本発明は、回転しながら塵埃を除去する回転ロータと、それを用いた掃除機用床吸込具、電気掃除機、及び空気調和機に関するものである。
従来のこの種の回転ロータとして、空気調和機に搭載され、ロータとそのロータの外周長手方向に植毛されたブラシ状の清掃体からなり、空気調和機に内蔵されたエアフィルターの表面に付着した塵埃を、前記清掃体で矯正的に除去するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
図16は、上記特許文献1に記載された従来の回転ロータを搭載した空気調和機の縦断面図、図17は、同回転ロータの斜視図である。
図16において、空気調和機本体101内には、熱交換器102と、室内の空気を取り入れる吸込口103と、前記熱交換器102と前記吸込口103の間に設けられたベルト状のエアフィルター104と、このエアフィルター104を張設した駆動軸106および従動軸107と、前記駆動軸106を回転駆動するサーボモーター105と、前記エアフィルター104で捕集された塵埃を除去する回転ロータ108と、前記回転ロータ108を回転駆動する駆動手段(図示せず)と、前記吸込口103と連通すると共に前記回転ロータ108を内設し排出口109を有する排気管110と、前記排気管110内に設けられた塵埃排出用ファン111と、前記吸込口103から室内の空気を吸引し、熱交換器102を通して吹き出し口112から、熱交換された空気を室内に吹き出すファン113とを備えている。
回転ロータ108は、図17に示すように、樹脂からなる回転自在のロータ108aと、前記ロータ108aの外周の長手方向に直線状に植設されたブラシ状の清掃体108bから構成されている。
上記構成による従来の回転ロータと空気調和機の動作、作用は以下の通りである。
空気調和機本体101を、例えば、冷房運転すると、ファン113により室内の空気が吸込口103から流入し、エアフィルター104を通って熱交換器102に至り、そこで冷却され、冷たい空気が吹き出し口112から室内に吹き出される。吸引される室内の空気に含まれる塵埃は、前記エアフィルター104で捕集され、フィルター104の表面に堆積する。エアフィルター104の表面に塵埃が堆積してくると、空気の通気圧損が増加し、熱交換効率が低下してくるので、定期的に或いは、必要に応じて、エアフィルター104上の塵埃の除去運転が必要となる。
塵埃の除去運転は、サーボモーター105を運転して駆動軸106を回転させてベルト状のフィルター104を連続的に移動させ、その間に回転ロータ108を回転させると共に塵埃排出用ファン111を運転するもので、エアフィルター104上の塵埃が、回転ロータ108の清掃体108bで掻き取られ、掻き取られた塵埃は、塵埃排出用ファン111により吸引され、排出口109より室外に排出されるようになっている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された回転ロータ108は、樹脂などからなるロータ108aに清掃体108bを植毛して構成しているため、清掃体108bが連続的に形成されていないので、清掃が均一にできないという課題があった。
また、植毛して構成された清掃体108bは、細い繊維が束ねられた状態になっている為、繊維間に塵埃がもぐり込み、清掃体108b自身が汚れてしまうという課題も有していた。
この問題を解決するものとして、図15に示すような、軟質ブレード82の先端部に連続的なリブ80を設けた清掃体16を、ロータ81に挿入固定して形成した回転ロータ15が考案されている。軟質ブレード82の先端部に連続的なリブ80を設けた清掃体16は、その先端部が、エアフィルター104の表面を擦りながら塵埃を除去し、かつ、連続的なリブ80がエアフィルター104の格子を引っ掻くようにして塵埃を剥がし取り、エアフィルター104に付着した塵埃を除去するものである。
次に、従来のこの種の回転ロータを搭載した掃除機用床吸込具について、図14を用いて説明する。図14は、従来の掃除機用床吸込具の上ケースをはずしたときの分解斜視図である。
被清掃面が、フローリング、じゅうたん等、多様化する中で、掃除機用床吸込具に回転ロータを取り付け、回転ロータの清掃体を工夫することで、フローリング、じゅうたん等に対応した清掃を行なっている。
図14において、従来の床吸込具1は、前方下面に吸引用の開口部2を有する下ケース3と、下ケース3の後部に回動自在に設けられ、図示しない電気掃除機にホースや延長管を介して接続される接続管4と、一端にプーリー5aを有すると共に下ケース3に回動自在に装着された回転ロータ5と、前記プーリー5aに張架されたベルト6を介して回転ロータ5を回転駆動するモータ7から構成されている。
床吸込具1に回転自在に支持され外周面の長手方向に複数の溝部8を螺旋状に形成したロータ5cと、前記溝部8に軟質ブレード9と起毛布10を挿入して、一端にプーリー5a、他端に軸受け5bを取り付けて、回転ロータ5を形成していた。
上記構成により、電気掃除機を運転すると共に、モータ7に通電すると、回転ロータ5が回転し、軟質ブレード9と起毛布10により被掃除面の塵埃が掻き上げられ、電気掃除機に内蔵された電動送風機(図示せず)による吸引力で、開口部2より、空気と共に吸引される。帯状の軟質ブレード9は、じゅうたんの奥に付着した塵埃を除去するために、じゅうたんのパイルを叩いて、奥の塵埃を浮き出させて、掃除機本体(図示せず)の吸引装置により吸い込ませていた。
また、帯状の起毛布10は、フローリングの表面に付着した塵埃を掃き取るように除去し、かつ、フローリングの表面を拭きながら磨くというような掃除を行なっていた。このようにして、フローリング面やじゅうたんの奥に溜まった塵埃を、回転ロータ5を有する掃除機用床吸込具1で除去する方法が考案されている。
図11は、掃除機用床吸込具1を接続した電気掃除機の全体側面図である。電気掃除機は、前部に塵埃を捕集する集塵室51と、後部に電動送風機を内蔵した電動送風機室53をそれぞれ備えた掃除機本体50と、集塵室51に連通するように一端が掃除機本体50に接続されるホース54と、ホース54の他端に設けられたハンドルパイプ55に着脱自在に接続される延長管56とを備え、延長管56の他端に、掃除機用床吸込具1が接続される。
上記構成により、掃除機本体50を運転し、ハンドルパイプ55を操作して、掃除機用床吸込具1をフローリングやじゅうたん上で操作すると、掃除機用床吸込具1に内蔵されたモータに7より回転ロータ5が回転し、塵埃が軟質ブレード9や起毛布10により掻き上げられ、電動送風機52による吸引力で、空気と共に塵埃が、延長管56、ホース54を通って集塵室51に流れ込みそこで塵埃が捕集される。
特開平6−74521号公報
しかしながら、図15の如く考案されたような従来の回転ロータ15においては、回転ロータ15を形成する清掃体16は軟質ブレード82の先端部が、エアフィルター104の表面をなでるだけで、たとえ、軟質ブレード82に凸状の連続したリブ80を設けても、エアフィルター104の格子の隙間や、網目にくい込むことが出来ず、エアフィルター104の格子にこびりついた油分のような塵埃や、エアフィルター104の網目に絡んだ塵埃を完全に剥離させるまで掻き出すことはできず、エアフィルター104の格子と網目にこびりついた塵埃を確実に除去することは非常に困難であった。
また軟質ブレード82の先端部をエアフィルター104に強く接触させて、塵埃の除去効果を上げようとすれば、摩擦抵抗が大きくなり、回転数が減少し、逆に清掃効果が減少するという問題もあった。また、清掃体16、及びエアフィルター104の磨耗が激しくなるという問題もあった。
また、図14の如く考案されたような従来の電気掃除機用床吸込具1においては、被清掃面がじゅうたんの場合は、帯状の軟質ブレード9がじゅうたんのパイルに擦りつきながら清掃を行なうので、摩擦抵抗が大きくなり、軟質ブレード9の磨耗が激しくなる。また、じゅうたんのパイルに強く接触させると、じゅうたんのパイルを傷つけてしまう。さらに、回転数も減少し、清掃効果も減少するという問題もあった。
反対に、軟質ブレード9の先端がじゅうたんのパイルに接触するだけでは、じゅうたんの奥に溜まった塵埃をたたき出すことが出来なくなり、清掃効果が落ちてしまう。軟質ブレード9とじゅうたんのパイルが損傷せずに、なおかつ、清掃効果を上げようとするための、軟質ブレード9の長さの調整が困難であった。また、軟質ブレード9はフローリングの表面に接触させると、フローリングの表面を傷つけてしまうため、フローリングの表面に接触させることが出来ず、フローリングの清掃は困難であった。
被清掃面がフローリングの場合は、パイルが合成樹脂繊維で形成された起毛布10が拭き、掃き、磨き効果を発揮するものであるが、フローリングのような被清掃面に起毛布10のパイルを強く接触させると、フローリングの表面に傷をつけてしまう。そのため、起毛布10のパイルの先端は、フローリングの面にすれすれの状態に調整されている。そのため、フローリングの清掃効果は減少してしまう。
また、起毛布10のパイルの先端部がフローリングの表面に軽く接触する状態であっても、床吸込具1は底面のローラー20で被清掃面からの高さを調整しており、被清掃面がじゅうたんの場合は、ローラー20の効果がなくなり、じゅうたんに床吸込具1自体が沈んでしまうため、起毛布10のパイルの先端がじゅうたんの奥までくい込んでしまう。そのため、摩擦抵抗が大きくなり、起毛布10の磨耗が激しくなり、さらに、回転数も減少し、清掃効果も減少するという問題もあった。
起毛布10のパイルの長さをじゅうたんに調整して短くすれば、フローリングには接触しなくなり、フローリングの清掃効果が減少してしまい、フローリングに傷をつけず、フローリングとじゅうたんの両方の掃除効果を満足するための、起毛布10のパイルの長さの調整が困難であった。
その他、軟質ブレード9や起毛布10の代わりに、布帛を使用した回転ロータも考案されているが、布帛は、被清掃面に柔らかく接触する為、被清掃面に傷を付けにくいが、被清掃面をなでるだけで、掃く、拭く、叩くといった効果は少なく、清掃効果は低いという特徴を有している。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、高い耐久性を有し、被清掃面に傷をつけることがなく、かつ、高い清掃効果を有した回転ロータ、及び、前記回転ロータを有した掃除機用床吸込具、電気掃除機、及び空気調和機を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の回転ロータは、機器に回転自在に取着されるとともに、外周の長手方向に溝部を有するロータと略帯状の皮革清掃体を備え、前記皮革清掃体は、不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されているので、高い耐久性を有し、被清掃面に傷をつけることがなく、かつ、高い清掃効果を有した回転ロータ、及び前記回転ロータを有した掃除機用床吸込具、電気掃除機、及び空気調和機を提供することが出来る。
皮革清掃体には、不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されてあり、ポリウレタンは、高い耐摩耗性を有している為、耐久性の優れた清掃体を製造することができる。また、皮革清掃体は、極微細な気泡を有している為、皮革清掃体の重量を軽くすることができると共に、皮革清掃体に加えられた衝撃を吸収することができる。また、皮革清掃体において、不織布と極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンの間には、空隙部が形成されてある為、皮革清掃体を、被清掃面にたいして、柔軟に接触させることができ、高い清掃力を得ることができる。また、皮革清掃体は、多孔質化されたポリウレタンから形成されてある為、被清掃面に傷をつける事が無い。
また、皮革清掃体の不織布には、ポリエステルが使用されてあると共に、他の材質として、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンを使用することができる為、前記材質の有する特性を、皮革清掃体は有していると共に、高い剛性を得ることができる。また、繊維の繊度を0.2デニール以下に設定した場合には、皮革清掃体は、必要とされる剛性を保持しつつ、柔軟性を有することができ、厚みの薄い皮革清掃体を製造する事が、容易である。
回転ロータは、少なくとも、上記の如くの長所を有する皮革清掃体によって形成されてある為、高い清掃効果を有すると共に、被清掃面に傷を付ける事が無く、かつ、高い耐久性を有している。
また、単繊維からなる不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されてある皮革清掃体を使用した場合には、単繊維からなる不織布は、高い剛性及び高い耐久性を有している。その為、皮革清掃体を、被清掃面にたいして、強力に接触させることができ、被清掃面の汚れ等が、強力な付着力を有する場合であっても、高い清掃効果を発揮できると共に、高い耐久性を有している。
また、皮革清掃体に使用されてあるポリウレタンが、高い耐摩耗性を発揮し、耐久性の優れた皮革清掃体を製造することができると共に、回転ロータは、被清掃面の塵埃等を強力に掻き出すことができる。また、皮革清掃体は、極微細な気泡を有している為、皮革清掃体の重量を軽くすることができると共に、皮革清掃体に加えられた衝撃を、吸収することができ、被清掃面に傷を付ける事が無い。また、皮革清掃体を、被清掃面にたいして柔軟に接触させることができる為、回転ロータは、高い清掃効果及び掻き出し効果を得ることができる。
本発明の掃除機用床吸込具は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転ロータを回転自在に設けたもので、被清掃面に傷をつけることが無く、掃除性能、耐久性に優れた掃除機用床吸込具を提供することができる。また、本発明の電気掃除機は、電動送風機と、請求項8に記載の掃除機用床吸込具とを備え、前記電動送風機と前記掃除機用床吸込具とを連通させたもので、掃除性能、耐久性に優れた電気掃除機を提供することができる。
また、本発明の空気調和機は、空気を熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の上流側に配され流入する空気中に含まれる塵埃を捕獲するエアフィルターと、請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転ロータとを備え、前記回転ロータで、前記エアフィルターで捕獲された塵埃を除去するようにしたもので、エアフィルターの掃除性能に優れ、また、回転ロータの回転時に、エアフィルターに無理な力が加わることのない、耐久性に優れた空気調和機を提供することができる。
第1の発明は、機器に回転自在に取着されるとともに、外周の長手方向に溝部を有するロータと略帯状の皮革清掃体を備え、前記皮革清掃体は、不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されているので、被清掃面に傷をつける事が無い。また、皮革清掃体を、被清掃面にたいして柔軟に接触させることができる為、回転ロータは、高い清掃効果及び掻き出し効果を得ることができる。
第2の発明は、機器に回転自在に取着されるとともに、外周の長手方向に複数の溝部を有するロータと清掃体を備え、前記清掃体の少なくとも一つは、不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成された皮革清掃体を有しているので、被清掃面に傷をつける事が無い。また、皮革清掃体を、被清掃面にたいして柔軟に接触させることができる為、回転ロータは、高い清掃効果及び掻き出し効果を有することができる。また、他の清掃体と組み合わせることで、様々な被清掃面に対応できる。
第3の発明は、第1または第2の発明の皮革清掃体は、先端部にスリットを有しているので、前記皮革清掃体のスリットを有しない部分は腰が強く、前記スリットを有する部分は軟らかくなり、前記皮革清掃体が被清掃面に接触する際に、前記のスリットを有する部分が程よく撓むため、接触量を増やしても接触面の抵抗が少なくなり、前記皮革清掃体のスリットを有しない部分では擦り取り、前記スリットを有する部分では掻き取り効果が増加し、被清掃面の塵埃をより効果的に除去することができる。
第4の発明は、第1〜3の発明の皮革清掃体は、先端部に段差を有しているので、前記皮革清掃体の先端部の段差を有しない部分は腰が強く、前記段差を有する部分は軟らかくなり、前記段差を有する部分が被清掃面に接触する際に、前記段差を有する部分が程よく撓み、長手方向に対して、全体で接触しないため、抵抗が分散され、接触量を増やしても接触面の抵抗が少なくなり、かつ、前記段差を有しない部分では擦り取り、前記段差を有する部分では掻き取り効果が増加し、被清掃面の塵埃をより効果的に除去することができる。また、被清掃面が平坦でなく、凹凸状の場所でも万遍に前記段差を有する部分が接触することができ、特にじゅうたんの奥、畳の目、エアフィルターの格子や網目等の塵埃をより効果的に掻き出すことができる。
第5の発明は、第1〜4の発明の皮革清掃体は、少なくとも片面に起毛部を有するので、前記起毛部が被清掃面の塵埃に絡みつくように接触することにより、被清掃面の塵埃をより効果的に除去することができる。
第6の発明は、第1〜5の発明の皮革清掃体は、少なくとも先端部が複数枚重ね合わされて形成されているので、前記皮革清掃体の腰が強くなり、かつ、連続して被清掃面に接触することにより、被清掃面の塵埃をより効果的に除去することができる。
第7の発明は、第1〜6の発明の皮革清掃体、または/及び清掃体は、回転ロータの長手方向の軸の周りに、らせん状に形成されているので、回転ロータが回転する際に、摺動抵抗が分散し、振動、及び音が減少し、快適に清掃を行なうことができる。
第8の発明は、掃除機用床吸込具に請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転ロータを回転自在に設けたもので、掃除性能、耐久性に優れた掃除機用床吸込具を提供することができる。
第9の発明は、電動送風機と、請求項8に記載の掃除機用床吸込具とを備え、前記電動送風機と前記掃除機用床吸込具とを連通させたもので、被掃除面の種類に関わらず、塵埃の除去性能が大幅に向上し、掃除性能に優れた電気掃除機を提供することができる。
第10の発明は、空気調和機に、空気を熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の上流側に配され流入する空気中に含まれる塵埃を捕獲するエアフィルターと、請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転ロータとを備え、前記回転ロータで、前記エアフィルターで捕獲された塵埃を除去するようにしたもので、エアフィルターの掃除性能に優れ、また、回転ロータの回転時に、エアフィルターに無理な力が加わることのない、耐久性に優れた空気調和機を提供することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
本発明の第1の実施例における掃除機用床吸込具について、図1〜11を用いて説明する。なお、本実施例における掃除機用床吸込具の全体構成は従来例(図11)と同一なので、同一部分については、同一符号を付してその説明をする。
図1は、本実施例における掃除機用床吸込具27の上ケース(図示せず)を外した状態の分解斜視図、図2は、同掃除機用床吸込具27に内蔵される回転ロータ28の展開斜視図である。
図1、及び図2において、本実施例における掃除機用床吸込具27に内蔵される回転ロータ28は、アルミニウムなどの金属材料からなり外周面の長手方向に均等に4本の溝部35を外方に開口するように設けたロータ34と、略帯状で下端が溝部35に嵌合装着されると共に長手方向に沿って4本の溝部35に下端が装着される基部36と、先端が被清掃面に接触する清掃片37で構成される清掃体47からなり、回転ロータ28は、不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されている皮革清掃片49、及び基部36からなる皮革清掃体38を有している。皮革清掃体38の数を4本で説明しているが、その数は問わない。さらに、複数の清掃体47のうち、少なくとも一つ以上が皮革清掃体38であればよい。
皮革清掃体38をロータ34に装着した後、そのロータ34の一端に圧入されると共にモータ29で駆動されるベルト30が張架されるプーリー31と、ロータ34の他端に圧入される軸受け32から構成されている。33は、回転ロータ28の両端を掃除機用床吸込具27に回転自在に保持するための軸受けホルダーである。
また、ロータ34に設けた溝部35は、本実施例では、ロータ34の全幅に渡って360度の捩り角度で螺旋状に形成されているが、その捩れ角度はそれに限定されるものではなく、使用目的に合わせて自由に設定すれば良い。
次に、皮革清掃体38の構造並びにロータ34への組立て方法について図2を用いて説明する。帯状体の不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されている皮革清掃片49と基部36を有する皮革清掃体38をロータ34の溝部35の一方の端部から挿入して取り付ける。皮革清掃体38は、帯状に切断した皮革清掃片49の長手方向の片端面に、軟質の合成樹脂を一体成形して基部36を設けてある。また、回転駆動装置(図示せず)によって、ロータ34の両端に、プーリー31、軸受け32、及び軸受けホルダー33を適宜取り付けて、回転駆動ができるようにしている。
また、図3の如く、皮革清掃片49の短手方向の任意の位置で折り曲げて略中央部に縫製69を施して基部36を設けた皮革清掃体40を形成し、基部36をロータ34の溝部35に挿入して、回転ロータ28を構成してもかまわない。皮革清掃片49を折り曲げて、縫製69を施して基部36を設けることにより、安価な皮革清掃体40を作ることができる。
ここで、皮革清掃片49の構造について説明する。皮革清掃片49は図4の如く、平板状に形成されてある。また、皮革清掃片49は、図5の如く、不織布73、及び基部75よりなる二重構造体にて形成されてあり、不織布73と基部75の間には、空隙部76が形成されてある。また、図6の如く、不織布73は、複数本の繊維72から形成されてあり、材質には、ポリエステルが使用されてある。また、基部75は、極微細な気泡74を有する多孔質化された構造体にて形成されてあり、材質には、ポリウレタンが使用されてある。
次に、皮革清掃片49の製造方法について、図6を用いて説明する。帯状の、不織布73及び極微細な気泡74を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されている皮革清掃片49の製造方法は、まず、複数本の繊維72を、平板状に集積させて布状体を形成し、前記布状体を複数枚、重ね合わせた後、特殊な針を突き刺して、3次元に絡合された不織布73を形成する。前記の製造方法は、一般的には、ニードルパンチングと呼ばれている。
次に、不織布73を、ポリウレタン溶液中に含浸させることにより、不織布73にポリウレタン溶液を充填させる。次に、ポリウレタン溶液を充填させた不織布73を、水中に、浸積堆積させることにより、不織布73、及び極微細な気泡74を有する多孔質化されたポリウレタンの基部75からなる二重構造体にて形成された皮革清掃片49を作ることができる。
また、必要に応じて撥水処理加工がされる。加工方法としては、撥水処理剤に皮革清掃片49を浸漬させてコーティングする方法、あるいは、撥水処理剤を皮革清掃片49に吹付けてコーティングさせる方法が採用される。
帯状の、不織布73及び極微細な気泡74を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されている皮革清掃片49は、高い清掃効果を有するとともに、被清掃面を傷つけることがなく、かつ、高い耐久性を有する。
皮革清掃片49には、不織布73、及び極微細な気泡74を有する多孔質化されたポリウレタンの基部75からなる二重構造体が形成されてあり、ポリウレタンの基部75は、高い耐摩耗性を有している為、耐久性の優れた皮革清掃片49を、製造することができる。
また、基部75は、極微細な気泡74を有している為、皮革清掃片49の重量を軽くすることができると共に、皮革清掃片49に加えられた衝撃を吸収することができる。
また、皮革清掃片49は、不織布73、及び基部75よりなる二重構造体にて形成されてあり、不織布73と基部75の間には、空隙部76が形成されてあると共に、基部75は、極微細な気泡74を有する多孔質化されたポリウレタンにて形成されてある為、皮革清掃片49を、被清掃面にたいして、柔軟に接触させることができ、高い清掃力を有することができる。また、基部75は、多孔質化されたポリウレタンから形成されてある為、被清掃面に傷を付ける事が無い。
また、不織布73には、ポリエステルが使用されてあるが、他の材質として、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンを使用することができる為、前記材質の有する特性を、皮革清掃片49に持たせることができると共に、高い剛性を得ることができる。
また、繊維の繊度を0.2デニール以下に設定した場合には、皮革清掃片49は、必要とされる剛性を保持しつつ、柔軟性を有することができ、厚みの薄い皮革清掃片49を製造する事が、容易である。
上記、帯状の、不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されている皮革清掃片49は、高い剛性、耐久性と清掃効果を発揮するため、皮革清掃片49と基部36で形成された皮革清掃体38を有する回転ロータ28を使用すれば、被清掃面を傷つけることなく、高い清掃効果が得られる。
また、単繊維からなる不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体にて形成されてある皮革清掃片49を使用した場合には、単繊維からなる不織布は、高い剛性及び高い耐久性を有している。その為、皮革清掃片49を、被清掃面にたいして、強力に接触させることができ、被清掃面の汚れ等が、強力な付着力を有する場合であっても、高い清掃効果を発揮できると共に、高い耐久性を得ることができる。
また、皮革清掃片49に使用されてあるポリウレタンが、高い耐摩耗性を発揮し、耐久性の優れた皮革清掃片49を、製造することができると共に、回転ロータ28は、床面の塵埃等を強力に掻き出すことができる。
また、皮革清掃片49は、極微細な気泡を有している為、皮革清掃片49の重量を軽くすることができると共に、皮革清掃片49に加えられた衝撃を、吸収することができ、床面に傷を付ける事が無い。また、皮革清掃片49を、床面にたいして柔軟に接触させることができる為、回転ロータ28は、高い清掃効果及び掻き出し効果を得ることができる。
また、図7のように、皮革清掃片49の先端部に開放端側から基部側に向けて任意の長さのスリット39を設けた皮革清掃体38を、図2のロータ34の溝部35に挿入して回転ロータ28を形成すれば、皮革清掃片49は、長手方向に沿って、略帯状態で、かつ、先端部に開放端部側から基部36側に向けて任意の長さのスリット39を有するので、皮革清掃片49のスリット39を有しない部分は腰が強く、スリット39を有する先端部は軟らかくなり、皮革清掃片49が被清掃面に接触する際に、スリット39を有する先端部が程よく撓むため、接触量を増やしても接触面の抵抗が少なくなり、皮革清掃片49のスリット39を有しない部分では擦り取り、スリット39を有する先端部では掻き取り効果が増加し、皮革清掃片49を有する回転ロータ28によって、被清掃面の塵埃をより効果的に除去することができる
次に、図8のように、先端部に山切り状のカットを行なって先端部に段差を有する皮革清掃片40からなる回転ロータ46を形成すれば、皮革清掃片40は、山切り状の先端部に凸部42を有するので、皮革清掃片40が被清掃面に接触する際に、先端部が程よく撓み、長手方向に対して、全体で接触しないため、抵抗が分散され、接触量を増やしても接触面の抵抗が少なくなり、かつ、皮革清掃片40の山切り状の先端部の凸部42を有しない部分では擦り取り、山切り状の先端部の凸部42では掻き取り効果が増加し、被清掃面の塵埃をより効果的に除去することができる。
また、被清掃面が平坦でなく、凹凸状の場所でも万遍に山切り状の先端部の凸部42を接触させることができ、皮革清掃片40を有する回転ロータ46によって、特にじゅうたんの奥、畳の目、エアフィルターの格子や網目等の塵埃をより効果的に掻き出すことができる。
また、皮革清掃片40の先端部の段差の形状は、上記の山形形状の他に、図9のように、先端部に凹部79と凸部78のような段差形状を有する皮革清掃片77や、波形状の段差形状を有する皮革清掃体(図示せず)でも同様である。
次に、図10の如く、皮革清掃片49の被清掃面に接触する側の先端部に起毛を行なった皮革清掃体43を使用して、回転ロータ28を構成してもかまわない。皮革清掃片49の被清掃面に接触する側の先端部に起毛を行なった皮革清掃体43を使用して、回転ロータ28を形成すれば、皮革清掃体43は、先端部に、少なくとも片面に起毛部45を有するので、起毛部45が被清掃面の塵埃に絡みつくように接触することにより、皮革清掃体43を有する回転ロータ28によって、被清掃面の塵埃をより効果的に除去することができる。
また、図示しないが、帯状の皮革清掃片49を、芯線(図示せず)を内にして、長手方向の略中央で折り曲げて、図2のロータ34の溝部35に挿入して固定した、回転ロータ28を形成すれば、皮革清掃片49の腰が強くなり、かつ、連続して被清掃面に接触することにより、被清掃面の塵埃をより効果的に除去することができる。
また、先端部に山切り状のカットを行なって先端部に段差を有する皮革清掃片40の凸部42の長手方向の位置を、各清掃片20間でずらして配された回転ロータ46を形成すれば、回転ロータ46は、複数の皮革清掃体41の皮革清掃片40が、被清掃面に接触しなかった部分を、次の皮革清掃体41の皮革清掃片40の凸部42が接触することにより、清掃のし残しが無くなり、むら無く万遍に、被清掃面の塵埃の除去ができる。
また、山切り状のカットを行なって先端部に段差を有する皮革清掃体41以外に、スリット39を有する皮革清掃体38、凹部79と凸部78のような段差形状を有する皮革清掃体77や、波形状の段差形状を有する皮革清掃体(図示せず)でも、位相差を設ける(凸部の位置を清掃体間でずらす)ことにより、同様の効果がでる。
また、図2の如く、ロータ34の溝部35を、長手方向の軸の周りにらせん状に形成して、皮革清掃体38を挿入すれば、らせん状に捩られた回転ロータ28形成される。回転ロータ28が回転すると、皮革清掃体38は連続的に滑らかに被清掃面の表面に当たるため、摺動抵抗が分散し、振動、及び音が減少し、快適に清掃を行なうことができる。
また、ロータ34の溝部35を、ロータ34の略中央で、左右反対方向にらせん状に捩り、溝部35に皮革清掃体38を挿入して、両端を固定すれば、略V字形状の回転ロータ(図示せず)が形成される。略V字形状の回転ロータが回転すると被清掃面から除去された塵埃は、皮革清掃体38によって、中央に集められ、塵埃の捕集効果が増加する。
また、図1は、上記記載の回転ロータ28を回転自在に設けたもので、掃除性能、耐久性に優れた掃除機用床吸込具27を提供することができる。
また、上記構成による掃除機用床吸込具27を、図11の、掃除機本体50の延長管56に接続して、掃除機本体50を運転し、ハンドルパイプ55を操作して、掃除機用床吸込具27をフローリングやじゅうたん上で操作すると、床吸込具27に内蔵されたモータ29より回転ロータ28が回転し、塵埃が皮革清掃体38により掻き上げられ、電動送風機52による吸引力で、空気と共に塵埃が、延長管56、ホース54を通って集塵室51に流れ込みそこで塵埃が捕集される。
ここで、回転ロータ28の作用について説明する。掃除機用床吸込具27をフローリング上で運転する際には、回転ロータ28が回転すると、らせん状に形成された皮革清掃片49の先端部は連続的にフローリング面にたたきつけられながらフローリング面上の塵埃を掬い取るような作用をするので、床面上の塵埃を確実に除去し、吸引することが出来る。また、皮革清掃片49は摩擦抵抗が小さいので、フローリングの表面をこすりつけるようにして、きれいに磨くことができる。
また、掃除機用床吸込具27をじゅうたん上で運転する際には、回転ロータ28が回転すると、皮革清掃片49はじゅうたんのパイルにたたきつけられながら、なでつけるようにするので、パイルの奥に溜まった塵埃を巻き上げて、かつ、パイルの表面をこすりながら回転し、じゅうたんのパイルの奥に溜まった塵埃と、パイルに附着した塵埃を確実に吸引することが出来る。
回転ロータ28を構成する皮革清掃片49の先端部の形態については、図7に示すような、皮革清掃片49の先端部にスリット39を有するものに限らず、図8に示すような、先端部に段差を有する皮革清掃体41、図10に示すような、先端に起毛部を有する皮革清掃体43、あるいは、これらを組み合わせて使用するなど自由に選択できるものである。また、清掃片の短手方向略中央部で二つ折りにして清掃片先端部を重ね合わせた皮革清掃片(図示せず)を使用すると、一枚の時よりも腰が強くなり、より強い磨き効果が欲しい時に効果的である。
以上のように本実施例によれば、被掃除面がフローリングやタイルなどの場合、塵埃を掬い取るような作用をすることにより塵埃の除去性能が向上ししかも、被掃除面に線状に接触するので磨き効果も向上し、塵埃の除去性能が大幅に向上するので、掃除性能に優れた掃除機用床吸込具27を提供することが出来る。
図12は、本発明の第2の実施例における空気調和機の縦断面図、図13は、同空気調和機の内部構成の概略を示す斜視図である。なお、上記実施例1と同一部分については、同一符号を付してその説明をする。
図12、及び13において、空気調和機本体60は、熱交換器61と、室内の空気を取り入れる吸込口62と、前記熱交換器61と吸込口62の間に配され、吸込口62から流入する空気中に含まれる塵埃を捕獲するエアフィルター63と、エアフィルター63の上流側に配されると共に、エアフィルター63で捕獲された塵埃を除去する回転ロータ28と、回転ロータ28を回転駆動する回転駆動手段(図示せず)と、回転ロータ28をエアフィルター63の上流側の表面に沿って上下方向に移動させる上下移動手段(図示せず)と、吸込口62から室内の空気を吸引し、エアフィルター63、熱交換器61を通して、吹き出し口64から、熱交換された空気を室内に吹き出すファン65とを備えている。
回転ロータ28は、上記実施例1に記載と同一であるため、構造、組立て方法、及び製造方法については省略する。皮革清掃片49に使用されてあるポリウレタンが、高い耐摩耗性を発揮し、耐久性の優れた皮革清掃片49を、製造することができると共に、回転ロータ28は、エアフィルターの表面の集塵を強力に掻き出すことができる。
また、皮革清掃片49は、極微細な気泡を有している為、皮革清掃片49の重量を軽くすることができると共に、皮革清掃片49に加えられた衝撃を、吸収することができ、エアフィルターの表面に傷を付ける事が無い。また、皮革清掃片49を、エアフィルターにたいして柔軟に接触させることができる為、回転ロータ28は、高い清掃効果及び掻き出し効果を有することができる。
本実施例では、エアフィルター63は、左右に分割されて2個配されると共に、清掃を容易にするため空気調和機本体60に対し着脱自在である。また、回転ロータ28は、それぞれのエアフィルター63に対向して設けられている。
本実施例では、回転ロータ28の有効清掃幅L(皮革清掃体38の全幅寸法)を、一般的な空気調和機用のエアフィルター63の幅寸法に合わせて、300mm以上としている。
以上のように構成された空気調和機の動作、作用は、以下の通りである。
空気調和機本体60を例えば、冷房運転すると、送風ファン65の運転により室内の空気が吸込口62から流入し、エアフィルター63を通って熱交換器61に至り、そこで冷却され、冷たい空気が吹き出し口64から室内に吹き出される。吸込口62から吸引される室内の空気に含まれる塵埃は、エアフィルター63で捕獲され、そのエアフィルター63の表面に次第に堆積していく。エアフィルター63の表面に塵埃が堆積してくると、空気の通気圧損が増加し、熱交換器61での熱交換効率が低下してくるので、定期的に或いは、必要に応じて、エアフィルター63に堆積した塵埃の除去運転が必要となる。
そこで、本実施例では、塵埃の除去運転を開始すると、図12に示すように、エアフィルター63の下端に位置していた回転ロータ28が、回転駆動手段(図示せず)により矢印方向(反時計方向)に回転しながら、上下移動手段(図示せず)で、エアフィルター63の表面に沿って上方に移動する。この間に、回転ロータ28の皮革清掃片49の先端部で、エアフィルター63の上流側表面に付着堆積した塵埃が掻き落とされる。掻き落とされた塵埃は、図示しない塵埃吸引手段で吸引されると共に、屋外に排出されるようになっている。
なお、上下移動手段により、回転ロータ28が、エアフィルター63の上端まで達すると、自動的に下降し、次回の塵埃の除去運転用に、エアフィルター63の下端で停止するようになっている。また、回転ロータ28の回転方向は、矢印方向と反対方向(時計方向)であっても良く、その回転方向は、清掃性能等を考慮しながら適宜決定すればよい。
皮革清掃体38を有する回転ロータ28が回転しながら、エアフィルター63の表面に接触して、エアフィルター63に付着した塵埃をこすり取ったり、絡め取ったり、掻き取ったりして、効率よく除去する。
以上のように、本実施例によれば、エアフィルター63の清掃用に、掃除性能、耐久性、取り扱い性、組立て性に優れた回転ロータ28を使用しているので、掃除性能、耐久性に優れた空気調和機を安価に提供することができる。
なお、上記実施例では、2個のエアフィルター63のそれぞれに回転ロータ28を設けたが、一本の長尺の回転ロータで、2個のエアフィルター63の清掃を同時に行うようにしても良い。
ここで、回転ロータ28の作用について、図13を用いて説明する。図13は、回転ロータ28を空気調和機のエアフィルター63に付着した塵埃の除去の様子を示す斜視図で、回転ロータ28が回転すると、皮革清掃体38はらせん状になってエアフィルター63の表面の塵埃を掬い取るような作用をするので、エアフィルター63の表面の塵埃を確実に除去し、吸引することが出来る。また、皮革清掃体38は摩擦抵抗が小さいので、エアフィルター63の表面をこすりつけるようにして、きれいに磨くことができる。
また、略V字形状の回転ロータ(図示せず)を使用すれば、回転ロータが回転すると、被清掃面から除去された塵埃は、回転ロータの回転方向によっては、エアフィルター63から掻き取られた塵埃は、皮革清掃体38によって、中央または外側に設けられた吸引装置に集められ、吸引されることにより、エアフィルター63から掻き取られた塵埃の除去効果が増加する。
以上のように本実施例によれば、空気調和機のエアフィルターに付着した塵埃を掬い取るような作用をすることにより塵埃の除去性能が向上し、しかも、被掃除面に線状に接触するので磨き効果も向上し、塵埃の除去性能が大幅に向上するので、掃除性能に優れた空気調和機を提供することが出来る。
以上のように、本発明にかかる回転ロータは、掃除性能、耐久性、取り扱い性、組立て性に優れたもので、電気掃除機や空気調和機に限らず、空気清浄機、換気装置などエアフィルターを有する各種機器にも広く利用することができるものである。
本発明の第1の実施例における床吸込具の分解斜視図
同実施例における回転ロータの展開斜視図
同実施例における基部を有した清掃片の斜視図
同実施例における清掃片の平板状の斜視図
同実施例における清掃片の断面図
同実施例における清掃片の製造における構想図
同実施例におけるスリットを有する清掃片の斜視図
同実施例における山切りカットの段差を有する回転ロータの斜視図
同実施例における凹凸の段差を有する清掃片の斜視図
同実施例における起毛部を有する清掃片の斜視図
従来の床吸込具を接続した電気掃除機の全体側面図
本発明の第2の実施例における空気調和機の縦断面図
同実施例における空気調和機の内部構造を示す斜視図
従来の回転ロータを搭載した床吸込具の分解斜視図
従来の空気調和機用回転ロータの部分斜視図
従来の回転ロータを搭載した空気調和機の縦断面図
同回転ロータの斜視図
符号の説明
1 床吸込具 2 開口部 3 下ケース 4 接続管 5 回転ロータ
5a プーリー 5b 軸受け 5c ロータ 6 ベルト 7 モーター 8 溝部
9 軟質ブレード 10 起毛布 11 空気調和機 12 吸込口
13 熱交換器 14 エアフィルター 15 回転ロータ 16 清掃体
17 排出口 18 ファン 19 吹き出し口 20 ローラー 27 床吸込具
28 回転ロータ 29 モーター 30 ベルト 31 プーリー 32 軸受け
33 軸受けホルダー 34 ロータ 35 溝部 36 基部 37 清掃片
38 皮革清掃体 39 スリット 40 皮革清掃片 41 皮革清掃体
42 凸部 43 皮革清掃体 45 起毛部 46 回転ロータ 47 清掃体
49 皮革清掃片 50 掃除機本体 51 集塵室 52 電動送風機
53 電動送風機室 54 ホース 55 ハンドルパイプ 56 延長管
60 空気調和機 61 熱交換器 62 吸込み口 63 エアフィルター
64 吹き出し口 65 ファン 69 縫製 72 繊維 73 不織布
74 気泡 75 基部 76 空隙部 77 皮革清掃体 78 凸部 79 凹部
80 リブ 81 ロータ 82 軟質ブレード