JPS623214B2 - - Google Patents
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- JPS623214B2 JPS623214B2 JP56109308A JP10930881A JPS623214B2 JP S623214 B2 JPS623214 B2 JP S623214B2 JP 56109308 A JP56109308 A JP 56109308A JP 10930881 A JP10930881 A JP 10930881A JP S623214 B2 JPS623214 B2 JP S623214B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
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- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
本発明は主として自動車用途を対象とし、板厚
1.6〜4.0mm程度で50Kgf/mm2以上の引張強さを有
し、加工性、溶接性の優れた高強度熱延鋼板の製
造法に係る。 従来、引張強さ50Kgf/mm2以上の高強度熱延鋼
板は、高C―Si―Mn系、またはSi―Mnに、Nb,
V,Tiを添加しこれらの炭窒化物の析出強化に
よつて強度をもたせる析出強化系によつて製造さ
れていた。しかし前者は高Cのための点溶接性の
悪さ、後者は析出強化特有の伸びの低さによりそ
の使用用途が限られていた。 こういう状況を打ち破るものとして期待された
材料がフエライトとマルテンサイトからなるいわ
ゆる複合組織鋼(Dual Phase鋼)である。低降
状点、高加工硬化、高伸びというような加工性の
点からは実に好ましい性質を有する。この鋼のも
ともとの製造法はα/γ2相域に加熱後急冷する
という方法で連続焼鈍設備がこれに適していた。
しかし一般的には熱延鋼板の連続焼鈍設備はない
ため熱延ままでの製造、すなわち非調質化の開発
研究が行なわれ、いくつかの方法が提案されてい
るが工程条件に過度の負荷が加わつたり、多くの
合金元素を必要とするというような問題が生じ、
経済性、特性上の観点から実用化されるに至つて
いない。 以上のようなことを背景に開発、実用化された
のが本発明である。本発明の要旨とするところは
下記の通りである。 (1) C:0.05〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:0.7
〜1.5%、P:0.01%以下、S:0.005%以下、
Al:0.01〜0.10%を含み残部Feおよび不可避的
不純物元素からなる鋼をスラブとした後、1000
〜1100℃に加熱し、熱間圧延してAr3変態点〜
930℃で仕上圧延を終了し、400℃超〜600℃で
巻取ることを特徴とする引張強さが50Kgf/mm2
以上で加工性、溶接性の優れた高強度熱延鋼板
の製造法。 (2) C:0.05〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:0.7
〜1.5%、P:0.01%以下、S:0.005%以下、
Al:0.01〜0.10%、さらにCa:0.0005〜0.0050
%又はREM:0.005〜0.015%の1種または2種
を含み残部Feおよび不可避的不純物元素から
なる鋼をスラブとした後、1000〜1100℃に加熱
し、熱間圧延してAr3変態点〜930℃で仕上圧
延を終了し、400℃超〜600℃で巻取ることを特
徴とする引張強さが50Kgf/mm2以上で加工性、
溶接性の優れた高強度熱延鋼板の製造法。 すなわち、C,Si,Mnを中心とする成分規制
と特定熱延条件との組合せにより微細なフエライ
トと緻密なパーライトからなる組織を得て強度と
伸びを確保する。このときの伸びは複合組織鋼に
は劣るものの析出強化鋼よりは良く、自動車メン
バー等の用途には十分成形上耐えられる。自動車
用熱延鋼板における加工性は伸びばかりでなく、
伸びフランジ性も重要な要素となる。そのため硫
化物系介在物を徹底的に減少させ、さらに場合に
よつてはその形状を球状化させるためCa又は
REMの1種又は2種を添加する。自動車用熱延
鋼板にとつて次に重要な特性として点溶接性があ
げられる。点溶接性としては溶接部を垂直に引き
はがしたときにもとの接合面からはく離しないこ
とや、疲労強度が十分高いことなどが要求され
る。このような点溶接性を向上させるには鋼中の
C,P,Sを十分に下げればよいことが判明し
た。 以上の点より成分および熱延条件を特定し、絶
妙の組合せとすることで加工性、点溶接性、経済
性をバランスさせた高強度熱鋼板を製造するに至
つた。 次に本発明の各構成要件の数値を限定した理由
について述べる。 Cはフエライト・パーライト鋼として強度を保
つために必要であり、そのためには最小限0.05%
必要である。しかし0.15%を越えるとパーライト
部分が増えすぎ延性の劣化をもたらし、また、点
溶接性も劣化する。そのためCは0.05〜0.15%と
した。 Siはフエライト相に置換型固溶し強度を高める
のに有効である。さらにフエライトの加工硬化程
度を高め延性を増す作用も有する。しかし1.5%
を越えるとこれらの効果は飽和する方向になり、
またSiスケールにより酸洗性も悪くなりさらにま
た経済性も損なわれるのでSi添加量は1.5%以下
とした。 Mnは緻密なフエライト・パーライト組織を作
り出し、鋼の強度とともに延性をも向上させるの
で0.7%は必要である。しかしMn添加量が多すぎ
ると層状組織を呈し延性を劣化させるとともにコ
スト高となるので上限を1.5%とした。 次にPは点溶接性の観点から徹底的に下げる必
要があり0.01%以下とした。また、Sは点溶接性
および伸びフランジ性の観点よりこれまた徹底的
に下げる必要があり、0.005%以下とした。な
お、点溶接性をさらに一層向上させるためにはC
と2倍のPと4倍のSの和を0.15%以内にするこ
とが好ましい。 伸びフランジ性改善のためには硫化物系介在物
を減らすことが必要で、そのために上述のように
S量を減らす必要があるが、もつと厳しい伸びフ
ランジ用途のためには硫化物系介在物を減らす上
に、これを球状化することが好ましい。そのため
にCa又はREMの1種又は2種を添加して可塑性
の少ない硫化物とするのが好ましい。それぞれ
0.0005%、0.005%未満では球状化の効果は少な
く、一方それぞれ0.0050%、0.015%超では球状
化の効果は飽和する上にかえつて酸化物系介在物
を増加させ延性を劣化させるのでCa又はREMの
1種又は2種を添加する場合はそれぞれ0.0005〜
0.0050%、0.005〜0.015%とする必要がある。 Alは脱酸剤として必要である。0.01%未満では
その効果がなく0.10%を超えるとアルミナ系介在
物が増し、鋼の延性を劣化させる。 次に熱延条件であるが熱延条件は本発明にあつ
ては成分との組合せにおいて非常に重要な構成要
件である。 まず、加熱温度は1100℃以下とする必要があ
る。本発明鋼にあつては延性の点よりTi,Nb,
Vを添加していない。従つてオーステナイトは熱
延中細粒にはなりにくいし、また未再結晶である
温度域も少ない。そこで圧延前の状態におけるオ
ーステナイト粒を小さくしておかないと微細な最
終組織は得られない。そのため低温加熱する必要
がある。また、このことから省エネルギーという
利点も生ずる。加熱温度の下限値は仕上圧延温度
の確保から決められ、1000℃とする。これより低
い加熱条件を採用すると仕上圧延に負荷がかかり
過ぎ、また仕上圧延温度を確保できない。 次に仕上圧延終了温度はAr3変態点〜930℃と
する必要がある。930℃を越えると変態前オース
テナイトが粗大化しベイナイト状組織を呈し延性
を劣化させる。またAr3変態点未満で圧延を行な
うとフエライト変態を起しかつそのフエライトが
加工を受け延性を劣化させる。 巻取温度は成分、加熱温度と関連して本発明特
有の性質を得る上で重要な構成要件である。600
℃を越える巻取温度では微細なフエライト・パー
ライト組織が得られず強度が確保できない。一
方、400℃以下の巻取温度では圧延スピードが限
定され、生産性が落ちることや、形状がくずれる
ため矯正工程が必要となることなどのため経済性
が損なわれる。そのため巻取温度は400℃超〜600
℃とした。一方、安定して微細な組織を得るには
480℃以下の巻取温度とすることが好ましい。 なお、ここでいう微細なフエライト・パーライ
ト組織とは5〜10μm程度の径をもつポリゴナル
フエライトとその粒界に存在する微細パーライト
からなる組織でパーライトは完全な層状組織は示
していない。また一部島状マルテンサイトやベイ
ナイトが存在する場合もある。 以上で構成要件の数値限定理由につき述べた
が、ここで用いる鋼スラブは分塊―造塊法あるい
は連続鋳造法いずれによつてもよいが経済性を考
えると連続鋳造法によるのが好ましい。また、省
エネルギーのためスラブの加熱炉への温間装入も
好ましい。仕上圧延終了後巻取までの冷却は通常
のホツトストリツプで行なわれる方法でよく特に
限定するところではない。しかし冷却テーブル上
で冷却パターンをコントロールし、より微細な組
織を得たり、帯状組織を避けたりすることは好ま
しいことであるので特に妨げるものではない。 次に本発明を実施例にて説明する。 第1表に示す成分を有する鋼を転炉にて溶製
し、連続鋳造にてスラブとしたのち熱延を行なつ
た。熱延条件を第2表に示す。第1表の鋼のうち
符号A〜Dは本発明鋼である。符号Eの鋼はC量
が、符号Fの鋼はP量が本発明とは異なる。ま
た、熱延条件ではNo.1、3、5〜10,13が本発明
に基づく条件で、No.2は巻取温度が、No.4は加熱
温度が、No.14は加熱温度と仕上終了温度が本発明
とは異なる。
1.6〜4.0mm程度で50Kgf/mm2以上の引張強さを有
し、加工性、溶接性の優れた高強度熱延鋼板の製
造法に係る。 従来、引張強さ50Kgf/mm2以上の高強度熱延鋼
板は、高C―Si―Mn系、またはSi―Mnに、Nb,
V,Tiを添加しこれらの炭窒化物の析出強化に
よつて強度をもたせる析出強化系によつて製造さ
れていた。しかし前者は高Cのための点溶接性の
悪さ、後者は析出強化特有の伸びの低さによりそ
の使用用途が限られていた。 こういう状況を打ち破るものとして期待された
材料がフエライトとマルテンサイトからなるいわ
ゆる複合組織鋼(Dual Phase鋼)である。低降
状点、高加工硬化、高伸びというような加工性の
点からは実に好ましい性質を有する。この鋼のも
ともとの製造法はα/γ2相域に加熱後急冷する
という方法で連続焼鈍設備がこれに適していた。
しかし一般的には熱延鋼板の連続焼鈍設備はない
ため熱延ままでの製造、すなわち非調質化の開発
研究が行なわれ、いくつかの方法が提案されてい
るが工程条件に過度の負荷が加わつたり、多くの
合金元素を必要とするというような問題が生じ、
経済性、特性上の観点から実用化されるに至つて
いない。 以上のようなことを背景に開発、実用化された
のが本発明である。本発明の要旨とするところは
下記の通りである。 (1) C:0.05〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:0.7
〜1.5%、P:0.01%以下、S:0.005%以下、
Al:0.01〜0.10%を含み残部Feおよび不可避的
不純物元素からなる鋼をスラブとした後、1000
〜1100℃に加熱し、熱間圧延してAr3変態点〜
930℃で仕上圧延を終了し、400℃超〜600℃で
巻取ることを特徴とする引張強さが50Kgf/mm2
以上で加工性、溶接性の優れた高強度熱延鋼板
の製造法。 (2) C:0.05〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:0.7
〜1.5%、P:0.01%以下、S:0.005%以下、
Al:0.01〜0.10%、さらにCa:0.0005〜0.0050
%又はREM:0.005〜0.015%の1種または2種
を含み残部Feおよび不可避的不純物元素から
なる鋼をスラブとした後、1000〜1100℃に加熱
し、熱間圧延してAr3変態点〜930℃で仕上圧
延を終了し、400℃超〜600℃で巻取ることを特
徴とする引張強さが50Kgf/mm2以上で加工性、
溶接性の優れた高強度熱延鋼板の製造法。 すなわち、C,Si,Mnを中心とする成分規制
と特定熱延条件との組合せにより微細なフエライ
トと緻密なパーライトからなる組織を得て強度と
伸びを確保する。このときの伸びは複合組織鋼に
は劣るものの析出強化鋼よりは良く、自動車メン
バー等の用途には十分成形上耐えられる。自動車
用熱延鋼板における加工性は伸びばかりでなく、
伸びフランジ性も重要な要素となる。そのため硫
化物系介在物を徹底的に減少させ、さらに場合に
よつてはその形状を球状化させるためCa又は
REMの1種又は2種を添加する。自動車用熱延
鋼板にとつて次に重要な特性として点溶接性があ
げられる。点溶接性としては溶接部を垂直に引き
はがしたときにもとの接合面からはく離しないこ
とや、疲労強度が十分高いことなどが要求され
る。このような点溶接性を向上させるには鋼中の
C,P,Sを十分に下げればよいことが判明し
た。 以上の点より成分および熱延条件を特定し、絶
妙の組合せとすることで加工性、点溶接性、経済
性をバランスさせた高強度熱鋼板を製造するに至
つた。 次に本発明の各構成要件の数値を限定した理由
について述べる。 Cはフエライト・パーライト鋼として強度を保
つために必要であり、そのためには最小限0.05%
必要である。しかし0.15%を越えるとパーライト
部分が増えすぎ延性の劣化をもたらし、また、点
溶接性も劣化する。そのためCは0.05〜0.15%と
した。 Siはフエライト相に置換型固溶し強度を高める
のに有効である。さらにフエライトの加工硬化程
度を高め延性を増す作用も有する。しかし1.5%
を越えるとこれらの効果は飽和する方向になり、
またSiスケールにより酸洗性も悪くなりさらにま
た経済性も損なわれるのでSi添加量は1.5%以下
とした。 Mnは緻密なフエライト・パーライト組織を作
り出し、鋼の強度とともに延性をも向上させるの
で0.7%は必要である。しかしMn添加量が多すぎ
ると層状組織を呈し延性を劣化させるとともにコ
スト高となるので上限を1.5%とした。 次にPは点溶接性の観点から徹底的に下げる必
要があり0.01%以下とした。また、Sは点溶接性
および伸びフランジ性の観点よりこれまた徹底的
に下げる必要があり、0.005%以下とした。な
お、点溶接性をさらに一層向上させるためにはC
と2倍のPと4倍のSの和を0.15%以内にするこ
とが好ましい。 伸びフランジ性改善のためには硫化物系介在物
を減らすことが必要で、そのために上述のように
S量を減らす必要があるが、もつと厳しい伸びフ
ランジ用途のためには硫化物系介在物を減らす上
に、これを球状化することが好ましい。そのため
にCa又はREMの1種又は2種を添加して可塑性
の少ない硫化物とするのが好ましい。それぞれ
0.0005%、0.005%未満では球状化の効果は少な
く、一方それぞれ0.0050%、0.015%超では球状
化の効果は飽和する上にかえつて酸化物系介在物
を増加させ延性を劣化させるのでCa又はREMの
1種又は2種を添加する場合はそれぞれ0.0005〜
0.0050%、0.005〜0.015%とする必要がある。 Alは脱酸剤として必要である。0.01%未満では
その効果がなく0.10%を超えるとアルミナ系介在
物が増し、鋼の延性を劣化させる。 次に熱延条件であるが熱延条件は本発明にあつ
ては成分との組合せにおいて非常に重要な構成要
件である。 まず、加熱温度は1100℃以下とする必要があ
る。本発明鋼にあつては延性の点よりTi,Nb,
Vを添加していない。従つてオーステナイトは熱
延中細粒にはなりにくいし、また未再結晶である
温度域も少ない。そこで圧延前の状態におけるオ
ーステナイト粒を小さくしておかないと微細な最
終組織は得られない。そのため低温加熱する必要
がある。また、このことから省エネルギーという
利点も生ずる。加熱温度の下限値は仕上圧延温度
の確保から決められ、1000℃とする。これより低
い加熱条件を採用すると仕上圧延に負荷がかかり
過ぎ、また仕上圧延温度を確保できない。 次に仕上圧延終了温度はAr3変態点〜930℃と
する必要がある。930℃を越えると変態前オース
テナイトが粗大化しベイナイト状組織を呈し延性
を劣化させる。またAr3変態点未満で圧延を行な
うとフエライト変態を起しかつそのフエライトが
加工を受け延性を劣化させる。 巻取温度は成分、加熱温度と関連して本発明特
有の性質を得る上で重要な構成要件である。600
℃を越える巻取温度では微細なフエライト・パー
ライト組織が得られず強度が確保できない。一
方、400℃以下の巻取温度では圧延スピードが限
定され、生産性が落ちることや、形状がくずれる
ため矯正工程が必要となることなどのため経済性
が損なわれる。そのため巻取温度は400℃超〜600
℃とした。一方、安定して微細な組織を得るには
480℃以下の巻取温度とすることが好ましい。 なお、ここでいう微細なフエライト・パーライ
ト組織とは5〜10μm程度の径をもつポリゴナル
フエライトとその粒界に存在する微細パーライト
からなる組織でパーライトは完全な層状組織は示
していない。また一部島状マルテンサイトやベイ
ナイトが存在する場合もある。 以上で構成要件の数値限定理由につき述べた
が、ここで用いる鋼スラブは分塊―造塊法あるい
は連続鋳造法いずれによつてもよいが経済性を考
えると連続鋳造法によるのが好ましい。また、省
エネルギーのためスラブの加熱炉への温間装入も
好ましい。仕上圧延終了後巻取までの冷却は通常
のホツトストリツプで行なわれる方法でよく特に
限定するところではない。しかし冷却テーブル上
で冷却パターンをコントロールし、より微細な組
織を得たり、帯状組織を避けたりすることは好ま
しいことであるので特に妨げるものではない。 次に本発明を実施例にて説明する。 第1表に示す成分を有する鋼を転炉にて溶製
し、連続鋳造にてスラブとしたのち熱延を行なつ
た。熱延条件を第2表に示す。第1表の鋼のうち
符号A〜Dは本発明鋼である。符号Eの鋼はC量
が、符号Fの鋼はP量が本発明とは異なる。ま
た、熱延条件ではNo.1、3、5〜10,13が本発明
に基づく条件で、No.2は巻取温度が、No.4は加熱
温度が、No.14は加熱温度と仕上終了温度が本発明
とは異なる。
【表】
【表】
こうして製造した鋼帯を酸洗後切板ラインで切
板とした。その際1%の調質圧延を施した。その
後材質試験に供した。 引張試験はJIS Z2201、5号試験片を用いた。
点溶接試験は散り発生直前の条件で単点溶接を行
ない、これを引きはがし、その破断面がもとの接
合面にかかつていないものを〇、いるものを×と
した。また穴拡げ試験は直径20mmの剪断穴を押し
広げクラツクが板厚を貫通する時点でとめその時
の穴径ともとの穴径(20mm)の比で示した。 材質試験の結果を第3表に示す。なお、第3表
には代表的な複合組織鋼と析出強化鋼の材質試験
結果も合わせて示す。また、第1図には第3表に
おけるNo.1〜14の鋼の引張強さ、伸びの関係を示
す(◎印複合組織鋼、▲印析出強化鋼)。
板とした。その際1%の調質圧延を施した。その
後材質試験に供した。 引張試験はJIS Z2201、5号試験片を用いた。
点溶接試験は散り発生直前の条件で単点溶接を行
ない、これを引きはがし、その破断面がもとの接
合面にかかつていないものを〇、いるものを×と
した。また穴拡げ試験は直径20mmの剪断穴を押し
広げクラツクが板厚を貫通する時点でとめその時
の穴径ともとの穴径(20mm)の比で示した。 材質試験の結果を第3表に示す。なお、第3表
には代表的な複合組織鋼と析出強化鋼の材質試験
結果も合わせて示す。また、第1図には第3表に
おけるNo.1〜14の鋼の引張強さ、伸びの関係を示
す(◎印複合組織鋼、▲印析出強化鋼)。
【表】
【表】
第3表および第1図より明らかなように本発明
による鋼は析出強化鋼よりはるかに伸びが優れて
おり、また、点溶接性にも優れている。さらに極
低Sまたは極低Sに硫化物形状制御元素を添加し
ているので伸びフランジ性も穴拡げ比で1.6以上
と極めて良好である。 また、上述のごとく本発明による熱延条件は生
産性阻害要因が少なく、形状等の歩留り落ちも少
ないため経済性も良好である。 本発明による鋼帯はそのまま黒皮にて用いても
よく、また酸洗して用いてもよい。あるいは剪断
ラインにて切板としてもよい。その際、レベラー
または調質圧延により形状を整えたり、巻きぐせ
を矯正してもよい。
による鋼は析出強化鋼よりはるかに伸びが優れて
おり、また、点溶接性にも優れている。さらに極
低Sまたは極低Sに硫化物形状制御元素を添加し
ているので伸びフランジ性も穴拡げ比で1.6以上
と極めて良好である。 また、上述のごとく本発明による熱延条件は生
産性阻害要因が少なく、形状等の歩留り落ちも少
ないため経済性も良好である。 本発明による鋼帯はそのまま黒皮にて用いても
よく、また酸洗して用いてもよい。あるいは剪断
ラインにて切板としてもよい。その際、レベラー
または調質圧延により形状を整えたり、巻きぐせ
を矯正してもよい。
第1図は実施例に用いた鋼の引張強さと伸びの
関係を示す図である。
関係を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.05〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:0.7
〜1.5%、P:0.01%以下、S:0.005%以下、
Al:0.01〜0.10%を含み残部Feおよび不可避的不
純物元素からなる鋼をスラブとした後、1000〜
1100℃に加熱し、熱間圧延してAr3変態点〜930
℃で仕上圧延を終了し、400℃超〜600℃で巻取る
ことを特徴とする引張強さが50Kgf/mm2以上で加
工性、溶接性の優れた高強度熱延鋼板の製造法。 2 C:0.05〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:0.7
〜1.5%、P:0.01%以下、、S:0.005%以下、
Al:0.01〜0.10%、さらにCa:0.0005〜0.0050%
又はREM:0.005〜0.015%の1種または2種を含
み残部Feおよび不可避的不純物元素からなる鋼
をスラブとした後、1000〜1100℃に加熱し、熱間
圧延してAr3変態点〜930℃で仕上圧延を終了
し、400℃超〜600℃で巻取ることを特徴とする引
張強さが50Kgf/mm2以上で加工性、溶接性の優れ
た高強度熱延鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10930881A JPS5811734A (ja) | 1981-07-15 | 1981-07-15 | 加工性、溶接性の優れた高強度熱延鋼板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10930881A JPS5811734A (ja) | 1981-07-15 | 1981-07-15 | 加工性、溶接性の優れた高強度熱延鋼板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5811734A JPS5811734A (ja) | 1983-01-22 |
JPS623214B2 true JPS623214B2 (ja) | 1987-01-23 |
Family
ID=14506903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10930881A Granted JPS5811734A (ja) | 1981-07-15 | 1981-07-15 | 加工性、溶接性の優れた高強度熱延鋼板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5811734A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0719828B2 (ja) * | 1986-03-14 | 1995-03-06 | 東芝精機株式会社 | ペレット突き上げ方法 |
JPH0747798B2 (ja) * | 1989-11-30 | 1995-05-24 | 新日本製鐵株式会社 | バーリング性と延性の優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
JP2609732B2 (ja) * | 1989-12-09 | 1997-05-14 | 新日本製鐵株式会社 | 加工性とスポット溶接性に優れた熱延高強度鋼板とその製造方法 |
JP2952624B2 (ja) * | 1991-05-30 | 1999-09-27 | 新日本製鐵株式会社 | 成形性とスポット溶接性に優れた高降伏比型熱延高強度鋼板とその製造方法および成形性に優れた高降伏比型熱延高強度鋼板とその製造方法 |
KR100470647B1 (ko) * | 2000-12-11 | 2005-03-07 | 주식회사 포스코 | 이상역 제어압연에 의한 용접구조용 강재의 제조방법 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54131524A (en) * | 1978-04-04 | 1979-10-12 | Nippon Steel Corp | High-ductile, low-yield ratio, high-tensile, heat rolled steel plate production |
JPS5723025A (en) * | 1980-07-14 | 1982-02-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Manufacture of hot-rolled high tensile steel plate having excellent local ductility |
-
1981
- 1981-07-15 JP JP10930881A patent/JPS5811734A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54131524A (en) * | 1978-04-04 | 1979-10-12 | Nippon Steel Corp | High-ductile, low-yield ratio, high-tensile, heat rolled steel plate production |
JPS5723025A (en) * | 1980-07-14 | 1982-02-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Manufacture of hot-rolled high tensile steel plate having excellent local ductility |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5811734A (ja) | 1983-01-22 |
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