程度であって、これ以上の高強度の材料を対象とす
る場合には当然ながらこのC当量の範囲での製造は困難
となる。
一方、特公昭62−35453号公報はMn量を0.4
0〜0、70X と低くし、0.05〜0.90% ノ
Siと0.0005〜0.006χのBを含むC当量が
0.19〜0.28χの範囲の鋼を用いて、450°C
以下の低温巻取りによりミクロ組織を複合組織とする、
引張り強さが50〜60 kgf / mm 2級の低
C当量の高張力鋼板の製造方法に関する開示があるが、
引張り強さが55kgf/mm”級以上の強度を得るに
はC当量が低い。
一方、ホイールディスクに適用する高張力鋼板にはバー
リング加工のような厳しい冷間加工に耐える材料である
ことが要求されるが、このバーリング加工性を左右する
材料での因子はMnSのようなA系非金属介在物の存在
および繊維状組織のようなミクロ組織の異方性であって
、これらの影響は圧延方向と直角な方向におりる延性の
劣化となって現れる。このうちMnSはS量の低減によ
り改善を図ることが比較的容易であるが、高強度鋼にお
けるミクロ組織の異方性の改善は極めて困難である。な
ぜなら従来の引張り強さが55kgf/mm2級以上の
高張力鋼の場合、−Jmに1.0%以上のMn量を含む
上に、Nb、BおよびTiといった強化元素を用いるた
め、これらの元素によって熱間圧延過程での1粒の再結
晶が抑制されて熱間圧延終了時点でのγ粒が圧延方向に
展伸した未再結晶状態のままT→α変態を起し、1(I
られる最終のミクロ組織もこの展伸したγ粒に依存した
異方性を有する組織を早するからである。また、異方性
以外の冷間加工性を左右する組織」二の因子にはパーラ
イト、ヘイナイI・およびマルテンザイト等の第2相と
フエライ1〜相との比率があり、通常の場合フェライ1
−相の比率か多い程加工性は良好で、第2相の比率が増
大すると加工性は悪化する。しかるに従来の高張力鋼l
のようにMnfilか高くかつNb、13を含有する場
合にはArS点が下がり、ミクロ組織中のフェライト分
率が低下して第2相の比率が増大するので、加工性に対
しては不利である。この傾向は高強度化のためにMn量
を増大するほど顕著となる。
しかしながら上記した問題点に対する有効な改善手段は
提案されていない。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、自動車ホイールリム用材として要求される
溶接性およびホイールディスク用材として要求されるバ
ーリング加工性に優れた、引張り強さが55kgf/m
m2以上の高張力熱延鋼帯を提供することが目的である
(課題を解決するための手段) 発明者らは、 ホイールリム用材として必要な溶接性を確保するために
は、C当量を低下することが有利で、その手段としては
C量を強化に必要な最低限の範囲とした上でMn量を極
力低減し、このMnの低減によって生しる強度低下を他
のC当量を上昇させない強化成分、すなわち固溶硬化能
および析出硬化能をそなえるTIにて補うこと、 またホイールディスク用材として必要なバーリング加工
性を改善するには、バーリング加工性が圧延方向と直角
方向の材料延性に支配されることから、ミクロ組織を微
細なポリゴナルフエライ1〜を主体とするものとし、か
つそのミクロ組織を均一化して異方性をなくすこと、 を見出し、ごの発明を完成させた。
すなわちこの発明は、 C: 0.04〜0.18wt! 、Si : 0.0
5〜1.00wt%、Mn : 0.10〜0.50w
L%  、 Ti  : 0.05〜0.30wtZ 
 、八1 :0.001〜0.100 wtX 、N 
: 0.0100wt1以下:P:0.030 wL%
以下およびS : 0.015 wt%以F、を0.3
≦Ti/ (C+S+N) < 5でかつC+Mn/6
+Si/24+Cr15≦0.20wtχにて含有し、
最終ミクロ組織のポリゴナルフェライト分率が70%以
上であることを特徴とする冷間加工性および溶接性に優
れた引張り強さが55kgf/mm”以上の高張力熱延
鋼帯およびさらにCr : 0.10−0.50″Aを
Mn+Cr≦0.50%にて含有した冷間加工性および
溶接性に優れた引張り強さが55kgf/mm2以上の
高張力熱延鋼帯である。
従来たとえばNb、Ti 、  VおよびBといった強
化成分の利用によってC当量を低減する同様の試のはな
されてはいるものの、この発明のような大幅なMn量の
低減を達成するまでには至らず、この発明においてMn
量の大幅な低減を可能としたのばTiの固溶硬化能なら
びに析出硬化能を最大限に引き出す手法を見出せたこと
による。なおMnを低減し、強化成分をTiとしたこの
発明による銅帯は、鋳片での中心偏析が従来鋼に比べて
少ない。即ち、従来は55kgf/mm2以上の引張り
強さを得るために、Mn量を少なくとも1.0%以上含
有させるのが通常であり、このような高Mnの成分組成
とした場合、鋳片の中心偏析が大きくなり、この影響は
バーリング加工の際この中心偏析層でハブ割れを起し易
くなるという弱点となって現れるが、この発明では低M
nの成分組成になるので従来鋼よりも中心偏析の度合い
は著しく軽減され、中心偏析によるバーリング加工性の
劣化をまねくことがない。
また微細均一なポリゴナルフェライトを主体とする組織
を得るには、 (1)  γ−)α変態か容易に進行すること、つまり
Ar3変態点が高いこと (2)T→α変態が均一におこること、換言すれば変態
前の1粒が微細な整粒であることか必要であり、このた
めにはさらにはγ粒の圧延再結晶微細化が容易であるこ
と といった冶金的手法の適用が必要である。Tiを強化成
分の主体とし、Mn量を極力低減した成分系とする手段
が極めて有効に作用すること、すなわち、TiはAr3
点に大きな影響を与えないので、Mnの大幅な低減によ
ってAr3点を上昇させることができる。また、TIは
従来鋼において多用されているNbと異なり、1粒の圧
延再結晶を抑制する効果が少なく、しかもTiNが再結
晶γ粒の成長抑制作用として働くので微細整粒の1粒が
得られるのである。
また、Mn量の低減も1粒の再結晶促進に寄与する。
以上の如く成分の作用を最適化することにより、直流ハ
ント溶接性とバーリング加工性を束ね備えたホイール用
品張力鋼帯が冑られるのである。
(作 用) 次に各成分組成範囲の限定理由を説明する。
C:0.04 〜0.18χ Cは鋼の強度を確保する上で不可欠の元素であり、引張
り強さが55kgf/mm2以上の高強度を達成するた
めには0.04%以上は必要で、一方0.18χを超え
て含有させた場合、C当量が増大し溶接性が著しく悪化
すること、およびポリゴナルフエライト量が減少しパー
ライトやベイナイトのような第2相の比率が増大し、バ
ーリング加工等の冷間成形性が悪化することから、その
含有量を0.04〜0.18χの範囲とした。
Si : 0.05〜1.00χ Si は固溶硬化作用と脱酸作用を有する有用な元素で
、脱酸作用を利用するためには0.05%以上のSiを
八lと共に含有させることにより安定した脱酸効果が期
待でき鋼の清浄性を高め得る。また0、30%以上含有
させると固溶効果による強度増加を期待できるが、1.
0χを超えて含有させると溶接性が悪化するとともに、
熱間圧延時の脱スケール性が悪化し製品にスゲール疵が
残るようになるので、その含有量を0,05〜1.0″
Aとした。
Mn : 0.10〜0.50χ Mnは鋼の強度上昇およびMnSとして熱間脆性を起す
有害なSを固定する作用を有し、熱間脆性防止のために
は0.IOX以上含有させることが好ましいけれども、
0.50χを超えて含有させた場合以下に述べる理由で
この発明の目的を達成できないので、その含有ntを0
.lO〜0.50×とした。
すなわちMn含有量が増加すると、C当量も増大しホイ
ールリム成形時の直流ハント溶接性が劣化すること、熱
間圧延時のAr3点か低下するのでγ→α変態が抑制さ
れ、ポリゴナルフェライトを主体とするミクロ組織が得
難くなることおよび熱間圧延時のγ粒の圧延再結晶が抑
制されるので、変態前の1粒か展伸した状態のままT→
α変態を起こし変態後のミクロ組織の異方性が増してミ
ク[1組織の悪化を惹起し、バーリング加工性を劣化す
ること、の不利をまねく。
また溶接性、バーリング加工性の観点からは低Mn化が
有利であるが、一方においてMn含有量の低減は強度低
下をもたらす。この発明においては強度低下を補うため
に強化元素としてTiを使用するのであるが、これはT
iの強化機能は従来鋼のような1.0%以上の高Mn含
有量領域よりも0.50%以下の低Mn含有量領域とす
ることにより増大し、したがって低Mn化による強度低
下をTiによって十分に補い得ることの新たな知見に由
来するものである。
なお、上記のような低Mn含有量領域におけるTiの強
化機能の増大(ここで言う強化機能の増大とはT+添加
量当りの強度上昇量)は、(1)ミクロ組織中のポリゴ
ナルフェライトが70%以上の場合、(2)熱間圧延前
の鋼片の再加熱温度が下記式のTiCの溶解度積によっ
て示される条件によりTi含有量のすべてをオーステナ
イト相に溶解し得る温度条件となっている場合、もしく
は鋳造後の鋼片の温度が1000°C未満の温度領域ま
で冷却されていない状態から再加熱を経ずに直接熱間圧
延した場合、(3)熱間圧延後の巻取り温度が500°
C以上の温度条件である場合、等の条件を満たす時に顕
著となる。
EoB(%Ti) (%C)  −−10475/T 
 +5.33ここでTは再加熱温度(K) これらの機構の詳細は必ずしも明確ではないが、上記の
(1)の現象はTiCの析出がフェライト相において強
化に有効な微細な析出物として析出するのに対し、パー
ライトやベイナイトのような第2相では転位密度が高い
ために強化機能の小さい比較的粗大な析出形態をとるた
めであり、上記(2)はいうまでもなく初期状態におい
てTiを十分に溶解せしめるために必要な条件と関連す
るものであり、上記(3)は巻取り温度が低い領域では
TiCの析出が起らないので析出硬化が現出しないこと
と対応する。
いずれにしてもヘースの成分を低Mn系とした場合、高
Mn系の場合よりもTiの強化能が著しく高くなり、こ
れらはTiCの析出挙動を通じた析出硬化機構の変化に
関連する現象であることを示すもので、この知見を骨子
としてこの発明を完成したわけである。
Cr  :  0.10〜0.50χ 、 Mn  +
Cr≦0.50XCrはMnと同様の作用を有するが、
MnよりもΔr3変態の抑制効果が小さいこと、γ粒の
再結晶抑制効果が小さいこと、等の点でMnよりも有利
に働くので、0.2%以上のCrをMn +Cr≦0.
50Xの条件を満たす範囲でMnと代替して使用すれば
ミクロ組織を得易くなる。しかしCr量もしくは、Mn
 +Crが0.50χをこえると、直流バット溶接性が
悪化するので、Crの上限およびMn +Crの上限を
0.50χとした。
Ti : 0.05〜0.30χ Ti はこの発明における強化の主体となる元素で、こ
のために0.05%以上必要であるが、0.30χを超
えて添加した場合、溶接部にペネトレーターが発生し易
くなるのでその範囲を0.05〜0.30%とした。
また、TiはMnよりもSとの親和力が強<、TiSと
して有害なSを固定するのでバーリング加工性および疲
労特性の改善効果をもつ。
Al : 0.001〜0.100χ ^lは綱の溶接時の脱酸剤として添加され、少なくとも
0.001χは必要で、一方0.100χをこえて使用
してもその効果は飽和する。
N : 0.0100%以下 NはTiNとしてTiと結合し、強化に有効なTi量を
滅する作用ならびにTiNとして鋼の清浄性を悪化させ
るので、0.0100%以下に抑制した。
P : 0.030%以下 Pは0.030Zを超えると耐2次加工脆性を劣化し易
くなるので、その範囲を0.030%以下とした。
S : 0.015%以下 Sは0.015χを超えるとA系の非金属介在物が多く
なり、バーリング加工性が悪化すること、およびTiと
結合して強化に有効なTi量を減するので0゜015%
以下の範囲とした。
またC当量(C+Mn/6+Si/24+Cr15)の
上限を0.202とする理由は、とくに直流ハツト溶接
時の溶接性改善のためにはC当量を0.20%以下の範
囲とすることが極めて効果的であるからである。
Ti量 (C+N+S)の範囲を0.3〜5の範囲に定
める理由は、この比が0.5未満の場合この発明に必要
な引張り強さ55kgf/mm2以上の強度が得られず
、一方この比が5を超えると強化に有効なTi量が過剰
となるのでコイル巻取り後の自己焼鈍効果を受けた時に
TiCの析出挙動がコイル長手方向で大きく変動し易く
なるため、材料内での機械的性質のばらつきが増大する
ので好ましくないためである。
この発明においては以上に規定した成分範囲の他にCa
等の硫化物の形態制御効果を有する元素の添加を妨げる
ものではなく、50ppm未満のCaの添加によって特
にバーリング加工性の改善効果が得られる。
この発明においてミクロ組織中のポリゴナルフェライト
分率を70%以上とする理由について第1図に示すとこ
ろに従って説明する。同図は60〜65kg f / 
mm 2の引張り強さの範囲の各種の製造条件で製造し
た高張力熱延鋼板について、ミクロ組織中のポリゴナル
フェライト分率と、圧延方向と直角方向(以下C方向と
示す)の伸びと圧延方向に平行な方向(以下り方向と示
す)の伸びの比の関係をプロットしたものである。これ
により、ポリゴナルフェライト分率が70X未満の領域
ではこの比が小さくなっており、L方向とC方向での材
質の異方性が大きくなっていることがわかる。パーリン
グ加工時のハブ割れは加工性の劣るC方向の特性に左右
されるので、ハブ割れ防止には異方性を解消しC方向の
伸び特性を向上することが必要である。ポリゴナルフェ
ラ+yト分率が70χ未満の領域で異方性が悪化するの
はミクロ組織中の第2相が異方性を持ち易いためであり
、ポリゴナルフェライト分率を70%以上とすることに
よってこの弊害を回避することができる。
ところで、ごの発明は上記した成分上の要件を満たした
上で以下の範囲の熱延条件を採択することが、目的とす
るミクロ組織ならびに機械的性質を得るのに有利である
加熱温度としては1100°C〜1450°Cの範囲が
望ましい。この理由は1100°C未満でばTiCの溶
解が不十分であるので、Tiの析出硬化能が十分に発揮
されずに所望の強度が得られなくなるためであり、一方
、加熱温度が上昇するに従ってTiCの溶解が進み、添
加量当りのTiによる強度上昇量が増大するが、145
0°Cをこえると加熱中および圧延時の酸化量が大きく
なり、経済的不利益を招く。
また、この発明においては鋳片に鋳込んだ後再加熱工程
を経ずに直ちに熱間圧延を開始する工程、即ち直接圧延
法を採用すれば、Tiの強化機能が最大限に発揮される
のでより好都合となる。この場合、鋳込み後の鋳片の温
度が1000°C未満となると、熱間圧延前にTiCの
析出が起こり、Tiの析出硬化能が減するので、熱間圧
延開始温度は1000°C以」二とすることが望ましい
熱間圧延の仕上げ温度は800〜950°Cの範囲が望
ましい。この理由は800°C未満では繊維状ミクロ組
織を呈し易く、機械的性質の異方性が増大するためであ
り、一方950°Cを越えるとγ粒が粗大化してγ→α
変態が遅滞するのでポリゴナルフェライI・分率70%
以上のミクロ組織が得難くなる。
熱間圧延後の冷却速度は5〜100°C/sの範囲が望
ましい。なぜなら冷却速度が100°C/sを超えた場
合、冷却過程でのγ→α変態が抑制されるのでポリゴナ
ルフェライト分率70χのミクロ組織が得難くなり、一
方、5°C/s未満とした場合にはボリゴナルフェライ
ト粒径が粗大化するのでバーリング加工性に悪影響が出
る。
巻取り温度は500〜700°Cの範囲が望ましい。
この理由ば500 ’C未満とするとTiCの析出硬化
が生じなくなるので、所望の強度が得られず、さらに鋼
板形状も悪化し、一方、700 ’Cを超えると、析出
するTiCが粗大化して析出硬化が減退するので強度が
得難くなる。
(実施例) 第1表に示す化学成分の鋼をそれぞれ第2表に示す製造
工程によって3.0mm厚まで熱間圧延し熱延鋼帯とし
た。これらの鋼帯のミクロ組織、機械的性質および直流
ハ・ノド溶接性について調べた結果を第1表に示す。
なお第1表において、 ミクロ組織中形 より採取した光学顕微鏡サンプルについて腐食液で組織
を現出させた後、400倍の倍率で10視野写真撮影し
、組織中に占めるポリゴナルフェライト相、アシキュラ
ーフェライト相、パーライト相およびベイナイト相の比
率を測定し、それぞれの相比率の平均値を求め、 穴拡げ率は第2図に示す形状、寸法の工具を用い、ブラ
ンクは直径り。−70mm、穴径D+−12mmのもの
を用いて深絞りを行い、穴の周辺に割れが入った瞬間に
とめて、そのときの穴径d、を測定し、式にて求め、 溶接部硬さは溶接部硬さはDCバット溶接機において溶
接電流密度(150A/mm2) 、溶接時間50(c
ycle) 、加圧力10kg/nun2の条件で供試
片を突合わせ溶接した後、供試片の溶接部と母材部を含
む断面においてビッカース硬度計により硬度分布を測定
し、溶接部での最高硬さ(Hv max)および最高硬
さと母材部との硬度差<l 1(v)を求めた。
第1表から明らかなように、この発明に従う成分とミク
ロ組織を有する銅帯は優れた直流バット溶接性と引張り
強さ55kgf/mm2以上の強度と良好な伸びフラン
ジ特性を有することがわかる。
また第3図に、C当量と引張り強さとの関係について、
第1表に示した銅帯と前述の特開昭61−264159
号および特公昭62−35453号各公報に記載の鋼板
とを比較して示す。同図から、この発明に従う鋼帯は従
来の鋼板に比較して、同一引張り強さを得るために必要
なC当量が著しく低いことがわかる。
(発明の効果) この発明によれば、直流バット溶接性およびパーリング
加工性に優れた引張り強さが55kgf/mm2以上の
高張力熱延鋼帯、すなわちとくに自動車用ホイールとし
て最適な材料を提供し得る。
また成分コストが安価であること、中心偏析が少ないこ
と、近年省エネルギー化を追求するための製造プロセス
として実施されている直接圧延法に適していることなど
の多くの利点も有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ミクロ組織中のポリゴナルフェライト分率と
C方向伸び/L方向伸びの比の関係を示すグラフ、 第2図は穴拡げ試験用工具の説明図、 第3図はこの発明に従う銅帯および従来の鋼板の炭素当
量と引張り強さとの関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、C:0.04〜0.18wt%、Si:0.05〜
    1.00wt%、Mn:0.10〜0.50wt%、T
    i:0.05〜0.30wt%、Al:0.001〜0
    .100wt%、N:0.0100wt%以下、P:0
    .030wt%以下およびS:0.015wt%以下を
    0.3≦Ti/(C+S+N)<5でかつC+Mn/6
    +Si/24+Cr/5≦0.20wt%にて含有し、
    最終ミクロ組織のポリゴナルフェライト分率が70%以
    上であることを特徴とする冷間加工性および溶接性に優
    れた引張り強さが55kgf/mm^2以上の高張力熱
    延鋼帯。 2、C:0.04〜0.18wt%、Si:0.05〜
    1.00wt%、Mn:0.10〜0.50wt%、C
    r:0.10〜0.50wt%、Ti:0.05〜0.
    30wt%、Al:0.001〜0.100wt%、N
    :0.0100wt%以下、P:0.030wt%以下
    、およびS:0.015wt%以下を0.3≦Ti/(
    C+S+N)<5、C+Mn/6+Si/24+Cr/
    5≦0.20wt%およびMn+Cr≦0.50wt%
    にて含有し、最終ミクロ組織のポリゴナルフェライト分
    率が70%以上であることを特徴とする冷間加工性およ
    び溶接性に優れた引張り強さが55kgf/mm^2以
    上の高張力熱延鋼帯。
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